サルヒツの酒飲みライフ♪【第183回】
守破離 試験醸造 秋津山田錦
製造年月:2021年3月
出荷年月:2023年3月
生産者:松本酒造㈱
所在地:京都市伏見区
タイプ:清酒 火入れ
原料米:東条秋津地区産・山田錦100%
精米歩合:非公開
アルコール:14度
販売価格:2,500円(税別)
※特約店販売品
※味覚の表現は飽くまで個人的なものです
ひつぞうです。久しぶりの自宅飲み。この夜は松本酒造のトップ銘柄《守破離》の試験醸造酒。ノーマル守破離を知らずにいきなりラボ系から入るのもどうかと思いましたが、酒飲みに“文法”はない。手に入るときに飲む。ということで禁じ手満載のテイスティング・メモです。
★ ★ ★
松本酒造の創業は寛政三(1791)年。老舗の多い京都でもとりわけ歴史ある蔵だ。澤屋まつもとといえば守破離。芸道、あるいは武道の嗜みがある人には馴染深い言葉で、利休の教えに始まると言われている。即ち、師の教えを守り、いずれその規矩を破り、定理を離れて己を築く。「道」を志す者すべてが向かう思想だ。であればこそ、定評を勝ち得ても、常に新たな試みに挑むのだろう。
それなのに、定番を知らずにラボ系を頂戴するというのはどうなんだろうね。
「飲める時に飲むべきなんじゃね?」 気にすんな
だよね。
使用米は山田錦の最高クラス、兵庫県東条産。精米歩合は非公開だ。度数14度なので低アルの部類になる。製造から二年。丁寧に寝かされた酒の仕上がりが愉しみ。
これはやっぱりフルートでしょ。しっかり空気を巻き込んで…。
「日本酒とは思えないにゃ」
たてた泡がスプマンテみたいだ。生酒ではないのに生きた感じが伝わってくるよ。
飲んだ感じはどう?
「すごい泡泡にゃ。でも甘くない」
ホントだね。発泡日本酒は概して甘口だけど、この酒は荒ばしりのような苦みが特徴だね。米の円やかな甘味に抑えて、低アルながらアルコールのアタックはしっかりしている。
「軽いのに存在感あるにゃ」
食事は?
「要望に応えてワイン風のおつまみにした」
自家製ドライトマト 点天の揚げ餃子 カリカリ手羽先おサル風
旨い酒には旨い酒肴だね。ありがとうございました。
低アルは飲みやすさを追求した訳ではない。五味のバランスよりも、ふわりとした舌触りと喉越し。一般に抱かれがちな清酒のモッサリした舌触りと一線を画したModern SAKE。そんな個性を表すためのひとつのスペックに過ぎない。至極当たり前のことに気づかせてくれた酒だった。
「酒飲み仲間のヒツヒツよ、一週間後に大阪で逢おうぜ」 しばらくおひとり様♪
友だちかよ。
(おわり)
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