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ヒトデ大石のなんとなくレポート置場

2011年8月「ヒトデ大石のどんなブログにしようか検討中。」からタイトル変更。
ライブイベント、舞台観劇のレポートを中心に書いていこうというブログ。
以前はmixiが主戦場だったけど、今はこっちが主戦場(笑)

【レポート】燃えこれ学園定期公演「當銘菜々生誕&卒業公演」@新宿ALTA KeyStudio
 
10年目を迎えるアイドルグループ、燃えこれ学園。
彼女たちにとって7月中旬に欠かせない一大イベントがある。
 
「當銘菜々生誕祭」
 
當銘菜々……名実ともに燃えこれ学園の顔と言うべき、絶対的なセンターポジション。
3年目の2016年から二代目・生徒会長として、燃えこれ学園をけん引している。
 
固定ファンはもちろん、これまで共演してきたアイドルや、そのファンの支持も非常に厚い彼女。
「燃えこれ学園」と言えば、彼女の名前を挙げる人も数多くいるだろう。
 
「先生」の熊野はると、當銘菜々の存在は燃えこれ学園における両輪と言って過言ではない。
 
そんな燃えこれ学園の顔とも言える當銘菜々が卒業を発表したのは……今年2月。
 
燃えこれ学園のファンのみならず、彼女と共演した事のある界隈全体が騒然とした。
 
誰もが「何故?」思った。
 
だがその疑問を抱き続ける暇もなく、全国ツアー「Re-START TOUR」のFINAL公演そしてそれに伴う、Zepp公演への挑戦に奔走する日々が待っていた。
 
「Re-START TOUR FINAL」の結果は既にご存知の通り、三つの目標を達成し、2024年にZepp公演が決定した。
※詳しくは当時の自分のブログも併せて参考にしてもらいたい。
 
・【レポート】「Re-START TOUR 2022~Get over the wall~ TOUR FINAL」@白金高輪SELENE b2
https://ameblo.jp/hitode0014/entry-12796256539.html
 
そして2023年度が始まる。
前年度まで「配信ライブ」と銘打っていた公演が、今年度からかつての「定期公演」と称するようになり、例年のように上半期のメンバー生誕祭ラッシュが続く。
またライブ会場ではコロナ禍における制限が徐々に取り払われて、ほぼコロナ禍前のような燃えこれ学園の光景が戻りつつあった。
 
この光景の中に9人のメンバーと共にステージで躍動する、當銘菜々の姿はあった。
 
……その姿を見ていると「卒業」を発表した事すら、忘れてしまいそうになった。
 
だが月日は着実に刻まれる。
當銘菜々にとって「最後」を迎える出来事が徐々に増えて行った。
 
2023年7月18日
 
當銘菜々にとって、燃えこれ学園で迎える10回目の生誕祭の日が訪れた。
 
例年と違うのは、その公演が「卒業公演」を兼ねている事だった。

今回は燃えこれ学園定期公演「當銘菜々生誕&卒業公演」の様子をレポートします。
 
●開演前
 
この公演に先立ち、前日になって燃えこれ学園公式ツイッターからあるお知らせが舞い込んだ。
 
当日の会場、新宿ALTAのアルタビジョンに當銘菜々ソロ曲「なないろスマイル」のMVが流れるというものだった。
 
燃えこれ学園独自の指標「推しメン投票」のシステムにて、4thSTAGEクリアの特典でもあるMVを街頭ビジョンで映すというものがある。
※推しメン投票については、このレポートでは説明を割愛する。
 
過去に成田麻穂のソロ曲「くるくるバター」のMVを渋谷の大型ビジョンで流した事例があったが、コロナ禍の影響もあり、その後は実現に至ったメンバーはいなかった。
この朗報は當銘菜々はもちろん、メンバーや多くの客層が歓喜した。
 
そこで当日は開場時間前に毎時30分に流れる「なないろスマイル」のMVを見に行った。

……新宿ALTAの大きなビジョンに、當銘菜々が映った。

(この写真は終演後の22:30頃撮影のもの)
 
時間にして10数秒と短いものだったが、これだけ大きなビジョンに映し出された事は、彼女にとっても、ファンにとっても大切な思い出となっただろう。
当然、自分にとっても感慨深いものだった。
 
……こうしてアルタビジョンの映像を見終えて、開場時間に合わせて会場前に移動するのだが、18:20の開場時間を前に既に7階・KeyStudioに向かうエレベーターは長蛇の列だった。
KeyStudioのエレベーターは開場10分前から7階へ移動できるようになるのだが、この日はその10分前になっても列がすぐには動かなかった。
また会場についても、通常の定期公演とは違う光景は続いた。
Cチケット(前方椅子席)の客層には緑のリストバンドが巻かれ、更に入場列はかなり長く伸びた。

開場後、会場を見て驚く。
 
Cチケットのための椅子席の数が、普段の比じゃない。ざっと数えただけで60近く行っていただろうか。
また普段なら椅子席が用意されるはずのBチケット以降は後方でオールスタンディングとなっていた。
 
恐らくコロナ禍以降の燃えこれ学園の「配信ライブ」「定期公演」に限れば、異例の大入りだったと思われる。
流石に会場に200人を集めた「Re-START TOUR 2022~Get over the wall~ TOUR FINAL」には及ばないものの……恐らく会場は100人は悠に超えていた。
 
今年度から復活した公演開始前に行われる前物販も長蛇の列だった。
當銘菜々の列だけ独立しているのだが、他の9人のメンバーの列より常時長い状態が続いた。
自分も早めに並んだつもりだったが、彼女とチェキを撮影するのに、それなりの時間は要したと記憶している。
 
やがて迫る開演時間。
それに伴い増える人の数。
 
個人的に燃えこれ学園の広報委員(ファン)になってから知り合った客層は大体そこにいたと思う。
面識がない方もいるにはいたが、話を聞く限り久々に顔を見せた客層も多かったらしい。
また普段ステージの上で見るであろう人も、普通に客層に混ざってその姿を拝見した。
そして中には既に一般人となった、懐かしい方も……。
 
それだけ多くの人が、この日の主役・當銘菜々のために集まった。
 
まさに満員御礼。
 
そして会場のスクリーンに映し出される、定期公演恒例の諸注意を呼びかけるアニメとナレーション……。
 
それが終わり……いよいよ「當銘菜々生誕&卒業公演」の幕が開けた!
 
●本編
 
生誕祭ではお馴染みのOPSEに乗って、メンバー一人一人が登場する。
 
當銘菜々を筆頭に、成田麻穂、佐々木千咲子、仲川つむぎ、蒼音舞、三浦千鶴、稲森のあ、高未悠加、山田みつき……そして熊野はる。
 
メンバーカラーが印象的な「オルゴール衣装」に身を包んだ、10人のメンバーがステージの上に登場した。
 
1曲目に歌ったのは「Peeeace!!!」
昨年夏発表の燃えこれ学園最新曲。
この楽曲では當銘菜々と、メンバーでは最も後輩(加入から3年近く経っても)「新入生」山田みつきが中心となる。
1期生の當銘と、9期生の山田。
燃えこれ学園の10年近い歴史を象徴するような二人の組み合わせが、印象的である。
夏の明るさ、楽しさを象徴するような「Peeeace!!!」でこの日の公演は元気いっぱいにスタートした。
 
続いて2曲目は「Shiny Dream」
2017年10月が初披露、当時4年目の萌えこれ学園(当時の表記)が挑戦していた「Go to 武道館」シリーズ真っ只中に発表された同曲。
燃えこれ学園における正統派青春ソングの一角……と言って過言ではない。
 
更に3曲目は「ミラクる☆妄想がーる」
コロナ禍の際「そろそろMIX」なるものが開発されて、一時は「迷曲」扱いされた時期もあったが(笑)現在は元の「虎火発動MIX」に戻っている。
コロナ禍を経て燃えこれ学園を見守ってきた広報委員にとっては、その点は懐かしくもあり、また元のようにコール出来たのは嬉しくもあっただろう。
当然この日も会場全体に「トラトラトラトラ……虎火!」というMIXの掛け声がこだました。
 
こうして冒頭3曲から連続でスタートした。
例年、かなりの曲数をほぼほぼノンストップで組んでくる當銘菜々にしては優しいと思ってしまった(汗)
ここでメンバーの自己紹介に入る。
この日はクラスごとではなく、横一列にメンバーが並び、あだ名と名前を言っていくスタイル。
 
この日一番の声援を受けたのは、もちろん當銘菜々だった。
 
他のメンバーも大きな声援は受けたが當銘菜々に対する声援は、その更に大きな、大きな声援となって会場内にこだました。
 
こうして自己紹介のMCを挟んで、楽曲は再開する。
4曲目に歌ったのは「again」
仲川つむぎの歌い出しが印象的な同曲。この時ばかりは「愛して止まない、つむぎ!」のコールが会場に響き渡る。
ロックテイスト全開で、冒頭3曲とは違ったクールな燃えこれ学園の一面を見せてくれた。
 
続いて5曲目に「夢幻華」
どちらかというと(燃えこれ学園の固定ファンの)広報委員よりは、外部のイベントで一緒になる客層からの支持が絶大なイメージがある同曲。
現にこの楽曲のイントロが流れただけで「やったー!」という声があちこちから聞こえてきた(笑)
和とロックの融合した曲調が非常にカッコよく、間奏の「可変三連MIX」の部分で、前半では一番の盛り上がりを見せた。
 
ここで6曲目「恋の魔法」
前2曲が激しい曲調だったのに対して、こちらはポップな正統派恋愛ソング……。
ある意味でこの日一番の楽曲間の落差というか、温度差があったのはここだと思う。
ステージの上のメンバーたちの胸のときめくような姿に見惚れていたのだが……いつの間にか、ステージの上から當銘菜々の姿は無くなっていた……。
 
こうして3曲連続で終えて、當銘菜々抜きで残ったメンバーたちによるMCが始まる。
熊野はるが當銘菜々との思い出をフリップにして書いてきて語るというスタイルを取り、笑いを取りに行く。
だがこのMC、若干長めに取りすぎたか、最後は「主役の準備終わってますよ」というツッコミで終了する。
 
そして次の楽曲の直前、メンバーは一斉に言葉を発する。
 
「なぁな……お誕生日、おめでとう!」
 
この言葉と共に生誕ドレス姿に着替えた當銘菜々が飛び出し、7曲目「お誕生日おめでとう」を歌う。
今や燃えこれ学園、バースデーソングとして定着した同曲。
燃えこれ学園の生誕祭のみならず、これまでもバースデーライブにゲスト出演した時によく歌われているので、知っている客層も数多くいただろう。
本来であれば幸せいっぱいのバースデーソング。過去にこの楽曲を歌ってもらい感動の涙を流した燃えこれ学園以外の共演者は何人か目にした事がある。
 
だけどこの日は當銘菜々を送り出す側になった、燃えこれ学園のメンバーの一部が涙をこらえながら歌うという……普段とは逆の光景が広がっていた。
 
それでも最後までメンバー全員で歌いきった。
だが涙をこらえるメンバーの姿を見て、この公演が「卒業公演」であり、また少しずつ當銘菜々と過ごす時間の終わりが近づいている事を実感した……。
 
「お誕生日おめでとう」の後、當銘菜々以外のメンバーはステージの上から去る。
ここからは生誕祭恒例でもある、ソロコーナー。
 
まずは「なないろスマイル」を熱唱。
この日のアルタビジョンでも流れた同曲。
長年にわたり、當銘菜々のソロ曲として、非常に多くの広報委員をはじめとする客層に愛された。
この楽曲を歌う當銘菜々は満面の笑顔だった。
そう……この公演が「卒業公演」である事を忘れるくらいに。
 
「なないろスマイル」を歌い終え、これも生誕祭恒例の手紙のコーナーとなる。
例年なら誕生日を迎えられたこと、または生誕祭が開催出来た事に対する感謝などが中心となる。
だがこの日は「卒業公演」
燃えこれ学園として過ごした9年間に対する、これまでの感謝が語られていた。
その感謝は主に多くの客層、運営、スタッフ、家族、そして卒業メンバー、共演者に向けたもので感謝の言葉を伝えきった。
 
そして當銘菜々もう一つのソロ曲「虹色☆Dreamer」を熱唱。
会いたい時に会えない……そんな切なさと、だけどそれだけで終わらない彼女ならではの明るさが同居している同曲。
時に切なく、でも時に明るく、當銘菜々の生き方そのものが詰まった楽曲だったと感じる。
 
この楽曲の最後に会場に響き渡った生誕口上は、前年と同じものが用意された。
前年の生誕祭当時、会場内での声出しが出来ず、実際に声に出して届けられなかった事が理由である。
(なお燃えこれ学園の定期公演で声出しが解禁になったのは、その當銘菜々生誕祭の次の8月となる)
多くの広報委員たちが、一年越しに想いの丈を伝えられた瞬間だった。
 
當銘菜々のソロコーナーを終え、ステージの袖からメンバーたちが制服に着替えて次々に登場する。
そして當銘菜々も生誕ドレス姿から、いつもの見慣れた制服姿で戻ってくる。
通常の生誕祭であれば、主役たるメンバーが生誕ドレスのまま最後までステージに立ち続けるのだが……制服に着替えた彼女を見て思った。
 
「ここから先は『卒業式』なんだな」……と。
 
そんな當銘菜々がセンターに立ち、想いの丈を言葉にする。
次に歌うのは彼女自身が初めてセンターポジションを手にした楽曲にして、そしてセンターポジションを後輩に譲った思い入れのある一曲……。
即ちそれは燃えこれ学園の未来を、自分たちの後に続くメンバーに託した一曲でもある……。
 
この日通算10曲目に歌ったのは「明日へ」
 
最前センターに陣取る三浦千鶴の姿が印象的な一曲。
元チアリーダーだった彼女だからこそ、センターでの姿が絵になる。
三浦千鶴(5期生)から、高未悠加(8期生)、山田みつき(9期生)、稲森のあ(7期生)と冒頭のAメロを、所謂「後輩メンバー」で歌い繋いでいく同曲。
また2番の終盤でも稲森、高未、山田の三人→仲川つむぎ(3期生)、三浦の二人→1期生五人と繋がる箇所がある。
當銘菜々がこの楽曲に込めた想いが、燃えこれ学園の歴史を紡ぎながら形になっているのが分かる。
楽曲のラストには、當銘菜々を中心にしたメンバーたち満面の笑みが広がっていた……。
 
続いて歌ったのは「タイムレシーバー」
モールス信号が流れるイントロが非常に特徴的な一曲。
これまでコールをする機会が多かったセットリストだが、この時はメンバーの歌声と会場から客層のクラップだけが響いた。
特に「届いて」という歌詞に象徴されるように、ロングトーンが多く、メンバーの歌声と息遣いがマイクを通じて伝わってきた。
 
ここで2曲連続で終えると、當銘菜々がメンバー一人、一人に手紙を用意してメッセージを読み上げた。
 
先程のソロコーナーでは、メンバーに対する言及が無かったが、ここで一人、一人に対して語り掛けた。
詳しい内容は割愛するが……當銘菜々がこれまで一人、一人のメンバーといかに向き合ったか分かる内容だった。
長年連れ添った1期生に対しては共に歩んできた事に対する感謝を、仲川つむぎ以降の後輩にあたるメンバーに対しては先輩としての愛情を彼女なりの言葉で伝えた。
 
そしてメンバーに出会えた事に対する「ありがとう」の気持ちを込めて……歌ったのは「ありがとうのうた」
 
静かなピアノの旋律に乗せて、メンバーたちが切々と歌い上げる「ありがとう」の気持ちを込めた一曲。
ステージの上から流れてくるメンバーたちの歌声に、この場にいる誰もが静かに耳を傾けていた……。
 
この流れで次に歌ったのは、燃えこれ学園のここ数年の代表曲とも言える「Re-START」
昨年度はこの楽曲を冠した、全国ツアーを行った事も記憶に新しい。
 
當銘菜々の歌い出しの後「みんなの太陽、なぁな!」のコールが会場に響き渡る。
この楽曲のためだけに用意されたこのコールにあるように、まさに當銘菜々の存在は燃えこれ学園を照らす「太陽」そのものだった。
 
佳境に入っていた会場内の客層は、この楽曲を境に最後の力を振り絞り、ステージの上に向けて精一杯の声援を送る。
それに応えるように、メンバーたちは熱く歌声を届けた。
 
……こうして「Re-START」を歌い終えて、遂に當銘菜々の口から「ラスト一曲」という言葉が出た。
 
「えー」と最後を惜しむ会場内の客層、そしてメンバーたち。
この日最後に歌ったのは……「すき!すき!好き!!」
 
當銘菜々の言葉を借りるなら、燃えこれ学園、そして當銘菜々にとって「始まりの曲」
2014年夏に萌えこれ学園(当時)初のオリジナル曲として発表され、まさに燃えこれ学園の歴史と共に歩んだ一曲。
楽曲ラストには広報委員が作った、この楽曲の口上が会場内に響き渡り、まさにこの日のラストを飾るに相応しい大団円を見せた。
 
1曲目の最新曲「Peeeace!!!」から、ラストに最初の楽曲「すき!すき!好き!!」と持ってくる流れは、燃えこれ学園、強いては當銘菜々のアイドル人生そのものを遡る内容だった。
 
……全ての楽曲を終え、生誕祭恒例の「Happy Birthday」からの記念品を渡す流れとなり……そして「先生」である熊野はるが卒業証書を読み上げた。
 
だがその卒業証書の日付は「7月31日」……當銘菜々の燃えこれ学園のメンバーとしての歩みは、あともう少しだけ続く事がきちんと記されていた。
 
更に熊野はるの手から、當銘菜々の象徴ともいえる、11本のひまわりの花束が手渡された。
前年度はメンバーが一本ずつ渡して「ずっと一緒にいたい」という気持ちを現したが、ひまわり11本の花言葉「最愛の人」という意味を込めて贈られた。
 
當銘菜々の口からは感謝の言葉と共に……7月31日まで燃えこれ学園の一員として駆け抜ける意思が表明された。
 
定期公演ラスト恒例「燃えこれ学園 校歌」を歌ってから、締めの挨拶となった。
 
会場の万雷の拍手の中、他のメンバーたちが先に去っていき、最後は一人、ステージの袖に去ろうとする當銘菜々。
すると会場に一瞬、静かにしてくれるよう人差し指を唇の前に一本立てる。
会場が静まり返った中、マイクを通さずにありったけの声で叫んだ。
 
「みんな……大好きだよ!」
 
……こうして當銘菜々にとって最後の生誕祭……「當銘菜々生誕&卒業公演」は幕を閉じた。



【セットリスト】
1.Peeeace!!!
2.Shiny Dream
3.ミラクる☆妄想がーる
 
4.again
5.夢幻華
6.恋の魔法
 
7.お誕生日おめでとう
8.なないろスマイル(當銘菜々)
9.虹色☆Dreamer(當銘菜々)
 
10.明日へ
11タイムレシーバー
 
12.ありがとうのうた
13.Re-START
14.すき!すき!好き!!
 
ED.燃えこれ学園 校歌
 
 
  
●所感
 
色んな意味で「信じられない」公演だった。
 
まずは会場に溢れかえった客の数が信じられない数だった。
コロナ禍前のような制限が無くなったとは言え、平日の夜にこれだけ多くの方が駆け付けるとは……。
それも固定ファンである広報委員のみならず、共演したアイドルのファンだったり、または共演経験のあるアイドルだったり……。
個人的にも燃えこれ学園を通じて知り合った客層は大体居たという感じ。
仮に自分が面識ない人でも、話を聞くと自分が広報委員になる前に現場に現れていた人だったりと、改めて當銘菜々の影響力の強さを目の当たりにした。
ある程度の混雑は予想していたけど、ここまでとは正直思わなかった。
 
次にもうすぐ、當銘菜々が卒業という事実が信じられなかった。
自分の推しメン・蒼音舞の言葉を借りるなら「『ドッキリ』の看板が出てくる」という、そんな期待を抱いてしまうような……。
確かにこの日のステージの最中、あまり本編では言及していないものの、當銘菜々本人、あるいは他のメンバーが涙ぐむ場面は随所にあった。
それは同様に客席でもちらほらみられる光景だった。
だけどステージの上で躍動する當銘菜々の姿は、もうすぐ終わりを感じさせるような悲愴感は一切感じなかった。
当然といえば当然だけど、パフォーマンスの質が落ちている訳でもなく、むしろ洗練されている。
こんなにステージの上で輝いているアイドルが、もうすぐ卒業なんて……信じろと言われても無理だった。
 
そして思った以上に冷静に見ている自分が信じられなかった。
これは本当に個人差があると思う。また自分が前述の通り、推しメン(蒼音舞)が別にいる事も影響していると思う。
あとは當銘菜々が7月31日まで活動を続ける事、この日が最後じゃないという事、そして自分は當銘菜々の残りのライブ全てに参加する予定なのも影響してるかも知れない。
先程も触れたように當銘菜々やメンバー、客層でも多くの方が感動し、中には涙を流す方がいる中において……涙一つ流さず、それどころか冷静に振り返っていた。
このレポート書くにあたり配信を見直した時でも、必要以上に感情が昂る事なく、純粋に一つのライブとしてエンターテインメントとして堪能している自分に気づいた。
中にはこの日が當銘菜々を観る最後だった人も数多くいたはずなので、そういう方たちと自分の感情を天秤にかけるのはいささか失礼な話なのかも知れない。
でも純粋にこの「生誕&卒業公演」が高いクオリティを保った事によるものだと思うので、そこは當銘菜々やメンバーたちも自信を持って欲しいと思う。
 
ただ……総じて、やはり「信じられない」ことばかりの公演だった。
 
もうすぐ訪れるであろう、惜別の悲しみはなかった。
目の前のステージ向けて精一杯の声援を送るだけの熱量は、そこに置いてきた。
 
ただ数日経った今も、配信を見直して焼き直しされる、この日のステージの強烈な輝きだけが自分を襲っている。
 
そう感じる。
 
燃えこれ学園もそうだけど、あの日、これだけの輝きを見せた當銘菜々の存在は……文章にして表現出来るものじゃないと思った。
 
これを執筆している時点で、残っている當銘菜々の出演するライブは……残り4本。
きっとこの残り4本全てを見終える、その瞬間までは、この「信じられない」公演の強烈な記憶と共に歩んでいく事になるんだと思う。
 
今は冷静に語っている自分が、この先、どんな感情に揺さぶられて、どのような状況に陥るのか……。
當銘菜々が一推しではない自分でも全く想像がつかない。
 
ただ當銘菜々がアイドルとして生きる、残り少ない時間を目に焼き付ける事が出来るので、これからの時間、彼女のアイドルとしての生き様を最後まで見届けたいと思う。
 
「なぁな、お誕生日おめでとう」
 
今はこの言葉だけ贈ります。
 
追伸。
 
なぁなさんへ。
 
卒業発表直後の2月に物販で交わした約束、今のところ果たせていると思う。
残り4本、最後まで約束は果たしたいと思う。
 
最後のその瞬間まで、声援を届けるから、なぁなさんも最後まで駆け抜けてくだされ!

 

【宣伝】「WEST EIGHT PRINCE Ⅱ」第87回(通算・第160回)・2023年6月放送分
 
第87回・2023年6月放送分/60分
(「WEST EIGHT PRINCE」から数えて通算・第160回)
 
パーソナリティー:ばんだなまっしー、ヒトデ大石
http://girlsvocallive.com/west.html
 
↑のURLから番組サイトにいけます。
 
2023年6月分の放送、更新となります。
収録時点では5月末。色々忙しい時期です。
 
なおBenjaminが今月もお休みです。
 
 
番組前半は「まっしーのたま語らい」
 
5月4日に稲毛海浜公園野外音楽堂で行われた「Chiba Imperial Festival」について語っています。


以前、番組でも紹介した絶世のインペリアルコレクション主催による野外イベント。
既に夏の気配漂う当日の様子を、まっしーが(ツッコミどころ満載の内容で)熱く語っております。
 
 
番組後半は「ヲタクキーワードトーク」
 
今回のテーマは『バースデーライブ』について語る内容となっています。
当時、推しメンのバースデーライブの準備にかかりっきりだった大石ですが、その準備の裏話をしつつ、まっしーのバースデーライブに関わる思い出が聴ける貴重な内容となっております。
 
 
以上の内容となっております。
今年度も何卒、よろしくお願いいたします。

ここだけの話……これまでにないくらい、準備は順調だった。
 
自分が燃えこれ学園の広報委員として迎える(自分にとって)5回目の蒼音舞生誕祭……。
 
2020年度から実質幹事を任されて、そのノウハウの蓄積もあって、5月中には早々にほとんどの準備を終えた。
 
フラワースタンドの手配、サイリウムの準備、生誕口上の作成などなど……。
自分一人ではなく、(蒼音舞ファンの総称である)「あおねぐみ」の皆の助けがあっての事だけど、6月に入ってから、この日の生誕祭に向けた宣伝に専念出来た。
 
そういう意味では精神的にも余裕があった。
前々日の鈴音ひとみバースデーライブも、前日の漆黒ノ協奏曲~コンチェルト~単独公演も楽しむ余裕があった。
 
6月6日……「蒼音舞生誕祭」当日。
 
この日の午前中に食料品の買い出しをして、昼ごはんを作り、そして最後の生誕祭宣伝のツイートをして、自分なりに出来る準備を全て終えた。
この時点でまだ時間はあったので昼寝をしてから、夕方、体力的に万全な状態で会場に向かう予定を立てた。
 
何もかもが完璧だった。
あとは「蒼音舞生誕祭」を精一杯楽しみ、そして推しメン・蒼音舞を精一杯大きな声でお祝いする。
 
……それだけのはずだった。
 
昼寝から目が覚め、スマホの時刻を見る。
予定より少し早い目覚めだが、余裕をもった行動に移ろうとした。
 
寝ている間に何か情報は更新されていないか……そんな軽い気持ちでツイッターを見た。
 
そこには當銘菜々、仲川つむぎ、三浦千鶴のコロナ感染、そして「蒼音舞生誕祭」欠席の報があった……。

 

 

衝撃が走り、一瞬、頭が真っ白になった。
 
「ふざけるな!」
 
つい口に叫んでいた。
 
誰のせいでもないし、誰が悪い訳じゃない。
強いてあげれば、コロナウィルスのせいだ。
 
だけどもしライブやアイドルの神様がいるとするなら、この仕打ちはあまりにも残酷だと思った。
 
誰にもどこにも向けられない怒りを覚えた自分だったが、しばらくして我に返る。
 
 
最悪、中止か延期が考えられた状況でも、燃えこれ学園は「蒼音舞生誕祭」を開催を選んだ。
 
既にこの時点で、蒼音舞自身がこの日のために準備していたプランは大なり、小なり崩れたはずで、我々に見せたかった100%の物を提示できない事は明白だった。
 
……それでも彼女たち、燃えこれ学園はこの日のライブに臨む。
 
 
今はやり場の無い、怒りに身を任せている場合じゃない。
 
彼女たちを応援するのは……そして蒼音舞を誰よりも大きな声で祝うのは自分だ!
 
そう気合を入れ直し顔を洗い、髪をセットして……この日の生誕祭のために背中にサイン(など)が書かれた、紫色の真新しい「推しT」に袖を通した。
 
……曇天の空の下、降りだした雨の中、自分は初台の地に足を向けた……。
 
 
今回は2023年6月6日、初台DOORSにて行われた『燃えこれ学園定期公演「蒼音舞生誕祭」』についてレポートします。
 
●開演前
 
当初の予定より開場が遅れた会場前。
既に数名の広報委員が、会場前の入口付近にいた。

その場にいた全員に先程の一報は届いていた。
 
大変な事になった。
 
そのような事を自分は言ったと思う。
 
でもここで悲観しても仕方ないと割り切り、やがて開場時間となり、早々に会場に入る。
 
地下へ続く階段を下り、ライブが行われるホールに到達。
 
ホールの一角に自分たちが注文したフラワースタンドが鎮座していた。

思った以上に紫一色だった。
確かに要望にはそのようにお願いしたけど、想像以上に紫で統一されていて、自分としては満足だった。
 
これにはサンプル画像を前もって見ている、他のあおねぐみも驚いていた。
 
やがて人が続々と入ってくる。
 
前もって蒼音舞自身が目標としていた動員数には足りなかったかも知れない。
 
この日、出演するメンバーが少なくなったからと言って、入場する客の数が減った訳じゃなかった。
 
中には前々日の鈴音ひとみ現場でお世話になっている方や、「会長」でお馴染みの有名なヲタさんもいた。
 
その中にこの現場では見慣れない……上下紫のスーツに身を包んだ男がいた。
自分の古くからの友人である、浅間兵吾だ。
春先に会った際、この生誕祭の話をした際、上下紫のスーツを用意して実際に見に行くという話になったのだが……見事に公約を果たしてくれた。

そんな彼の気持ちが嬉しかった。
自分自身、どこか抱えていた不安が払拭された。
 
やがて会場内は前物販が開始となった。
この前物販の開始も予定よりずれ込んでいるが、更にそこから熊野はる、そしてこの日の主役、蒼音舞の登場はやや遅れた。


このあたりの経緯は熊野はるがこの日の事をツイートで連投しているので確認するといいだろう。

 

 

ただこの時思ったのは、このような状況でも笑顔で出迎えてくれた蒼音舞を少しでも安心させたいという、自分なりの気持ちだった。
 
前物販を終えた後、開演まで細かな準備を経て、いよいよ開演となる。
 
こうして2023年度の「蒼音舞生誕祭」の幕は上がった。
 
●本編
 
※以下、ネタバレになるため、アーカイブ配信を観ていない方はご注意ください。
 
一曲目にいきなり「お誕生日おめでとう」から始まった。
本来なら10人で立つところ、7人で迎える。
7人でも十分大人数なのだが、10人を見慣れた自分たちからすると、どうしても寂しさはぬぐえない。
それでもバースデーグッズを身に着けた各メンバーの動きや表情を見ているうちに、その気持ちは徐々に和らいでいくのを感じた。
 
実はこの日、2番のBメロでいつもと違うコールを用意していたのだが、蒼音舞は気づいていただろうか?

後に話を聞く限り気付いていなかったので、これはいずれリベンジ……いややはり恥ずかしいからやめよう(笑)
 
冒頭でいきなり盛大にお祝いしたところで、メンバーの自己紹介に移る。
時間がある時みたいにクラス毎ではなく、横一列に並び自分の名前を言うスタイルだった。
この演出の場合、セットリスト的に時間が確保できていない事が多い。
当初からこのスタイルを予定していたのか、そうでないのか分からないが、当初の予定より開演が15分ほど押していた事を考えれば、この方法は自然に思えた。
 
この時、残念ながら当日現地に行けなくなったメンバー……當銘菜々、仲川つむぎ、三浦千鶴とリモートで中継が繋がった。
画面の向こうの彼女たちは非常に元気そうに制服姿で、笑顔で手を振っていた。
内心はどうだったか分からない。だけどこういう時でも笑顔を振りまいてくれる事で、会場にいる誰もがどこか安心感を覚えたに違いない。
 
冒頭のMCを経て、次に歌うのは蒼音舞歌い出しの「恋時雨」
この楽曲は激しいダンスがあるため、普段なら一部メンバーの出演が制限されている。
実は今回の生誕祭にあたり、フルメンバーでのパフォーマンスを予告しており、この生誕祭におけるセールスポイントの一つだったはずなのだが、図らずも今回、それが叶う事はなかった。
しかし蒼音舞の力強い歌い出しから始まった同曲において、この日出演した全メンバーの全力のパフォーマンスは会場にいる者全てを魅了した。
非常に力強い彼女たちの姿に、会場の熱気が高まっていくのを覚えた。
 
続いて歌ったのは「夢幻華」
燃えこれ学園でも屈指の人気曲だが、一つ前に歌った「恋時雨」とは密接な関係にあり(時系列的に)後から発表された「恋時雨」は「夢幻華」のアンサーソングという位置づけである。
この二曲が続いた事はある意味で必然だったように思う。
なお本来、この楽曲を歌う佐々木千咲子は先日からの体調不良の影響で、この日出演制限がかけられていたため、この楽曲は欠場。
冒頭で歌い出しを担当したのは……この日の主役・蒼音舞だった。
元々、佐々木不在時の編成では歌い出しを任される事が多かった蒼音舞だったが、その安定感は抜群のものだった。
他にも普段、當銘菜々が担当する2番Bメロを担当するなど、思いがけない形で主役としての面目躍如となった。
 
この二曲の後、更に続けて「BRAVE」という流れ。
前二曲が和風ロックなら、こちらは王道のロック系と激しい楽曲が続いた。
ここは熊野はる(前曲は不在だった)佐々木千咲子、蒼音舞ら歌唱力に定評があるメンバーを中心に力強くゴリ押しするスタイルが目立った。
そして曲の中盤……気が付けば、蒼音舞の姿はステージの上から無くなっていた……。
 
……こうして三曲連続を終えて、ステージでは蒼音舞を除く制服姿のメンバーたちが横一列に並ぶ。
会場の壁に映し出されたスクリーンには、この日会場に行けなかったメンバー三人の姿も映し出される。
熊野はるがこの日の経緯を知らない客層に向けて、この日の事情について説明をしつつMCを盛り上げる。
 
この日の主役、蒼音舞が姿を現さないまま、やや長めになったMC(と直前のメンバーの立ち位置の会議)を経て歌ったのは「ミラクる☆妄想がーる」
前年度までは「そろそろMIX」というネタをぶち込む事で有名な同曲(笑)だったが、今年度は(良くも悪くも)その余裕がなく、通常の虎火発動MIX(「虎虎虎虎……」の連呼から始まるMIX)が入った。(この時、最前列で自分に向けてマイクを向けたのが高未悠加。これも當銘菜々の代理)
2番Bメロで明らかに熊野はるソロパートの立ち位置が不自然だったりしたところで……この日の主役、蒼音舞が真っ白なドレス(に背中に黒いリボン)という装いで登場した。(なおメンバーの後日談を聞く限り、蒼音舞本来の登場のタイミングが違った模様)
 
この白いドレス姿は事前に6月2日、蒼音舞生誕記念トークポートや、燃えこれ学園公式配信などで目にしていた方も多いだろう。
ただ……過去の彼女の生誕祭や、生誕ドレス姿を拝見した方がある方ならご存知だと思うが、ここ数年の彼女の生誕ドレスは黒、もしくは自身の担当カラーである紫を中心にしたものが非常に多く、この日の彼女を(初めて)拝見した人ほど驚いたのではないかと思う。
自分も事前にこのドレス姿については知っていたものの、やはり白を基調としたドレス姿は想像はしていなかったので、2日の初披露時は驚いた記憶はある。
 
そんな主役を加えたステージは、熊野はるソロパートで蒼音舞が結婚式を彷彿とさせる腕組をしたり(これは5月公開の短編ドラマ「熊野結婚するってよ」のオマージュも兼ねる。最後は成田麻穂と手をつなぐというオチ付き)、落ちサビのところで蒼音舞の号令で筋トレを始めたりするなど、いつもと一味も二味も違った感じで終了となった。
楽曲後のMCではアクシデントがあった事を示唆したり、蒼音舞のドレス姿を間近で見て客層皆がはしゃいだりした後、生誕祭恒例の主役のソロコーナーとなる。
 
蒼音舞は現状、ソロ楽曲が一曲なので、通常であれば彼女自身のソロ曲披露となる……のだが、ここで歌ったのは「Red Voice」
この楽曲、元は熊野はるのソロシンガー時代の楽曲であり、2015年に燃えこれ学園(当時:萌えこれ学園)が「カバーオブ熊野はる」として発売。その中の一曲となっている。
当時も蒼音舞は「Red Voice」を担当していたが……それでもこの選曲は意外だった。
なお後で話を総合すると、この楽曲が歌うのが決まったのは当日で、ほぼ事前準備が無い中で蒼音舞は歌った事になる。
それにも関わらず力強く歌いきるあたり、元から歌唱力に定評があるとは言え、彼女の実力の片りんを見せつける形になった。
 
実は自分が一番(心の)準備が出来ていなかったのは、ここだと思う。
しかしこの楽曲を良く知っている、先輩広報委員の助けもあり滞りなく応援は出来たと思う。
 
こうして「Red Voice」を歌い終え、蒼音舞のMCになる。
毎年、手紙を用意してそれがネタになる事が多い彼女だが、今年はその手紙もなく切々と語り始める。
 
……内容については、今の彼女の率直な心境が語られていたと思う。
これまでの事、これからの事、自分がこれからどうありたいか。
話をうまくまとめきれないあたりも含め、蒼音舞らしさが込められていたと思う。
 
やや長めに自分の想いの丈を語った後、蒼音舞のソロ曲「RealCry」となる。
前述のMCでも語っていたが、この日でちょうど音源発売して6周年となった同曲。
実際に楽曲が出来たのは更に数年前に遡るが、長年この歌を通じて、歌い継がれる想いが溢れていた。
蒼音舞はこの日も歌で、それを力強くそれを体現した。
 
この日のために、あおねぐみ(蒼音舞ファンの総称)で用意した生誕口上。
「RealCry」が音源として世に出て6年。
 
彼女に自分たちの想いはきちんと伝わっただろうか。届いただろうか。

前年度との大きな違いは、会場内で声に出して伝える事が出来た事だ。
前年度の蒼音舞生誕祭の時期は、まだ(燃えこれ学園のルールでは)会場内での声出しが禁止されていたので、生誕口上は作っても声にして出す事が出来なかった。
それが出来ただけでも、今年度は大きかった。
 
こうして激しく熱い歌を歌い終えた後の彼女が歌い出したのは「ありがとうの歌」
これまでの激しさが嘘のように、静かなピアノの旋律から始まる同曲。
冒頭は蒼音舞がソロで歌い上げ、「オルゴール衣装」に着替えたメンバーがステージに登場する。
後輩メンバーにあたる稲森のあ、高未悠加、山田みつきが1番途中から歌に加わり、サビのところで全メンバーの歌唱へと繋がる。
そして間奏を挟んで、1期生メンバーの熊野はる、佐々木千咲子、成田麻穂と共に歌う。
ここは1期生同士……言葉にならない感情がこみ上げてくる様子が分かった。
蒼音舞は重要なパートを一人で歌い上げ、それを周りのメンバーが支える形で一つの歌を紡ぎあげるという……メンバー間の絆が見える素敵な演出で締めてくれた。
 
蒼音舞が半ベソで「ありがとうございますー」と言い感動……に浸る時間もなく(笑)時間的にだいぶ押していた生誕祭は、ここから急ぎ終盤となる。
 
ここで歌ったのは「オルゴール」
「オルゴール衣装」に着替えた時点で、この楽曲は十二分に予想されていたが、この楽曲における蒼音舞はソロパートもあるが、どちらかというと主役のポジションではなく、もう一つの武器とも言えるハモリで存在感を存分に発揮する。
燃えこれ学園初見の方は特に分かりにくいかも知れないので、アーカイブ配信が見れる人にはその点を意識して観て欲しいポイントである。
 
「オルゴール」のきれいな旋律が響いた後、この日ラストで「すき!すき!好き!!」を熱唱!
燃えこれ学園初期からの代表曲。この日は歌わなかったが「Re-START」が出るまでは、燃えこれ学園の代表曲はこちらを指していたと思う。
冒頭の歌い出しを始め、蒼音舞にソロパートが多く振り分けられており、さながら「蒼音舞生誕祭特別バージョン」と言って過言でない歌割りになっていた。
(なおアーカイブ配信を見直して確認したところ、この日お休みだった當銘、仲川、三浦のソロパートが全て蒼音舞に振り分けられている)
楽曲終盤のこの楽曲の口上が会場に響き渡り、こうして本日の主役が前面に押し出された「すき!すき!好き!!」は無事終了。
 
その後、生誕祭ではお馴染みのメンバー全員の色紙が手渡された後、(「校歌斉唱」の音頭を待たずに)「燃えこれ学園 校歌」を会場全体で斉唱。
 
稲森のあ生誕祭のお知らせ、リモート出演となった(オルゴール衣装に着替えている状態の)仲川、三浦、當銘の順に一言、そして蒼音舞の挨拶を経て、2023年度の「蒼音舞生誕祭」は幕を閉じた。
 
 
・セットリスト
1.お誕生日おめでとう
2.恋時雨
3.夢幻華
4.BRAVE
5.ミラクる☆妄想がーる
 
(蒼音舞ソロ)
6.Red Voice
7.RealCry
 
8.ありがとうのうた
9.オルゴール
10.すき!すき!好き!!
(ED.「燃えこれ学園 校歌」)
 
 
●総括
 
セットリストにある通り、この日は(校歌を除いて)全10曲。
普段の生誕祭なら12~14曲程度が通常なので、10曲はやはり少ない。
 
やはりメンバーが三人抜けた影響は大きく、当初のセットリストから変更せざるを得なかった事が分かる。
昨今の燃えこれ学園の代表曲とも言える「Re-START」を外している点からも、数曲削っているのは間違いない。
歌割り、ダンスにおけるフォーメーションもそうだし、普段から燃えこれ学園を見ているファン層なら一目でわかる違いから、恐らく初見でも不自然に思う場面も見受けられた。
 
開場、開演時間を遅らせてまで修正を兼ねたリハーサルに費やした事がメンバーの発言(前述した熊野はるのツイートが一番分かりやすい)からも分かっており、今回の生誕祭がいかに開催直前まで混乱に見舞われたのが容易に想像できる。
 
またその事による進行時間の押し具合も、蒼音舞ソロコーナーの前後から見て取れる。
特に「オルゴール」ならびに、最後の「燃えこれ学園 校歌」での曲の入り方は顕著な例。
個人的に「燃えこれ学園 校歌」はせめて「校歌斉唱」と蒼音舞が言うまで待って欲しかったので、かなり残念である。(ただし蒼音舞も「それでは……」と前置きしているため、フォロー出来ない部分もある)
 
正直、今回の「蒼音舞生誕祭」は蒼音舞が、そして燃えこれ学園が本来見せたかった内容の……半分、もしくは多めに見積もって6~7割のものしか表現出来なかったのではないかと推測している。
少なくとも今回の内容で100%という事は無いだろうし、きっと蒼音舞だけでなく、燃えこれ学園メンバー全員が不本意な気持ちは常にどこか持ち合わせていたと思う。
 
ただ中止、延期という選択肢がある中で「蒼音舞生誕祭」をこの日開催した決断については尊重したいし、今回の生誕祭の内容について不満があったかと聞かれたら、そんな事はなく、むしろこのような苦しい状況でも、きちんと自身の想いを届けてくれた蒼音舞には感謝しかない。
 
生誕祭やバースデーライブは、当日の主役にとっては「ありがとう」を伝える場であるのだけど、自分たちファンにとっては「おめでとう」を伝える場であるので、やはりどんな形でも開催してくれたのは嬉しかった。
 
例年なら楽しかったとか、感動したとかあるんだろうけど……そういう意味では開催そのものが嬉しかった……という感じなので、今年度の生誕祭はいつもと違った、ちょっと特別な生誕祭だったと思います。
 
この日、会場で蒼音舞を共に祝ってくれた皆に感謝。

そして配信を通じて見守ってくれた皆に感謝。
 
もちろん万全の状態で、万全なものが見れたら良かったかも知れない。
だけど今回のような逆境の中で迎えた生誕祭も、いつか笑って振り返る事が出来る大切な思い出になってくれればいいと思うし、自分はそうなってくれると信じています。
 
この先、あとどれくらい蒼音舞を応援し続ける事が出来るのか……そしてあと何度「蒼音舞生誕祭」を迎えられるか、今はまだ分からない。
だけど自分はこの日の事を、2023年度の「蒼音舞生誕祭」を、ヲタとして生きる以上忘れる事はない。
そして蒼音舞を応援してきた5年前から、今日この日までを文字通り「紫の『誇り』」として刻み込んでいきたいと思う。


あおねちゃん、出会ってくれて……ありがとう。