サルヒツの温泉めぐり♪【第151回】
男鹿温泉 元湯雄山閣
℡)0185‐33‐3121
往訪日:2023年1月1日~1月2日
所在地:秋田県男鹿市北浦湯本字草木原52
源泉名:男鹿温泉第二号井戸
泉質:ナトリウム・塩化物温泉
泉温:(源泉)54.4℃(浴槽)42~43℃
匂味:ほのかな鉄臭/ほのかな鉄味・塩味
色調:透明な鶯色(温度などで色調が変化)
pH:7.5
湧出量:不明(大量)
その他:動力揚湯・非加水・無濾過・かけ流し
■営業時間:(IN)15時(OUT)10時
■料金:(10畳和室)19,000円(税別)
■客室:13室
■アクセス:秋田道・昭和男鹿半島ICから40分
■駐車場:22台
■日帰り利用:11時~14時(一般800円 子供400円)
※日本秘湯を守る会会員
《お風呂に鍾乳石が…》
ひつぞうです。東北温泉旅の二日目は男鹿温泉「雄山閣」でした。一度は入りたかった泉質抜群の温泉です。日本秘湯を守る会のメンバーでもありますが、創業1965年(昭和40年)とその歴史は決して古くありません。なのにこの知名度。実は(昨年、秋田県文化功労者に選ばれた)創業者・山本次夫さんの努力にありました。以下、往訪記です。
★ ★ ★
旅先で慾をかいてはならない。その自戒訓も空しく、発作的に登った真山奥宮参りに手こずり、雄山閣の到着は定刻の15時過ぎだった。
「あちゃ~」先客さんが湯船を独占だのー
雄山閣は男鹿温泉郷の玄関ともいえる高台に位置していた。半島の先端に温泉宿を建てようと最初に考えたのが山本さん兄弟だったそうだ。試験掘削の果てに湯脈をあてて、宿を雄山閣と命名した。時代はイザナギ景気。旅行ブームも後押ししてホテル会社が続々参入。瞬く間に温泉郷の態をなすようになったらしい。
建物はいわゆるグランド系。玄関も広い。
ゆかりの深い往来神・ナマハゲ様もお出迎え。早速女将さんに部屋まで案内頂いた。
総数13室。古民家風の二間続きの大部屋から、和モダン調のコンセプトルームまで選択肢は幅広い。いずれも格調高い調度で設えられている。
泥湯温泉に続き、こちらも解禁初日に予約した。角部屋の10畳間《つげ》が僕らの部屋だ。
窓からの日本海が美しい。この日は雲が多くなってしまったけれど。
「冬の日本海っぽくて好い」ドラマの舞台みたい
ここ火曜サスペンス劇場のロケにも使われているんだよ。山崎努さんが投宿したんだって。
広縁も綺麗。清掃が行き届いている。
因みに未就学児はご遠慮頂いている。僕らのような静けさを第一優先する客層にはピッタリ。
それでは温泉探検に繰り出そう!
=元湯雄山閣の特徴=
■源泉
・動力揚湯泉(自家源泉)
・猛烈に噴出する源泉“吹き流し”
・まろやかな塩辛さが豊かな万能泉
■部屋
・古民家風大部屋
・和モダンコンセプトルーム
・8~10畳和室など多種多様
■食事
・近海の海の幸と名物“石焼料理”で舌鼓
=当館の攻略法=
■浴場
・内風呂1+半露天風呂1
・男女入替なし
・夜間利用可
■家族風呂:なし
■利用時間:15時~翌日9時(入室8時30分まで)
■日帰り利用:11時~14時
基本的に源泉は同じ。14時まで日帰り客がいるので厳密な意味でのバージン湯にはあずかれない。ここも深夜のひとり湯に賭けることにした。「泉質に拘らない保養目的の客層」主体なので大丈夫だろう。
そもそもすでに出遅れているので何を語っても同じだ。
「浴場まで遠いにゃ」
廊下には当館ゆかりの俳優のパネルが続く。1968年に杉村春子先生が投宿されたことが記されていた。僕も尊敬する名優だ。地方公演だったとはいえ、当時まだ無名だった雄山閣を選んだことは、山本翁を感動させたに違いない。
ここでおサルとはお別れ。
立派な脱衣所である。
(先客に遠慮して写真は夜更け過ぎのものです)
そしていよいよ男鹿温泉の湯とご対面!
これこれ!この色!そして析出物の塊り。すごくない?
パイプから噴出する飛沫の成分が正面の枠に凝結わけね。
三箇月で配湯用の塩ビ管が詰まるくらいだからね。
でないと思ったら…
ゴゴゴゴゴゴってすごい音を立ててブシュっと噴出する。
味見しようと手を差し出すと、これが熱いのなんのって!
「アホちゃう?」
飲泉しないと成分判らないじゃん。
「どーだったの?」
同じ秋田(大仙市)の強首温泉に似ているけれど、あそこほど塩辛くない。
うしお汁みたいな味♪
「ふ~ん」なんとコメントしたものか
こんな感じで三箇月で詰まるんだって。
「人様にも効果絶大だにゃ」
入り過ぎないようにね。お尻爛れているんだし。
「なにをこれしき」何のために尻がふたつあると思う
女湯(内風呂)はこんな感じ。
「季節や気温によってお湯の色が灰色や黒などに変わるそうだよ」
それでは露天風呂へ。
直接繋がった階段をおりる。
天井つきなので雪が降っても大丈夫。
寒いせいか、こっちは人気薄(笑)。
外気温に触れるせいか41℃くらいだね。だから長く入ることができる。
ふむふむ。
ブシっと出る瞬間を捉えるのがなかなかむつかしい。
紅葉の季節は綺麗だろうね。創業者のアイデアが詰まった宿だ。
湯の花は淡褐色だね。
マグネシウム、炭酸水素が豊富なんだ。典型的な食塩泉だったのでしっかり温まった。
湯上り処でおサルと合流。夕食までゆっくりした。
=夕 食=
さて。どんなご飯が待っているのでしょう。
結構な量だよ…ここも。
お正月っぽいね。
お造り
糸掻きと数の子
前菜六種
ローストビーフ
五色絹砧巻き
いぶりがっこ
「お酒たのむ」
なににする?
「これ!」
喜久泉酒造の低温熟成酒《喜三郎の酒》だ。これクセ強系だけど大丈夫?
「む~。ザ・清酒?」
でしょ。JRの廃線トンネルで熟成しているそうだよ。茨城の東富士(こっちは洞窟)に似ているね。純米酒らしさを一層際立たせた感じかな。
男鹿半島の郷土料理・あんぷら餅。「あんぷら」はじゃが芋のことらしい。
ロブスター白味噌ソース焼き
湯葉豆腐
「じゃお酒選んでおくり」
今度は無難な線で。
雪の茅舎の奥伝山廃。生酛系だね。味のしっかりした料理にはピッタリかも。
「ふむふむ」飲めればなんでもいい
ここで当館のメインエベント《石焼ショー》が始まった。
煮え立った味噌汁に海の幸を豪快にぶち込む。
遠慮会釈なしに…バサッと!
「男らしい!」思い切りのよさにホレた!
直後に激熱の焼け石を入れて瞬間沸騰させる。
ちゃんと鯛カマ、海老、ワタリガニの三種が入っていた。
鮟鱇の唐揚げ
随分悩んだけどご飯も頂いた。あきたこまちだし。
紫芋プリン
これは全然悩まない。別腹だし。
「違う意味で別腹だよ」二段腹とも言うにゃ
ご馳走様でした。
どうして布団の中で寝らんかのー。
★ ★ ★
ということで午前五時に目が覚めた。
「サルも」
女性専用の露天風呂。ちょっとだけ配置が違うね。
「男湯みたいな析出物のカタマリはなかったにゃ」
あれが見られないとは!ここにくる価値半減だよ。
「ふ~ん」全然興味な~い
=朝 食=
ということで前夜と同じ席で。
ジュンサイが出ている。旬だね。手前のメカブみたいなのは?
「アカモクだにゃ。ネバネバ系の海藻だにゃ」
身体に良いんだよね。それ。
アオサかな。この味噌汁もおいしかった。
湯豆腐。ホッとするよ。
「ご馳走二日続きだしにゃ」ウェストやばい💦
帰ったらしばらく野菜生活だな。お部屋でしばらく休むことにした。
「サル最後にお風呂いってくゆ」心ゆくまでお尻をいたぶってくゆ
いってらっさい。
しかし、ものの二分ほどですごすご戻ってきた。
「お風呂9時までだったの忘れてた…」超がっかり
そーだった。(※皆さん注意しましょう)
ということで、充実の東北温泉旅だった。厳選に厳選を重ねたセレクトだっただけにどちらの御宿も最高!リピート必須のお薦め宿だった。
屋外に出てみると、曇天だった空に青空が一瞬覗いた。
このあと700㌔の距離を交代で運転して頑張って横浜村に戻っていった。登山頑張ろうね。
「このままじゃヤバい」💦餅は食わんかったけど酒がぶ飲みした…
(おわり)
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