旅の思い出「魚津埋没林博物館」 | ひつぞうとおサル妻の山旅日記

ひつぞうとおサル妻の山旅日記

ひつぞうです。
おサル妻との山旅を中心に日々の出来事を綴ってみます。

「魚津埋没林博物館」

 

往訪日:2016年7月29日

所在地:富山県魚津市釈迦堂814

入場時間:9時~17時

入場料:520円(小中学生260円)

■近くに「道の駅蜃気楼」があります。

 

≪博物館全景 というほど入りきっていない…≫
 
こんばんは!ひつぞうです。
 
今日は最高のお天気でしたね!
登山そのものは早々に終えたのですが
帰りの高速で大渋滞にはまり
回避しようとして更に下道でどハマリして
瀕死の状態で帰宅しました。
明日はビール飲みにいこう…。
まだ去年のプチ旅行ネタが残っているのでUPします。
 
★  ★  ★
 
去年の7月、劔岳(早月尾根)登山のおり、初日は馬場島に入るだけだったので
ジオサイトのひとつ「魚津埋没林博物館」を訪れました。
 
 
 
もちろん僕の趣味です。
不思議な事におサルから「地味過ぎる」とは言われず
「行ってもいいよ」とすんなりOKが出ました。
ちょっと意外。

 

 
魚津は立山連峰や劔岳などの北アルプスから
降った雨が急流となって降る特異な地形をしてますよね。
上の写真でも判るように典型的な「扇状地」になってます。
富山平野は扇状地が多いんです。
なので伏流水が豊富で、ミネラルも直接海に流れるので
美味しいお酒が醸造できるし
(ホタルイカやシロエビなど)新鮮な魚介類が
生育する恵みの海を抱えてるんですよ。
 
「ホタルイカ好き好き!シロエビバーガー食いたい!」サル
 
ちょっと季節が違うからまた今度ね。
 
 
平日の昼下がりなので老年夫婦が数組いるだけで静かです。
埋没林と蜃気楼ができる仕組みをハイビジョンホールで紹介。
(結構お金がかかってます)
 
早月尾根を登ると判りますが、富山湾に面した森には
立派な天然杉がたくさん生えている。
これは単なる偶然ではなくて、植物が育つ条件
(豊かな水分と養分)が豊富な証しなんだよ。
 
館内には蜃気楼の仕組みを模型をつかって紹介するコーナーなど
子供さんが興味を持てるような工夫がされてます。
 
では早速埋没林を観察しよう!


 

 
魚津で埋没林が発見されたきっかけは
昭和5年の魚津港改修工事で浚渫されたことによるんだ。
それまでは地元の漁民が海岸に木が埋もれてるなーって
認識しているくらいだったんだって。
 
ところが掘るとどんどん出てくる。
こりゃ只事じゃないって専門の学者先生が調査したわけ。
 
「ふ~ん。でもなんで腐らないのかにゃ」サル
 
さっきも見たように北アルプス急じゃん。
大雨や大規模な雪崩などで土石流が海に流れ込むと
無酸素状態で緻密な土砂に埋まるんだよ。
そうすると細菌が活動できないから
根っこだけ腐らずに残ったんだ。
 
実は日本列島にはたくさんの埋没林があるんだ。
知りませんでした。
日本列島には火山活動や台風などの自然災害など
様々な理由で古代の森林が埋まっているんだね。


 

 
実際の埋没林はプールの中で保存されている。
これは当時の状況を伝える目的と腐敗防止の目的もある。
凄いのはこの水は水道で運んでいるんではなくて
実際に地面から湧出ているんだ。
 
「ほんとだ!泡がポコポコ浮き出ている!」サル
 
この埋没林は実際にあった場所そのまま。
かつては海の底だったけど、冷たい伏流水が湧出ているんだね。
なので、この建物自体が凄く寒いし
湿気でカメラのレンズがすぐ曇ってしまう。
(撮影される方はレンズクリーナーを持参しましょう)


 

 
約3000万年前にできたそうだよ。
 
「なんで判るにゃ?」サル
 
同じ地層から植物の花粉や昆虫の羽根なんかが
見つかっている。花粉は特定の年代や場所にしか繁栄
しないので、見つかれば時代測定の道具になる。
こういう化石を「示準化石」って言うんだよ。
 
「おうおう」サル
 
珍しくちゃんと聞いているね。
 
「こういう『ナショジオ』っぽいのなら好き。愉しめる」サルライダー
 
 
ほんとはもっと一杯あったんだけど
同じものばかり大切に集めてもどうしようもないので
ここだけ残して撤去するなり埋設するなりしたそうな。


 

 
「でもどうしてここに来たいと思ったのかい?」サル
 
子供の頃に図鑑(前回報告した「地球の図鑑」(小学館))で見たんだ。
その写真の埋没林が青くてさ、てっきり化石化したものだと
思ったらそうじゃないらしい。それも大量にあるという。
不思議で仕方なかったんだ。
 
「それでわざわざ6時間かけて…」サル
 

6時間かけたのは登山でしょ!

でもせっかくきてさ、時間もあれば寄りたいよ。

 

「おサルは寿司喰いたい…」サル

 

今回は無理。急に来ること決めたし予約できないもん。

 

「しょぼぼぼり~ん」サル

 

※オサルには魚津に是非行きたい鮨屋があるんです。

でも何回も悪天候で登山が中止になり

その度にその鮨屋にもキャンセルしてるんです。ごめん。
 

 
外の建屋に出てみる。
ここには乾燥した埋没林が無造作に放置されている。
 
掘り出す時に作業員が相当苦労したそうだ。
なので、強引にノコギリで切ったり、折ったりした痕が残っている。
(おサルが触れている箇所など)
 

「もう相当イライラしたんだろうにゃ」サル

 

相当苛苛したらしいよ。
 

 
これもぶち切られているね。
なお、幹の部分が垂直に展示されているけど
これは横倒しになったものが埋って残ったもの。
よく見ると右側が海中に露出していたんだろうね。
片側だけ激しく腐食している。
 
さて最後のコーナーに移動しよう。
ちなみにさ、この道だけど、ここ天然記念物なんだよ。
 
「え!唯の道じゃんね」サル
 
ここで埋没林が発見されたという事実が珍しいんだね。
なので天然記念物。
さっきのプールやこれから行くドームはその対象外なんだ。
 
「なんか本末転倒な感じ」サル
 
確かに。
 
 
これね。天然記念物指定区域。
鳥がう○こしても天然記念物。
 
 
最後に実際に発見された状態で
露面展示されているコーナーへ。
 
 
巨大なドームだけど展示されているのは数株。
発見当時のままだそうだ。
 
 
ちょっと小さくて見づらいけど表面にはフナムシに
空けられた孔も残っている。
 

以上で展示は終わり。
 

 
なお、これが「地球の図鑑」(昭和48年初版)に掲載された当時の埋没林。
これ写真の写し方のせいで青味掛っているんだね。
フタバスズキリュウと同じで、雑然とした展示にその時代の雰囲気が現れている。
 
当時の建屋はぼろっちいけど、現行施設は素晴らしい。
昭和29年に設立されたあと、平成4年に建て代わり、平成27年3月にリニューアルされた。
 
「バブルの頃に建築されたんだ」サル
 
そうだね。
でもひつぞうはこういう施設であれば箱物だろうが
税金投入してもいいと思う。
あとはどれだけ見学者が訪れるか、そのアピールに掛かっていると思う。
 
根っこしかないけど面白いです。
ホタルイカの季節に来ると観光の幅が広まりそう!
 
★  ★  ★
 
これで終わりにしてしまうとおサルの機嫌を損ねてしまうので
道の駅で海鮮丼を頂く事にしました♪


 

 
とにかく暑い一日でした。


 

 
おさるの大好きな甘エビをど~んとね!
 
「いやいやいや、やっぱりシロエビでしょう?」サル
 
じゃ今度は残雪の北アルプスで!
 
(おわり)
 
※「剱岳(早月尾根)」はUP済みです。
 
いつもご訪問ありがとうございます。