田辺聖子の「人間観察」 | 人差し指のブログ

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本を読んで面白かったところを紹介します

 

 

 

39   悟(さとる)の人間観によれば、人間にはふた通り、あるそうだ。

 

人間は誰でも弱みや恥や虚栄、嘘をもっている。

 

 

それをごまかす奴、ごまかそうと腐心する奴は 「嘘つき」 で、それのない奴、もしくはあっても屁とも思わぬは 「ろくでなし」 である。

 

 

では、謙虚にそれをみとめ、ごまかしもせずすすんで告白して人の指弾や裁きを受けようとする奴は何や、とわたしが口を入れると、

「そいつは <ひとでなし> や」       猫も杓子も   

 

 

 

(略)

 

40    洞察能力というのは、ぐうたらで行動能力のない人に限って強いことが多い。           休暇は終わった      

 

 

 

(略)

 

46     「人を責めることが大好きな人があるね、正義の味方の中には」

                      休暇は終わった       

 

 

(略)

 

48    私にいわせれば、人を責めるのは想像力がないからである。

 

   責めるのは何かの確信があるからで、確信と想像力は相反するものである。            お目にかかれて満足です    

 

 

 

「苦味(ビター)を少々  ー399のアフォリズムー」

田辺聖子 (たなべ せいこ 1928~」

昭和57年10月発行・より

 

 

光が丘公園(東京・練馬)にて4月12日撮影