サルヒツのグルメ探訪♪【第213回】
鰻家
℡)06‐6302‐7200
カテゴリ:鰻料理
往訪日:2023年8月25日
所在地:大阪市淀川区西中島4‐5‐22(新大阪ビル1F)
営業時間:(日曜・祝日定休)
平日)11:00~17:00
土曜)11:00~19:00
アクセス:御堂筋線・北中島南方駅より徒歩1分
駐車場:なし
■10席
■予算:5,000円~7,500円
■予約:不可(当日9時30分より記帳開始)
■カード:現金のみ
《やっぱり鰻も関西風かな》
ひつぞうです。夏になると無性に鰻を食べたくなる性分の僕ら。調べてみると大阪府内でも折り紙つきの名店が近くにあるではないですか。土用丑の日は混雑が予想されるので、ひと月ほど経ったところで訪ねてみました。以下、往訪記です。
「喰う喰う」 おごってくれ
★ ★ ★
場所は御堂筋線・北中島南方駅の北口改札から徒歩1分ほどの好立地である。ただ、席を確保するまでそれなりのハードルがあることが判った。
定休日は日曜・月曜・祝祭日。普通の勤め人は土曜以外に通えない。ここが第一のハードル。
更に、当日並んだ順に記帳して席を確保しなければならない。1時間総入れ替え制で10席/回。営業時間は11時~17時と書かれているが、ランチ枠は11時~14時まで。つまり三回転(30人)しかない。
「14時以降に入店すればいいんじゃね?」
一挙に1万円以上に跳ね上がるんだよ(ま、ランチでも特上になると7480円だけど)。それに14時から食事ってのも中途半端だしね。
「鰻自体が超高級品になってるしにゃ」
ということで、席の確保に単身乗り込んだ(土曜は瞬時に満席らしいので平日狙いで)。受付開始は9時30分から。到着したのは8時45分。既に4人並んでいた。代表待ちOKなので油断できないが、なんとかありつけそうだ。まだまだ猛暑のさなかだったので日傘を持参したが、ビルの谷間にあったので日陰を確保できた。
「よろしくお頼む」
そして9時30分。記帳順に詰めていくシステムではなく、それぞれの時間枠を自由に選べる。やはり12時スタートが一番人気で最後の二席だった。逆に11時スタートはまだ余裕があった。すぐに30席が埋まり、皆駅の方角に散っていく。二時間以上あるので一度家に戻ることにした。
そして再訪。すでに店の前は鰻のいい匂いでもうもう。一斉スタートなので遅刻は厳禁だ。
着席してメニューをめくる。特上・上・並の違いは、通常鰻の量だが、当店はご飯の量も多めを選べる。せっかくありつけたのだ。特上にすることにした。小鉢の数も増える。
「食べ過ぎやろ」 おサルは上でいい
因みに気になる撮影は「他の客と店内はNG。食事だけならばOK」と席ごとに貼り紙されていた。ルールを破る客がいるのだろう。
=うざく=
夏は酢の物に限る。
=う巻き・八幡巻き=
ふわとろの玉子に覆われた微塵切りのう巻き。八幡(やわた)巻きは濃厚なタレでカリカリに鰻を焼きあげている。酒が欲しくなるね。これ。
「ツマミだの」
でもおサルさ。なんで八幡巻きっていうの?おせちにも出てくるよね。
「京都の八幡市の郷土料理らしいにゃ」
ごぼうの産地なんだね。
この後はジッと焼き師の仕事を見つめ続ける。関西風の腹開きの大振りの鰻が、金串で反物のように裏表と翻される。次第に熱が加わり、ふっくらと白身が浮き上がる様子もよく判る。
「涎が出るにゃ」
=うな重=
さて。どんな感じなんでしょうね。
梨地の蒔絵風の重箱が実に大きい。開けてみる。
湯気と一緒に、艶のあるふっくらとした備長炭仕込みの鰻まるまる一匹が現れた。
「ほんとだ。ヒツの方が身が厚い!」
味は同じだけどね。ご飯の量を最初に訊かれたが、炭水化物はセーブ中なので泣く泣く並みで我慢。
この日の鰻は鹿児島産。日によって産地が違うんだね。子供の頃は静岡(浜松)というイメージだったけれど、現在の漁獲量一位は鹿児島県なんだ。
「そーだよ」 ジョーシキだよ
皮と身の表面がカリカリで歯応えよく、そして、香ばしい。最初は山椒をかけずにどうぞと言われたが、その意味がよく判る。この香気。鰻家の骨頂はこの香りとふわりとした身の食感だ。タレはやや甘で、追いタレもあるが不要だろう。
「ご飯も美味しいにゃ♪」
米は明らかに新米。艶々で粘り気があり、タレもよく絡む。旨い。最後に少しだけ山椒を足した。すごいピリ辛味だった。
=肝吸い=
ミツバの香りとダシ。ご馳走様でした。
高級店ということで緊張気味だったが、職人の皆さんも時折笑顔を覗かせていた。
「緊張しすぎなんだよ」
お酒には力を入れていないようだ。1時間1回転なので長居されても困るという道理かな。噂どおり、味よし、香りよし、歯応えよしのうな重だった。もう少し関西の鰻を食べ比べて理解を深めたいが、そのためには先立つものが…。
「交渉はできんよ」 小遣いでやりくりお願いすゆ
(おわり)
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