契約の成立要件と有効要件
契約の成立要件と有効要件
契約が成立し、効力を発生するまでには、以下の4つの段階があります。
成立要件 ⇒ 有効要件 ⇒ 効果帰属要件 ⇒ 効力発生要件
今回は、契約の成立要件と有効要件について、お話します。
〇契約の成立要件
契約が成立するためには、以下の3つの要件を満たすことが必要です。
1、当事者(売主と買主など)が存在すること
2、目的(買主が購入するものなど)が存在すること
3、意思表示が合致すること
契約における当事者の意思表示を「申込み」と「承諾」といい、この2つの意思表示の合致によって契約が成立し
ます。(要物契約の場合は、物の引渡しを要する)
契約書は、契約内容に関しての証拠として作成されるもので、契約の成立要件ではありません。
〇契約の有効要件
契約が成立したとしても、それが法的保護に値するかどうかを検討する必要があり、これを契約の有効要件といいます。
契約が有効であるというためには、その契約の内容が具体的に確定していてかつ実現可能なものでなければなりません。また保護に資するためには適法かつ社会的に妥当なものでなければなりません。
さらに、その契約をすることについての意思表示は、当事者の真意に基づいて発せられた必要があり、「無効」や「取消」に該当するものであってはなりません。
無効や取り消しに該当する可能性のある意思表示として、
「心裡(しんり)留保(本心ではないことを表示する)」
「通謀虚偽表示(2者が共謀して嘘のことを表示する)」
「錯誤(本心とは違った表示をしてしまう)」
という『意思の不存在』
「詐欺(騙されて表示する)」、「強迫(脅されて表示する)」
という『瑕疵ある意思表示』があります。
刑事上の詐欺罪や脅迫罪が成立しなくても、民法上の意思表示は取り消すことができる場合もあるので、注意が必要です。
◯契約の成立要件がないケース
<お客様がボディコースを受けたいと来店したが、フェイシャルコースで受け付けた>
契約が成立するには意思表示の合致が必要です。
ここでは「ボディコースを受けたい」=「申込」と、「フェイシャルコースで受け付けた」=「承諾」が合致していませんので契約は成立しません。
なお、ボディコースを受けたいと来店したお客様にフェイシャルコースをおススメし、お客様がこれに同意した場合、
フェイシャルコースをおススメする行為があらたな契約の「申込」となり、お客様の同意が契約の「承諾」となります。
◯契約の有効要件がないケース
<お客様がお試しコースを受けたいと来店したが、10万円のチケットを買うよう執拗に迫り、契約するまで個室から帰さないなど脅されて契約した>
契約が有効に成立するには契約するときの意思の表示が「意思の不存在」や「瑕疵ある意思表示」にあたらないことが必要です。
上記の場合、個室に閉じ込め執拗に迫るなどしていますので「強迫」されて契約の意思を表示してしまっているので「瑕疵ある意思表示」と言えます。
瑕疵ある意思表示は取り消すことができます。(民法のほかに消費者契約法などに従って契約の取消しができます)
次回は、「契約の効果帰属要件と効力発生要件」をお届けします。