★★★★★ 5.0 (個人的な好みとして)
アクションサスペンス
他の作品をご紹介しようとしたのですが、
やっぱり、一番初めはこれを書かなくては、と思いました。
真保裕一氏は、ミステリ作家にジャンル分けされていたりするのですが、
そうでもないです。
その作品は、社会派であるし、ハードボイルド系であったりします。
そして、昔の職業のつながりからか、
ドラえもんの脚本を書かれたこともあります。
「ホワイトアウト」も、ミステリーではなくて、アクション、サスペンス、
ハードボイルド…そんな印象です。

物語は、
日本最大の貯水量を誇る雪山のダムが、
武装グループに占拠されます。
人質のなかには、かつて自分のせいで
死なせてしまった親友の婚約者も。
荒れ狂う吹雪のなか、ひとりの男が犯人グループと戦います。
結構、厚い本なのですが、すらすら読めます。
それは、物語のおもしろさだけでなく、
その筆力のすばらしさもあります。
そうして、夢中で読み進んでいくと、あるとき、
え?という、展開があります。
その、物語の運び方、展開、緊迫感……
「ホワイトアウト」は、
真保裕一氏の代表作というにふさわしい作品です。
これは、ぜひ、読んでいただきたい傑作です。
95.9
新潮社