「 阿川佐和子の世界一受けたい授業 」
阿川佐和子 (あがわ さわこ 1953~)
株式会社文藝春秋 平成24年11月発行・より
授業③ 心理学について 河合隼雄 (かわいはやお 心理学者 1928~207)
阿川 日本人の場合、何か問題があると まず友達や家族に相談します
けれど、私がアメリカにいた時、アメリカ人は失恋したりすると、
すぐセラピストに行くんですね。
これはいいことなんですか。
河合 いいことか悪いことか分かりませんけど、悲しい事実ですね。
僕の知っている日本人が、アメリカの大学で
「この頃の日本人の青年は、自分の大切な悩みを打ち明けられる
友人がいなくなって気の毒だ」
という話をしたんです。
そしたら、向こうの大学生は全然理解できない。
悩みを友達に言うアホがおるかと思ってるんですよ。
うっかり友達や、それから親にだって言うと損すると。
阿川 損をする!?
河合 そんな世界に生きてるんだから、専門家に言うより仕方がない。
それは、僕は非常に悲しいことだと思います。
その点は、日本はまだいいです。
( 「週刊文春」 1997年10月2日号 )
「なら瑠璃絵」 という光のお祭りみたいなものが奈良公園で2月8日から
あります、春日大社でもやるんでしょうか。 2月6日の春日大社の参道