これでは商店街の復活は無理 | 人差し指のブログ

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「 新聞の経済記事は読むな!バカになる 」

日下公人(くさか きみんど) /  渡邉哲也(わたなべ てつや)

株式会社李白社 2013年3月発行・より

 

 

 

日下   商店街を復活させようとするなら、やはり商売の根本が大切だと

      思います。

 

 

      今の商店街の人たちに対しては、サービス業をやっているくせに

      何を考えているんだと言いたい。

 

 

      具体的な例を出しましょう。

 

 

       私は北海道のある地域の商店街の人たちに呼ばれたことがあ

      ります。

 

 

      これに先だって通産省は、商店街で何をすれば復活できるかと

      いう方策を考えるための予算を何と二兆円も付けていました。

 

 

      通産省はこの予算を都道府県に分配したので、北海道庁は道内

      の商店街の人たちを集めて 「商店街が復活するようなことを何

      かやってほしい」 と言いました。

 

 

      そこで、私を呼んで講演で話してもらうことにしたのが北海道の

      ある地域の商店街だった。

 

 

 

渡邊   日下先生の話を聞いて自分たちの商店街を復活させようという

      ことですね。

 

 

 

日下   はい。私は講演の冒頭で 「皆さんはしょっちゅう集まって相談し

      ているが、相談の結果、自分たちに都合の良いように決めたこと

      と、お客さんが喜ぶように決めたことでは、どちらが多いです

      か」 と訊きました。

 

 

      これに対する商店街の人たちの答えは、「もちろん、自分たちに

      都合の良いように決めたことが多い」 ということでした。

 

 

      たとえば、早起きするのが嫌だから店を開けるのは午前八時半

      にする、と申し合わせをするといったことです。

 

 

       しかし、この商店街に入ってきた全国チェーンのセブンイレブ

      ンは午前七時に店を開いて営業しました。

 

 

      それで困って商店街の人たちは道庁に行き、「セブンイレブンを

      追い出してほしい」 と陳情した。

 

 

       私は 「以上のようなことをしていては、あなたたちの息子や娘

      は家業を継がなくなりますよ」 と言いました。

 

 

      この話は商店街の人たちに感銘を与えたが、結局、その商店街

      は何も変りませんでした。

 

 

      要するに道庁から予算をもらったので、私を呼んだというだけの

      ことでした。

 

 

渡邊   そういう姿勢だと、商店街の復活はできないですね。

 

 

                                                            

 

 

2017年2月15日に 「商店街の三悪人」 と題して日下公人の文章を紹介しました。コチラです。  

https://ameblo.jp/hitosasiyubidesu/entry-12246967754.html

 

 

 

 

 

                            東京駅 1月11日撮影