参考資料3005 | シフル・ド・ノストラダムス

シフル・ド・ノストラダムス

ノストラダムスの暗号解読

「アンリ二世への手紙」の冒頭部分

「アンリ二世への手紙」の始まり(20年以上前の自分の訳)
「A L'INVICTISSIME, TRES PUISSANT et Tres Chrestien Henry roy de France second Michel Nostradamus son tres-humble, et tres-obeissant serviteur et subiect, victoire et felicité.」(川尻本の原文)
「不屈でとても強力なそしてとても寛容な新たなフランスのアンリ王へ、とても取るに足りないそして従順な奉仕者で臣下であるミシェル・ノストラダムス、勝利と至福を。」

訳し直してみよう。
A L'INVICTISSIME, TRES PUISSANT et Tres Chrestien Henry roy de France second Michel Nostradamus son tres-humble, et tres-obeissant serviteur et subiect, victoire et felicité.

「INVICTISSIME」は古語辞典にもなく、古い辞書の横断検索でもヒットしない。そこで、ラテン語で翻訳してみる(ノストラダムスはラテン語も使う場合がある)と「最も無敵」である。逆に「最も無敵」をラテン語に翻訳すると「invictissimus」である。因みに、ノストラダムスの大事典でも「最も無敵」となっているので、これで訳す。「TRES」は「très」(とても)の事。「PUISSANT」(1 強い,力強い,権力のある,強力な,2 [地質][3m以上の]厚い炭層),「Chrestien」は「chrétien」の古語。「chrétien」(1 キリスト教[徒]の,2 [話][キリスト教徒らしく]寛容な,誠実な),「Henry」は「Henri」(アンリ)の事だが、わざと「i」と「y」を変えて、未来の「アンリ」へのメッセージとしたのかもしれない。念のため、「アンリ二世への手紙」とは本当の手紙ではなく「ミシェル・ノストラダムス師の予言集」の序文である。「roy」は「roi」(王)の事。「second」(1 2番目の,第2の,2度目の,2 第2位の,2級の,二流の,3 もう1つの,新たな,4 二次的な,副次的な(*名詞の後)),「tres-humble」はノストラダムスサロンの原文では「tres humble」となっているので、これで訳す。「humble」(1 [主に名詞の後で]へりくだった,卑下した;控え目な,2 [主に名詞の前で]みすぼらしい,取るに足らない),「son」(その),「obeissant」は「obéissant」(1 従順な,素直な,2 [動物・機械などが]意のままに動く),「serviteur」(1 [文]仕える者,奉仕者,2 [古]下僕,従僕,召使),「subiect」は「subject」の事。「subject」は古語辞典に「Sujet d'un royaume.」とあるので「王国の臣民(臣下)」,「victoire」(1 戦勝;勝利,2 [頭文字が大文字で]勝利の女神[像][多くは背に翼を持つ]),「felicité」は古語辞典に「Nature heureuse」(幸福(幸運)な性質)という事で「至福」と訳す。因みに、現代語の「félicité」は(1 [宗]至福,浄福,2 [主に複数形で][文]幸福,喜び)

A L'INVICTISSIME, TRES PUISSANT et Tres Chrestien Henry roy de France second Michel Nostradamus son tres-humble, et tres-obeissant serviteur et subiect, victoire et felicité.
最も無敵でとても力強くそしてとても寛容な新たなフランスのアンリ王へ、そのとても取るに足りないそしてとても従順な奉仕者で王国の臣民であるミシェル・ノストラダムス、勝利と至福を。

ワンポイント:アンリ二世は「Henri II de France」と書き、「Henry roy de France second」で「アンリ二世」は無理がないのだろうか。「roy de France」を飛び越えて「second」が「Henry」を修飾する訳ですよね。それより「France second」で「新たなフランス」と訳すのが自然なのではないだろうか。もっとも、語学は全くの素人なので真に受けないで下さい。

「私は導師ではない。あなたがたは誰にも頼ってはならない。自己の内なる魂の声だけを依りどころとして進みなさい。さもなければ、あなたがたは精神的な奴隷となってしまうだろう。
 権威をふりかざし、あなたがたを支配しようとする指導者を捜し求め、人生をさまよう放浪者となってしまうだろう。そして自己の進歩を忘れ、誰かの恩恵だけを求める人間となってしまうのだ。だから私はあなたがたに言っておく。自分の事は自分で救いなさいと。
 人は宗教の導師や教祖を慕うあまり、それを神格化し絶対視する。そのほかの可能性を頭から否定する。しかし、そのようなとらわれた意識をもってしては真実を見い出す事は出来ない。従って、諸君は私を権威者として見たり崇拝の対象として見たりしてはならない。諸君は自由でなくてはならない。
 どうかこれから、私の言う事を信じないで欲しい。しかし、疑わないで欲しい。頭から信じたり疑ったりせずに、自分の頭でよく考え、実行し、確かめて欲しいのだ。なぜなら、そうして得られた知識こそが本物であるからだ。自分を救うのは自分以外にはいない。私はただヒントを与える事が出来るだけだ。自ら救おうとする者はそこから学ぶだろう。与えられるのを待つ者は何も得られないだろう。
「ファウスト博士の超人覚醒法」斉藤啓一著より

蛇足だが、「王国の臣民であるミシェル・ノストラダムス」からノストラダムスは現代に転生していて千年王国に入る事が約束されているのかもしれない。(念のため、転生とか霊とかほとんど信じていないが、説得力がある証拠が見つかればすぐに態度を変える。)

おまけ