米国のテレビに「クリスマス」は無い | 人差し指のブログ

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本を読んで面白かったところを紹介します

 

 

 

「素晴らしい国・日本に告ぐ」

テキサス親父 / ケント・ギルバート

株式会社青林堂 平成27年5月発行・より

 

 

 

<テキサス>    日本のドラマでは、クリスマス時期の物語だったら、

            街がクリスマスのイルミネーションで輝いていたり、

あるいはクリスマス・ソングを流すような演出をするだろう?

 

 

しかし、米国のドラマではそんな演出は絶対にしないんだ。

 

米国のテレビにクリスマスなんてものは存在しない。

 

 

季節の挨拶や祝日を祝う言葉はあったとしても、

「メリークリスマス」 はないんだ。

 

 

クリスマスのシーンを描くことによって、

クリスチャンじゃない人に嫌悪感を与える恐れがあるというのが理由なんだよな。

 

 

呆(あき)れてものが言えないだろう?

 

 

結果として、米国のテレビは米国の文化を貶めていることになるんだ。

 

 

<ケント>   まさにポリティカル・コレクトネスですね。

 

 

                                                 

 

 

 

「アメリカ人の半分はニューヨークの場所を知らない」

町山智浩 (まちやま ともひろ 1962~)

株式会社文芸春秋 2008年10月発行・より

 

 

アメリカではあまり 「メリー・クリスマス」 とは言わない。

 

 

「ハッピー・ホリデイズ」 と言う。

 

 

日本人はキリスト教徒でなくてもクリスマスを祝うが、

アメリカではそうはいかない。

 

 

特にキリストを殺した罪を負わされて迫害されてきたユダヤ教徒にとって、

クリスマスは過ごしにくい季節だ。

 

 

そこで、政教分離の原則に従って、官公庁や公共施設では 

「メリー・クリスマス」 の代わりに 「ハッピー・ホリデーズ」 という挨拶が励行されている。

 

 

公立学校ではユダヤ教徒やイスラム教徒の子どもの立場を鑑(かんが)みて

教師はクリスマスの話を避ける。

 

 

テレビやラジオ、レストランや商店でも「ホリデーズ」 

と言っておいたほうが無難だ。

 

 

しかし、アメリカはキリスト教徒によって建国されたキリスト教の国だと信じる保守派は 「ホリデーズ」 に不満だ。

 

 

彼らは 「クリスマスを禁句にするなんて、マイノリティやリベラルにおもねり過ぎだ」 と怒っている。

 

 

 

4月10日 千鳥が淵(東京・千代田区)にて撮影