曖昧さと予感

葉の茂る山林では、光が地へ届かない事もある。
最低限の水分量と空気で自らエネルギーを生成できる植物は生きてゆける。


理解と容認

散歩中に財布を拾う。壁の落書き通りに道を進み、とある交番に着いた。入り口を一歩入ると目に飛び込んで来たのは自分の名前が書いてあるとてつもなく大きい大段幕。何故か励まされる。

軽蔑と飽和

高層ビルが立ち並ぶオフィス街、なぜか二階建てのその建物の屋上からはとてつもなく大きな夕陽を見ることができる。傍に立ち並ぶ無機質な窓ガラスが、夕陽の赤を受けてキレイに共鳴する。
夕陽が地平線に吸い込まれるまでの30分、わたしは全ての破滅を願う事にしている。

赤く大きな夕陽を見ていると吸い込まれそうになる。ゆらゆら、ゆらゆら揺れて。
触れると弾力があって、薄い膜を隔てて水が張っているのがわかった。

生暖かい肌触りと生命の存在を示す等間隔の鼓動が、ひどく現実的に感じたのを覚えている。

包み込んでいるのに包み込まれたような感覚がして、嬉しくなった。

四隅にきっちり座って順番を待っていた時と何も変わって居ないはずなのに、今日の月はいつもより光を放っているように見えた。
全力疾走


誰かが追いかけてくる。



街のガラス戸で見たのは追われる自分と追う自分の姿。


狭い道、足元にゴミが絡まって走りにくい。


そうこうするうちに足を取られて顔から地面に着地。

口の中は鉄臭く、折れた歯の欠片がじゃりじゃりし始める。
痛みを感じる間もなく起き上がって追いかけてくる自分から逃げる。

走る
走る
走る
走る


腫れる
腫れる
腫れる


くちびるが腫れる。腫れてきた。いつの間にか服を着ていない。なぜだか全裸。切れたくちびるから血が滴り落ちて体中血だらけだ。

腫れたくちびるが重さで垂れてきた。すでに鎖骨のあたりまで達して居る。
いつの間にか靴も履いておらず、足底が切れて血がにじむ。
最早見えている肌の色は無く、赤いストライプの私となる。


気配を感じて振り返ると、バイクに乗った私が横並びで笑いかけてきた。