【レポート】AnBぷれみあむぅ presents 『ぢゃ☆ベストテン vol.56』 | ヒトデ大石のなんとなくレポート置場

ヒトデ大石のなんとなくレポート置場

2011年8月「ヒトデ大石のどんなブログにしようか検討中。」からタイトル変更。
ライブイベント、舞台観劇のレポートを中心に書いていこうというブログ。
以前はmixiが主戦場だったけど、今はこっちが主戦場(笑)

【レポート】AnBぷれみあむぅ presents 『ぢゃ☆ベストテン vol.56』@池袋mono
 
※[速報]上げていますが、ライブの詳しい様子はこっちでレポートします。
結果を知っている人も知らない人も、じっくり読んでくれると嬉しいです。
 
毎度の事ですが、こちらを読む前にまずは昼の様子からどうぞ。
  
・AnBぷれみあむぅ presents 『第56回イカすアキバ天国』@池袋mono

http://ameblo.jp/hitode0014/entry-12278543736.html

 
昼は大接戦の末、清水舞美の劇的な返り咲きで幕を閉じた。
だが一方で夜の部にあたる「ぢゃ☆ベストテン」も今年に入り熱戦続き。
前回はデカシャツ喫茶がイベント史上初の五連覇に挑んだものの、MicAの復活劇の前に涙を呑むという劇的な展開だった。
その前回の投票結果が反映される、今回のランキングだが……。
 
前回「ぢゃ☆ベストテン vol.55」が終わった後、様々な動きがあった……。
 
桑名美沙子、9月での引退表明。
大和撫子・芍薬の結婚と妊娠の発表。
 
特に上記二つの出来事はこのイベントにも大きな影響を与えるのは必至だった。
厳密には今回のランキングに直接影響は無い。
だが今回以降に何かしら影響は出るのは、誰の目にも明らかだった。
そしてその「影響」は出た。
 
その点については予想通りだった。
……しかし恐らく誰もが思っていたよりも早く、そして予想外の結論が導き出された……。
 
繰り広げられるは熱戦か、接戦か!?
躍進を遂げる者がいれば、かたや後退を強いられる者も有り。
そして約三年半ぶりに戻ってくる主宰いれば……去る者有り。
 
池袋monoで初めて迎える「初夏」五月決戦!
夏を先取りしたような熱い戦いの中で、凱歌を上げたのは誰か!?
 
初夏の一大決戦!「ぢゃ☆ベストテン vol.56」の様子をレポート致します。
 
●開演前
 
開演前から会場は長蛇の列だった。
明らかに昼とは比べ物にならない人数が、そこには並んで今かと開場を待っていた。
 
昼の接戦を知る者としては複雑な心境ではあるが、このイベントの特性上、ある程度は仕方ない事。
列に並んで、他の客層と話をしているうちに開場時間となりスムーズに入場した。
 
さて前述の通り「約三年半ぶりに戻ってくる主宰」という事で、主宰・FICEのバックダンサー集団・着ぐるみダンサーズのメンバーがフロアにいた。
全部で6人いるダンサーズのうち4人だから大人数である。
実はこれ、FICEが事前に作成した夜復帰記念Tシャツを自身の出番前に手渡すためにダンサーズがいたためなのだが……これが非常に人気で一時、フロアの一角は撮影会となっていた。
 
こうして本編開始前から、主宰の復帰を祝う雰囲気は出来上がっていた。
ただこの着ぐるみダンサーズが揃っている光景ですら、この後の出来事を思うと何かの前兆だったように思えてくる……。
 
やがて場内のスクリーンはCM集から諸注意、OP映像へと移り変わる。
例の如く会場からは、BGMに乗せて客層による手拍子が鳴り響く。
OP映像の終わりと共にスクリーンが上がり、そこに新生司会~ずの二人が姿を現した。
 
ただあをいちんに関しては、この後の出番のため着ぐるみダンサーズの着ぐるみを着ての登場。
また☆★朋★☆が(珍しく)遅刻せずに最初からいる事で会場からは驚きの声すら上がった。
(本来はこのような事ではいけないのだが……)
新生司会~ずの二人による諸注意と投票システムの説明が一通り終わり、いよいよ本編開始となる。
 
今回のトップバッターを飾るのは、3月の「第55回イカすアキバ天国」を勝ち抜いた……約三年半ぶりの登場となる主宰である!
 
●本編
 
・昇格組:FICE
……約三年半ぶり……実に神楽坂EXPLOSIONで行われいていたvol.35(2013年11月)以来の夜登場となる主宰・FICE!
サッカー日本代表でお馴染みのアンセムに乗せて……客層の間を割ってフロアから登場!
FICEの二人を先頭に、コーラス隊(響己、☆★朋★☆)、FICEの「大漁旗」を持った着ぐるみダンサーズを引き連れステージに登場。
まさに「凱旋」という言葉が似合う、堂々とした入場だった。
だがこの入場直後にアナウンスが流れる……「今回の「ぢゃ☆ベストテン」を持ちまして、FICEは引退……致しません」(笑)
FICEがごくごくたまにやる引退詐欺コントに、会場は予想通りという爆笑に包まれた(笑)
だがその直後に続いたアナウンスに、会場は驚きに包まれた……。
 
「着ぐるみダンサーズ・奏っぽ☆が卒業します」
 
昨今、着ぐるみダンサーズとしての活動はかなり縮小傾向だったとは言え、サポートメンバーの中でも屈指の人気を誇る彼女の卒業は相当の驚きを与えた。
だがここでしんみりしないのがFICEがFICEたる所以……。
客層の驚きを尻目にFICE・炎は叫ぶ……「最後に奏っぽ☆をいぢり倒すぞー!」(笑)
この流れで一曲目「再生」からスタート。
曲中で「ぽっぽ!ぽっぽ!」と叫ぶヲタ芸(?)があるのだが、これは奏っぽ☆の(堅い)動きがモチーフとなっている。
一曲目から(やたら)テンションが高いフロア。
全力で奏っぽ☆を送り出そうとする。その姿に奏っぽ☆自身、この時は感動すら覚えていた様子だった。
だが……このまま「感動」だけで終わるはずがなく……。
二曲目「EZ DO DANCE」(trf)のイントロが流れた。
実はこれを踊るのは久々なのだが、奏っぽ☆は踊れないとコメントする。
……すると、この反応を待っていたかのように、急に楽曲が変更。
アニメ・マクロスFのOPでお馴染みの「ライオン」が流れる。
……だがこの「ライオン」ただの「ライオン」ではない……。
奏っぽ☆がFICE・氷と組んでいたユニット・ひよかなver.である(笑)
まず普通に歌唱力が……酷い(笑)
奏っぽ☆にとっては自分の酷い歌唱力の音源が会場中で流れている状況で、きっと穴があったら入りたかっただろうが……同じく着ぐるみダンサーズの一員・侑夜がそれを許さず羽交い絞めにしている(笑)
こうして奏っぽ☆にとって生き地獄状態(笑)
彼女の破壊的歌唱力のみならず、FICE及びサポートメンバーによるあまりにも酷いヲタ芸……いや振付の数々に、奏っぽ☆自身も苦笑い。
最後は全方位から、メンバーのお尻を押し付けられる「おしくらまんじゅう」状態となった(笑)
……ここまで大よそ、奏っぽ☆卒業の雰囲気から程遠い、爆笑必至のステージが続いた(笑)
だがラストは卒業を送り出す意味も込めて「乙鰈」を披露。
会場からの暖かい声援の中、奏っぽ☆の着ぐるみダンサーズとしてのラストステージは幕を閉じました。
最後に奏っぽ☆から客に向けての御礼と挨拶、そして後任のダンサーズとしてにゃも(昆美菜穂)の紹介があり、約三年半ぶりの夜復帰を果たしたFICEのステージは終了しました……。
 
 
……あれ?FICEの夜復帰ステージだよね?……というツッコミをしたかった方も多かったと思いますが……これがFICEなのです(笑)
自身の夜復帰だろうと関係なく、功労者を精一杯労い、そして盛大にネタにする……それがFICEなのです(笑)
(逆説的にもっともFICEらしいステージだったとも見れます)
 
こうしてFICEの華々しい復帰ステージの後は、いよいよランキングに……。
前回で化面狂奏戯樂が卒業しているため、脱落(11位相当)なしの10位からの発表となります。
 
まず真っ先に読み上げられた10位は……。
 
・10位:りゅうきいずむ(↓2/3211点)
下位の常連、りゅうきいずむ。前回の8位からの後退でこの位置。
まず一曲目の前にスクリーンが上から下りてくる……。
そこには文字の羅列が……概要として変質者の男性が、小学生の女の子の手をつかんで逮捕されたニュース……。
だがその後で「違うんだ、僕はただ……」という文字が浮かび、スクリーンは上がる。
スクリーンの後ろに立っていたのは、りゅうきご本人。
そのまま一曲目「キラワレモノローグ」に入る。
そして彼女が歌っている背景はなおも、先程の映像の続きが流れる。
実はこれ、彼女自身が某動画サイトで上げた「キラワレモノローグ」の映像そのものである。
ちなみにこの映像は歌詞がそのまま流れる仕様になっており、自身と映像のコラボをこの場で演じて見せた。
こうして一曲目「キラワレモノローグ」は終了した。
なおこの「キラワレモノローグ」今年2月から始めた「月一で楽曲を作る企画」の第3弾となっており、某動画サイトでもこの映像が確認出来る。
(気になる方は彼女のtwitterの一番上にリンク先が貼ってあるので参照にして欲しい)
そんな彼女だがここからちょっと長めのMCとなる。
内容としては以下のような感じ。
 
・「鬱ぽっぷ」の世界とはなんぞや?
・実はもうすぐ活動8周年(大和撫子、デカシャツ喫茶と同期)
・7月にユニットの主催イベントあるよー。
 
……以上を大よそ一曲分割いて話していた(笑)なのでこの日の彼女は二曲である。
その二曲目に持ってきたのが……「箱庭」
7月に周年主催をするユニット……かつて「ぢゃ☆ベストテン」に出演していたMa:rchen-holic*(メルヘンホリック)の代表曲である。
ソロではあまり歌う事が無い楽曲だが、古くからの客層にとっては久々かつ懐かしい選曲。
当時を知っている客層を中心に会場のボルテージは序盤にも関わらず上がっていた。
Ma:rchen-holic*時代(vol.26~43)から数えると、相当、このイベントへの出演が長いりゅうきいずむ。
ユニット時代から下位安定の常連ではあるが、今回のステージをキッカケに中位、上位浮上のキッカケを掴むことは出来たか……そんな彼女のステージでした。
 
・9位:まかべまお(→/3930点※前回換算)
前回は結婚式出席のため欠席。
そのため得点は厳密には前々回の得点を計算に当てはめて直して換算したものになるのだが……。
大幅なランクアップは望めない状況だったが、ランクダウンは無く9位をキープ。
そんな彼女が真っ先に歌ったのは……一曲目「都会っ子純情」(℃-ute)
彼女にしては珍しいカヴァー選曲。
これには元歌の℃-uteも推している(?)と思われるファン層が、前奏の時点で高まっていた(笑)
そんなファン層の精一杯の声援もあり、カヴァーかつ一曲目であるが、まかべまおの雰囲気は一気にボルテージが上がって行った。
一曲目を終えてMC。
前回の欠席が「結婚式出席」だったので、一部客層から「おめでとう」と自身が結婚したかのように祝われる(笑)
そんなほのぼのとしたやり取りを経て、楽曲に戻る。
二曲目はオリジナルに戻って「SPIRAL」
まかべまおの押しも押されぬ代表曲。
流石にこの楽曲における盛り上がりは凄まじい物がある。
そしてそのままラスト「モノクロームシンパシー」となる。
この楽曲も長く歌われた楽曲でファン層からの支持が高い一曲である。
こうして珍しいカヴァーと、代表曲二曲を織り交ぜたまかべまおのステージは終了した。
この日は彼女の固定客層も多く、盛り上がりを見せていたが彼女についてはふと思い出す事がある……。
 
このイベントにも約五年半出場を続けているまかべまお。
だがその間、何度か9位になった事がある。しかし……その次の回は大抵、ジャンプアップを果たしているのだ!
初優勝を飾ったvol.42の直前回(vol.41)も9位からのジャンプアップだった。
そして一つの格言が生まれた……。
 
「9位のまかべに気をつけろ」
 
……果たして、次回、まかべまおの順位は如何に!?
 
・8位:江織杏(↓2/4011点)
昨今、ランキング的には元気の無いえおりんこと江織杏。
今回は2ランク下げて8位まで後退となりました。
そんな彼女の一曲目は「桜月譚」からスタート。
彼女のデビュー曲でまず会場は軽く盛り上がりました。
そんな江織杏、5月頭にデビュー三周年ライブを敢行したばかり。
現在、活動四年目になりますが、もう時期、このイベントに参加して丸三周年となる事に言及。
(2014年7月「第39回イカすアキバ天国」が初出場)
自身の活動もそうですが、このイベントでも引き続き頑張っていきたいと、その決意を語っていました。
残り二曲は連続。
二曲目は「白黒戦士パンダマン」
ビジネスパンダ(笑)と良く言われていますが、パンダ大好きな彼女が作った楽曲。
いわば彼女の方向性をある程度決めた楽曲。
会場全体の盛り上がりと一体感が高まっていきます。
そしてラストは「秘密結社逆パンダ団」
いわば「パンダマン」の敵側の楽曲。
「パンダマン」と「逆パンダ団」、ヒーローのテーマソングでいえばOPとED的な印象。
(実際、過去の戦隊物でも、敵側の事を歌った楽曲は数多くある訳ですし)
今回は江織杏的、パンダワールド全開でお送りしました。
こうして江織杏のステージは終了。
もうすぐイベントでも四年目、江織杏……ここから巻き返しとなるのか!?
 
・7位:石戸なつみ(↓3/4961点)
こちらも元気が無い。
前回より3ランクダウンのなーここと石戸なつみ。
こういうところまで、同事務所の江織杏と並ばなくてもいいのに……。
そんな彼女ですが、一曲目「理想論」からスタート。
初っ端からゴリゴリのギターサウンドで攻めてくる。
所属事務所社長でもある小林裕明作曲のものだが、これまでの石戸なつみのテイストに一番近い。
そんな石戸なつみ、ランクダウンは残念ながらも、今回も江織杏より上位だった事は嬉しかった模様(爆)
そして(当時)間近に控えた新曲レコ発という事で……今回もその収録曲中心の披露となった。
(ちなみに一曲目「理想論」も収録曲の一つ)
二曲目にそのレコ発メインの楽曲「Choice The Happiness」
2月のワンマンの時にサポートギターで入った耕史朗作曲の楽曲。
昨今、ギターサウンドのロック調が中心の彼女の楽曲だが、これまでの楽曲とはまた違ったテイストのギターサウンドに仕上がっている。
作曲者が違うので、もちろん楽曲のテイストが違ってくるのは当たり前なのだが、こうしてオリジナルの作り手が増える事で、石戸なつみの世界も広がっていくのが良く分かる。
ラストは「ただ、愛されたかった」
こちらもバンドのサポートメンバーでよく入る友樹作曲のもの。
前二曲がどちらかというとギターサウンドが目立つのだが、どちらかというとこちらはメロディアスな……そんな印象を受ける。
石戸なつみの楽曲自身、あまりハッピーなのは無いが(笑)この楽曲の歌詞は余計に何か切なさを感じさせる。
このように「Choice The Happiness」とC/Wになっている楽曲たちの構成で石戸なつみのステージは終了。
(ちなみに「Choice The Happiness」はAタイプ、Bタイプと二種類あり、AタイプのC/W「ただ、愛されたかった」、BタイプのC/Wが「理想論」である)
果たしてこれが彼女のレコ発の……そしてランクアップの追い風になるだろうか……。
 
・6位:MicA(↓5/5251点)
前回、悲願の初優勝……から一転、5ランクダウンのMicA。
流石に連覇は簡単じゃなかったと本人談。
しかし悲壮感に暮れていても仕方ないと、登場早々、ステージの前のスクリーンが下りてくる。
そんな彼女の前半は「アニソンメドレー」となる。
だがこの「アニソンメドレー」ただのメドレーでは無い。
以下にその楽曲と、アニメのタイトルを上げる。
 
「奈落の花」(ひぐらしのなく頃に)
「風の谷のナウシカ」(風の谷のナウシカ)
「君をのせて」(天空の城ラピュタ)
「私の彼はパイロット」(マクロスF)
「アンインストール」(ぼくらの...)
 
一見すると何の関連性も無い。
強いてあげればナウシカとラピュタがジブリ繋がりなくらいで……。
だがこれらの楽曲を元のまま歌っている訳ではない。
実はこれアニソンはアニソンでも「アニソンリミックスメドレー」なのである。
そしてこれらの楽曲を共通して歌っていたのが……何を隠そうMicAである。
昨今はオリジナル中心の彼女ではあるが、オリジナルがここまで多くなる前はアニソンカヴァーを歌っている歌い手であり、全国流通したCDにも収録された過去がある。
いわば原点に戻り、これらの楽曲をMicAは歌った。
なおこれらの楽曲を歌っている時には、スクリーンにはその元歌のアニメが流れるという演出もされていた。
こうして前半の10分ほどは「アニソンリミックスメドレー」を展開した。
そしてこれらの楽曲を終えて、スクリーンが上がる。
ラストに持ってきたのは「ここにいるよ」
この楽曲も映画「笑えない男」の主題歌で、アニソンでは無いが「タイアップ」繋がりという隠れた意味合いがあった。
こうして過去の自分のスタイルと、最近の自分のオリジナルを織り交ぜ勝負したMicAのステージは終了。
ここから再度、上位進出と果たしてなるだろうか……。
 
・5位:桑名美沙子(→/5780点)
既に9月11日での引退を表明している美沙っちぃこと桑名美沙子。
彼女にとっても、このイベントで過ごす時間は残り少ない事は誰もが知っていた……。
そんな彼女の一曲目は「希望の剣」
いつもならセットリストのラストに持ってくる事が多い、彼女の代表曲と言って過言ではない。
サビの部分でタオルを回す桑名美沙子、そして前列に陣取る固定ファン層。
この見慣れた景色ももうじき見れなくなると思うと、もう少し先の引退に早くも想いを馳せてしまう……。
こうして一曲目を盛り上がりのうちに終えた桑名美沙子。
そして大切なお知らせが二つあると切りだす。
一つ目は6月のAnB本編での60分枠。これは引退間際の彼女にとっても、ファン層にとっても朗報である。
そしてもう一つは……今回をもって「ぢゃ☆ベストテン」を卒業するとの宣言だった……。
半ば驚きのような声と、一方でどこか納得していたような声が会場で入り混じった。
驚いた客層の多くは7月までの出演を信じて疑わなかった客層である事は間違いない。
しかし彼女の想いは違った。
卒業の理由として……彼女自身「自惚れかも知れないけど」と前置きをした上で以下のような趣旨を語っている。
 
7月(vol.57)までは出場出来るものの、このイベントの優しい客層の事、最後に桑名美沙子を1位にしようと票が動いてしまうのではないか……。
でもそれでは正々堂々戦っている他の出演者にも申し訳ないので、今回を最後に卒業を決意しました。
 
……いかにも彼女らしい卒業の理由だったように思います。
一通り語り終えると、その目には薄っすらと涙が浮かんでいました。
本人も「泣く予定じゃなかったのに……」と語り、これまでの「ぢゃ☆ベストテン」での約四年半の日々を振り返っていました。
そんな彼女が一番最後に歌ったのは……この楽曲が無ければ、きっと勝ち上がる事が出来なかったという事で……。
 
「snow」
 
昨今、別バージョンの「snow」が発表されていますが、正真正銘、元祖版。
一番最後に自身をここまで引き上げた一曲という事で、最後の最後まで魂を込めて歌を届けました。
その歌声は多くの客層を高ぶらせ、また多くの客層の心を震えさせ、そして会場にいたほぼ全ての客層が彼女に精一杯の声援を送りました。
こうして長い事、このイベントにおいて歌声で魅了し続けた「歌姫」桑名美沙子……万感の想いと共に「ぢゃ☆ベストテン」に別れを告げました。
そしてステージを去る彼女に向けて、優勝者に向けられるのとなんら引けを取らない万雷の拍手が降り注いでいました……。
 
 
予定よりも……いや予想よりも少し早い卒業宣言に動揺する会場。
しかしランキングはまだ続きます……。
 
・4位:和奏電道子☆灯-アカリ-(↑3/6060点)
ここに来て順調にランクアップ!あかりんこと和奏電道子☆灯-アカリ-。
強敵揃いの中堅層の出演者を抑えて、見事に4位を確保しました。
しかし実はこの日、いつもならステージの準備とかで貢献しているスタッフの黒子が不在。
ステージ登場時もマイクを忘れるという、あわやというハプニングもありましたが……。
だがいざ楽曲が始まると、その慌てふためいた様子すらなかったかのように堂々としているのが今の彼女。
一曲目「所縁の糸」
ここ最近、発表した楽曲という事で、このイベントでは初披露。
実に彼女の伸びやかな歌声にマッチした楽曲で、会場全体が彼女の歌声に耳を傾けていました。
こうして序盤に軽いハプニングがあったものの、難なくスタートしたかのように見えた和奏電道子☆灯-アカリ-。
でもやはりMCではちょっと慌てたとの趣旨の発言をしていました(笑)
気を取り直して二曲目「こいこい」
花札をテーマにした同曲。サビの「こいこいしましょ」の振り付けもだいぶ浸透してきており、会場全体もノリノリ。
そして後半の間奏部分では今やお馴染み「袖の下」が会場にいる客層に配られる(笑)
このようにして「こいこい」は終了。
そしてラスト「Shine」
「こいこい」から打って変わって非常に激しい動きのある同曲。
楽曲の最中、灯自身も激しく動き回るのですが、それにしてもキレキレの動きも去ることながら、一切息が切れない事……。
前身の蛍光灯時代から、フィジカルの強さに定評がありましたが、改めてそのポテンシャルの高さを再認識させられた感があります。
歌唱力も良くて、衣装の作成能力もあり、「袖の下」まで覚えた(笑)のに……毎回のように「脱落」を怖がるビビリキャラ(笑)
(※今回も卒業があるので脱落はありません!)
そんな和奏電道子☆灯-アカリ-の、堂々たる4位のステージでした。
いよいよベスト3も見えてきたか……。
 
……という事で、ベスト3に突入。
前回優勝のMicAは既に連覇を逃し、残っているのは前回の2、3位と……昇格組だった彼女……。
一体、どうなってしまうのか!?
まず3位に読み上げられたのは……。
 
・3位:大和撫子(→/6105点)
イベントが誇る大ベテラン、大和撫子。今回でエントリー回数は実に39回。六年半にも及ぶ。
昨今、優勝こそ無いが、今回で三回連続の3位と非常に安定した成績を残している。
そんな大和撫子だが、4月にメンバー・芍薬の妊娠と入籍が発表された。
これに伴い芍薬も産休に入る事となった。昨年、出産を終えたリーダー・牡丹も回数を絞って復帰はしているものの、このイベントへの復帰は果たせず。
よって今回も百合、椛の二人でのステージとなった。
この二人でどこまでいけるのか……そういう想いで見つめていた人も多かっただろう。
そんな訳でこの日、一曲目がなんと「大和魂~日本の力~」
いつもならセットリストの最後に持って来て、客層を巻き込んで日本酒を飲む歌なのだが、この日はなんと冒頭だった。
いわば奇襲。大いに客層も盛り上がったが……この時、既に何か胸騒ぎみたいなものを感じていた客層ももしかしたらいたかも知れない……。
続いて二曲目に「大和万華鏡」
百合と椛の二人だけだが、その派手な動きはまるで「華」のようだった。
大袈裟ではなく、二人の美しく舞う姿はまさにそう表現すべきものだろう。
更に三曲目「勿忘草~Don't Forget Nadeshiko~」
「大和万華鏡」とはある意味、対を成すバラード調の一曲。
ここではその歌声をじっくりと聴かせてくれた。
だがこの頃だろうか……ステージにいる二人の様子がいつもより若干おかしかったのは……。
特に百合の目はいつもより充血していて、今にも泣きそうな……それくらいどこか悲愴感のような物が漂う印象があったのは……。
そしてこの後のMCで「勿忘草」を持ってきた事の意味にも繋がっていく事になる……。
 
その発言は、この会場にいた誰もが耳を疑った。
最多エントリー回数:39回、大和撫子……今回をもって卒業……。
 
……この瞬間、会場にいた者たちの動揺は言葉に言い尽くせない……。
ただ百合の表情がどこか曇っていた事の意味は、ただちに理解出来た。
それでも「卒業」という言葉を聞いても……彼女たちの口から聞いても、信じられる者はいなかっただろう……。
この時、百合、椛は卒業を決めた事実と、そしていつか四人が揃う日が来るまでのお別れと……それだけを言葉にした。
そして彼女たちが最後に歌った一曲……この一曲が無ければ、このイベントに挑戦していなかったという一曲を最後に歌った……。
 
「桜撫子」
 
大和撫子、最初期の代表曲。
この楽曲が音源化した事をキッカケに彼女たちは、このイベントに……そしてこの界隈に挑戦していった。
いわば彼女たちにとって挑戦のキッカケになった同曲を、その場に居なかった牡丹、芍薬の分まで百合、椛は歌い切った。
こうして約六年半に及ぶ、大和撫子の長い長い挑戦は、一つの「伝説」となりその幕を閉じました……。
彼女たちが去った後、いつもより長く続く盛大な拍手が、その「伝説」の終焉を名残惜しそうに見送っていました……。
 
 
流石の新生司会~ずの二人も少しやりづらそうに登場したが……まだ二組残っている!
……優勝への返り咲きなったか!?
……はたまた、2回続けて昇格組からの初優勝という快挙なったか!?
注目が集まる2位は……。
 
・2位:美広まりな(NEW/6450点)
前回の昇格組から一気に2位ランクイン、美広まりな。
まずはOPSEとした「やらないか」(元歌:「バラライカ」(月島きらり starring 久住小春 (モーニング娘。) )で登場。
未だ騒然とする会場であったが、軽快なリズムに乗ってステージの上に堂々と登場する!
そのまま「まリフレにゃイン」に入るという流れでスタートする。
「やらないか」はクセがある楽曲であるが(笑)「まリフレにゃイン」自体は正統派の楽曲。
破天荒なキャラの彼女にしては、いつも通りではあるが、どこか静かな立ち上がりにも見えた。
MCでは初ランクイン2位に言及。
当人としては前回昼の時点で「目標は9位」と言っていただけに、目標を大幅に上回り非常に恐縮だった様子。
だが昨今、セットリスト的にはマンネリがある点も言及しており、その点は本人も打開策を考えていた模様。
……という事で、ここで新曲発表となる。
気になるそのタイトルは……。
 
「まんぽこROCK」
 
……「まんぽこ」である。
何の事を指しているかは、想像にお任せします(笑)
……が、恐らくほとんどの方は何を想像するかは察しがつきますが、恐らくその通りです(笑)
楽曲自体は非常に分かり易く……どこかで聞いた事のあるリズムに乗って「一本まんぽこ」と連呼!(笑)
その後の歌詞も……まぁ割愛(爆)気になる方は、直にライブイベントに行くべし!(笑)
そしてこの楽曲の後に「ちんぽこBEAT」(爆)
「まんぽこ」の後は「ちんぽこ」……破壊力抜群なラインナップ。
夜も徐々に深まる中、異様なテンションの会場内……美広まりなの世界がそこには広がっていた!
そしてラスト「ホモ・ソーシャル」で締めにかかる。
楽曲自体は非常に正統派。歌詞は一癖も二癖もある彼女だが、いわば突き抜けている世界観が快感を誘うのか……。
つい20分ほど前まで騒然としていた会場はいつの間にか、彼女の作り出す独特の世界に染まっていた。
こうして初ランクインで2位の美広まりなのステージは終了。
衝撃の初ランクイン……果たして、今後、彼女はこのイベントを自身のカラーに染めていくのか……。
 
……こうしてここまで来るのに、色々あり過ぎた今回。
気がつけば優勝を残すのみ。
聞き慣れたはずのその勝ち名乗り……ほっとしたような、だけどいつもと少しだけ違うような……そんな感じがしました。
 
・1位:デカシャツ喫茶(↑1/7960点)
前回2位からの返り咲きに成功したデカシャツ喫茶。
これで通算11回目の優勝。2位に約1,500点差を離し、きっちり優勝しました。
さてそんなデカシャツ喫茶、一曲目にいきなり「before daybreak」を持ってくる。
代表曲中の代表曲。
この楽曲で盛り上がらない方が有りえないというくらいの定番曲。
会場のテンションももちろん、この日最後の出演者という事もあり最高潮を迎えていた。
こうして一曲目が終わる頃にヨツイミワは言う。
「今回は前回やっていない曲縛り」と……そして続けて、こう言った……。
 
「6曲連続だよ」
 
思わず「ええ!」という声が会場から漏れた(笑)
この局面で6曲連続とは……非常に疲れる(笑)
そんな客層の心境お構いなし(?)に、デカシャツ喫茶は歌い続ける。
以下、2曲目から5曲目のセットリストを以下に記載する。
 
「デカシャツ☆ナイト」
「ロベ」
「レモネード」
「Answer Beat」
 
定番曲から意外と久々な楽曲まで幅広く披露。
二曲目「デカシャツ☆ナイト」→三曲目「ロベ」の流れは非常に久々な気がした。
この間、客層はそれぞれ楽しんでいた。
下手側はヨツイミワの歌声と動きを楽しみ、上手側はシノンの振りコピをして楽しんだり(笑)
ただ連続にした事によって、四曲目「レモネード」あたりからは、しゃべりたくてもしゃべれないヨツイミワが「しゃべれない」とのジレンマを見せたりする(笑)
五曲目「Answer Beat」では前奏部分で「このイベントの事を歌った曲だよ!」とか曲間をうまく使ってしゃべり始める(笑)
お互いの自己紹介もこの楽曲の曲中だったと記憶している。
こうしてしゃべりたくてもしゃべれないジレンマを抱えたまま(笑)ラスト一曲となる。
ラストは「moRe Stage」
この楽曲もデカシャツ喫茶の代表曲だろう。
この日のラストを締めるのに相応しい一曲と言って過言では無い。
楽曲も終盤、長い間奏の部分でヨツイミワはふと言葉を発した。
 
「やまなでちゃん、美沙っちぃ、今までお疲れ様でした」
 
デカシャツ喫茶らしい、卒業する出演者たち……大和撫子、桑名美沙子に対する惜別の言葉だった……。
そう一言言うと頭を下げた。
会場からは自然と拍手が溢れた。
長くイベントを共にした「戦友」が去る事となり、彼女たちはどのような想いでこのステージに立っていたのだろうか……。
……あの時、あの場にいた客層たちと同じ気持ちだったのか。
それとももっと違うものだったのだろうか……その心中を推し量る事は出来ない。
ただこの日もデカシャツ喫茶は11回目の優勝のステージを最後まで歌いきり、そしてイベントのラストを締めたという事実だけは間違いなかった。
こうしてデカシャツ喫茶のステージ……「ぢゃ☆ベストテン vol.56」全てのステージが終了しました。
 
 
投票タイム、各種告知のVTRを経て物販の時間に……。
卒業が2組出たため、脱落が無い平和な物販が訪れました。
だけど……いつもよりどこか寂しい雰囲気が会場に漂う物販となりました……。
 
●総括
 
あれから二週間(これを書いている時点で6/3)経ちますが、今なら冷静にようやく振り返れるというか……。
それくらいイベント史において衝撃的な展開が続いたという事、当日その場にいなかった方にもご理解いただきたい。
 
そんな中、優勝したのはデカシャツ喫茶。
通算で11回目。前回2位だったけど、言ってしまえば「指定席」に戻ってきたかのような安心感。
それもそのはず。昨年7月(vol.51)から今回にかけて6回中四連覇含む5回優勝……つまり一年で5回。
池袋mono移転後は絶対的な強さを誇っている。
またそれは点数にも表れており、2位以下が軒並み数百点……大きく離しても1,000点差が無い中で、2位に1,500点差は司会の言葉を借りるなら「圧勝」の域。
頭一つ抜けているのは間違いない状況。
そんな中で今回は「前回歌っていない楽曲」縛りで6曲を披露。全てオリジナル。
記憶が確かなら彼女たちのオリジナルは総じて10数曲あるはず。それをうまく使いこなすセットリストの巧妙さも今回は垣間見えた。
大和撫子、桑名美沙子の卒業で揺れる会場内において、最後に登場して安定感抜群のステージを披露する……。
このステージを見て、このイベントの「看板」をこれから名実ともに背負っていくのは、間違いなくデカシャツ喫茶になっていくであろう……。
そういう意味では恐らく今回の結果は単なる一回の優勝以上に大きな意味を持つ事になるだろう。
本編でも触れましたが、ヨツイミワの卒業する二組への挨拶。
あれはもしかしたらヨツイミワ……いやデカシャツ喫茶なりの決意や覚悟の表れだったのかも知れない。
このイベントの「看板」を背負っていくという事に対する……そういう意味での、自分たちより先輩にあたる出演者への最大限の敬意を示したかった……のかも知れない。
あくまで自分の憶測の域を出ないのですが……。
ただ一つだけ言える事があるとするなら……。
 
「ぢゃ☆ベストテン」はデカシャツ喫茶を中心に回っていく。
 
少なくともランキングの上では。
恐らくこれまで以上にデカシャツ喫茶は、絶対的な強さを持つ出演者として「追われる立場」になるのは間違いないでしょう。
それくらい今の彼女たちのステージに隙が見当たらない。
 
一方で下からの突き上げも顕著なので、イベント全体にとっては喜ばしい一面も……。
今回、初ランクインで2位になった美広まりな。
この結果に驚いた方も多かったと思いますが、一番本人が驚いたのではないかというくらいの好発進。
今年に入ってからのイベント挑戦組だったけど、短期間で一気に上ってきた感じがします。
最近のこのイベントでは珍しいタイプの破天荒なスタイルの出演者で、その目新しさが受けている要因にも思えます。
もっともそれだけでは昼すら勝ち抜けなかったのは事実。
彼女の場合は楽曲の良さが光るので、どちらかというと下ネタ傾向が強くても受け容れられている部分があると思います。
ただ面白おかしく「ち○こ」とか連呼するのは小学生でも出来ますが(笑)一つの楽曲にして物語として届けられる点ではセンスがあると思います。
一方で彼女自身が懸念しているのがマンネリ感。
それを打破するために今回、新曲「まんぽこROCK」を披露した訳ですが、この手のタイプは飽きられるとあっという間なのも難点。
今回の結果に満足せず、彼女がこの課題に今後、どう取り組むか次第で今後の結果はいくらでも変わってくると思います。
……とは言え、久々に出てきた新顔らしい新顔。気長に見守っていきたいところです。
 
下からの突き上げという意味ではもう一組。
4位に入った和奏電道子☆灯-アカリ-。徐々に上がってきたという感じです。
彼女も昨年は紆余曲折があったものの、今年に入り本格的なソロ転向以降、非常にどっしり落ち着いてステージに臨んでいる様子がうかがえます。
美広まりなとは対照的に昇格直後が一番苦しい時期でしたが、それを乗り越えて徐々に客層からの支持を集めているのは感心します。
既に客層、共演者からも定評のある歌唱力に加え、すっかりお馴染みとなった「袖の下」などのパフォーマンスを始め、客層に愛されるキャラクターが徐々に定着しつつあるように思います。
彼女の場合は徐々に上がってきて、現在、このポジションです。
恐らく現在のスタイルが受けているので、基本的にはしばらくはこのままでもいいような気がします。
このままいけばいずれベスト3……2位までは確実に獲れると思います。
ただ優勝となると、デカシャツ喫茶という高い壁がそびえています。
そのデカシャツ喫茶を超えるためにどうすればいいか……今後の彼女の一つのポイントにもなってくると思います。
もっとも今は焦っても仕方ないので、地に足つけて、長くこのイベントで愛される出演者になってくれる事を切に願います。
 
ここから先は6位以下の出演者を……。
6位、MicA。改めてこのイベントの厳しさを知らされたという感じか。
連覇を逃したのはともかく、6位まで後退したのは意外だったような……。
そんな中で繰り出した「アニソンリミックスメドレー」これは一種の賭けにも思います。
昨今のMicAはどちらかというオリジナルの楽曲が充実しており、そのイメージが強い側面があるからです。
今回、最近では出さなかった一面を出してきたという意味では良かったかも知れないけど、逆にMicAのオリジナルが好きな人にとってはどうだったか……という点も否定できず。
正直、評価は大きく分かれるかも知れませんが、ここで攻めに転じれるのが彼女の良さなのかもしれない。
二度目の優勝に向けて、またここから頑張ってほしい次第。
 
7位、石戸なつみ。本来、ここで勢いに乗りたかったのですが……。
前回はバースデーライブ後だったから、逆に落ち着いてしまったのか……昨年が常に上位常連だっただけに、この位置に彼女がいるのが寂しい次第。
しかしレコ発直前で、レコ発で発売される新曲を中心に構成したのは良かったように思います。
仮にランク的に伸びなくても、彼女自身のレコ発に向けての発奮材料にはなったように感じます(爆)
とにかく今回はこの構成で正解だと思う次第。
むしろ次回以降、新旧の楽曲をどう織り交ぜて構成していくのかが、鍵になってくるよ思います。
 
8位、江織杏。本当に最近、元気が無い。
もっとも「元気が無い」のはランキング的な話であって、当人は至って元気ですが(笑)
前回の構成も、またMCもとても良かったと思ったのですが、どうも最近は厳しいですね。
ただ本人が言及していたように「もうすぐイベントでも四年目に入ります」というところが影響しているかも知れません。
今回は特に比較的出演回数が浅い出演者が上昇した経緯もあるので、若干のマンネリ感は出てきている可能性もあります。
毎回、石戸なつみに「江織杏には勝った」と言われないように、そろそろ優勝2回の意地を見せて欲しいと願います。
 
……石戸なつみ、江織杏と続いて思い出すのは、ちょうど一年前のvol.50。
M-Infinityに所属する二人で同一事務所による「1、2FINISH」を飾りました(この時1位:江織杏、2位:石戸なつみ)
あれから一年……ちょっと厳しい結果になっていますが、元々実力がある二人です。
イベント的にもすっかり中堅ポジションになった二人のこれからの巻き返しに是非とも期待したいところです。
 
9位、まかべまお。久々な感じはするのだけど……やっぱり怖い。
一曲目がやや意外だったけど、二曲目からはいつもの彼女。奇襲と王道を組み合わせた感じのある安定感抜群のステージでした。
やはり本来ならもう少し上、少なくとも中位にいるべき存在で、この位置にいるべき出演者じゃないなと思いました。
……しかし前回は欠席だったので、ランク上昇が望めない中、9位キープ……。
過去の事例が示すとおり「9位のまかべ」は、何かがありそうで怖い……巻き返すなら、やはりこのポジションからか……そんな予感すら漂ういいステージでした。
また主宰・FICEを除くと最古参となったので、どうにか存在感を発揮して欲しいと願います。
 
10位、りゅうきいずむ。厳しい事言ってしまうと妥当な結果かと。
やはり前回のステージ。MC無しの三曲連続(しかも新曲が分かりにくい)は評価が難しかったかと……。
そして今回のステージ……一曲目に関しては良かった。映像を使って、それとなく歌詞をわかりやすくする演出や世界観などが伝わってきた。
ただMCで一曲分割く必要はあったのか疑問。新曲やユニット周年の宣伝は分かるけど「鬱ぽっぷ」の世界観をMCで長々と説明されても……というのが正直なところ。
ソロでも約一年半出場しているのに、今、それを言葉で説明するくらいなら、もう一曲、自身のオリジナルを入れた方が良かった気がします。
良い面とそうでない面が顕著に出た今回。MCの使い方は今一度、見直して欲しいと思うステージでした。
 
昇格組、FICE。色んな意味でらしいステージだったかと……。
奏っぽ☆の着ぐるみダンサーズ卒業という事で、彼女を送り出すのを念頭に置いたステージでしたが、内容からしてFICEらしさが出ていました。
普通に考えれば、主宰の三年半ぶりのステージ。もっと自身をお祝いするようなステージでもいいと思うのですが、それよりも大切だったのが奏っぽ☆卒業だったのでしょう。
むしろ(昨今は休みがちでしたが)長年FICEに貢献してくれた奏っぽ☆をこうして送り出す姿勢は清々しさすら覚えます。
ただ奏っぽ☆卒業の雰囲気が強すぎて、FICEへの評価をド忘れした客層がいないか心配ですが(笑)
いずれにしろFICEは夜復帰おめでとう。
 
あと……奏っぽ☆、長年お疲れ様でした!
このイベントではRabbit's、そして夜でも活躍したひゞかなの一員としてのステージも忘れられません。
新バンドの準備で色々大変だろうけど、これからも頑張ってください。
 
 
……そして卒業する二組について……。
 
先に今回5位、桑名美沙子。
まずこのイベントで「歌姫」と言ったら、真っ先に彼女の名前が挙がる。
いつからかそういう存在になっていたし、どんなに歌の上手い出演者が後から出てきても、これだけは揺るぎなかったと思います。
本人も非常に笑顔が素敵な女性ですし、またちょっと抜けた感じのあるMCも楽しかったのですが……やはりいつも歌っている時の表情が一番素敵だったのが思い出されます。
彼女が出る前まではパフォーマンス重視の出演者が多かった中で、歌だけで勝負出来た最初の出演者じゃないかと自分の中では記憶しています。
 
そんな彼女もこのイベントで優勝するまで、凄い苦労したのを覚えています。
ある回、2位のステージ上、優勝出来なかった「悔しいぞ!」と叫んだ姿も覚えています。
だからこそ……昨年3月「ぢゃ☆ベストテン vol.49」……今となっては唯一の優勝を遂げた時の、嬉しそうに歌う姿が印象的でした。
 
常に「歌」で真っ向勝負する人だった。そんな印象が強い桑名美沙子……。
記録という面では、後述する大和撫子や、デカシャツ喫茶には及ばないけれど、その歌声は唯一無二のものとして多くの客層の心に刻まれたと思います。
 
ありがとう、桑名美沙子。
その美しい歌声と貴女の笑顔を決して忘れません。
9月までの残された日々を、どうか全力で駆け抜けてください。
 
 
そして3位、大和撫子。
……恐らく語りきれない。隅々まで語ったら、今回のレポートと同じくらいの文量になる。
それくらい彼女達の存在は長い事、イベントに愛し愛されてきたと思っています。
 
2010年3月……「第14回イカすアキバ天国」に出場して以来、約七年の月日が過ぎました。
「ぢゃ☆ベストテン」昇格後からの快進撃、神楽坂初期のnoisy、YUIMINOを交えた「三強時代」、三年連続年間最多勝、デカシャツ喫茶との死闘……パッと思いついただけでもこれだけあります。
その間、会場も芝浦から神楽坂、四谷mono、東高円寺、池袋と五つの会場を巡り、そして多くの「戦友」を見送ってきました……。
 
エントリー回数は39回。一度欠席をした以外は約六年半、「ぢゃ☆ベストテン」に居続けました。
特にFICEが一度夜を去ってからは最古参出演者となり、このイベントの「看板」と言える存在になりました。
14回の優勝という数字以上に、長い事、当たり前のように大和撫子がこのイベントにいる事は大きな財産だったと思います。
 
育休中のリーダー・牡丹、産休中の芍薬、最後の一年だけど大和撫子のステージを務め上げた椛、そして……ほぼ全ての回に出演を続けた百合……。
この四人が……いやこの大きな四輪の華が「ぢゃ☆ベストテン」という舞台で約六年半という月日の間、咲き続けた事を決して忘れません。
 
ありがとう、大和撫子。
この日、大和撫子はかつての「絶対女王」から「伝説」(レジェンド)になった……そう信じています。
 
……個人的追伸。「第57回イカすアキバ天国」に出場する事になった百合……いや「百合from大和撫子」
大和撫子の看板背負った、その覚悟……しかと見届けさせていただきますので、これからもよろしく!
 
 
 
……という事で、イベント史において「一つの時代」が終わったと言って過言でないこの回。
同じ事を四年くらい前、noisy卒業時にも言いましたが、恐らくそれに匹敵する大和撫子、桑名美沙子の卒業でした。
 
しかし感傷に浸っている暇は、他の出演者たちには残されていない……。
11回目の優勝を飾ったデカシャツ喫茶、果たして自分たちの時代到来となるのだろうか……。
一方、美広まりな、和奏電道子☆灯-アカリ-ら、新興勢力はどう立ち向かうのか!?
再び優勝を狙うMicAに、イベント中堅勢の石戸なつみ&江織杏の「M-Infinity」勢。
やっぱり不気味な「9位のまかべ」まかべまおに、りゅうきいずむ、返り咲きを決めた清水舞美……。
そして忘れちゃいけない、主宰のFICE!
 
個性豊かな面々が繰り広げる「真夏の一大決戦!」
脱落無しのノーガードの一戦!果たして、どういう事になってしまうのか!?
 
注釈:今回、卒業が二組出たために次回は残った出演者9組+昇格組で計10組。
よって11組に達していないため、脱落がありません!
ちなみに次回発表されるランキングは9位からです。
 
次回、7月15日、池袋mono移転一周年記念。
 
「ぢゃ☆ベストテン vol.57」
 
夏真っ盛りの池袋が、熱く熱く燃え上がる……!