参考資料3163 | シフル・ド・ノストラダムス

シフル・ド・ノストラダムス

ノストラダムスの暗号解読

クリスタルのテーマ———冷害、氷河期
「『氷』ということばとともにノストラダムスは、”クリスタル”のテーマを設けた。暗号をより完全なものにするために彼は、『プレサージュ』の1562年12月の四行詩のなかで、”クリスタルによって企ては破壊される”と書いている。この”企て”とは、『諸世紀』のなかに隠された予言の謎のことをさしている。『氷』と『クリスタル』は、完全なテーマを構成するためにほかのことばの助けを借りているのが特徴だ。
 このテーマをもつ四行詩は24篇あり、その補助的役割をはたしていることばとしては、語尾がsまたはzで終わる『氷』glas、そして『ガラス』verre、『ガラス製造人』verrier、『霜』gelée、『雹』gresle、『鏡』mirande、『沼』mares、『潮』maretz があげられる。つまりこのテーマでは、氷やクリスタル、ガラス、氷結、鏡、そして海などのように表面がなめらかな、あるいは光るものをさしていることばが使われている。
 また、ノストラダムスは『クリスタル』ということばを使うときは、同じ詩句のなかに『氷』ということばを入れている。同様に、『氷』のときには『雹』をともに使い、『雹』を使うときには『霜』ということばをそのあとに置いている。そして一度だけ『クリスタル』とともに『潮』ということばを用いている。

Les bleds trop n'abonder de tous autres fruits force,
L'esté, printemps humides hiver long, neige, glace,
En armes l'Orient la France se renforce,
Mort de bestail, prou miel aux assiegez la place.

土地はほかの果実を生み出さず
夏、湿った春、永い冬、雪、氷
東洋の武器、フランスはさらに強くなる
家畜の死、たくさんの蜜蜂 場所を包囲す(『プレサージュ』1566年―6月)

<解釈>
 ここでは”クリスタル”のテーマは、氷glaceということばで表現されている。ヨーロッパの各地の天候異変、異常気象を予言した詩である。
 はっきりした時期は示されていないが、気象異常でヨーロッパをはじめとする世界的な食糧危機が訪れるが、その年、フランスがアジアのどこかの国(中国か?)と協定し、その国の軍隊に守られて食糧を確保するにちがいない。」
「ノストラダムスの遺言書」ダニエル・ルゾー著・流 智明監修より

感想
>このテーマをもつ四行詩は24篇あり、その補助的役割をはたしていることばとしては、語尾がsまたはzで終わる『氷』glas、

フランス語で「氷」は「glace」で、「glas」は「弔鐘」。もっとも、上の詩の2行目の終わりで「glace」で「氷」を表しているが。とにかく、「語尾がsまたはzで終わる『氷』glas」は間違いである。
と思ったが、古語辞典の「glas」の第2の項に「Glace」(氷)とあったので、ダニエル・ルゾー氏の言いたい事は分かった。しかし、ノストラダムスの大事典の原文でも(2行目の終わりは)「glace」となっているので「語尾がsまたはzで終わる『氷』glas」は無理があるだろう。

>『雹』gresle

「gresle」は現代語にはなく、古語辞典に「Petite tumeur mobile en forme de grain de grêle sur la paupière.」とあるので、自動翻訳すると、「まぶたのあられ粒の形をした小さな可動性腫瘍。」
これを修正すると、「まぶたの上のあられ粒の形をした小さな変化しやすい腫瘍。」
つまり、「ものもらい」の事だろう。因みに、同じ項に「grelace」(古語)があり「Grêlon」(雹(あられ)の粒)という意味である。
ただし、私の開発した古語の法則によれば、「s」を抜いて「grele」。これが現代語辞書にあればそれを採用する。「grêle」(雹,あられ)なので、これを選択する。
因みに、私の言う事など信用出来ないという人のために裏を取ってみた。こちらのサイトは英語のサイトで「hail」(雹,あられ)があるのが分かるだろう。ついでに、
Descendants
French: grêle
とあり、「子孫が「grêle」」と私の推理を証明してくれている。
念のため、上のフランス語が本当に「ものもらい」を表しているかは定かではない。(「まぶた」や「腫瘍」などは他に訳しようがない語である。「paupière」,「tumeur」)

>『鏡』mirande

「mirande」は古語辞典にもないし、古い辞書の横断検索でもヒットしない。
因みに、現代語の「鏡」は「miroir」や「glace」である。念のため、「glace」は「氷」の時にも出て来た同じ語である。

>『沼』mares

「mares」も古語辞典にもないし、古い辞書の横断検索でもヒットしない。
因みに、現代語の「沼」は「marais」や「marécage」などである。

「marais」(1 沼沢地,湿地,2 [比喩的]泥沼,3 a) マレ地区[由緒ある建物が多いパリの一画],b) [史]沼沢派[フランス革命期の穏健派],4 [気象]前線帯)

「marécage」(1 沼地,湿地,2 いかがわしい社会)

>『潮』maretz

「maretz」も古語辞典にもないし、古い辞書の横断検索でもヒットしない。
因みに、現代語の「潮」は「marée」などである。また、「maretz」はフランス北部ノール県のコミューン名である。
また、上では省略したが、「mirande」もフランス、オクシタニー地域圏、ジェール県のコミューン名である。

>土地はほかの果実を生み出さず
夏、湿った春、永い冬、雪、氷
東洋の武器、フランスはさらに強くなる
家畜の死、たくさんの蜜蜂 場所を包囲す(『プレサージュ』1566年―6月)

ノストラダムスの大事典からも引用しよう。

予兆詩第134番
小麦はあまり豊かではない。他の果実は全て大量にある。
夏と春は雨がち。冬は長く、雪と氷が。
東方が武装するので、フランスはさらに増強する。
動物たちの死、たくさんの蜂蜜がその場所で攻囲された人々へ。
引用元:https://w.atwiki.jp/nostradamus/pages/1192.html

個人的には、ノストラダムスはほとんどは「終わりの時」の予言をしたと思っているので、東方がロシアでフランスがキー国になるのかもしれない。

詩百篇第1巻34番
左に飛ぶ猛禽が
紛争に先立ちフランス人たちに姿を見せる。
ある者は吉祥と受け取り、別の者は曖昧で不吉なものと見る。
弱い一党は吉兆と見なすだろう。
引用元:https://w.atwiki.jp/nostradamus/pages/40.html

猛禽が左へ翔ぶ
戦闘にフランスが加わる前に
ある者は彼を善人とみなし 他の者は悪人とも当てにならぬ者ともいう
弱小の徒党は彼を吉兆とみなすだろう
(山根和郎訳『ノストラダムス全予言』)
引用元:https://www.ne.jp/asahi/mm/asakura/nostra/proph_text/Centurie_01.htm

「聖書では左手、左はどういう意味で使われているのだろうか。

賢者の心は右へ、愚者の心は左へ。(コヘレトの言葉 一〇の2)

 この言葉より”左”は愚者を象徴していることがわかる。「左手に苦悩が増すだろう」とは「愚者に災いが下される」という意味だったのである。”愚者”とは聖なる言葉を理解できない半豚人である。」
「セザール・ノストラダムスの超時空最終預言(下)」浅利幸彦著より

「10 わたしは終りの事を初めから告げ、まだなされない事を昔から告げて言う、『わたしの計りごとは必ず成り、わが目的をことごとくなし遂げる』と。
11 わたしは東から猛禽を招き、遠い国からわが計りごとを行う人を招く。わたしはこの事を語ったゆえ、必ずこさせる。わたしはこの事をはかったゆえ、必ず行う。」
「イザヤ書」第46章10節~11節(口語訳)

「46:10わたしは初めから既に、先のことを告げ
まだ成らないことを、既に昔から約束しておいた。わたしの計画は必ず成り
わたしは望むことをすべて実行する。
46:11東から猛禽を呼び出し
遠い国からわたしの計画に従う者を呼ぶ。わたしは語ったことを必ず実現させ
形づくったことを必ず完成させる。」
「イザヤ書」第46章10節~11節(新共同訳)

全ては「神の計画」なのである。

6行詩48番
古いカロンから人々はフェニックスを見るだろう
彼のつながりの最初であり最後である
フランスの中で輝き渡る。そして誰もが愛されるに値する人になる
すべての信義をもって長い間統治する
なんと(彼らは)決して彼の先駆者を持たないだろう
彼が彼の記憶すべき功績を返すだろう(先駆者を) 
引用元:https://ameblo.jp/hitorinomeaki/entry-10812478117.html

「3:10 次のように書いてある、「義人はいない、ひとりもいない。
3:11 悟りのある人はいない、神を求める人はいない。
3:12 すべての人は迷い出て、ことごとく無益なものになっている。善を行う者はいない、ひとりもいない。」
「ローマ人への手紙」第3章10節~12節(口語訳)

腐った世の中である。一応、原文も挙げておこう。

「1 愚かな者は心のうちに「神はない」と言う。彼らは腐れはて、憎むべき不義をおこなった。善を行う者はない。
2 神は天から人の子を見おろして、賢い者、神を尋ね求める者があるかないかを見られた。
3 彼らは皆そむき、みなひとしく堕落した。善を行う者はない、ひとりもない。」
「詩篇」第53篇1節~3節(口語訳)

おまけ