参考資料778 | シフル・ド・ノストラダムス

シフル・ド・ノストラダムス

ノストラダムスの暗号解読

聖なる場所の所在地
「この場合、予言者が《聖なる場所》というはっきりした言葉を使っていることに、注目する必要がある。イスラエルにはたくさんの聖地があるが、かつて《聖なる場所》と表現されていた場所は、ただ一個所しかない。キリストの時代のユダヤ人ならだれでもそれを知っていた。イスラエルの全支族が、荒野で放浪中に幕屋で礼拝を捧げていた時代から熟知していた場所である。
《聖なる場所》といえるのは、地球上でただ一個所、エルサレム神殿にあった縦二十キュビット、横十キュビットの寸法の長方形の場所である。
 もしもウエストミンスター寺院の無名戦士の墓に花を捧げるようにと、わたしが言えば、読者のみなさんはどこに花を置いたらいいか、ちゃんとご存知のはずだ。ダニエルとイエスが《聖なる場所》という言葉を口にしたとき、二人がどこを念頭においていたか、ユダヤ人たちにはみなはっきりわかっていたにちがいない。
 以上の点から、われわれは《憎むべき荒廃をもたらすもの》が立つ場所を、自信をもってはっきり断定できる。それはエルサレム神殿の跡なのだ。」
「Ⅴ・ダンスタンの終末大予言(上)」ヴィクター・ダンスタン著・幸島研次訳より

感想
>以上の点から、われわれは《憎むべき荒廃をもたらすもの》が立つ場所を、自信をもってはっきり断定できる。それはエルサレム神殿の跡なのだ。

これで十分だと思うが、一応補足する。
「マタイによる福音書」第24章と「ルカによる福音書」第21章は共に「終わりの時」について似たような感じで述べている。

「預言者ダニエルによって言われた荒らす憎むべき者が、聖なる場所に立つのを見たならば(読者よ、悟れ)、そのとき、ユダヤにいる人々は山へ逃げよ。」(「マタイによる福音書」第24章15節~16節)

「エルサレムが軍隊に包囲されるのを見たならば、そのときは、滅亡が近づいたとさとりなさい。そのとき、ユダヤにいる人々は山へ逃げよ。」(「ルカによる福音書」第21章20節~21節)

これらから「聖なる場所」が「聖地エルサレム」である事は自明だろう。ただし、神殿跡らしいが。

「定まった時になって、彼はまた南に討ち入ります。しかし、この時は前の時のようではありません。それはキッテムの船が、彼に立ち向かって来るので、彼は脅かされて帰り、聖なる契約に対して憤り、事を行うでしょう。彼は帰っていって、聖なる契約を捨てる者を顧み用いるでしょう。彼から軍勢が起って、神殿と城郭を汚し、常供の燔祭を取り除き、荒す憎むべきものを立てるでしょう。彼は契約を破る者どもを、巧言をもってそそのかし、そむかせるが、自分の神を知る民は、堅く立って事を行います。民のうちの賢い人々は、多くの人を悟りに至らせます。それでも、彼らはしばらくの間、やいばにかかり、火に焼かれ、捕われ、かすめられなどして倒れます。その倒れるとき、彼らは少しの助けを獲ます。また多くの人が、巧言をもって彼らにくみするでしょう。また賢い者のうちのある者は、終りの時まで、自分を練り、清め、白くするために倒れるでしょう。終りはなお定まった時の来るまでこないからです。」
「ダニエル書」第11章29節~35節

因みに、この王は「黙示録の獣」と思われるが、「彼は先祖の神々を顧みず」、「要害の神をあがめ」、「その先祖たちの知らなかった神をあがめ」、「異邦の神の助けによって事をなす」人物である。

おまけ