読売のナベツネと靖国問題 | 人差し指のブログ

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本を読んで面白かったところを紹介します

 

 

 

 

第二次安部政権を発足(ほっそく)させた直後、

安部晋三首相は二〇一三年十二月に靖国神社を参拝しましたが、当時の 『読売新聞』 の社説を改めて読んでみて、本当に驚かされました。

 

 

 

まず、 「靖国神社が政治問題した背景には、

極東国際軍事裁判(東京裁判)で処刑された東条英機元首相ら、

いわゆる 『A級戦犯』 が合祀(ごうし)されていることがある」

と指摘したうえで、

 

「靖国神社は、合祀した御霊(みたま)を他に移す分祀は、教学上できないとしているが、戦争指導者への批判は根強く、『A級戦犯』 の分祀を求める声が今もなおある。

 

 

とし、今の靖国神社には、天皇陛下も外国の要人も参拝しづらいから、

「無宗教の国立追悼施設の建立案を検討すべき」 としているのです。

(略)

 

 

なぜ、保守の一翼を担うはずの読売新聞がそんなことを言うのかなと思って、いろいろと調べたり、人に訊(き)いたりしたところ、

 

どうやら、読売新聞グループ会長の渡邉恒雄という人物の思想が、相当に影響しているらしいことがわかりました。

 

 

 

渡邉氏は読売グループどころか、日本の新聞界に隠然たる影響力を持っている 「ドン」 だと言う人もいますが、

もともとは共産党員であり、思想的には反陸軍、反靖国なのだそうです。

 

 

 

『北京週報(日本語版)』 には、靖国神社に合祀されているA級戦犯は国のために死んだのではなく、

裁判で死刑に処せられた人々だとしたうえで、

 

「日本の首相な靖国神社参拝は、私が絶対に我慢できないことである。

すべての日本人はいずれも戦犯がどのような戦争の罪を犯したのかを知るべきである。(中略)今誰が首相となるかを問わず、いずれも靖国神社を参拝しないことを約束しなければならず、これは最も重要な原則である」

と発言しているのです。

 

 

そして、もし靖国神社に参拝する首相がいた場合には、

「私は発行部数千数百万部の 『読売新聞』 の力で、それを倒す」

という驚愕すべき宣言までしている。

 

(略)

 

A級戦犯が大嫌いな渡邉氏が自身が働いていた当時の読売グループのトップは、A級戦犯として逮捕された経験を持つ、正力松太郎氏です。

 

 

渡邉氏が読売新聞の政治部記者であった頃、

アメリカ駐在を前にした氏の英語の家庭教師をしていたのは、

元アメリカ空軍の諜報部員であったロバート・ホワイティング氏でしたが、

 

彼は当時の渡邉氏が、

「皇居なんて潰(つぶ)して、全部駐車場にしたらいい」

  などと驚愕すべきことを言ったと証言しています(『ビジネスジャーナル』二〇十二年六月十七日号)。

 

 

 

渡邉氏は、東大から陸軍に入営して、そこで教育担当の下士官から殴られたそうですが、そのことを戦後もずっと恨みに思ってきたそうです。

 

 

 

実際「内務省で受けた暴力をいまでも許せない。

 

だから首相の靖国参拝には反対だ」 と言っているわけですが、

こんな乱暴な論理の飛躍はない。

 

 

 

「やっと自虐史観のアホらしさに気づいた日本人」

ケント・ギルバート(Kent Sidney Gilbert 1952~)

株式会社PHP研究所 2016年2月発行・より

 

 

 

4月10日 靖国神社(東京・千代田区)にて撮影

満開宣言直後には、かなりの人出になりますが、今年は数日過ぎてから行ったのでそれほど混雑していませんでした。