サルヒツのグルメ探訪♪【第145回】
喜一
℡)0241‐2‐2480
カテゴリ:ラーメン
往訪日:2022年5月6日
所在地:福島県喜多方市関柴町上高額字境田635‐7
営業時間:9時~14時(11時にはスープが無くなり終了します)(土日定休)
■25席(テーブル・カウンター)
■アクセス:磐越道・会津若松ICから約20分
■駐車場:(敷地内)10台ほど(手前福島銀行内にも止められます)※要確認
■予算:600円~1650円(かなり良心的!)
■予約:できれば苦労しません
■支払い:カード可
《文句のつけようがない極上の一杯》
ひつぞうです。GWイベント第三弾は温泉でした。その前に腹ごしらえ。せっかく会津若松まで来たのです。しかもこの日は平日。あの名店を訪ねる絶好の機会でした。以下往訪記です。
「すっかり忘れていたくせに」
★ ★ ★
遮光のフェルトから漏れる朝日で眼が覚めた。時刻は午前六時。朝の身支度を始めることにした。道の駅に面した阿賀野川の河川敷で、前日頂戴した山のめぐみを天麩羅にして頂いた。そして暫く朝寝。喜多方の朝ラー開店までかなりの時間があった。
「あと一時間で開店だにゃ」
え!10時開店じゃないの?
「うんにゃ。9時」
マズい!道の駅からその店までの所要時間は30分。到着した時点で敷地内は満車。訊けば少し手前の福島銀行の駐車場がご厚意で一部利用できるという。
訪れた店は喜一。老舗の多い喜多方ラーメン界でも№1の呼び声高い名店である。なのになぜこれまで往訪しなかったか。答えは簡単。平日のみの営業だからだ。しかもスープ無くなり次第終了。業態拡大を目指さない店主吉田満さんの御意向もあり、ありつくには平日早朝より並ぶしかない。
「その方がクオリティが維持できるしにゃ」
という経緯で往訪意欲を失った僕はいつしか「喜一」という名前そのものを忘れていた。ところが偶然にも、おサルがここを推薦したのである。当然本人はそのような背景は全く知らない。
「でも9時開店っておサル言ったよ」
それは否定しない。
眼が見えない。忘れっぽい。怒りっぽい。
片足どころがもろ足ともに老人の域に突っ込みつつある僕は、天啓ともいえるおサルの発案を半ば蔑ろにしてしまった。なにせ朝の6時には起きていたのだから。こうして到着したのは8時35分。
「でも22番目だった」
記帳台から戻ったおサルがそう告げた。1時間あまりで席につけるという。車を止められず往生している来店者を、ちょこまか誘導する女性スタッフのひと言でようやく安心できた。危なかった。
店名の由来は吉田さんの曽祖父・喜一郎氏。郷土の誇り野口英世博士と同室で医学の勉強に励んだ仲だったという。
いつもであれば、こうしたミニ知識に食い入る僕だが、もう気もそぞろ。
「なにを食べるのち?」
喜一といえばSio(塩)ラーメンだよ。
「限定30杯の赤魂にしないのち?」
唐辛子の味で繊細な塩あじが台無しになるじゃん。それは二回目の往訪でいいよ。
(あるのかそんな機会?)
人によっては二種類を制覇するという。そう。GWは遠征の季節。登山、ラーメン、温泉。いろんなジャンルのマニアが全国を駆け巡るのだ。
「ヒツは全部だにゃ」
節操がないんだよ。
しかし。このクオリティで600円スタートってどうよ。
「ついこの間まで500円だったって」
そうか。コロナとプーチンのせいで材料費が高騰したからな。
チャーシュー大盛りだと麺が伸びるし。悩む。
「おサルは味噌にすゆ」
え?喜一なのに味噌?それは邪道だよ。
「いいのち。おサルは味噌!」
はいはい。
確かに他人様の嗜好にあーだこーだ云うのは無粋というもの。
ということで僕は淡麗塩ラーメン大盛りにした。
「結局麺は大盛りじゃんね」
腹が減ったのよ。もうかれこれ一時間半だし。
そして席に通された。
(カウンターかテーブルか。それは運次第)
店内はモダンな和食の店のような意匠。カウンター席であれば中庭を鑑賞しながら食事もできる。そのかわり、恨めしそうに待っている客の群れも同時に拝むことになる。
「おサルたちはテーブルだにゃ」
囲いの席なので他の客を気にせずに食事ができる。その気遣いが嬉しい。
着席して約10分。ついに至高のラーメンとご対面。
「おサルの味噌めっちゃウマ!」
どれどれ。
(スープだけ頂く。麺やチャーシューは一緒だ)
なんと!想像した合わせ味噌味とは一線を画すコクマロタイプ!
「たぶん白みそ仕立てだにゃ」
めっちゃ。うまい!
「誰?味噌邪道っていったの」
僕です…。
塩ラーメンはこれ。2018年・2019年連続で《福島県民ラーメン総選挙》で第一位を獲得。殿堂入りを果たしている。考えてほしい。エリアが喜多方だけではないことを。ちなみに一度殿堂入りすると、選挙には出ない仕組み。
確かに淡麗そのもの。チャーシューの脂身の塩梅が絶妙でトロトロ。拉麺スープというより、スープ単品として充分及第点。
そして麺。平打ち中太麺はいずこの喜多方の店とも同じ。なのにフワフワ&弾力。箸入れしても御覧のように弾力が失われないのが判るだろう。しかも大盛りなのに全然伸びない。理由は喜多方の特徴でもある多加水麺。35%以上加水の製麺方法だ。恐らくそれ以外にも秘訣があるのだろう。
本当に旨かった。麺がなくなったら刻み葱が浮いて中華スープみたいに頂くことができる。残すなんて論外。
大満足で店外に出てみると既に「終了」の札が。よかった。ありつくことができて。同じ店をリピートすることはあまりないサルヒツジだが、ここはリピート確定。
「ぜひお願いする」
しかし、時計を見ると既に11時。宿のチェックインは14時なのに…マズい。間に合わない。
「ラーメンありつくのが1時間遅れたからにゃ」
僕のせいです。はい。
ということで県境を跨いで東北道を北上することにした。
「安全運転でにゃ」
(つづく)
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