外国の知識人が日本人に聞く事は・・・ | 人差し指のブログ

人差し指のブログ

パソコンが苦手な年金生活者です
本を読んで面白かったところを紹介します

「 名著講義 」

藤原正彦 ( ふじわら まさひこ 1943~ )

株式会社文藝春秋 2009年12月発行・より

 

 

 

あなた方が海外に行っても、実際は、シェイクスピアやディケンズについて聞かれることはありませんから、安心してください。

 

 

それより、祖国である日本についてきちんとした知識があるかどうかが評価される。

 

 

日本のことについては、日本人なら知っいて当然と思われていますから。

 

 

ケンブリッジでフィールズ賞の受賞者に会った時、彼が開口一番何と言ったと思いますか。

 

      「夏目漱石の 『こころ』 に出てくる先生の自殺と、三島由紀夫

      の自殺はどういう関係があるのか」 と。

 

いわば、私をテストしているわけね。

 

 

フィールズ賞は、若い数学者のすぐれた業績を顕彰し、その後の研究を励ますことを目的に、カナダ数学者ジョン・チャールズ・フィールズ の提唱によって1936年に作られたのことである

4年に一度開催される国際数学者会議 において、顕著な業績を上げた40歳以下の数学者(2名以上4名以下)に授与される  ~wikipedia

 

 

『源氏物語』 や能・狂言についてもよく聞かれたし、

「碁は上流階級のもので将棋は庶民階級のものだったと聞いたがそれはどうしてか」 などと問われたこともあります。

 

 

向こうの知識人は当たり前にこういうことを尋ねてくる。

 

 

ある商社マンは、ロンドンで取引先の家に招待されて 

「日本では士農工商と聞いたが、どうして商が一番低かったのですか。

ヨーロッパではどこも農でしたが」 と聞かれたそうですよ。

 

 

こういった質問に正確に答えられなくてもよいが、何も自分の考えを述べられないと、この人は教養がないから話すに値しないと判断されてもう二度と招待してもらえない。

 

すると商談も進まなくなる。

 

 

 だから、国際人になるために大切なことは、まず自分の国について知る、教養を持つということです。

 

 

日本が日本たる所以(ゆえん)を理解しなければいけない。

その神髄が 『武士道』 には書かれていると思います。

 

 

新渡戸稲造著 『武士道』~日本武士道を欧米に紹介する目的で1899年にニューヨークで刊行さた。

思想家あるいは教育家として著名な新渡戸稲造が、日本人の道徳観の核心となっている「武士道」について、西欧の哲学と対比しながら、日本人の心のよりどころを世界に向けて解説した名著。

岡倉天心の「茶の本」と並んで、明治期に日本人が英語で書いた著書として重要である。                     ~wikipadia

 

 

 

 

 

 

                            3月23日の奈良・興福寺