「 人間通の勘どころ 」
谷沢永一 (たにざわ・えいいち 関西大学名誉教授 1929~2011 )
PHP研究所 1997年12月発行・より
大学では、テレビに出たり、ものを書いたり、メディアに顔が売れていると、風当たりが強い。 いじめですな。
無能者が同盟を組んで、取り囲んでいじめるわけ。
例えば、山崎正和さん。
山崎 正和(やまざき まさかず、1934年 -2020 )は、日本の劇作家、評論家、演劇研究者。サントリー文化財団副理事長、大阪大学名誉教授、
経済産業省参与。文化勲章受章者。文化功労者。日本芸術院会員。
関西大学文学部教授、大阪大学文学部教授、東亜大学学長、文部科学省中央教育審議会会長(第4期)、LCA大学院大学学長などを歴任した。
~Wikipedia
山崎さんは、比較的初期においては、処遇に恵まれなくて、奈良の帝塚山女子大の助教授に、やっと専任で就職できた。
ところが、そのころはすでにもう相当な知名度がありましたから、竹市明弘が関大にたった半年で引っ張ったわけです。
それから七年間関大へおったけど、まあ山崎さんに対する風当たりというのは、何をどうしたと言われたら困るんですが、もう冷気としか言いようがない。
「あの野郎、生意気だ」 と山崎正和さんを白眼視する。
山崎氏は、それを肌身に感じておったでしょうね。
いじめにはいろんなやり方がある。
例えば、愛媛大学で、京大から赴任してきた助教授が、京都大学の雑誌に論文を書いた。
そこの無能主任教授が激怒した。 生意気だ、と。
そしてその晩、その論文を書いた助教授を除く全員の国文科の先生を連れて、一杯飲みに連れていった。 村八分ですね。
山崎さんの業績審査の段階、採用するかどうかを決めるときから、すでにもう嫉妬が始まってるんです。
業績審査にあたった他学科の教授が、「この人はできる人だが、なにか派手すぎるようですな」 という言いかたをした。
いじめられるのも甲斐性といいますが、しかし、いじめられるというのは自分の伸びかたが不足してるからなんで、もっとグーッと伸びてしまえば、いじめる張り合いがなくなるわけ。
山崎さんに嫉妬したって、なんかおかしい。
https://ameblo.jp/hitosasiyubidesu/entry-12176457185.html
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奈良図書館の前庭 10月4日撮影