最近、夜にテレビを見る時間が以前より少し増えた。

きょう見た番組の中で、18年間、妻にウソをつき続けていたフランス人の男の実話が紹介されていた。


社会ではWHO(世界保健機関)に勤めるエリート医師、家庭では子ぼんのうで優しい理想の夫。

だが、本当は彼は無職で、18年間にわたり、医師として働いているかのように装っていたのだ。

生活費は、自身と妻の双方の両親からだまし取っていた。

そして、そのウソが破たんした時、悲劇が起こる。


最初は小さなウソだった。

それをごまかすためにウソにウソを重ねた。

取り返しのつかないウソとは、そんなものだろう。


「あなたの夫は、本当に働いていますか?」


そんなテロップが出た時、少しドキッとしたのはなぜだろう。

うん、働いているぞ。

きょうもちゃんと出勤した。

仕事もがんばった、と思う。


ちなみに昼食は、得意先からお中元でいただいた大量のそうめんを、同僚たちとゆでた(きょうは弁当はなかった)。


かくかく鹿々


実は、このことは奥さんに言わないでおこうと思っていた。

なぜなら、弁当がない日は、昼食代として、500円をもらえる取り決めとなっている。

そのお金で、明日のおやつを奮発しよう。


だが、奥さんに昼食代を請求すると、彼女はニヤッと笑って言った。

「きょうの昼はお金つかってないやろ、知ってるねん」

私は狼狽しながら、「な、なんでやねん。ランチ食べにいったぞ」と口をとがらせた。

すると彼女は、「あんな。Uさん(同僚)の奥さんから、昼はもらい物のそうめんをみんなで食べたって聞いてん」と勝ち誇った顔で宣告した。


何の反論もできない。私はただ奥さんの前で小さくなった。

ウソつきでせこい夫だと、あらためて思われたことだろう。


でも、小さなウソのうちにばれてよかった。

先週末より、わが家では大きな戦いがあった。

何かというと、1歳4カ月になった息子の断乳へのチャレンジである。

息子は早い段階で粉ミルクを拒否したため、ずっと母乳で育った。


母乳が大好きで、それなしでは寝られない息子のこと。おおいに不安があった。

私も金曜から3日間、「炎の72時間闘争」と銘打ち、休暇をとったりして何とか時間をやりくり。妻子につきっきりでサポートすることになった。


私の使命は、まず朝から夜まで、息子と遊びまくり、できるだけ彼を疲れさせること。

そして、奥さんに代わって息子を寝かしつけること。

体力、精神力とも自身の壁を破らなければできない戦いである。


3日間とも家の中やベランダ、近所の公園などでめいっぱい遊んだほか、外出も頑張った。

金曜は車で15分ほどのイオンモールへ。わが家御用達の「動物園」(一般的にはペットショップと呼ぶ)で犬とふれあって盛り上がった。

土曜は電車に乗って奈良市の「ならファミリー」へ。百貨店の高級おもちゃコーナーにて見本の商品で遊びまくった。

日曜はまたまた電車で大阪・京橋へ。私の両親を呼び出し、昼食をごちそうしてもらった。

そのおかげか、思ったよりスムーズに断乳は進み、夜も早めに寝ついてくれた。


とはいえ、一日目はやはりつらそう。息子の泣き顔に心が痛んだ。


かくかく鹿々


二日目も、就寝時には禁断症状があらわれていた。

眠るかと思いきや、急に立ち上がる練習をしだし(彼はまだ自分で歩けない)、ふにゃふにゃ言いながら、倒れては立ち上がる。

その姿は、一人立ちのために母乳への思いを断とうとする内面の葛藤のあらわれのようで、見る者の涙をさそった。

何度も繰り返すうち、前のめりで壁に突っ込み、顔面を強打。大泣きするかと思いきや、いきなりケタケタ笑いだし、満面の笑顔で立ち上がり、そして泣きだした。

もうおかしくなっている。幻覚でも見えていたのかもしれない。


しかし、それ以外は大した抵抗もなく、一日中きげんよく過ごし、そして寝るようになった。

案外、あきらめが早い方だ。その辺は父親ゆずりである。


一方で、昨夜から私の首と肩の筋も、おかしくなっている。

子どもにつきっきりになるとは、かくも大変なことなのか。


奥さんをはじめ、世のお母さん方の毎日の奮闘に、感謝合掌である。

暑い。

夕方の風も熱風だ。

往復計1時間の徒歩を要する通勤がつらい。

正直に言って、おかしくなりそうである。

だが、どうやらおかしくなるのは私だけではないようだ。


帰宅前に奥さんと電話中、彼女が「うわー!」と大声をあげた。

別に彼女がおかしくなったわけではない。

ハトがわが家(マンション2階)のベランダに突っ込んできて、あみ戸で跳ね返り、そのままどこかに墜落気味に飛んで行ったらしい。


奥さんは大のハト嫌い。私がとなりで「クックルー」と言うだけで、怒りをあらわにする。

もしあみ戸をあけていたらと思うとゾッとした。

わが家史上、最悪の大惨事になっていたことだろう。


ともあれ、ハトまでおかしくなる猛暑を乗り切らなければならない。

そのためには、健康な食事が基本になる。

今まで以上に菜園に力をいれていこうと決意した。


今朝、わが菜園から収穫したばかりのトマトたち。


かくかく鹿々


夕食はこれを使って私が作った。


かくかく鹿々


トマトとツナの冷製パスタ。中に混ぜたバジルも自家製。

奥にある鳥料理は奥さんが作ったが、ここにまぶしたパセリも同様である。


元気が出てきた。

さあ、明日も土とふれあおう。

今朝6時過ぎ、地震が起こった。

震源地は奈良で、うちの市は震度3を計測。けっこう揺れを感じた。


私は6時前に目を覚ました。

床に就いてからまだ2時間しかたっていなかったが、勝手に目が開き、いくらまだ寝ようと思ってもダメだった。

そして、地震が発生したのだ。


自らの生存本能に少し自信がわいた。

そういえばこの3、4日、ハードワークに加え、奥さんが実家に帰っていた分、家事もこなしていた。そして毎食、「自分がその時に何を食べたいか」を妥協なく追及している。

いわば生きるための嗅覚が、鋭くなっているのだろうか。

自分が野生を取り戻したような気分になり、「やはり男は猟に出なければ」などと考えていた。


昼過ぎ、私の実家から電話が。

伊勢の親せきが、あわびとさざえを届けてくれたらしい。

生モノなので、「きょう中に大阪に来ることがあればおすそわけできるねんけど」とのこと。


実は、きょうはたまたま大阪に出る用事を作っていた。タイトなスケジュールではあったが、わずかながら実家に立ち寄るチャンスもあった。

そして、攻めの行程で、無事に海の幸をゲット。


かくかく鹿々


絶品である。奥さんと仲良く分け合っていただいた。

うーむ、ここでもアグレッシブな嗅覚が生きたと言いたい。


この調子で、頼れる夫になりたい。

世間は休日だが、私は朝から深夜まで仕事にいそしんだ。


夕食は奈良の人気ラーメン店「あまのじゃく」本店へ。

ここはいつ前を通っても、たくさんの人が並んでいる。

私は並ぶのは好きではないが、きょうは読書がてら20分ほど並び、店内に入った。


注文したのは、とんこつ塩ラーメン。

あっさり塩ラーメンと迷ったが、こちらにした。


かくかく鹿々


まろやかだが味は濃い。

好みが別れるところだが、今のところ評価する人の方が多いようだ。

だが、私は食べながらあっさり塩ラーメンにしたらよかったと後悔した。


別に、おいしくないわけではない。

となりの人のあっさり塩がおいしそうだったのだ。

細い人だったのに、替え玉もしていた。そんなにガンガン食べれるのだろうか。

私はこないだ来た時もとんこつを選んだ。次はあっさり塩にしようと決めていたのに。


ああ、小さい男だ。

これではいかん。

息子にはもっと大きな人物になってほしい。


だが、今のところ息子のスケールもあまり大きくないようだ。

昨日、奥さんのお父さんが息子にプールを買ってくれた。幼児用だが屋根がついた立派なものだ。

しかし、息子は水に足をつけた途端、泣いて入ろうとしなかった。普段はとても水が好きなのに。


その後、彼は自分にあったプールを見つけた。


かくかく鹿々


奥さんの実家の中にある洗面台。

しばらくしてこちらが持ち上げようとしても、強く抵抗して出ようとしなかった。


おいおい、君には屋外に立派なプールがあるではないか。

なのに、なぜその場所にこだわるのか。


その小さな背中に、父親の姿が重なるようだ。