※このライブイベントは7/17に行われたものです。
超遅筆で申し訳ない!
世間では「海の日」という事で祝日でしたが、皆様、いかがお過ごしでしたでしょうか?
その名の通り海に行った方もいたのでしょうか?
そんな「海の日」ですが、インディーズアイドルの界隈でも様々なイベントが行われた日でした。
そしてこの日、前日に誕生日を控えた、ある歌い手……いや「芸術家」である彼女も二度目のワンマンライブを迎えた。
半年以上前から「自分の全てを賭ける」という趣旨の宣言をしていた彼女。
果たしてその自らの全てを賭けたワンマンライブは成功したのか……!?
今回は7/17に行われた「清水舞美 2nd ONE MAN LIVE『花の殿』」の様子をお送りいたします。
●開演前
まずこのワンマンライブの前に行われた「生誕主催ライブ」の様子も軽くお伝えしよう。
昼は清水舞美に縁のある共演者たちが集まって行われた主催ライブ。
ほとんどの出演者が「清水舞美=バラード」のイメージからセットリストにバラードを組み込むという、ある意味特徴が出たライブイベントだった。
意外と普段のライブイベントだと、ここまで多くのバラードを聴く機会が無いかも知れない。
……そんな中、当の清水舞美本人は……ビキニで登場!(爆)
小柄ながらもグラマーなダイナマイトボディを惜し気もなく披露。
本人曰く「海の日だから」(笑)
とっても陽気なパーリーピーポーなノリだったが、本人は共演者が多くバラードを組み込んでくれた事に感謝しつつ、ちょっと申し訳なさそうだった(笑)
昼はこんな感じでとっても楽しい雰囲気で終了。
それから数時間の時を経て行われた夜のワンマンライブ……。
昼の楽しげな雰囲気からは一転、何か壮大なものが始まるような雰囲気が漂っていた……。
唯一、売り子として残った昼の出演者、石戸なつみの前物販叩き売り状態だけは面白おかしかった(笑)
こうして売り子の石戸さん(笑)をいぢっているうちに会場は徐々に人が集まってきた……。
清水舞美デザインの白いTシャツでほぼほぼ埋め尽くされた会場……。
その「白い」人の群れは今か、今かと開演を待ちわびていた……。
やがてボリュームが上がり、照明が落とされる会場……いよいよ清水舞美、人生二度目のワンマンライブの幕が上がる……。
●本編
……暗転した会場にまず現れたのは、清水舞美ではなかった。
キーボードを弾く一人の奏者。
……この日、バックバンドのメンバーを務めた、ピアニストの沼っちの演奏から始まる。
聴き覚えのあるイントロに乗って……白いドレスに、長い髪をきれいにセットした清水舞美が登場。
一曲目「はじまりの恋」を歌った。
響いているのは彼女の歌声と、キーボードの音色だけ……。
それまで会場で騒いでいた誰もが、会場のただ一点に集中している瞬間だった……。
こうして静かな立ち上がりでワンマンライブの幕は上がった。
歌い終えて静かに沸き起こる拍手……。
清水舞美自身も一曲目からバラードでどうなのかと心配だった模様だが、うまく歌えたようで非常に順調な滑り出しとなった。
一曲目を終えて、キーボード・沼っちを除くバンドメンバーを呼び込む。
そしてここからは清水舞美、オリジナル曲を生演奏で立て続けに披露となる。
以下、四曲連続のためセットリスト掲載。
「記憶のあと」
「礎」
「カラス」
「花の魁、花の殿」
清水舞美を知っている人なら、どの楽曲も一度は聴いた事があるだろう。
1stシングルかつ、代表曲の一つと言って過言でない「記憶のあと」
力強い歌詞が特徴的な「礎」
どこか美しさと儚さが同居している「カラス」
そして今回のワンマンライブのサブタイトルの元となっている「花の魁、花の殿」
どの楽曲もバンドで演奏するとここまで迫力が違うものか!?……とこの時は思った。
特に「花の魁、花の殿」の圧倒的な迫力は、この時、会場の空気を圧倒していたに違いない……。
こうして序盤から圧倒的な音圧を見せた清水舞美。
バラードのイメージが強い彼女ですが、そんな事は無い!……という一面を見せてくれました。
ここのMCでバンドメンバー紹介。
皆様、特徴的なメンバーでしたが、ベースのしょうやの漢字の読めなさは笑わせてもらった(笑)
さてそんな個性的なメンバー紹介を経て、続いては新曲発表。
作曲したのはこの日のサポートギター・てつろう。
そしてタイトルは「争い果てて」
清水舞美自身、これまでの人生の中で友人、ライバル、仲間関係みたいな人に向けて書いた楽曲と述べている。
(個人的にはAnBの事でも想いながら書いた?(笑)と思ったけど、そうではないらしい)
曲調は彼女の最も得意とするミドルバラード。
もっとじっくり歌詞を聴き直したい楽曲。
いかにも清水舞美ワールドの真骨頂が詰まった一曲でした。
さて……この楽曲の後は雨音が流れて、清水舞美及びバンドメンバーが全員ステージから掃けていった……。
そしてステージの後方にあるスクリーンには映像が映し出される……。
その映像には右下に「スタジオシミズ」と書かれた、自身のペット・ポン太と思わしき猫の絵(笑)
(某ジ○リの青いバックにト○ロが描かれた絵と同じ構図である)
会場には笑いが漏れたが、この後、会場はこの映像と清水舞美の歌声に釘付けとなる……。
……この「スタジオシミズ」のイラストの後、流れたのは鉛筆のような素材で描かれたアニメーション……。
ある少女が見つけた空き地のボール。そこに描かれた「チロ」の二文字……。
そして画面には「雨間」というタイトル、そして同名の曲が流れる。
やがてイントロに合わせて清水舞美が登場。
ステージの上で彼女は「雨間」を歌いつつ、映像では一匹の犬……「チロ」の物語が流れている……。
物語の内容は割愛しますが、寂しくもあり、だけどどこか心が震える……そんな作品でした。
この楽曲の後、MCに入りますが、あちこちから「チロが……」という声がチラホラ。
とにかく犬の「チロ」、人気者でした(笑)
なおこの「雨間」の映像は昨年のワンマンライブが初披露だったとの事。
続いても映像と楽曲のコラボレーションですが、今度のは一昨年初披露の「流れ」
こちらは彼女の油絵が次々と流れていきます。
題材は津波……恐らくモチーフはあの震災……だけど不思議と悲惨さというよりは、これから再び立ち上がろうとする何か力強さみたいなメッセージみたいなのを感じるのは自分だけでしょうか?
この映像は別の場所で何度か拝見していますが、何度拝見してもインパクトがありますね……。
そしてここで新しい映像披露!
楽曲は「人と夢」
これまでの二つが「チロかわいそう」とか「えげつねぇ……」となるのですが、どちらかというとこの映像は不思議な感覚に襲われます。
一応、この映像も清水舞美の絵をつなぎ合わせて一つの物語になっているのだけど……とっても不思議。
色んなものが絵を通じて、一気に情報がなだれ込む感覚に襲われる。
清水舞美の歌声も非常にマッチしていて、この作品とワンセットで「人と夢」という楽曲の世界が一気に深まったような……そんな感覚になりました。
それにしてもこの映像のために、かなり前から頑張ったという清水舞美。本当に芸術家であり、努力家だと思う。
こうして映像作品コラボの時間は終了。
再びバンドメンバーが登場する。
ここまでバラード系が続いたので、続いては清水舞美の楽曲の中では一番明るい曲調の「メッセージ」を歌う。
先程までの静かな雰囲気から、一瞬にして晴れやかな気分になるようなそんな感じだった。
皆、さっきまで「チロが~」と言っていたのに(笑)
「メッセージ」を歌い終えたところで……なんともうラスト一曲との事!
早い!いや本当に早い!
でも彼女の現在のオリジナル楽曲の曲数を考えたら……残念ながらもう底は尽きている状況……。
しかしここで彼女が披露したのは、この日二つ目の新曲「稜線」
「稜線」?
聞き慣れない単語ですが「光と陰の間にある一番暗い部分」の線の事を言うのだそうで……知らなかった方の方が多かった模様。
MCでこの単語の説明を聴くまでは「?」という表情を浮かべていた人の方が多かったように思います。
どうやら絵を描く人には馴染みのある言葉ですが、ちょっと芸術関係の専門用語っぽかったかもしれない。
だけどこの楽曲タイトルのセンスがいかにも彼女らしい。
そんな訳でこの「稜線」を歌う清水舞美。作曲は先程の「争い果てて」と同じ、ギター・てつろう。
バンドメンバーによって奏でられる壮大なバラードです。
終盤になるにつれて、その壮大さが増してくる……と思いきや、その終盤、いきなりベースのしょうやが手を上げてステージを去る……。
最初は事故かな?と思いきや、一小節ごとに、バンドメンバーが一人ずつ手を上げて去って行く……。
この手を上げる動作は「挨拶」……つまり一人ずつ去って行く演出だったのだ。
次々といなくなるバンドメンバー、この演出に気付いた客層から贈られる拍手……。
そして最後に清水舞美が一人ステージの上に残って……「稜線」のサビをアカペラで歌い終えた……。
……こうして清水舞美、自身二度目となるワンマンライブは静かに幕を閉じる……
……はずが無かった(笑)
彼女が去ったステージに向かって沸き起こる「アンコール」の大歓声!
多くの客層の声援に応えるようにして……再び清水舞美はステージに戻ってきた!
●アンコール
再びステージに立った清水舞美。
キーボードの沼っちだけを従えて登場。
そして沼っちの伴奏が静かに始まる……。
でもこれも聴いた事のない旋律だった……。
その初めて聴くバラード……「昇華」は、これまでの清水舞美のバラードの中でも最も壮大なバラードと言って過言ではないかも知れない。
とにかくそのスケールに圧倒された……。
会場からは歌い終わった瞬間、大きな拍手が沸き起こっていた……。
こうしてアンコールが始まり、最初のMC。
新曲「昇華」に関する説明と、同曲がキーボード・沼っち作曲のものだと紹介される。
しかし新曲をこの日、一気に三曲も披露した清水舞美……最初から最後まで驚きである。
さてここのMCで今回のワンマンライブのタイトル「花の殿」について語る。
楽曲「花の魁、花の殿」にかけているが、この「花の殿」という言葉、実は造語。
「花の魁」が「魁」=「先駆け」なのだが、「先駆け」の対義語として「後駆け」があり、その「後駆け」の類義語に「殿」(しんがり)という言葉がある。
ちなみに最初、この「花の殿」の「殿」を「しんがり」と読めたのは、幕末シンガーでお馴染み、久城ほゆきのみだったとの事(笑)
(なお戦国時代などでも「殿」という言葉は存在し、退却時の一番後ろを務める事でもある)
清水舞美は「花の魁」とはいかなかったけど、遅咲きでもいいから大きな花を咲かせたい……そういう願いも込めて、このタイトルを思いついたとの事である。
……という事でアンコール二曲目に、この日二回目となる「花の魁、花の殿」
前半でも歌った以上に会場が大いに盛り上がった!
いわば今回のワンマンライブを象徴する一曲と言って過言ではない。
この日、最大の盛り上がりを見せたのは間違いなくこの瞬間だった……。
こうして大いに盛り上がりを見せたところで、残りは本当にラスト一曲を残すのみとなりました。
もしかしたら多少前後するかも知れませんが、ここで清水舞美が珍しく涙ぐむシーンがありました……。
この半年間、重圧との戦いだった事。
一ヶ月前、あるライブで突然、声が出なくなった時の事。
本当に苦しかった……。
いつも笑顔しか見せない彼女が、珍しく見せた涙……。
どれだけ今回のワンマンライブに賭けていたか、その想いが伝わってきた瞬間でした。
だけど最後を涙で終わらせる訳にはいかない。
ラストに精一杯の気持ちと想いを込めて、この日二回目となる「記憶のあと」を熱唱。
清水舞美、初のオリジナルにして代表曲。
最後の力を振り絞って歌を届ける清水舞美……その姿に客層も最後の声援を送った。
この楽曲をここで持ってきた事……即ち、彼女のこれまでの「集大成」を意味するものとなった。
こうして大きな熱気に包まれた中「清水舞美 2nd ONE MAN LIVE『花の殿』」は幕を閉じました……。
ちなみに……唯一、今回、オリジナル楽曲で歌わなかった「冬の光」については、また別の機会に歌うという事で……前々日に描いた、作曲者・おかやん。の絵と共に約束した……とさ。
●総括
彼女の「芸術家」としての真骨頂が詰まった素晴らしいワンマンライブでした。
普段、我々が最も目にする事が多い「歌い手」としての彼女はもちろん「絵描き」としての部分も動画などで堪能できたし、総じて「芸術家」としての清水舞美が堪能できたかな……。
「一粒で二度美味しい」というか、清水舞美の魅力満載のワンマンライブでした。
(昼主催のまぶしい水着姿も込みで!)
そんな中でも一番驚かされたのは、新曲を三曲も投入してきた事。
今までこの手の節目のライブイベントで新曲初披露は何度も見てきたけど、これを三曲となると驚きも三倍になる訳で……。
しかも入れるタイミングが絶妙だし、普通ならこのタイミングじゃないってところで入れてきたのが更に驚きだった。
本編のラストと、アンコールの一曲目。
普通に考えたら、もう既に皆が知っている代表曲が定番だと思うのですが、そこに初披露の新曲ですよ。
全く知らなくて却って客層が白ける可能性もあった……にも関わらず、ここに入れてきた清水舞美のある意味「芸術家」としての感性が光ったと思う次第です。
実際「稜線」「昇華」共に違和感なくセットリストに組み込まれていたし……。
これら二曲に「争い果てて」を加えた三曲。本当に印象に残る初披露でした。
今後、この三曲をライブイベントでどう出していくかが見物です。
また生バンドになると、普段のカラオケ音源と印象が変わりますが、彼女の場合もそれが顕著でした。
その中でも最も印象的だったのは、キーボード・沼っちの伴奏のみで歌った二曲……冒頭の「はじまりの恋」と前述の「昇華」
清水舞美と言えばバラード……と言われる所以がここにあったように思います。
(そりゃ昼の主催で多くの共演者が、清水舞美をイメージして、バラードを多く持ってきたがる訳だ)
ここまで彼女の楽曲と歌声がキーボード……いやピアノと相性が良かったのは何気に発見だったかも知れません。
これはまたどこかでやって欲しいです。
それにしても清水舞美の魅力が凝縮されていたとはいえ、ワンマンライブではちょっと短い時間だったように思います。
お気付きの通り、セットリストはアンコール含めて述べ14曲。
実際、二時間は確実に切っていたし、一時間半……さすがにそれくらいは行ったと思いますが、物販並んで会場出て21時前だったのは驚きです。(開演は18時)
この時間の短さは多少、賛否が分かれるかも知れません。
もしかしたら楽曲を多く聴きたいというボリューム志向の人には、若干物足りなかったかも知れません。
ただ下手にカヴァー曲を入れてボリュームを増やすというのも、昨今の彼女の方向性からすると違う気もするし、却ってこの短さだからこそ彼女の良さが出たと感じております。
……とこうして、半月以上前のライブイベントを振り返っているのですが、自分でもセットリストをなぞりながら書いていて、ところどころ涙腺が緩みながらの執筆でした(爆)
特に「雨間」とチロが……(爆)
(犬を飼っていた経験がある身としては、チロがかわいくて、かわいくて仕方ない)
でもこうして歌と絵を駆使して、ここまで人の感情を揺さぶれる演者はこの界隈では非常に稀有な存在だと思う次第です。
清水舞美にはこの感性を大切にしつつ、これからも頑張ってほしいと心底願う次第です。
まだ語りたいところですが、長くなってしまうので最後に一言、彼女に伝えるなら……
「素晴らしいワンマンライブを、ありがとう」
……これからも清水舞美を応援していきたいと思います。
追伸。
レポート遅くなって、ごめんなさい!