1泊2日 山梨・長野一人旅 2日目(11月8日)
川中島古戦場史跡公園から小諸市の布引観音に向かいました。
布引観音の正式名称は、「天台宗布引山釈尊寺」で信濃三十三観音霊場の第29番札所になります。
岩肌にすっぽりハマったようなインパクト抜群な観音堂の写真を見たら行ってみたくなりますよね。
が、ここにたどり着くまでがけっこう大変そうで・・・
千曲川沿いの駐車場から山道の石段を20分ほど登るようです。
石段を20分って、キツいよね。
上りに20分、下りは15分として、往復35分か。
他にも行きたいところがあるので時間もないし・・・
が、グーグルマップを見ていたらもうひとつ駐車場があることがわかりました。
千曲川沿いの「布引観音参道駐車場」が正規の駐車場で、そこからだと20分の石段コース。
もうひとつ「釈尊寺 布引観音臨時駐車場」というのがあります。
口コミを読むと、そこからだと2分で本堂まで行けるようです。
2分はいいね。
1/10だよ。
でも、口コミにはこうも書かれていました。
何しろ狭い山道
本当に行けるのかと不安になるくらい
対向車と鉢合わせしたらどうにもならない
20分山道を登ってでも川沿いの駐車場から行くことを勧める
これを読むとちょっと迷うけど・・・
平日の月曜日なら対向車来ないでしょう~
対向車が来たとしても何とかなるでしょう~
と、楽観的な私は臨時駐車場から行くことにしました。
実際はこんな山道。
確かに対向車が来たらアウトだね。
往復とも運よく対向車は来ませんでした。
距離にして2km弱、4分ほどで臨時駐車場に到着。
他に車はいませんでした。
駐車場からは下り坂(帰りは上り坂になります)
2分程で本堂に着きました。
きつい山道の石段を登って来られた方には申し訳ないですが、簡単に着いてしまった。
本堂の向かいには、お目当ての観音堂。
崖にすっぽりとへばり付くように建てられたインパクト抜群の眺め。
どうやって建てたんだろう?と不思議になる造りです。
それでは向かいの観音堂に向かいましょう。
途中、崖に半分埋め込まれたお堂もありました。
このお堂の横には牛の石像。
角には布が引っかけてあります。
「牛に引かれて善光寺参り」の牛です。
昔、この近くにまだ善光寺にお参りしたことのない信心の薄いお婆さんが住んでいました。
ある日、お婆さんが川で布をさらしていると牛が現れ、その布を角に引っかけ走っていってしまいました。
お婆さんは布を取り戻したい一心で牛を追いかけ、遠く離れた善光寺までやってきました。
牛は善光寺の境内に飛び込むと姿を消してしまいました。
そして牛が持ち去った布は善光寺如来さまの前にありました。
牛の正体は仏さまの化身だったのです。
お婆さんは自分を善光寺に導いてくださった仏さまに感謝し、以来信心深くなり極楽浄土を遂げたのでした。
「牛に引かれて善光寺参り」は
思ってもみなかったことや他人の誘いにより、正しい道に導かれることを意味することわざにもなりました。
▼こちらは善光寺参道の案内所にあった牛の像
私はただ単に、まだお参りしたことのなかった善光寺にお参りして、崖の中に建つ布引観音の景色を見たくて訪れたのですが・・・
角に布を引っかけた牛の話で善光寺と布引観音が偶然つながりましたね。
そして、その先は崖を掘って造られたトンネルに。
トンネルを抜けると、この建物も崖の中に埋め込まれています。
六地蔵も崖の中に・・・
そしていよいいよ観音堂です。
近くで見ても朱塗りの柱が素敵です。
中に入り、舞台から来た方角を眺めると先ほどの本堂が見えます。
左手には浅間山方面の眺め(雲がなければ浅間山が見えるようです)
下をのぞくと足がすくみますよ。
観音堂が空の上に建っている感じがしました。
「重要文化財 宮殿」と書かれた説明板があります。
崖に埋め込まれた朱塗りの観音堂の建物が、国の重要文化財だと思っていたのですが・・・
観音堂の建物ではなく、この中にある「宮殿」が国の重要文化財でした。
岩屋の中に、本尊の観音菩薩と金色の百観音がずらりと祀られています。
ごめんなさい。
写真はこれしか撮っていませんでした。
「宮殿」は左の提灯の左側にあったこちらでした(小諸市HPより写真をお借りしました)
※出典:小諸市ホームページ
最後に本堂の前からもう一度、観音堂を眺めて駐車場に戻りました。
善光寺はまだお参りしたことがなかったのでお参りし、布引観音はこのインパクトのある眺めを見たいとただ単に訪れたのですが・・・
偶然にも「牛に引かれて善光寺参り」でつながって嬉しいような。
でも、しっかり予習してから旅をしないといけませんね。
つづく