外人は上手にモノを売る | 人差し指のブログ

人差し指のブログ

パソコンが苦手な年金生活者です
本を読んで面白かったところを紹介します

 

 

 

対話 イスラムの発想 アラブ産油国のホンネがわかる本

山本七平(やまもと しちへい)/加瀬英明(かせ ひであき)

徳間書店 昭和54年10月発行・より

 

 

 

 

<山本>     これはユダヤ人がつくった一口話ですけど、

           昔イエメンの王子がアメリカに行って戦闘機に

           乗せてもらった。                

 

 

これはいい。一機売ってくれといったら、一機売ってくれた。

 

 

だが飛行場がない。どうやって飛ばすんだ。

 

 

飛行場をつくるから飛行場をお買いなさいというわけで、

飛行場をつくらせた。

 

 

それでも飛ばない。電子機器がなきゃだめだというわけで、

それをまた一セット売りつけた。

 

 

そうすると飛行機一機のために、飛行場と全部の設備が要るわけです。

 

 

そんな冗談になったのは、このまえNHKの吉田ディレクターと

大使館のマトナイ氏と話しているときでした。

 

 

 

 

吉田さんは中国に行かれて、中国ではビデオカメラが欲しいという。

 

 

吉田さんはたいへんまじめな方なんで、「こういうものをすぐ買っても、

実際には背後にこれだけの設備が必要で、それがなければ、使えないからおやめなさい」 と言った。

 

 

 

それを聞いてマトナイ氏が冗談に、「あなたはセールスマンになれない。

一台売ってくればいい。使えなきゃ、それにはこれが要る、これが要る、

これが要ると順番に売ればいいじゃないか」 と。

 

 

 

このときにその戦闘機の話が出たんです。

いわばステータス・シンボルで、実際に活用してないんです。

 

 

 

 

 

                                                    

 

 

 

この中に出てくる 「NHKの吉田ディレクター」 というひとは多分この人だと思うんですよ、「山本七平ライブラリー⑯」の解説なども書いている人ですし・・・コチラです

https://ameblo.jp/hitosasiyubidesu/entry-12326933496.html

 

 

 

 

上野不忍池(東京・台東区)にて昨年11月21日撮影