ひーちん@介護士と申します
認知症ケア・介護施設エピソード
介護士の本音などを発信しています
仲良くしてくださいね
認知症の方が死を理解できる能力は?
普段は
1日中ベッドで
横になっている
96歳の定さん
でも
今日の定さんは
いつもと違っていました
早朝から
92歳の奥様
きよさんのお部屋を
頻繁に訪問しました
定さんはふらつきがあり
一人で歩くのには
危険な状態です
しかし
車椅子には抵抗があり
なんとか自力で歩こうと
努力されています
きよはどこ?
きよの部屋に連れてってくれ!頼む
何度も
きよさんの部屋まで
付き添いました
「虫の知らせ」って
本当にあるんですね・・・
お昼を過ぎた頃
定さんは
きよさんに
こんな話をしました
なぁきよ!
俺たちも随分長生きしたなー
もう良いよな?
俺たちが死んだって
誰も困らないだろうから
な!きよ、きよ・・・
きよさんからの
返事はありません
定さんは
隣にいた私の顔を見て
きよが返事をしてくれない
どこか悪いのか?
私
定さんが側にいてくれてるから
きよさんきっと安心して寝ちゃったみたいだね!
定さんも少し横になりますか?
まだいい 俺はここにいるよ・・・
定さんは
きよさんの側から
離れようとはしませんでした
定さんの声を聞き
きよさんは
安心したのでしょうか
午後4時を過ぎた頃
きよさんの容体が急変
下顎呼吸になり
あっという間に
息を引き取りました
職員の動きを
気にしながらも
ずっと側で
見守っていた定さん
私の顔を
ジッと不安そうに
見つめる定さん
定さんの背中を
さする事しか出来ず
私
お母さん、よく眠ってるね
安心した顔で寝てるみたい・・・
定さんが
涙を見せる事は
ありませんでしたが
きよの寝顔が違う
おかしいなぁ
きよは、口を開けて寝る事は無かったんだが・・・
俺も少し寝たい
静かにそう話し
自室に戻って行きました
その後は
一度も訪問されることなく
ベッドに横になったまま
夕食も召し上がりませんでした
定さんは
きよさんが
お亡くなりになった事を
理解していたのでしょうか・・・
いつもとは違う
それは感じていました
きよさんの死を
知る権利は
尊重すべきですが
きよさんの死を
伝えることで
悲しみや喪失感を
感じてしまうでしょう
定さんの
今後の状況を考慮し
優しさと理解をもって
接していこうと思います
施設の方針は
「きよさんは病院に
入院している事に」
と決まりました
きよさん
どうかやすらかに
定さん・きよさんのエピソード
お読みいただけたら幸いです
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