「素晴らしい国・日本に告ぐ」
テキサス親父 / ケント・ギルバート
株式会社青林堂 平成27年5月発行・より
<ケント> 私は米国でいくつかのアパートを所有しているんですが、そのうちの一つの12戸のアパートビルは、独身者を対象に部屋を貸しているんです。
しかしあるとき、既婚者が家族で住みたいと言ってきたことがあり、私は断ったんですよ。
すると彼らは 「全米市民的自由連合」(American Civil Liberties Union)という、日弁連の100倍の力を持っているリベラルな団体に話を持ち掛け、私を訴えたんです。
<テキサス> そのアパートはどこにあるの?
<ケント> ユタ州です。モルモン教会が経営する大学の隣にあります。
宗教上、独身者と既婚者の住まいを分けるという教義があるんです。
また、未婚の男女が同棲することもできません。
これは宗教上のルールなんです。
そもそも私は独身者だけに部屋を貸すという条件で、
大学から許可を得て、学生たちに部屋を貸しているんです。
これに異を唱えるのは信仰の自由に関わってくる話ですよ。
当然、裁判で彼らの主張は認められませんでした。
<テキサス> 全米市民的自由連合を相手によく勝てたな!
<ケント> 宗教、つまり 「信仰の自由」 という根拠があれば勝つことができます。
裁判のとき、私は大学時代に授業を受けた先生に弁護を依頼したんです。
彼女は私のことが大嫌いだったようで、いつもあまり良い点数をけれませんでした。
しかし、彼女はとても優秀な弁護士だったんです。
これは持論ですが、リベラルを相手にした場合、できるだけ強情で意地の悪い弁護士を雇ったほうが良いです。
温和な弁護士は雇うべきではないんです。
その点、彼女は怒りっぽくて、先生としてはイマイチだったかもしれないけど、弁護士としては素晴らしかった。
だから私は 「全米市民的自由連合」 を相手に勝つことができました。
ちなみに後でわかったことですが、これは最初から奴らが仕込んだ”ヤラセ家族”の仕業(しわざ)であり、その家族が本当に私のアパートに住みたかったわけではなく、訴訟の根拠をつくるのが目的だったのです。
これまでの人生で誇れることがあるなら、この裁判に勝ったということです。
<テキサス> 全米市民的自由連合は、ポリティカル・コネクトネスに対抗する人に対して、常に訴訟を起こしている厄介な団体なんだよな。
<ケント> ポリティカル・コネクトネスやリベラルに攻撃的な姿勢を見せると、すぐに訴えられますからね。
<テキサス> 基本的に反宗教的で、家族観にも反しているだろう。おかしな方向に進んでいる米国を象徴するような団体だよな!
4月22日 光が丘 夏の雲公園つばき園(東京・練馬)にて撮影