「日本人への遺言」
渡部昇一・日下公人
株式会社 李白社 2016年2月発行・より
<日下> 「国際社会」などといいますが、じつはそんなものはないんです。
マスメディアに接していると「国際法を守れ」とか、「国際社会の慣行に違反している」といった議論が盛んになされますが、「国際法」などというものは実際にはありません。
たしかに国際司法裁判所(本部はオランダのハーグ)はあります。
でも、判決を守らせる国際的な武力がないからどの国も判決を守らないのが実状です。
朝鮮戦争の後の1954年に国連軍(湾岸戦争の「多国籍軍」とは別)が創設されたけれども、これはアメリカのいいなりで、「中身はアメリカだ」ということをみんな知っていますから、せいぜいPKO(平和維持活動)をするくらいのことしかできない。
「国際法など実際には無い」といったのはそういう意味です。
これは国連が無力なのと軌を一にしています。
<渡部> そのせいか、日本では国連に勤めたいという人はきわめて少ないですな。
ほんとうのエリートは国連になど勤めたがりません。
本来であれば国連に何十年も専任して、そして日本の国益のために頑張るという人が出てきて欲しいわけですが、そんなことをしようという殊勝なエリートは一人もいないんじゃないですか?
<日下> 程度の低い外国人が上役になっちゃうわけですから、バカバカしくてやってられません。
光が丘公園のベンチに落ちたユリノキの花(東京・練馬)5月3日撮影