伊那山地/守屋山(赤井沢新道~立石コース)周回① | ひつぞうとおサル妻の山旅日記

ひつぞうとおサル妻の山旅日記

ひつぞうです。
おサル妻との山旅を中心に日々の出来事を綴ってみます。

守屋山(1651m) 長野県

 

日程:2020年12月19日

天気:霧のち晴れ

行程:杖突峠口6:50→7:40水呑場山荘7:50→8:45東峰9:02→9:22山頂10:12→10:55前嶽→11:30立石→11:50国道152号→12:05杖突峠口

■駐車場:杖突峠登山口(30台ほど)、立石コース登山口(10台ほど)

■トイレ(登山口にはありません。途中の水吞場山荘にあり)

■登山ポスト:なし

 

≪東峰から見る守屋山主峰≫

 

こんばんは。ひつぞうです。この週末は伊那山地の北端・守屋山に登りました。諏訪大社上社から続く稜線上の一座です。古くから信仰の対象とされ、地元では人気の山。脚本家の田中澄江先生がザゼンソウが咲く花の名山として紹介されました。詳しくはいつもの山行記録で!

 

★ ★ ★

 

【守屋山周回コース】

水平距離=7.5km、累積標高=625m

 

天候が許す範囲で、登山者の少ない山に向かい、早い時間に片づけてしまう。そんな山行がいつしか定番になってきている。当日の朝はこの冬一番の冷え込みが予想された。寒さに強いという自負はどこにいったのか、早朝の出発が苦痛になり、中央道の某所で仮眠して、日の出に併せて登山口のある杖突峠を目指した。国道152号は古都高遠に続く旧街道である。前日にライブカメラで確認したとおり、路面に積雪はなく、順調に坂道を登っていった。

 

広い登山口駐車場には一台の車もなく、寒々しい霜枯れた一年草が風に揺れている。薄墨色の未明の空に、時折はぐれ雲が吹き抜け、それが一連の叢雲になると、日本海から押し寄せる寒波が間近にあることが思い起こされた。昼前には晴れ間が期待できる。だから、慌てる必要はない。だが、この日も登山に与えられた時間は限定されていた。

 

 

駐車場と太陽光発電施設の間から入山する。

 

 

全体的になだらかな稜線なので負荷は少ない。地味ながら登山道の整備は行き届いていた。仕事道や(かつての別荘地の私道だろうか)林道が縦横に絡むが、要所要所に案内標識が設置されているので安心して歩くことができる。

 

 

まもなく平坦な尾根に変わる。

 

 

昨夜の降雪だろう。冬枯れた地面にガトーショコラのような装飾が。

 

 

生き物の気配はないが、無用な接触は避けたいものだ。

 

 

一度、林道に合流して左折。道なりに歩いてゆくと、カーブの先に真新しい赤井沢新道の入り口が設けられていた。(古い地図には尾根筋直進と記されている)

 

 

落葉した禿山の先に目指す守屋山の東峰が覗いている。今回は赤井沢新道から東峰主峰と稜線を繋いで、立石コース(守屋新道)から下山することにした。車道歩きがあるが20分程度なので負担はなさそうだ。

 

 

木道の先に小屋のようなものが見えてきた。木杭平と呼ばれる湿原がここなのだろう。ザゼンソウは今の季節は冬眠中。

 

 

立派な小屋が建てられていた。地元に愛されている山だと判る。ユニットトイレは利用できるようなのでありがたく利用させて頂いた(ただし、内部の床は雪でめちゃくちゃ滑ります)。

 

登山道入り口と書かれている。前面まで林道が続いていることから判断すると、以前はここまで車で進入できたのかもしれない。不謹慎な輩が不法投棄をするせいで封鎖すると看板に書かれていた。

 

 

いよいよ本格的な登りが始まった。

 

 

間もなく緩斜面に。するとガスの切れ目から太陽の光が。

 

 

少しずつ松本平の方角から青空が広がってゆく。これは期待できるかもしれない。

 

 

時刻8時30分。稜線を覆っていた乳白色の濃い霧は晴れて、針葉樹を白く染めた霧氷が織りなす幻想的な光景が眼に飛び込んできた。

 

 

「素晴らしい!」サル

 

 

4~5時間で回れる山だから、まだ誰も登ってこない。これは二人占めできるかも(笑)。

 

 

胸突き坂からしっかり登る。

 

 

10分もすれば東峰だ。がんばれ!おサル。

 

 

コバルト色の諏訪湖下諏訪温泉郷の市街地。

 

 

この鎖場を越えれば立石分岐

 

 

こんなに素晴らしい天気になるとは思わなかった。

 

 

「駐車場に着いてもなかなか出発しなかったもんにゃ」サル

 

天気が悪いと登山しようという気持ちにスイッチが入らないのよね。このところ。

 

 

下界は雲海の底。

 

 

今年最初の霧氷。

 

 

完全無風の朝だった。そのため陽光に照らされても、霧氷が零れ落ちない。最高の条件が揃っていた。

 

 

おっ。山頂かな?

 

 

「なんかありますにゃ」サル

 

 

あれ?もう山頂?

 

 

背後の八ヶ岳はいまだ霧の中。

 

 

「360度の眺望だにゃー!」サル

 

そう。守屋山は北アルプス、中央アルプス、八ヶ岳に南アルプスと、中部山岳の主稜線が全て見渡せる眺望の山なんだ。だから一年を通じて人気の山らしいよ。

 

 

伊那山地の山は初めての往訪だった。こんなに素敵な場所だったとは。訪れてよかった。

 

 

よく考えればここは東峰。三角点のある山頂はまだ先だった。積雪は1cm程度。ワカンもアイゼンも要らなかった。ただひたすらに風が冷たかった。サーモスの温かいアップルティーで喉を潤して、もうひと歩きすることにした。

 

(つづく)

 

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