『 共に生き、共に苦しむ 私の「夜と霧」 』
霜山徳爾 (しもやま とくじ 1919~2009)
河出書房新社 2005年5月発行・より
若い夫を突然亡くした若い夫人の反応の日米比較の研究が二つほどあるけれど、両方とも一致していることは、直後のショック、取り乱し方は、アメリカ人の方がはるかにはなはだしい。
もちろん日本人の若い夫人も取り乱しはするのであるが、アメリカ人に比べれば、まだ一生懸命、自分を抑えているのがみられる。
ところが、その後の時期になると、別の現象が出て来て、アメリカの未亡人は直後は非常に取り乱すけれども、一年もするとどんどん再婚していくという現象がみられる。
ところが、日本人の場合、直後は取り乱したりせず、夫の面影をとどめて暮らし、なかなか再婚には踏み切れないという報告が出ている。
こんな簡単なことからも文化の差というものが認められ、深層的な日本人の特性を考えていくと、死生観、魂、あるいは肉体というようなものに対してもヨーロッパ、アメリカとの文化差というものがかなりある。
5月11日 光が丘公園(東京・練馬)にて撮影