『 歪曲報道 巨大メディアの 「騙しの手口」 』
高山正之 (たかやま・まさゆき 1942~)
PHP研究所 2006年10月発行・より
ところがNHKは、その不要な取材部門にやたら人を配置する。
どの記者クラブでもNHKは、他者を圧する。
ワシントンのプレスセンターだと一桁は違ってくる。
取材現場での物量作戦もすごい。
こちらは質素な新聞社の記者で、張り込み現場の弁当は塩鮭に竹輪が定番だったが、NHKは、味噌汁つきのお重だった。
浅間山荘やら安田講堂攻防など、長丁場になるとNHKは冷暖房完備の仮眠用バスがやってきた。
寒さに震える民間をよそに、暖かいベッドでゆっくり寝て朝はまたお重を食って、黒塗りの車で家に帰る。
それでべらぼうな取材手当。
2004年に大阪市職員が福井水害に応援に行って日当4万円を出したが、NHKも似たようなものだった。
そんな贅沢をして流すニュースは前述したように上澄みだけ。
海外に行くともっとひどい。
取材でパキスタンのランジコタールからアフガンに入ろうとしたときのこと。
国境検問所で 「日本人なら1万ドル払え」 という。
理由を聞くと、その前に入った 「NHKが払ったから」。
NHKはアフガンの自然と人々、みたいな間抜けな番組の取材に来た。
でも物騒だと聞いて、警護の兵士を高額で雇い、地元部族に安全保証費として1万ドルを払ったという。
「いい番組なら取材費は使い放題」 と元NHKの女子アナ出身議員が 『 朝日新聞 』 に書いていた。
しかし安全をカネで買って撮ったアフガンの姿に何の意味があるのか。
ちなみに、われわれは1万ドル支払いを拒否し、南のピシン峠から入国した。もちろんタダだ。
そしたら山道でマントの陰にカラシニコフという銃を隠し持った老人に危うく殺されかけ、やっと逃げ込んだ村ではそこの住民に身ぐるみ剥がされそうになった。
ダコイト(盗賊)を副業とする村だった。
これがアフガンの真の姿だが、NHKの映像にはそんな現実は出てこない。
安全をカネで買った映像に出てくるアフガン人はいい人ばかり、「善意が心をつなぐ」風の虚構がこうして日本中にばらまかれる。
2016年3月29日に 「NHK職員の給料は凄いぞ」 と題して三橋貴明とNHKの不正経理を内部告発した立花貴志の対談を紹介しました。コチラです。↓
https://ameblo.jp/hitosasiyubidesu/entry-12140071084.html
朝霞市内(埼玉)にて11月25日撮影。