福島第一原発で今週発覚した問題~
【セシウム濃度13倍に上昇=港湾内、土壌固め影響か―福島第1】
時事通信
[10/10 01:38]
東京電力は10日未明、福島第1原発の港湾内で9日に採取した海水から最大で1リットル当たり1200ベクレルの放射性セシウムを検出したと発表した。
採取場所は2号機取水口の前で、湾内の水の移動を抑制する水中カーテン「シルトフェンス」の内側。
前日採取分(同90ベクレル)から約13倍に急上昇した。
2号機取水口近くの護岸では、汚染された地下水が海に流出するのを防ぐため、薬剤で土壌を固める工事が行われている。
東電は「薬剤を注入する際の圧力で、汚染された土の一部が港湾内に出たため」とみている。
2号機取水口付近では、事故直後の2011年4月に高濃度汚染水が流出しており、土壌が汚染されているという。
シルトフェンス外側でも、セシウムが同227ベクレルと前日採取分(同106ベクレル)の2倍に上昇した。
【作業員被曝 士気低下、単純ミス誘発 恐怖抱え長期間…手当不払いも】
MSN産経ニュース
2013.10.10
福島第1原発の人為的ミスによる主なトラブルの経緯
相次ぐ単純なミスが、ついに作業員の被曝(ひばく)という事態を招いた。
9日、東京電力福島第1原発の淡水化装置で起きた汚染水漏れ。
原子力規制委員会の田中俊一委員長は「ばかげたようなミス」と表現した上で、原因に現場の士気の低下があることを指摘。
規制委は東電に対応強化を求めた報告書の提出を義務付けており、内容次第では柏崎刈羽原発(新潟県)の安全審査にも影響することを示唆している。(原子力取材班)
田中委員長は9日午後の定例会見で、「士気の低下は、ケアレス(注意不足)ミスにつながる。
作業環境がいい場合は、ばかげたようなミスが少なくなる。
東電は下請けに任せっぱなしになっているのではないか。
積極的に関わらなくてはいけない」と強調した。
福島第1原発では約千人の東電の社員のほか、「協力企業」といわれる下請けの作業員が毎日約2千人働く。
その大半が全国からの出稼ぎで、原発作業の初心者。
日給は平均1万5千円ほどといわれ、バスで約40分間かかる対応拠点「Jヴィレッジ」(福島県楢葉町、広野町)のプレハブ施設などで寝泊まりする。
原発作業員から相談を受け付けている全国労働安全衛生センター連絡会議(東京)の担当者は「被曝するかもという恐怖を抱えながら、危険で過酷な環境に長い間さらされている。
賃金も年々ダウンしているだけでなく危険手当の不払いも起きており、現場で士気が低下するのもやむを得ない」と理解を示す。
現場の士気低下は、東電の社員にも及んでいる。
結果、単純ミスは日々拡散しているようにみえる。
9月27日には、汚染水処理の“切り札”とされる多核種除去装置(ALPS)にゴム製のシートを置き忘れて運転が停止。
今月1日には地上タンク周辺の堰(せき)にたまった雨水をポンプで移送中、間違ったタンクにつなげて約5トンがあふれるミスがあった。
翌2日にも、傾斜地に設置された地上タンクに容量を超えて雨水を移送し、約430リットルの汚染水が漏れ、一部が外海に流れ出た。
こうした事態を受け、田中委員長は7日の参院経済産業委員会の閉会中審査で「福島の状況は国民が納得できる程度の落ち着きがない。
柏崎刈羽原発をどうするかは慎重に検討する」と発言。
11日までに提出される東電のミス撲滅の報告書が判断材料になるとみられる。
【用語解説】淡水化装置
福島第1原発の1~4号機建屋にたまる汚染水には、東日本大震災の津波と事故直後の炉心への海水注入による塩分が含まれている。
塩分は機器の腐食を進めるため、汚染水を再利用して1~3号機の溶融燃料を冷却する循環注水ルート上に、淡水化装置を設置して塩分を除去している。
水以外の不純物を通さない逆浸透膜を用いた方式と、蒸発濃縮方式の2種類が稼働している。
【何故、JR北海道と福島第一原発は事故と不祥事が頻発するのか?】
ハフィントンポスト
2013年10月11日
朝日新聞の二つの記事を参照する。
先ずは、最近判明した特急車両1両が非常ブレーキの利かない状態であった原因について説明する、JR北、空気弁開閉を記録せず ブレーキ問題解明難航である。
結局、分った事は、本来の「特急車両が何故非常ブレーキの利かない状態で放置されるに至ったか?」ではなく、それを確認するための、定期検査時にブレーキを動かす空気の弁(コック)の開閉に関する記録を作っていなかった事実であった。
これが本当なら、全ての検査結果を疑ってかかる必要があるのでは? と思う。
そして、今回判明した特急車両1両以外にも非常ブレーキが利かない状態で、北海道の大地を車両が走っているのでは? と想像してしまう。
今一つは、事故処理に奮闘する福島第一原発作業員6名の被曝を伝える、配管外すミス、汚染水7トン漏れ6人被曝 福島第一原発
である。
事故原因は誤って配管を外してしまい、結果汚染水7トンが漏れ出したというものである。
作業員のケアレスミスに起因するもので、厳しく批判されねばならないのは当然である。
しかしながら、被曝犠牲者が作業員自身である事から、注意散漫や責任感の無さが原因ではないと推測する。
現場は疲弊しているのではないのか?仮に現場の疲弊が事故の原因であれば、今後も事故の中身は異なれ事故が起きる事は確実である。
■ハインリッヒの法則はJR北海道と福島第一原発での事故再発を予測する
読者の皆さんはハインリッヒの法則をご存じであろうか? まるで、JR北海道と福島第一原発の今後を占うためにある様な法則なので、今回参照する事にした次第である。
要約すれば、「事故を防げば災害はなくせる。
不安全行動と不安全状態をなくせば、事故も災害もなくせる(職場の環境面の安全点検整備、特に、労働者の適正な採用、研修、監督、それらの経営者の責任をも言及している)」というものである。
百聞は一見に如かずで、下記が分り易いかも知れない。
先ずは現場で問題に的確に対応する事で事故を未然に防ぐ。
仮に、不幸にして小さな事故が発生しても全力で対応すれば大事には発展しないという教えである。
組織論としては、現場に優秀なスタッフを配置し、定期的に研修を行い知識のアップデートを図る事が重要である。
一方、管理者にも人材を配置し、現場組織が持続的に機能する様にせねばならない。
これらを、リスクの大きさと負担可能なコストの制約の中で全体最適を基軸に調整するのが、本来経営者の役割のはずである。
事故と不祥事が頻発するのは、現場スタッフ、現場管理者、そして経営者、各々のレイヤーでの問題の存在や、レイヤー間のコミュニケーションの不在に起因すると考えられる。
■疲弊する現場
JR北海道と福島第一原発の事故や不祥事のニュースに接し、何時も直感的に脳裏に浮かぶのは「現場は随分と疲弊しているに違いない!」という推測である。
現場作業員に与えられた一日当たりのノルマは果たして適正なものなのだろうか? JR北海道であれば経営不振から充分な予算が確保出来ず、その結果、やるべき業務が消化不良に陥ってしまっているのではないのか? 福島第一原発事故処理であれば、放射能被曝を伴う危険な作用だけに、本来必要な現場作業員が確保出来ず、業務過多の結果現場が疲弊してしまっているのではないのか? 日本は第二次世界大戦で経験したが、この行き着く先は「精神論」、「根性論」である。
この結果、2005年にJR福知山線脱線事故の如き惨劇が起きた訳である。
JR北海道と福島第一原発での再現は、何としても避けねばならない。
■実質管理者不在なのでは?
理屈からいえば、現場管理者がきちんと機能しておれば作業員に対し適正な量の業務を指示するはずである。
一方、作業員はこの指示に従い業務を実行する。
日々達成感を感じる事が出来、体はきついかも知れないが精神的に参ってしまう様な状況は生じないはずである。
一方、指示が曖昧で、「兎に角頑張って問題を解決してくれ」の如きものだと、仕事を片付ける端から、新たな問題がその都度生じ達成感を感じる事が叶わない。
この繰り返しだと、どうしても精神的に参ってしまう。
当然、注意が散漫になり今回の様なケアレスミスも発生する訳である。
現場管理者の能力や経験に問題があるのなら適正な人格に交代すべきは当然である。
■背後にある根本問題とは?
とはいえ、そんな事はJR北海道、東京電力共に先刻承知のはずである。
やりたくても出来ていないとすれば、原因は人材難という結論になる。
仮にそうであれば、JR北海道に関していえば、JR北海道を批判するだけで問題が解決するのか?で提言した様に、赤字ローカル線を切り捨て、分散した人材を一旦集約し、本当に必要とする部分に投下すべきである。
これは、本来JR北海道の経営判断にみで可能な話であり、やってない、やれてないとすれば経営不在という結論となる。
一方、東京電力の場合はJR北海道とは事情が違う。
電力会社は本来「発電」、「送電」、「電力の分配」を企業ドメインとしており、福島第一原発事故対応の如き「廃炉処理」から始まり、今回問題となっている「汚水処理」、「除染」、「賠償」を短期間で実施出来る体制にはなっていない。
この辺りは、福島第一原発事故処理が進まない背景とは?で詳細を説明しているので、こちらを参照願いたい。
結論をいえば、元々東京電力に事故処理を丸投げするのは無理があり、国が全面に立って取り組むしかないという事である。
従って、現状を継続すれば今後も事故は多発する。
■問題解決を遅らせているのは一体誰なのか?
関係者の「当事者意識の欠如」ではないのか? JR北海道について言えば、決して一鉄道会社の経営問題などではなく、過疎により需要が減退し、その結果経営が追い詰められるに至り赤字ローカル線の廃止を決断するしかない鉄道会社という、日本の全ての地方交通機関が直面する問題である。
従って、北海道庁や監督官庁である国土交通省はJR北海道の事故や不祥事を叱責して溜飲を下げ、仕事をした積りになるのではなく、我が事と捉え、地域に痛みを与える事になる「赤字ローカル線を切り捨て」を具体的に議論すべきである。
一方、福島第一原発事故処理については、何度も繰り返す事になるが、東京電力に背負わせるにはそもそも無理がある。
これ以上の惨事を回避するためには、東京電力には既存発電所と送電線網の維持管理のみを委託し、事故処理には国が当事者として全面に出る必要がある。
監督官庁である経済産業省や安倍政権が安易な東京電力叱責を止め、我が事として正面から事故処理に向き合わねば何時まで経っても問題は解決しない。
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JR北海道にしても福島第一原発にしても、問題(ミス)多発の原因は、人材不足にある様だ。
経営難と言う点では2社共、共通している。
だが、人材不足と言う点では、違いがある。
JR北海道は、責任者を現場に回したくても回せるだけの人材がいない。
しかし、東電は、回せる責任者がいても回さないのだ。
更にJR北海道の場合、人材不足から来る作業員の士気不足から問題(ミス)が多発しているが、東電の場合は、上層部の問題だ。
東電の場合、いまだに福島第一原発事故は、想定外の津波だと思っているのか、思い込もうとしている。
福島第一原発事故は、明らかに人災だ。
その人災が事故後もずっと続いている。
根本的に事故原因を見誤っているのだから、問題・トラブルも解決出来ない。
共通点の多い両社だが、基本的な違いも多い。
しかし、両社共に人命に関わる問題だけに、真摯に取り組まなければ経営再建どころではなくなる。
両社共、何を最優先させるべきなのか?考え直した方が良さそうだ。
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2013 首都圏反原発連合HPより…