電気屋を出て
少し歩いた後に。

風がふいた。


夏祭り、縁日の屋台をすり抜ける夏の風。
アスファルトの誇りっぽい、予感を含んだあの匂い。

目の前を進む背中と生ぬるい空気が懐かしくって、
少しわくわくした。


夕方四時の夏の始まり。









シャーベット状になった


緑色のきついお酒




窓から見えるのは街の残業灯




口にするオリーブの青い香り






なかなか進まない時計と


徐々に重なる人々のざわめき




カウンターのバーテンの髭と奥に座る


赤い露出したワンピースの美人の対比






薄暗い室内に流れる落ち着いたジャズ








そのとき。


彼が乗ったエレベータが


フロアに着いて 




チン




といった











多分、イヤ わたしが悪いのだ。

いくら、母ちゃんのかける掃除機がうるさかったとは、いえ、
待ち合わせ場所をきちんと聞いておかなかった
わたしが悪いのだ。

待ちぼうけ、二時間過ぎて
やっと場所が違ってるんじゃないかって
気づくの遅過ぎよね。

せっかくみんなと仲良くなれる
良いチャンスだったのに。

あ~あ。
仕方ない

こういう日もあるって事よな。


帰りに母ちゃんに団子でも買って行こう、

ってわたしが食べたいだけだけどな。


あの映画、
絶対見ようー

絶対見るんだ。