冬の西上州/毛無岩(尾根コース→沢コース)① | ひつぞうとおサル妻の山旅日記

ひつぞうとおサル妻の山旅日記

ひつぞうです。
おサル妻との山旅を中心に日々の出来事を綴ってみます。

毛無岩(1300m) 群馬県

 

日程:2018年12月29日

天気:晴

行程:道場神社8:00→8:25尾根取付点→10:21巻き道分岐10:25→11:10毛無岩11:20→12:02相沢越12:05→13:00造林小屋13:05→13:55道場神社

■駐車場(3台ほど.道場神社の奥にあります)/トイレなし(道の駅)/登山ポストなし

 

≪千ヶ平より毛無岩を望む≫

 

明けましておめでとうございます。今年も宜しくお願い致します。早速ですが

年内にUPできなかった昨年最後の山行記録をアップします。

 

【毛無岩(尾根コース→沢コース)】

 

★ ★ ★

 

シラケ山登山の翌日向かったのは毛無岩。西上州の山では難しい部類に入る。

「山と高原地図」には危険マークが記されていないが、山頂周辺はナイフリッジ

になっていて、死亡事故も起きている。積雪している今は細心の注意が必要だ。

 

南牧村中心部を過ぎると、前日同様道路はアイスバーンになっていた。秘境の趣

き深い南牧村であるが、最奥の地まで民家が建っていて、生活の匂いがあった。

 

 

県道を羽根沢バス停で右折。吉祥寺の立派な堂宇の辺りで黄金色に染まる立岩

(たついわ)が眼に飛び込んできた。

 

 

道場川沿いに遡ると道は狭まり、遂にはきついS字の登りになってしまった。車

一台分の幅員は軽自動車でしか進めず、何度もハンドルを切り返して通過。こ

の運転で気持ちが萎えてしまい、路肩に停めさせてもらうことにした。

 

 

駐車スペースはこの道の突き当りにある。道場神社の脇を過ぎると川床に降り

る道が分岐する。毛無岩にはこの川床から始まる尾根コース笠松コース、更に

駐車場から始まる沢コースの三つが存在する。ナイフリッジをパスする尾根コー

スから入山し、沢コースで下山する計画にした。但し、沢コースは積年の台風被

害により荒れていると聞く。

 

 

立岩を見やりながらのスタート。

 

 

なおコース案内板は神社手前にあるだけで、その後何もない。砂防ダムの涸れた

川床をパスして、左岸側にとりつく。仕事道の分岐があるので間違えないように。

この日(前日のものと思われる)踏み跡があった。

 

 

沢から離れずに歩けば問題ない。一旦沢に降りるが巻き道に復帰する。ケルンを

追っていこう。そのまま谷筋に入り込まないように。

 

 

尾根取りつき点についた。暫く杉林の中を登る。

 

 

急登が続く。だがすぐに落葉樹の原生林に突入。ここで「⇒毛無岩」と書かれた

年代もののプレートが現れる。破線ルートだけどれっきとした登山道なんだね。

 

 

尾根に取りついた。

 

「痩せるかにゃ?」サル

 

今日もあんまり運動量ないしね。

 

「年末年始に飲むからにゃあ」サル

 

おサルの頭に登山はない。あるのは温泉と酒のみである。判っちゃいるけど。

 

 

あれが毛無岩?(違った。イデミだった)

 

 

全体的に尾根の西側を巻き道基調で進む。こうして尾根直上を踏むことはあま

りない。

 

 

右手に見えるクロザルの頭のようなピークが笠松らしい。

 

 

まずは第一の核心部。見た目以上にシビアなリッジをくだる。

 

 

みっともないけれど四つ足歩行。両サイド10m弱切れ落ちている。

 

「ダメだのー」サル

 

 

ひゃ~。すっごい絶壁。おサルの頭もびっくりだよ。

 

「おサルの後頭部は現在入山禁止だからにゃ」サル

 

 

毛無岩から荒船山に続くピーク群。一見楽勝に見えるけれど、崩壊が著しく死亡

事故も発生している。安易な入山は慎みましょう。

 

 

なんか嫌な予感がする登りだね。ここ。

 

 

やっぱり。尾根コースの最大の核心部。両サイド20m以上切れ落ちている。

 

 

当然ロープも鎖もない。アイゼンが必要だったね。これ。結構滑るよ。

 

 

「すっごい屁っ放り腰だにゃ!」サル

 

仕方ないよ。ホントに放屁しないだけマシだよ。

 

「ロープとかスリングとかは?」サル

 

要らないと思って車に置いてきた…。

 

「バカすぎんじゃね!」サル

 

 

下から見上げる分には大したことないんだけど。ただ掴むものが皆無なんだよ。

枝とか根っことか殆ど枯死しているから、迂闊に体重をかけないように。

 

 

ナイフリッジに続くこのくだりまでが怖かった。反対は切れ落ちている。

 

 

ほっと一息。

 

 

巨大な岩に突き当たる。ここは東側に巻く。虎ロープがあるからすぐに判る。

 

 

確かにロープがないと登れないね。おサル届かずあせ

 

「なんでスリング持ってこないのちにゃ!」サル

 

と言いつつ、持ち前の柔軟性を発揮してクリア。おサルの方がすごいな。

そう言えば、今までのところ、泣き言ひとつ漏らしていない。

 

 

ようやく毛無岩のピークが見えた。そこが縦走路分岐点だった。地図に記

された「展望岩」なるものは通過しなかった。どういうこと?

 

 

あと少しで尾根道に合流するという辺りで後続者が現れた。この単独の男性は

地元の方で周辺地形を熟知しているらしく、斜面を突き切り追い抜いていった。

 

 

ついたね。ここから最後の核心部だよ。

 

 

今の季節なら、藪越しに山頂のシルエットが見える。

 

 

細い尾根を何度もアップダウンする。ここは然程難しいとは思わなかった。

 

 

スリップだけは注意しよう。

 

 

かなり近づいてきた。ナイフのような形状をしているのが判る。

 

 

縦走路からは浅間山や榛名山まで見渡すことができる。

 

 

登ってきた尾根と道場の集落。奥の関東山地は雪雲に飲まれていた。

 

 

来し方を振り返る。途中巻いたりしているので、見た目ほど険しくない。

 

 

ただ急な場所が続くので、確実に支えになる枝を探しながら登っていく。

 

 

最後は本当に急登だった。これさえ登れば山頂だ。

 

 

登りあげればサルがいた。めっちゃ怖いんですけど…。

 

(続く)

※写真の関係で二回に別けます。

 

いつもご訪問ありがとうございます。今年もよろしくお願いします。