三岩岳(2,065m)/窓明山(1,843m) 福島県
日程:2018年5月12日
天気:晴のち曇一時晴
行程:小豆温泉駐車場4:53→5:00三岩岳登山口→7:15黒檜沢分岐7:20→9:10避難小屋→9:55三岩岳10:40→12:09窓明山12:22→13:18家向尾根13:33→14:58窓明山登山口→15:08小豆温泉駐車場
■駐車場(20台は余裕)/登山ポスト(あり)/トイレ(なし。道の駅番場で)
≪尾根コースからの三岩岳山頂≫
こんにちは。ひつぞうです。先週末は檜枝岐歌舞伎を鑑賞するために、またま
た塩原経由で檜枝岐村に向かいました。住んだほうが早いね。で、この機会に
合わせて登ろうとずっと計画していた山があったんです。それが三岩岳。百名
山の会津駒ケ岳ばかりが有名ですが、存在感のある秀峰なんです。詳しくは
いつもの山行記録で!
【三岩岳・窓明山のルート】
★ ★ ★
平家落人伝説の残る福島県檜枝岐村。尾瀬の北の玄関口として知られる一方
檜枝岐歌舞伎で賑わう伝統芸能の村でもある。その開催にあわせて檜枝岐温
泉を予約したのはもう半年以上も前。天気が好ければ、残雪の南会津の山を
歩いてみたいと思っていた。高望みせずに大人しくしていたお陰か、幸運にも山
の神の許しが降りたようだ。
前日「道の駅番場」で仮眠。暖かい日が続く関東平野と異なり、夜半過ぎの南
会津の気温は5度前後だった。三岩岳は会津駒ケ岳と尾根を結ぶ一座で、残
雪期はこの二座を縦走するハイカーも多い。その名のごとく、山頂には三つの
岩瘤が突き出しているそうだ。
国道121号線から352号線へと繋ぎ、小豆温泉スノーシェッドの途中で専用駐車
場に左折する。最近まで営業していた日帰り施設「窓明の湯」は施設老朽化に
より休業。600m先に新装オープンしている。20台は確実に駐車できるスペース
では既に一組のパーティが準備を終え、まもなく出発していった。
1995年(平成7年)の第50回福島国体の際に、山岳競技用に三岩岳~窓明山
周回コースが拓かれた。なお尾根コースの他に黒檜沢コースが存在するが三年
前に襲った豪雨により、後者は廃道化している。最近のガイドブックにも記載され
たままなのでご注意のほど!
駐車場の案内板にも黒檜沢コースは(許より破線なんだけど)載ったまま。ほ
んとはね。窓明山への周回コースを歩きたいんだけど、下山が遅くなって温泉
の夕食に間に合わなくなる可能性があったんだ。だから三岩岳までのピストン
を計画した。残雪豊富みたいなのでサルタイムで8時間と想定。
駐車場から来た道を10分ほど戻ると、判りやすい記念碑が見えてくる。
ここから入山。なお、窓明山登山口は、更に3分ほど歩いた先にあるけどちょっ
と分りにくい(標識はでている)。路肩にも5~6台縦列駐車できる。
んで、いきなりの急登。おサル車泊でのワインのガブ飲みでプチ二日酔い。
だめじゃん。
すぐに巻道の急登も終わり、尾根筋に取りつくとNTTの電波塔が現れる。ここ
から暫く緩やかな尾根道が続く。
タムシバ、ムラサキヤシオ、ミツバツツジ、アズマシャクナゲが満開だった。
まさに花ざかりの森。
稜線上には黒檜(クロベ)の大木がずっと続いているね。積雪の影響を受けに
くい稜線の上に生命力の強いマツ科の植物が林層を形作るからなんだよ。
「ひつぞう、その話もう百回くらい聞いた」![]()
感動すると同じことを繰り返す悪い癖がある。それを老化ともいう。
やっぱ、山は天気が全てでしょ。
数年前に(まだ登山道が生きていた)荒海山に登った時は、一週間の差で花の
盛りを見過ごしたものだが、今回は最高のタイミングだよ、おサル。
「それも、もう何回も聞いた」![]()
誰もいない道を進む。ときおり筒鳥のポポ、ポポという鳴き声が谺する。
坂を降るところで三岩岳の稜線が姿を現した。まだまだしっかり雪が残っている。
この降りの直後から、ほんとにきつい急登が始まる。
登りはきついが、新緑のブナの美林に変わり、足許にはコシアブラの幼木が特
徴的な五枚の複葉を広げている。登っては緩い道に変わり、再び急登の展開。
残雪も減って、エゾハルゼミの大合唱が始まる前の、この新緑の清々しい季節
は、実はそれほど長くはない。寸暇を惜しんで山を歩く価値は十分だ。
「あっ、花嫁さんの花だ!」![]()
白無垢のタムシバが満開だったね。
見上げればブナの新緑。
この急な登りに耐えると広い緩斜面に。辺りは「ブナ平」って呼ばれている。
少し開けてきた。三岩岳と窓明山を結ぶ尾根が見えてきた。
すぐに残雪の斜面に。機動力発揮のためにアイゼンを着ける。
この先をちょっとくだった辺りが「黒檜沢コース」分岐になるはずだよ。
あった。あった。通行止めの表示があるよ。なお無雪期はここを少し降った所に
水場があるらしい。
分岐点に詳しいコースタイムが表示してあった。
ブナの芽吹きもここまで。この時だった。何か人の声を聴いた気がした。
「おサルには全然聞こえないけど…」![]()
なんだか10人以上の大パーティが登ってくるようだ。こんな寂峰に?なぜ?
基本的に人混みは苦手。さっさと夏道無視で直登していく。
残念ながら、この辺りから日本海側から寄せる厚い雲が空を覆っていった。
予報では「晴れのち曇り。そののち昼には一時回復」となっているんだけど。
おサル、毎度ながら遅いね…。
「おサルにはおサルのペースがあるのち!」![]()
気づかなかったが、野仏さまが残雪の中から顔を出していたそうだ。この辺
りが「見晴らし台」と呼ばれるポイントだったみたいだな。
斜度が緩むとオオシラビソの針葉樹林帯に変わった。踏み跡は多くないけど赤
テープがあっちこっちにベタ打ちしてあるので迷うことはないだろう。
避難小屋に着いた。入り口までスコップで除雪してあるが、鍵がかかっているよ
うでドア開かなかった。ま、山開きは6月30日だからね。基本的に。水場が小屋
の前にあるらしいけど、掘り返しはされていない。
窓明山への分岐地点でもあるが、その方面への新しいトレースはなかった。
ここからは障害物のない雪面歩き。風が強かったり、ホワイトアウトの際は怖い
場所になりそう。(僕らが日留賀岳に登った)一週間前に降雪があったため、表
面に綺麗な新雪の層が部分的にできていた。でも、ワカンの類は不要。ガシガ
シ登れる。後方に窓明山が見えてきた。
その左隣りに坪入山。
更に更に、高幽山に梵天岳、丸山岳と続いている。右奥に鋸歯状の黒々とした
尾根が見えるが、あれが会津朝日岳ではないだろうか。こんな新緑の季節なの
に、まだ縦走可能な雪の回廊が残っているじゃん!
図らずも丸山岳縦走の下見ができたことが嬉しかった。来年こそは。
もう三ツ岩も眼下。山頂はすぐだよ!おサル。
(と声をかけたが息も絶え絶えのようだ)
「ほんと。ひつぞう、登りだけは速いにゃ。感心するだよ」![]()
あとね。逃げ足も速いよ。
どうにか三岩岳に着いた。山頂だけ雪が落ちていた。先行したパーティは会津
駒に向かったようで姿は見えず。
まだまだ余裕で雪山を味わえる南会津の山は実に奥深かった。一段降った斜
面にベンチを築き、軽い食事を摂ることにした。すぐに20人以上の大パーティ
が押し寄せてきた。どうやら教師に引率された地元の高校生らしかった。
食事を摂りながら、このままピストンで下っていいのか、それで自分自身納得で
きるのか自問する。真横ではおサルがチューハイ飲んでご機嫌である。最善の
チャンスは今かも知れない。と思った時
「ひつぞうの好きにすればいいだよ」![]()
とおサルが言った。
なんで僕の考えることが判ったの?
「ひつぞうの考えることなんてすぐ判っちまうだよ。顔に全部書いてあるし」![]()
凄げえ。おサル。っていうか夫婦って怖い。
(続く)
※写真の都合で二回に分けます
いつもご訪問ありがとうございます。


































