『 「頭のいいワル」 だから、人生うまくいく ! 』
安部譲二(あべ じょうじ 1937~)
株式会社三笠書房2006年3月発行・より
もし、海外、それも政治体制や経済が安定せず、
社会的インフラの整備もまだまだの国、地域に住んでいたとしよう。
火事や地震といった大災害が起こり、何十万、何百万人が住居を失う。
あなたもその一人だ。
そこに国連などから緊急援助として、家一軒分の木材が提供された。
さて、あなたならどうするか。
木材を金に換えて酒やタバコにと浪費するのは大バカ者。
家族のために一刻も早く家を再建しようとする人は平凡な人。
賢いワルならば、木材で何百本もの立て札をつくる。
自分が所有者であると書いて、
燃えて空き地になったあちらこちらに表札代わりにその立て札を打つ。
大災害で死去した人もいるだろう。災害地を離れて他に移り住む人もいる。
立て札を打っておけば、
平時に戻ってもかなりの土地が自分のものになる・・・・。
現在では考えられないが、かつての日本も同じようなものだった。
事実、関東大震災時にこの立て札打ちで所有者がわからなくなった土地をタダ同然で自分のものにしたことが、日本のホテル王誕生のきっかけである。
関東大震災では当時の登記所が燃えてしまったから、証拠はない。
文句をいってきた人とは裁判をしたという。
昨年11月18日新座緑道(埼玉・新座市)にて撮影