昔の小池百合子は・・・・ | 人差し指のブログ

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「国家と人生 寛容と多元主義が世界を変える

竹村健一(たけむら けんいち)・佐藤優(さとう まさる)

株式会社太陽企画出版 2007年12月発行・より

 

 
 
<佐藤>     そういえば自民党の小池百合子さんは、たしか竹村さんの番組でアシスタントをしていたのではないですか。
 
 
<竹村>     そうです。彼女は世の中を動かすのにどうしたらいいのかをちゃんと知っている人です。
 
 
たとえば 「クールビズ」 が日本中に広がったでしょう。
 
サラリーマンが、日本のような湿気の多い暑い夏にネクタイを締めている。
 
これを外すのを習慣にしてしまえば、仕事の能率は上がるし、なにより過ごしやすい。でも政府が主導したら反感を買うだけでしょう。
 
 
ではどうするか、と彼女は考えた。ネクタイをするのはサラリーマンだから、サラリーマンでいちばん偉い会社の社長の理解が得られればいい。
 
 
社長のなかでいちばん偉いのは経団連の会長だと、彼女は考えたんだね。
 
そこで小池さんは、まず 「クールビズ」 という洒落た言葉を考えた。
 
次は、当時の奥田碩経団連会長に 「ネクタイを外してください」 と頼んだ。
 
そうしたら奥田さんが乗ってくれた。「あれ、サラリーマンのトップがネクタイを外した」 ということで、全国に広がっていった。
 
 
<佐藤>    「トルコ風呂」 の名前を変えたのも彼女でした。
 
 
<竹村>    その名前はいまはなくなったね。きっかけはあるトルコ青年の投書だったらしいんだけど、タクシーに乗って 「トルコ大使館」 と頼んだら、トルコ風呂に連れていかれたらしい。
 
 
 
<佐藤>    「トルコ・大使館」 というな名前のソープランドもあったそうですね(笑)ほんもののトルコ大使館に間違えて予約の電話がかかってくることがあるという笑い話を聞いたことがあります。
 
 
<竹村>    そのときの厚生大臣が、「黄門様」 としてにわかに有名になった民主党の渡部恒三さん。
 
 
渡部さんとこの話をしていたら、「厚生大臣として部下と調整せずに話しを進めたのは、自分の長い経験のなかでもトルコ風呂という名前を変えさせることだけだった」 と。
 
大臣といえども、なかなか方向は変えられないらしい
 
けれども、「あれだけは俺が一存でやったんだ」 といってました。
 
<佐藤>    そうでしたか。
 
<竹村>    小池さんがえらい点はもっとあるんですよ。
 
 
これは表に出す話ではないけれど、小池さんと一緒に 『世相講談』 という番組をやっていたのですが、僕などはゲストがきても、「こんにちは」 「さようなら」 で終わらせてしまう。
 
しかし小池さんは、一人ひとりに丁寧な礼状を出していた。
 
だいたい、テレビは出る人より出す人のほうが偉いといった感じがありますよね。
 
出演してもらう側のプロデューサーやディレクターはいちいち礼状なんて書かない。
 
でも小池さんは 「ありがとうございました」 と礼状を書いていた。
 
礼状がきたら、政治家だって財界人だって嬉しいですよね。
そこから彼女は交流を広げていった。
 
 
<佐藤>    そういう陰徳の積み方は非常に重要です。
 
そういった陰徳を積んでおかないと、人脈は本当にできません。
 
 
<竹村>    小池さんは、そういう点が立派だね。
 
 
<佐藤>    年配の人は、それだけの年齢を重ねているわけで、たくさん知恵があるはずですね。
 
 
小池さんは、人生の先輩たちを大切にしたんですね。
年配の人たちからきちんと学ぼうとする姿勢は、とても重要だと思います。
 
 
 
 
 
5月18日 光が丘公園(東京・練馬)にて撮影