電気屋を出て
少し歩いた後に。
風がふいた。
夏祭り、縁日の屋台をすり抜ける夏の風。
アスファルトの誇りっぽい、予感を含んだあの匂い。
目の前を進む背中と生ぬるい空気が懐かしくって、
少しわくわくした。
夕方四時の夏の始まり。
シャー ベット状になった
緑色のきついお酒
窓から見えるのは街の残業灯
口にするオリーブの青い香り
なかなか進まない時計と
徐々に重なる人々のざわめき
カウンターのバーテンの髭と奥に座る
赤い露出したワンピースの美人の対比
薄暗い室内に流れる落ち着いたジャズ
そのとき。
彼が乗ったエレベータが
フロアに着いて
チン
といった