★★★★★ 5.0 (個人的な好みとして)
「短編集のふりした長編小説」ややミステリー

伊坂氏の作品の中で、多分、一番読みやすい、といいますか、
一般ウケする作品だと思います。
彼の小説の中には、
残酷だったり理不尽だったり、救いのない暗さや
犯罪者が描かれていたり、というものも多く、
好みがあると思うのですが、
「チルドレン」は、ほとんどそういうものはなく、読後感もいいと思います。
物語は、5つの短編から成っています。
けれど、登場人物が共通していますので、
長編として、とらえてもOKです。
伊坂氏曰く、「短編集のふりした長編小説」なのだそうです。
この、長編として成り立つあたりが、伊坂幸太郎の味なんですよ。。
それぞれ、時間軸と語り手が変わりますが、
「陣内」という男を中心とした物語です。
陣内は、超個性的で、予測不可能な行動を取る人で、
芯が通っていて、とても魅力的な人物です。
物語は、ミステリーの要素も含まれていて、
そんなおもしろさもあります。
ぜひ、読んでみてください。
おすすめします。
04.5
講談社