参考資料1939 | シフル・ド・ノストラダムス

シフル・ド・ノストラダムス

ノストラダムスの暗号解読

アブラハムの話 その1
「バベルの塔がくずれて、ノアの子孫たちが世界の各地にちらばってから何百年か後に、ノアの息子セムの子孫のテラという人が、カルデヤ(ユーフラテス川の下流地方)のウルに住んでいた。
 ノアの子孫たちは、はじめはエホバの神を信じて、信心ぶかい正しい生活をおくっていたが、ゆたかなメソポタミアで長くくらすうちに、バベルの塔の話でもわかるように、だんだんおごりたかぶって、神をうやまわぬようになった。
 テラは信心ぶかい人だったから、どうかして一族の者を正しい道につれもどしたいと思った。それには新しい土地にうつるがいいと思い、カナン(いまのパレスチナ地方)の方へいこうと、一族の者をひきつれてウルを旅だった。これは紀元前二千年の頃だろうとされる。しかしテラは、旅の途中で病気にかかって死んだ。残された者たちは、一族のかしらをうしなって途方にくれた。そのとき神が、テラの息子のアブラハムにつげた。
「おまえは一族の者とわかれ、わたしの示すほうへ行け。そうすれば、わたしはお前を祝福して、お前は大きな国民の祖先にしてやろう。」
 もはや七十五歳になっていたアブラハムは、神がこんな老人をどこへつれて行こうとするのか、不安に思った。しかし信心ぶかいアブラハムは、神のいいつけのままに旅の仕度をした。甥のロトも、一緒にいくことになった。
 二人はそれぞれゆたかな一家の首長として、多くの羊と、羊飼いをつれていた。荷物や召使もたいへんなものだった。それはただの引越しではなく、ひとつの部族の移住だったのだから。
 砂漠や荒地をこえて長い長い旅がつづいた。ずいぶんつらいこともあった。しかも、どこへつれて行かれるかわからない旅である。それでも信心ぶかいアブラハムは、エホバの神の導きを信じて、どこまでも旅をつづけた。
 カナンのシケムの村まできたとき、神がアブラハムにおっしゃった。
「わたしはおまえの子孫に、この土地をあたえよう。」
 そこには一本の大きなかしの木があった。アブラハムはその近くに祭壇をきずいて、神に感謝の祈りをささげた。
 しかし、悲しいことに、カナンの土地は思ったほど豊かでもなく、広くもなかった。アブラハムとロトがつれてきた羊は、たちまちそこらの草をくいつくしてしまい、アブラハムの羊飼いとロトの羊飼いの間には、牧草地の取りあいがおこった。
 これは、おだやかな人柄のアブラハムには、たえられないことだった。彼はロトをじぶんのテントによんで言った。
「われわれは身内ではないか。身内の者が争ってなんになる? われわれはわかれて、べつべつに平和にくらそう。土地はほかにまだたっぷりある。お前が左にいくなら、わたしは右へいこう。お前が右へいくなら、わたしは左へいく。さあ、お前のすきな方をとりなさい。」
 ロトも話のわかる若者だったから、異議はなかった。彼はヨルダン川にそったゆたかな平野のほうをえらんだ。そこには、ソドムだのゴモラという大きな町があって栄えていた。
 アブラハムはロトとわかれて、西の山地のほうへうつった。ヘブロンの町の近くの森にテントをはると、さっそく祭壇をきずいて、この新しい土地を与えてくださったことを神に感謝した。
 しかしアブラハムは、そう永くは平和にくらすことができなかった。近くの村や町はたがいに争っていて、甥のロトまでがその争いにまきこまれたからである。」
「聖書物語・旧約物語」山室静著より

感想
>そのとき神が、テラの息子のアブラハムにつげた。
「おまえは一族の者とわかれ、わたしの示すほうへ行け。そうすれば、わたしはお前を祝福して、お前は大きな国民の祖先にしてやろう。」
 もはや七十五歳になっていたアブラハムは、神がこんな老人をどこへつれて行こうとするのか、不安に思った。しかし信心ぶかいアブラハムは、神のいいつけのままに旅の仕度をした。甥のロトも、一緒にいくことになった。

原文はこちら。

「1 時に主はアブラムに言われた、「あなたは国を出て、親族に別れ、父の家を離れ、わたしが示す地に行きなさい。
2 わたしはあなたを大いなる国民とし、あなたを祝福し、あなたの名を大きくしよう。あなたは祝福の基となるであろう。
3 あなたを祝福する者をわたしは祝福し、/あなたをのろう者をわたしはのろう。地のすべてのやからは、/あなたによって祝福される」。
4 アブラムは主が言われたようにいで立った。ロトも彼と共に行った。アブラムはハランを出たとき七十五歳であった。
5 アブラムは妻サライと、弟の子ロトと、集めたすべての財産と、ハランで獲た人々とを携えてカナンに行こうとしていで立ち、カナンの地にきた。
6 アブラムはその地を通ってシケムの所、モレのテレビンの木のもとに着いた。そのころカナンびとがその地にいた。
7 時に主はアブラムに現れて言われた、「わたしはあなたの子孫にこの地を与えます」。アブラムは彼に現れた主のために、そこに祭壇を築いた。
8 彼はそこからベテルの東の山に移って天幕を張った。西にはベテル、東にはアイがあった。そこに彼は主のために祭壇を築いて、主の名を呼んだ。
9 アブラムはなお進んでネゲブに移った。 」
「創世記」第12章1節~9節

「選ばれし者」という事で、「終わりの時」だったら「真理の御霊」(契約の使者)みたいなものか?

「1 これらの事の後、主の言葉が幻のうちにアブラムに臨んだ、/「アブラムよ恐れてはならない、/わたしはあなたの盾である。あなたの受ける報いは、/はなはだ大きいであろう」。
2 アブラムは言った、「主なる神よ、わたしには子がなく、わたしの家を継ぐ者はダマスコのエリエゼルであるのに、あなたはわたしに何をくださろうとするのですか」。
3 アブラムはまた言った、「あなたはわたしに子を賜わらないので、わたしの家に生れたしもべが、あとつぎとなるでしょう」。
4 この時、主の言葉が彼に臨んだ、「この者はあなたのあとつぎとなるべきではありません。あなたの身から出る者があとつぎとなるべきです」。
5 そして主は彼を外に連れ出して言われた、「天を仰いで、星を数えることができるなら、数えてみなさい」。また彼に言われた、「あなたの子孫はあのようになるでしょう」。
6 アブラムは主を信じた。主はこれを彼の義と認められた。」
「創世記」第15章1節~6節

「あなたの身から出る」つながりで、次の部分も抜き書きしよう。

「132:10 あなたのしもべダビデのために、あなたの油そそがれた者の顔を、しりぞけないでください。
132:11 主はまことをもってダビデに誓われたので、それにそむくことはない。すなわち言われた、「わたしはあなたの身から出た子のひとりを、あなたの位につかせる。
132:12 もしあなたの子らがわたしの教える契約と、あかしとを守るならば、その子らもまた、とこしえにあなたの位に座するであろう」。」
「詩篇」第132篇10節~12節

参考までに。

「1 アブラムの妻サライは子を産まなかった。彼女にひとりのつかえめがあった。エジプトの女で名をハガルといった。
2 サライはアブラムに言った、「主はわたしに子をお授けになりません。どうぞ、わたしのつかえめの所におはいりください。彼女によってわたしは子をもつことになるでしょう」。アブラムはサライの言葉を聞きいれた。」
「創世記」第16章1節~2節

「4 彼はハガルの所にはいり、ハガルは子をはらんだ。彼女は自分のはらんだのを見て、女主人を見下げるようになった。
5 そこでサライはアブラムに言った、「わたしが受けた害はあなたの責任です。わたしのつかえめをあなたのふところに与えたのに、彼女は自分のはらんだのを見て、わたしを見下げます。どうか、主があなたとわたしの間をおさばきになるように」。
6 アブラムはサライに言った、「あなたのつかえめはあなたの手のうちにある。あなたの好きなように彼女にしなさい」。そしてサライが彼女を苦しめたので、彼女はサライの顔を避けて逃げた。
7 主の使は荒野にある泉のほとり、すなわちシュルの道にある泉のほとりで、彼女に会い、
8 そして言った、「サライのつかえめハガルよ、あなたはどこからきたのですか、またどこへ行くのですか」。彼女は言った、「わたしは女主人サライの顔を避けて逃げているのです」。
9 主の使は彼女に言った、「あなたは女主人のもとに帰って、その手に身を任せなさい」。
10 主の使はまた彼女に言った、「わたしは大いにあなたの子孫を増して、数えきれないほどに多くしましょう」。
11 主の使はまた彼女に言った、「あなたは、みごもっています。あなたは男の子を産むでしょう。名をイシマエルと名づけなさい。主があなたの苦しみを聞かれたのです。」
「創世記」第16章4節~11節

「15 神はまたアブラハムに言われた、「あなたの妻サライは、もはや名をサライといわず、名をサラと言いなさい。
16 わたしは彼女を祝福し、また彼女によって、あなたにひとりの男の子を授けよう。わたしは彼女を祝福し、彼女を国々の民の母としよう。彼女から、もろもろの民の王たちが出るであろう」。
17 アブラハムはひれ伏して笑い、心の中で言った、「百歳の者にどうして子が生れよう。サラはまた九十歳にもなって、どうして産むことができようか」。
18 そしてアブラハムは神に言った、「どうかイシマエルがあなたの前に生きながらえますように」。
19 神は言われた、「いや、あなたの妻サラはあなたに男の子を産むでしょう。名をイサクと名づけなさい。わたしは彼と契約を立てて、後の子孫のために永遠の契約としよう。
20 またイシマエルについてはあなたの願いを聞いた。わたしは彼を祝福して多くの子孫を得させ、大いにそれを増すであろう。彼は十二人の君たちを生むであろう。わたしは彼を大いなる国民としよう。
21 しかしわたしは来年の今ごろサラがあなたに産むイサクと、わたしの契約を立てるであろう」。」
「創世記」第17章15節~21節

「神の計画」はさっぱり分からない。初めから、サラだけに子を産ませれば良かったのに。やはり、「神の計画」は人智を超えているのだろう。

おまけ