「直言・本音対談 世界は邪悪に満ちている だが、日本は・・・・・。」
日下公人(くさか きみんど)・高山正之(たかやま まさゆき)
ワック株式会社 2015年12月発行・より
<高山> いま、日本でやっている 「マイナンバー」 と同じですけど、アメリカで活動するときには 「ソーシャル・セキュリティ・ナンバー」 がないと、車の免許もとれないし、銀行の口座も開けない。だから、登録しました。
そこには個人を識別するための項目欄があって、目の色、髪の色、肌の色を自己申告して書くんです。
目の色って言われても、よくわからないけど、日本人は 「私の目が黒いうちは・・・・」 なんて言い方があるくらいだから、黒なんでしょうね。
ブラックかダークか忘れましたけど、黒と書かないといけない。
髪の色もだいたい黒でしょ。そこまではいいんだけど、肌の色が難しい。
私は前任者に 「肌の色は何て書いた?」 と聞いたんです。
そうしたら、彼は 「イエローって書いた」 って。
「黄色人種って言われているからって、イエローはないだろう(笑)」 って言って笑ったんですよ。
日本人は普段、肌の色のことなんて気にしていないから、英語でどう書くのかわからない。
白人は自分たちのことをどう表現するのかと思って聞いてみたら、彼らは 「コケージアン」 と書くという。
<日下> そうそう。彼らは 「コケージアン」 だ。
<高山> 白人は 「コケージアン」 で、黒人は 「ブラウン」 か 「ダーク」 って書くらしい。
それで、国務省の人間に 「日本人はなんて書けばいいの?」 と聞いてみた。
<日下> 偉い!
<高山> そうしたら 「ミディアム」 って書けという。
<日下> これは、面白い(笑)。
<高山> 冗談半分に、日本人で少し色が白い人は、「ミディアムレア」 って書くのかって聞いてみたら、向こうは意味がわからなくて、きょとんとしていたけれど(笑)。
要するに彼らは、「コケージアン」。黒人はさすがに 「二グロ」 とは書かない。それは侮辱になっちゃうから。
<日下> 戦後だから 「二グロ」 とは書かないね。
<高山> 黄色人種はアメリカでは 「ミディアム」 らしいです。すごく笑えたので覚えているんです。
昨年11月26日 光が丘公園(東京・練馬)にて撮影