水曜日の深夜一時頃、彼はお店にやってくる。





ここ1ヶ月はずっとそうだった。





今日は彼は一時になっても二時になってやって来ない。





初めて二人で席に着けたのはニ度目の来店日。あたしが好きなお酒、一度で当てた。





三度目に来た時、あたしが嫌いな目と鼻をたくさん誉めて、


こっそりキスをした。



最後に来た時、エグいよなカサブランカを持って来た、

彼は三時なっても来ない。



新しく下ろしたドレスの膝がヒュウヒュウする。何を話しても上の空だ。





きっとあたしの入る隙の無いなんてない、白の世界に生きる彼。







また会いたい。

「この街のどこかで時間を売っているらしい」





街を駆け巡っている噂は、この家の住人からくるらしかった。

今僕の目の前に、ある家だ。

そんな商売なんぞえらい金持ちが趣味程度で始めたのだろう。という想像を一瞬で打ち砕くような、

背の低い長家のような一軒家がそこにあった。

表札はあるけれど、雨風で文字は消え、少しだけ『木』という視覚の感は働くくらいの認識しかできない。



雲が厚くなってきたところにちょうど家の前に着いたので、この記憶のイメージが強すぎたのだろう、


時間に関わる一連の話をすると、必ず曇り空をイメージしてしまう。





僕が時間を欲する訳は、父の事があるからだ。もう中学にもなって、父と一緒に居たいなんて言っていたらおかしいんじゃないかって思われるかもしれない。



しかしそれでも仕事が忙しい、と言って帰れない父に時間をあげたいのだ。

例え知らない女の人と一緒なのでは…という不安から酒に溺れる母親より、

こうやって怖い思いをして時間を買いに来る息子の行動力を、父は喜ぶはず。

そう信じる事だけが僕を突き動かしていた。



ドアの前に立ち、明らかにスライドの戸だが、どうやって開けるかを考えて心を落ち着かせていると、

森谷がこの家に来たことがある、という話を思い出していた。



森谷はとなりのクラスのやつで、教室をとりまくいわゆる『噂』と言う噂を、

あること無いこと話すやつだった。

森谷曰わくこの家にはおばあが住んでいて、たまに病院に行くくらいしか家を出ないらしい。

まあ、森谷の言うことだから話自身を、ましてや住人の事を信じるわけも無く、怪しいなんて思っていたけど。


実際に家に近づいてみると、埃っぽくて砂っぽい老人が住んで居そうな佇まいをしていたのだ。




話の内容に関わらず少しは彼の事を信じようかとも思った、その瞬間に引き戸がゆっくり開いて


中から背の低い和服の老婆が低いかすれた声で中に入りなさい、と云った。













写真がない


いくら探してもあの写真が見つからない。写真がない、写真がないと騒いでいて気が付いたのは写真を撮っていない事実



物をよくなくす


見つけやすいか見つけにくいかが問題なのではなく、自己管理が余りにできていない。飼っていた鳥に逃げられる。



粉砂糖が主食

甘いものが好きで、好きすぎて何を思ったか砂糖ごと食べていたら、両親に病院を紹介された。
最近では様々な病名があるらしい。