参考資料3159 | シフル・ド・ノストラダムス

シフル・ド・ノストラダムス

ノストラダムスの暗号解読

暴君のテーマ—――災害、死
「ノストラダムスは”暴君”Tyranということばを『諸世紀』のなかで12篇の詩に使っている。また別の詩には、暴君のように統治する公卿を登場させている。この公卿は臣下や自分自身を野蛮人に渡してしまっている(二篇)。暴君として知られるローマ皇帝、ネロも、三人の殺害された専政統治者のひとりとして出てくる(三篇)。つまり合計すると、17人の暴君、もしくは専制政治家が出てくるわけだ。そして、そのうちの12篇は”暴君の死”についてふれている。
 これは人類滅亡の日に、17の救われる方法が見つかるが、寸前になってそのうちの5つの方法が失敗してしまうことを意味しているのではないだろうか。どこで、誰が、どんな方法を選び、どういうふうに成功し、またなぜ失敗するのかは、それぞれの詩を解釈してみないとわからない。それらのうちの一篇を解釈したのが左のページの、予言書の弾圧にまつわると思われるものだ。
 17篇の予言詩のなかには、明らかに過去のできごとを予言していると思われるものもある。だが、そうした場合にも、その予言詩のなかにはかならず別のことばで滅亡の日にまつわる予言が隠されている。また、ある予言詩はほかの予言詩と二つ合わせてはじめて意味を成すといった場合もある。

Du grand prophete lettres seront prinses,
Entre les main du tyran deviendront,
Frauder son roy seront les entreprinses,
Mais ses rapines bien tost le troubleront.

偉大な予言から、多くの文字が取られ
暴君の手に落ちるだろう
計画は王をぺてんにかけるが
すぐに掠奪が彼を脅かすようになる (『諸世紀』Ⅱ-36)

<解釈>
ノストラダムスの予言詩の真の意味が世の人びとに理解されるにつれ、支配者(権力を握る政治家)はそれを否定するために圧力をかけ、その著書はついに発禁処分にされるかもしれない。予言詩が示唆する”未来の王国”は、権力者の計画とはまったく相容れないものだからだ。
 しかし発禁処分は国民からごうごうたる非難を浴び、権力者の立場は危うくなるだろう。」
「ノストラダムスの遺言書」ダニエル・ルゾー著・流 智明監修より

感想
>偉大な予言から、多くの文字が取られ
暴君の手に落ちるだろう
計画は王をぺてんにかけるが
すぐに掠奪が彼を脅かすようになる (『諸世紀』Ⅱ-36)

ノストラダムスの大事典からも引用しよう。

百詩篇第2巻36番
偉大な預言者の書簡が奪われ、
暴君の手中に届くだろう。
彼らの企てはその王を欺くことだが、
その掠奪がすぐに彼を損ねるだろう。
引用元:https://w.atwiki.jp/nostradamus/pages/1714.html

私も自分で訳してみよう。

Du grand Prophete les letres seront prinses
Entre les mains du tyrant deuiendront:
Frauder son roy seront ses entreprinses,
Mais ses rapines bien tost le troubleront.(ノストラダムスの大事典の原文)

Du grand prophete lettres seront prinses,
Entre les main du tyran deviendront,
Frauder son roy seront les entreprinses,
Mais ses rapines bien tost le troubleront.(「ノストラダムスの遺言書」の原文)

「garand」(偉大な),「Prophete」は現代語では「prophète」(1 預言者,2 占い師,予言者)の事。「lettre」(1 文字,字体,[印]活字,[古]筆跡,2 字句,字義,[原]文,文面,[版画の]銘,題辞,3 手紙,書簡,4 [複数で][文史][17世紀の書簡文作家・現代の著名作家の]書簡,書簡体の作品,5 公式文書,令状,通達,6 [複数で]文学,文芸,文科),「seront」は「être」(英語で言う所のBE動詞)の3人称複数の未来形。「prinses」は多分現代語では「prises」で「prendre」の過去分詞「pris」の女性形の複数形。「prendre」(取る,得る,つかむ,攻略する,理解する,など)
「entre」(・・・の間に,・・・の中で),「main」(手),「tyran」(暴君),「deviendront」は「devenir」の3人称複数の未来形。「devenir」(1 ・・・になる,2 [学術]生成する,変転する)
「Frauder」([・・・に]不正(詐欺)行為を行う,ごまかす),「son」(彼の,彼女の,その),「roy」は現代語の「roi」(王),「entreprinses」は「entreprendre」の過去分詞の女性形の複数形の古語。「entreprendre」(1 取りかかる,着手する,2 [・・・しようと]企てる,試みる,3 請け負う,4 [長々と]説得しようとする,5 [古]攻撃する,[病気が]襲う),または「entreprise」(1 企て,計画,2 企業,事業,会社,3 請負,請負会社,4 [複数で][女性に対する]誘惑,口説き,5 [文]侵害)
「Mais」(しかし),「rapine」(1 略奪,2 [公金などの]横領,着服),「troubleront」は「troubler」の3人称複数の未来形。「troubler」(1 乱す,騒がす,2 邪魔をする,妨げる,3 [肉体・精神の機能を]乱す,鈍らせる,4 動揺させる,不安にさせる,5 濁らせる,曇らせる,揺り動かす,6 [古]混乱に陥れる),「tost」は私の古語の法則では「s」を抜くと「tot」で現代語の「tôt」(1 早く,早めに,朝早く,2 [古]すばやく,すぐに)だが、一応、古語辞典で「tost」は一番初めに「Vite」(1 速く,すばやく,急いで,2 すぐに,まもなく)があるのでOK。「bien」(とても),「le」(彼を、それを)

Du grand Prophete les letres seront prinses
Entre les mains du tyrant deuiendront:
Frauder son roy seront ses entreprinses,
Mais ses rapines bien tost le troubleront.(ノストラダムスの大事典の原文)
偉大な予言者の手紙(文学)が理解される(取り挙げられる)だろう
暴君の手の中で生成する(変転する)だろう
彼らの企てはその王をごまかすこと
しかしその略奪はとてもすぐに彼を揺り動かすだろう

個人的には、ノストラダムスの「アンリ二世への手紙」と解釈している。また、一説には、「アンリ二世」は未来の解読者の事だという説もあるので、2行目の「暴君」はその王の事だと解釈する。また、3行目の「彼ら」はその解読者の存在に困る人達だろう。未来には焚書のような事が起きるのかもしれない。

A L'INVICTISSIME, TRES PUISSANT et Tres Chrestien Henry roy de France second Michel Nostradamus son tres-humble, et tres-obeissant serviteur et subiect, victoire et felicité.
最も無敵でとても力強くそしてとても寛容な新たなフランスのアンリ王へ、そのとても取るに足りないそしてとても従順な奉仕者で王国の臣民であるミシェル・ノストラダムス、勝利と至福を。
引用元:https://ameblo.jp/hitorinomeaki/entry-12783239953.html

Mais tant seulement ie vous requiers,ô Roy tré-clement,par icelle vostre singuliere et prudente humanité,d'entendre plutôt le desir de mon courage,et le souverain estude que i'ay d'obeyr à vostre serenissime Maiesté,depuis que mes yeux furent si proches de vostre splendeur solaire,que la grandeur de mon labeur n'attainct ne requiert.De Salon,ce 27 Iuin,Mil cinq cens cinquante huict.
おお、とても寛大な王よ、しかしただ一つだけ私はあなたに懇願します。あなたの特異で慎重な人間性(古典研究)によって、ある程度私の心からの願望を理解する事です。そして君主は、私があなたの高貴な威厳に従順であるという事、その後私の観察眼(見解)は、傷つかない私の労作の栄華が必要としないあなたの東からの風の栄光にとても近かった(似ていた)という事を研究します。サロンから1558年6月27日
引用元:https://ameblo.jp/hitorinomeaki/entry-12783428083.html

詩百篇第10巻75番
非常に待望されたものは決して戻らないだろう、
ヨーロッパヘは。アジアに現れるだろう、
偉大なヘルメスから発した同盟の中のひとつが。
そして東方のあらゆる王の上で成長するだろう。
引用元:https://w.atwiki.jp/nostradamus/pages/203.html

10巻75番の詩
Tant attendu ne reviendra jamais
Dedans l'Europe, en Asie apparoistra
Un de la ligue yssu du grand Hermes,
Et sur tous roys des orientz croistra.  (ラメジャラー本の原文)
とても期待(予期)されるものは決して戻って来ないだろう
ヨーロッパの中には。アジアの中に現れるだろう
偉大なヘルメスから生まれた同盟の一つ(同盟からの一人)
そして東洋の全ての王たちを越えて成長するだろう
引用元:https://ameblo.jp/hitorinomeaki/entry-10559004196.html

シンクロニシティーとしては、第二のベーブルース(王)の大谷翔平さんかな。

おまけ