デール・カーネギー(1888~1955)人間関係をいかに良くするかについて書かれた「人を動かす」と悩みを解消するための本「道は開ける」は今でも良く売れている。
「デール・カーネギー」著者 スティーブン・ワッツ
翻訳 官靖彦
河出書房新社2014年10月発行・下巻より
1939年、東アジアに旅をした後、彼は中国での野蛮な侵略を踏まえて、日本をどう評価するかを尋ねられた。
彼の答えは問題点を少しも明らかにしなかった。
「日本人は私の本で述べられているのと同じような原則に従っています。彼らはとても上品で親しみ深く、礼儀正しい。子供の頃からそのように振る舞うようおしえられているのです」
と彼は説明した
「だから、中国での彼らの残忍さを説明するのは難しいような気がします。しかし、戦争が権力を握っているひと握りの人たちに指図されていることを思い出さなければなりません」
彼はまた、日本が最近のナチドイツとソビエトとの不可侵条約にショックを受け、素早く公共の建物からすべてのドイツ国旗を取り去ったことに注意を促した
さらに重要なのは、西洋人が1932年の日本による満州の占領だけではなく、1937年の中国への侵略の規模と激しさを誇張したとカーネギーが語ったことだ。
新聞記事は、日本の帝国軍兵士による数万人の中国人市民の残酷な大虐殺や強姦その他の残虐非道な行為について詳しく書いていた。
だが、カーネギーはそのような恐ろしい出来事の証拠を何も見いだせなかった。
「現地にいる間、銃声の一つも聞いたことがなかった」
と彼は「ニューヨーク・デイリー・ミラー」紙に話した
「私の意見では、ニューヨークからサンフランシスコまで自動車で旅をすることの方が、ハルビン、北京、上海、チベットの遠い国境に旅をするよりも危険だ」
楓の紅葉・青葉台公園(埼玉・朝霞市)12月6日撮影