それは下りのエスカレーターに乗る時の事でした。
私は階段が苦手で、それと同じでやはりエスカレーターも苦手なのですが、うちのお坊さんにしがみついてエスカレーターに乗ろうとした所、私と彼の間に違う人が入ってしまい、彼に捕まれなくなってしまいました。
すると、なんだかエスカレーターに乗るのがとっても怖くなってしまい。
これもパニック障害の発作の一つかなーと頭の奥でぼんやり考えながら、しかしとっても怖くてどうしても乗られず。
結局乗りませんでした。
普通にエスカレーターに乗り、遠ざかっていくうちのお坊さん。
私が乗っていない事に気付き、ぱっと振り返る彼。
「!?」
みたいな、驚愕の表情をする彼に、まだ怖いながらも、反面ぷっと笑えてくる私。
さてどうしよう。エスカレーター怖いから、エレベーターで一階まで行こうかなーと考えていると、うちのお坊さんは下りのエスカレーターを降りると瞬時に上りのエスカレーターで私の元まで戻ってきてくれました。
あらまあ。
「何やってんのあぷさん!!」
いや、イタズラとかじゃなくて怖くて乗れなかったの。またパニックの発作かなー。
「イタズラだよこんなの!! 振り向いたらあぷさんじゃなくて知らんおばさんがいるんだもん。パニックってこっちのがパニックだわ!!」
ははは。ぽんこつ彼女ですまないー。
大丈夫な時は全然大丈夫なんですがね。