サルヒツのグルメ探訪♪【第178回】
挽肉と米 渋谷店
℡)03‐6455‐2959
カテゴリ:ハンバーグ専門店
往訪日:2023年3月25日
所在地:東京都渋谷区道玄坂2‐28‐1椎津ビル3F
営業時間:11時~21時
■31席
■アクセス:JR渋谷駅改札から徒歩5分(A0出口)
■予算:1,600円~2,000円
■予約:不可(朝8時~9時に整理券配布)
■支払い:前払い制
※午前9時前にランチの整理券終了の可能性あり
《実はとってもむつかしい二段重ね》
いまだ東京日記を書き続けているひつぞうです。転居先でのイベントも盛りだくさんで日記をしたためる暇がありません。ある意味倖せですね。さて、佐伯祐三の回顧展の鑑賞を終えたのち、再び渋谷に戻りました。向かった先は人気の炭火焼き専門店《挽肉と米》です。吉祥寺に本店を構える焼肉店《肉山》の資本です。あの《肉と日本酒》と一緒。ネーミングとコンセプトも似てますね。ここはおサルが『マツコの知らない世界』で観てぜひ行きたいと言い続けていたのです。以下、往訪記です。
★ ★ ★
さて。満を持しての《挽肉と米》である。ランチの整理券は午前九時で長蛇の列と聞いた(正確にはおサルからそう聞かされた)ので、八時半到着を目指した。しかし、今回も電車の遅延に出くわし、渋谷駅到着は8時40分。ギリセーフか。イメージトレーニングしたとおりに、小走りでA0出口に直行する。出口から一つ目の角を右折だ。そこまでくれば肉汁の妄想に取りつかれた亡者の群れが列を…あれ?
「誰もいないにゃ」 もしかしてキセキの一番乗り?
しかし、「ここで待つように」と看板が出ている。よく判らんが、ひとり女性が前にいるので間違っていないのだろう。その後、次々に若い男女が到着して「ここでいいんですか?」と訊かれるしまつ。その一方で安堵の表情を浮かべたカップルがやはり続々と建物から出てくる。どうなっているのだ?不安になったところで、先行する女性に二階まで偵察にいってもらった。女性は戻ってこう云った。
「モウクバテイマス」👧 ←女性は中国からの旅行者だった
実は早朝から長蛇の列になってしまい、既に整理券の配布を終えてしまったというのだ。聞けばランチ分は終了。午後5時15分からになると言われた。
「どうすゆ?」
どうすゆって当然ディナーでいくでしょ?そのためにわざわざ来たのに。
「おサル、今度でもいいけど」
もはや僕の方がハンバーグの虜になってしまっていた。
ということで律儀に17時10分に到着。15分ピッチで時間を割り振っていたが、実際はアバウトらしい。そのまま入れてくれた。みればあの中国人女性はチャッカリ席に着いていた。どうやら几帳面に来る必要はないみたい。
「そうだと思ったけどにゃ」 いろいろ言うとヒツ怒るじゃん?
よく考えたら学生は春休みだし、デートするには予算的にもピッタリ。ちなみに客層は外国人40%、若い男女40%、サルヒツ世代15%、おひとり様5%と云ったところ。ターゲットの客層に商売の巧さが現れている。バブル世代は口が肥えていて一度で満足し、積極的にSNSで拡散することもない。つまり客層として拡散性がないのだ。
「悪かったにゃ」
(奇跡的に入れ替わりのタイミングに遭遇。基本満席なのでどうしても他の客の顔が入ってしまう)
まず店内に呼ばれると、注文を訊かれる。支払いはタッチパネルによるキャッシュレス。案内された席に着けばあとは肉と米が来るのを待つだけだ。光熱費や飼料の高騰を受けてか、最近値上がりしている。僕らが往訪した時点で1600円(税別)だった。
瀬戸田レモンサワー(650円)を頂いた。果実味豊か。ただし軽いので殆どジュースだ。
ちなみにおサルは朝倉ハイボール(700円)。ひと口もくれないまま飲み干したので写真はない。
「そりゃすまん」 もう喉が渇いて渇いて
テーブルの引き出しに箸そのほかが用意されている。
タレと調味料はカウンター両サイドにセット。こんな感じだ。
12時の方角から時計回りに
モウさんの麻辣辣粉
ジャオマー(実山椒・青葱・生姜・ごま油)
大蒜ふりかけ
青唐辛子のオイル漬け
青唐塩レモン
個人的には青唐塩レモンが酸味が効いて旨い。
「おサルはジャオマー」
さて。いよいよハンバークだ。ご存知のようにバーグ三個+ご飯+汁物が基本メニュー。ご飯と汁物はお替り自由だ。まずはバーグ単品で味わい、二個目は大根おろしと自家製ポン酢で、最後に二段重ねの卵掛けバーグ飯でしめる。もちろん足りない人はお替り肉(450円/90g)も注文可能。このあたりは名古屋のひつまぶしの“演出”に似ている。
焼きあがると手前の網に乗せてくれる。写真撮影もいいが、できるだけ早く口にしよう。肉汁が冷めると旨さ台無しだ。
「キミに言われたくにゃい」
米は釜炊き。極上の米だとすぐに判る。釜炊きのせいか、少し柔らかめ。
「米が立つくらいが好き」
味噌汁の具はなめこ。美味い。
いよいよ実食。何もつけずに食べてみた。「味はついています」という説明のとおり、実にうまい!これ、何もつけない方が旨いんじゃないか?薬味は演出とみていいくらいだ。
次は大根おろし。
もちろん旨い。しかし、バーグ一個ごとに白米をお代わりするのは…おサルには厳しいかも。
「三個目にたどりつきそうにない」 むぴー
ということでご飯を加勢することに…こうして私は肥っていく…。
最後は卵を載せるのだが、これが結構難しいというが。こんなのね、コツがあるのよ。
「あっちに落ちた」 へたくそ
新鮮すぎて弾力が強すぎるんだよ。
「できたけど?」
おサル旨いじゃん。
「どこがむつかしいのか理解に苦しむ」
感じ悪いね。
素材と調理法は至ってシンプル。しかし、成功の秘訣はそこにある。則ち、調理(オープンキッチンによるダイナミックな炭火焼と釜炊きの米)と食事(三つの食事法)という、ありふれていながらも優れた演出。シンプルメニューが可能にした客の高回転率とSNSを活用した廉価な宣伝。結果的に間接費も抑えられ、翻っては最高の食材も提供できるようになる。まさにWIN-WIN。マツコに頼らずとも、しばらくは挽肉と米の狂騒曲は続きそうだ。
「旨かった!」 大層満足すた
(おわり)
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