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せをふんで・ふちをしる 【瀬を踏んで淵を知る】
◆ 小手調べにまず試してみて、どんな危険があるかを察知すること。
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羊介の会社の親会社が主催する運動会の、ある晴れた日の出来事であった・・・・・・。
運動会といっても、社会人の行うもので普通であれば参加者は少ないと思うであろう。
ところが、商品がとても高価なのでかなりの賑わいをみせていた。
例えば、100m走で1位になるとテレビがもらえる。
2位になったら、コンポがもらえる。
結構な大盤振る舞いだった。
そんな感じであったので、参加者も殺気立っていた。
羊介の会社も、午前中にはそれなりの商品を獲得して盛り上がっていた。
昼休みの間、羊介の会社の仲間7人は輪になり、サッカーボールを蹴ってまわして遊んでいた。
秋の日差しもやわらかく、芝生のような草の上で・・・平和だった、その時までは・・・・・・。
誰かの蹴ったボールが、勢いよく輪をはずれていった。
ボールの転がった先は、土手のようになって落ち込んでいた。
ちょうど大きな相撲の土俵の上でサッカーをしていたような感じである。
そこで登場する福島君の紹介を少ししておく。
彼は、羊介の後輩にあたる。仕事もまじめでそれなりだった。
ただ、普段の話の内容はとてもつまらないものであったので、羊介は彼とは仕事だけの付き合いにしようと考え、それに徹していた。しゃべらなければ魅力のある男だった。
顔立ちもきりっとして、男らしいと思う。体もそれなりで、普通であればもてるタイプだと思う。ほんとうに、しゃべりだけでこれだけ価値の下がる人もなかなかいない。
羊介にとっては、つまらない人間であった・・・。
突然、土俵から落ちようとするボールを猛然と追いはじめる福島。
落ちる寸前に間に合うかどうか、と見守る6人。
羊介は見た。
マンガのように真っ逆さまに落ちていく彼を・・・・・・。
羊介の見た映像には、彼の上半身は土俵にかくれ、2本の足だけが見えた。
本来ならば、彼を心配してかけつけなくてはいけない。
しかし、駆けつける事のできる人はいなかった。
6人は突然の腹痛で動けなかった。
「あはははははははははははははははははははははははははははは。」
みんながその場にうずくまり、小刻みにふるえていた。
「く・・・くるしい・・・。」
彼はもしかしたら、大ケガをしているかもしれない。
「あはははははははははははははははははははははははははははは。」
彼のために救急車をよばなければ・・・・・・。
「あはははははははははははははははははははははははははははは。」
気管支炎のような 「ひゅー、ひゅー、」 という音が聞こえ、こちらもかなり危険な状態。
と、その時・・・・・・。
服に少し泥が付き、困ったような、照れたような、苦笑いをして彼は戻ってきた。
それを見た6人は。
「もうだめだべ・・・。」 「たすけるべ・・・。」