【レポート】AnBぷれみあむぅ presents 『第55回イカすアキバ天国』@池袋mono
※[速報]上げていますが、ライブの詳しい様子はこっちでレポートします。
結果を知っている人も知らない人も、じっくり読んでくれると嬉しいです。
3月に入りました。
だいぶ冬の寒さも和らいで、少しずつ暖かくなっている昨今……皆様、いかがお過ごしでしょうか。
もっとも花粉症で今が一番ツラいという方も多数いるのではないでしょうか(苦笑)
そんな中「二ヶ月に一度のライブバトル」が開催される運びとなりました。
今回は「55回」非常にゴロが良かったり、某カレー店を彷彿とさせる回ですが……。
正直に言います……昼はとってもカオスだった(爆)
普段なら「熱戦」とか「激戦」と言える自分でも今回については……
「混沌」(カオス)
……と表現してしまうのが相応しい回だと思いました……。
そんな「混沌」とした「第55回イカすアキバ天国」の様子をレポート致します。
●開演前
冒頭の「混沌」の説明通り、今回はかなり客層を選ぶ回になる……というのは事前に予想が出来た。
強力な裏開催があった事もありますが、出演者の顔ぶれを見ていると、俗にいう「正統派」なメンバーがとても少ない。
長らく「イカすアキバ天国」を見てきた自分ですが……さすがにここまで客が少ない回は無かった。
出演順アミダくじのVTR→諸注意のVTRとなりますが……開演直前で10人満たないとは(汗)
それでもまだ開始直後。
これから少しずつ、徐々にお客さんが増える……と、昼特有の現象に期待しつつ、少人数のお客様でOPアクト開始を見守る形となりました……。
●OPアクト
今回のOPアクトを務めたのは響己。
既にご存知の方も多いでしょうが、先月、響己と「きょんびぃ」を組んでいた神戸忍が妊娠のため活動休止に突入。
当初のきょんびぃから響己に変更になった経緯がある。
その響己が歌ったのは「幻」
響己のソロ楽曲である。
多くの客層が知っていたので、少人数ではあったが最初からテンションが上げる盛り上がり方でOPアクトは無事に終了となった。
その後、司会のFICEが登場。
投票ルールと改めて諸注意を経て、いよいよ本編開始となる。
……この時点でなんとか客は10人は超えていただろうか(汗)
こうした中、トップバッターで登場するのは、今回が記念すべき(?)10回目の出場となる彼女だった……。
●本編
・1番手:駿河侑夜(出場:10回目)
このイベントではお馴染み駿河侑夜。
記念すべき10回目の出場だが、トップバッターは今回で実に6回目(汗)驚異のトップバッター率を誇る。
さてそんな彼女だが、この日の衣装は黒を基調とした衣装に、白いウィッグ。
主宰・FICEの期待に応えて(?)のっけから濃厚だったのだが……。
一曲目は「侵蝕。」
駿河侑夜のオリジナル楽曲である。
いかにも彼女の陰鬱なテイストが満載のオリジナル楽曲となっている。
続いて二曲目「僕は迷子になりました。」
こちらもオリジナル楽曲であるが、いかにも彼女らしい歌詞というか……そんな感じ。
さてこの二曲を終えてMCとなるのだが、この際「今回はうす塩味という事で」との発言。
客層一同「え~?」と返事(笑)
このMCの真意は彼女に確認したところ「ポテトチップスうす塩味のように忘れられない味わいにしたい」の意味が強かったようですが……。
外見と楽曲のテイストから「うす塩味」じゃないだろう(笑)
そんなツッコミはさておき、ラストもオリジナルの新曲。
駿河侑夜、オリジナルのみのセットリスト構成は初だとか……。
ラストに歌ったのは「桜殺人事件」
なんでも「梅が桜を殺す」歌とか(笑)なんとも物騒な歌詞である(笑)
こうして衣装から楽曲まで、彼女特有のアングラ感満載のステージは終了。
いかにも「混沌」を告げる今回のスタートに、色んな意味で相応しいステージだった……。
続いて登場は、前回出場時は緊張し過ぎて「膝が笑っていた」彼女である。
今回は果たして大丈夫なのだろうか……。
・2番手:明石朔夜(出場:2回目)
出場2回目、明石朔夜。
前回は後半だったが、今回は比較的前半での出番となった。
緊張しすぎた前回を経て、今回はどうなったのか……。
まず一曲目に歌ったのが「もう1回」
彼女の実質的なデビュー曲にして、代表曲と言って過言では無いだろう。
安定した歌唱力と、最前のファンのコールが心地よかった。
この楽曲後のMCでも言及しているが、この日の衣装はその「もう1回」の時のジャケットの衣装との事。
本人曰く「初心に返ってステージに臨みたかった」との事。
そんな彼女の二曲目は「サクラメグル」
楽曲のタイトル的にこの時期ならではの楽曲を選曲してきた。
主宰・FICEのOP映像の紹介では「癒しSPOT」と紹介されていた彼女だが、まさにその本領を発揮した。
そしてラスト「Aurantium」という流れ。
彼女の優しくて伸びやかな歌声が会場を優しく包み込んでいく……。
会場にいた誰もが、彼女の歌声に耳を傾け、そして心が洗われるような気持ちになった。
こうして彼女自身2回目のアキ天のステージは終了した。
大きな盛り上がりがあった訳では無いが、しっかり客層の注目をステージに向ける事が出来ていた。
今回は緊張する事なく、自身の持ち味を活かす事が出来た模様。
果たして、どこにでもいるような「隣の娘」明石朔夜……結果は如何に……。
続いて登場したのは、前回、公募第1号出演者として出場した彼女。
前回は3位。アキ天に新たな風を起こす事は出来るのか……。
・3番手:美少女博士は友達が少ない(出場:2回目)
連続出場となった美少女博士は友達が少ない。略して「美女ない」
この日も元気いっぱいのちょーこ博士に、背中にホッシー君、腰にはほしいも君を引き連れて登場した。
一曲目は「天罰!エンジェルラヴィ」(UNDER17)
随分懐かしいところから攻めてきた。
もっとも前回もUNDER17は選曲している。
外見的な特徴もそうだが、オリジナル楽曲の傾向からしても、彼女がUNDER17が好きなのが良く分かる。
さてそんな彼女だが、MCでは自身の事を話始める。
内容として大まかにまとめてしまえば、彼女自身、義足である事、それに伴うハンデがある事などを語っている。
しかしそれでも今、ステージの上で歌える事に感謝している……という趣旨であった。
(若干、うる覚えで申し訳ない)
この流れで二曲目「ひつじのゆめ」
前回が盛り上がる系統の楽曲が多かったが、今回はここで比較的バラード調の楽曲をもってきた。
こういう歌も歌える事は新たな発見だったし、彼女の新たな一面だったと思う。
そしてラストは「START LINE」
先日、口上まで出来たオリジナル楽曲。
とても盛り上がる良曲……だがケチャの際、ちょーこ博士……ではなく、主にホッシー君、ほしいも君に集中していたのはご愛嬌だろうか(笑)
こうして「美女ない」2回目のアキ天のステージは終了。
まだ2回目!?と主宰にも言われるほど、このイベントにすっかり馴染んでいる「美女ない」
果たして今回で優勝はあるのか!?
さてMC、FICEに言わせるとここで「純粋な女子枠」終了(笑)
続いて登場するのは「自称」女子枠……約三年ぶり登場の彼女……いや彼(?)の登場です。
・4番手:天使病(出場:6回目)
約三年ぶりに登場。「天使番号9584」のソロプロジェクト、天使病。
神楽坂EXPLOSION時代から、その独創的なステージ(自身曰く「公演」)を披露してきたのだが……。
そんな天使病が久々に「アキ天」の舞台に登場。どんな「公演」だったのか……。
まず今回の「公演」のタイトルが「ヤンデレ@Gray」
……このタイトルだけで「あ……」と思った方……恐らく、このイベントを古くから知っている方だろう(爆)
そんな天使病、ステージに出て来た時は、紫のウィッグで登場。
……このイベントOGでもある、YUIMINOを彷彿とさせる(現に天使病自身、YUIMINOは非常に敬愛している)
しかし……これに加えて血まみれ(血糊)で登場となると……「何があった!?」となるだろう(爆)
つまり……「血がついたナイフを片手に、返り血浴びた(?)天使病」がそこにいた訳です(爆)
こういう表現が適当か分からないですが、軽くホラー入っています。
そんな天使病が歌ったのが、以下三曲。
特に間にMCも無いため、連続して掲載します。
「Ref-Rain」(SeleP feat.IA)
「Elsa-Maria」(SeleP feat.MAYU)
「Lience」(SeleP feat.miki)
基本、直立不動ですが、途中でナイフで刺す動作をしたり、二曲目のラストで倒れたり、歌を介して「公演」を演ずるのが彼女(彼?)特有のスタイル。
こうして強烈な登場から、立て続けに三曲……15分の「公演」を天使病は終えました。
約三年ぶりの登場にも関わらず、全くこのスタイルにはブレがありませんでした。
天使病スタイルここに有り……それを感じる事となった15分の演目でした。
続いて登場するのは、打って変わって正統派シンガー。
約10日前に急遽、出場が決まった彼が目にする光景とは……。
・5番手:椿英(初出場)
今回、急遽初出場となった椿英(しゅんえい)
都内を中心に「おネエじゃない2丁目系シンガー」として活動している。
本来は5月(第56回)に初出場予定だったが、急遽、元の出場者に空きが出たため、予定を繰り上げて初出場となった。
そんな彼のアキ天初のステージは……。
一曲目「嘘つきだね」
彼のオリジナル楽曲である。
男性とは思えない、しかし女性には無い独特のハイトーンボイスを駆使して歌い上げる。
(こういう表現は失礼かもしれないが)天使病のステージの「混沌」さとは真逆に位置する静かな立ち上がり方だった。
まずは会場をその歌唱力で魅了すると、MCに入る。
とにかく物腰が柔らかく、丁寧である。
その話し方からして、その人間性が滲み出てくるようなMCが展開される。
さてここからは彼自身挑戦的なセットリストを組んできたとの事。
二曲目「DO THE MOTION」(BoA)
化粧品メーカーのCMソングだった同曲。
女性ヴォーカルの楽曲ではあるが、難なく歌いこなし、その歌唱力を強く印象付けた。
ラスト「なんでもないや」(RADWIMPS)
この楽曲が自身初挑戦との事(と記憶している)
だがまるで方向性が違う、男女ヴォーカル二曲を歌い分けてきた。
「混沌」と言われたはずの「第55回」だが、彼の歌は間違いなく、それに当てはまらずその場に居た全ての者に安らぎを与えていた。
こうして椿英、初の「アキ天」は終了。
……だが椿英が本当の意味でこのイベントの洗礼を受けたのは、この後だろう……。
次の出演者は司会を兼ねる主宰のため、どうしてもその準備をした段階で登場するのだが……。
その司会の外見に、椿英も苦笑いするしかなかった(笑)
こうして登場したのは、このイベントでもご存知の彼女たちである……。
・6番手:FICE(出場:15回目)
出場15回目になってしまいました。司会も兼任する主宰の……大阪のおばちゃんたち(爆)
……もといFICE。
お揃いのド派手なヒョウ柄のセーターで登場した彼女たちだが、一体、真の狙いは……。
まず一曲目「正義」
サブタイトルは「FICEのテーマ」でお馴染み、FICEの名実ともに代表曲の一つ。
この日、スクリーンに流れた懐かしい映像も交え、活き活きと歌い上げるのであった。
だがこの曲中にFICEの二人がサングラスっぽいメガネをかけたり、髭を描いたりするのだが……。
そして映像には、昨年、世間を席巻したあの男が映し出される……!
ピ○太郎……(爆)
そう……FICEの衣装もメイクも、全部、○コ太郎をイメージしたものだったのだ!(爆)
茫然とする会場をよそに「P○AP」の替え歌を歌うFICE。
……すさまじいインパクトだった……(笑)
だがこれだけで終わらないのが、FICE……この「PP○P」の後の画像にはこう映し出された……。
「15周年で初披露する予定だった楽曲です」
……ここでラスト、新曲「大河」を初披露!
なおこの楽曲のサブタイトルが「The Legend of Akihabara」(「AKIBA」だったかもしれない)
楽曲のタイトルにある通り、自身の歴史と、秋葉原の歴史を交錯させるような内容となっている。
ここでも歌詞付の映像が流れているのだが……ここでも商標的に公開出来ない映像もチラホラ(爆)
※今回のステージ珍しく「ネット上の公開禁止」とFICEが発言したのは、ピコ○郎と、この楽曲のVTRのため。
こうしてネタと温故知新の融合したFICEのステージは終了。
芸歴16年の貫録十分のステージとなった。
そしてラストに登場するのは、公募第2弾として登場するこの御仁!
……そういえば、自身の出番以外では普通に客に紛れて楽しんでいたなぁ……(笑)
・7番手:ふたぐちぴょん(初出場)
自らを「おっさんアイドル」と称して活動するふたぐちぴょん。
いざ「アキ天」初出場!
当日、配られたフライヤー内でも、イベント初出場に臨む意気込みが新聞風に語られていたが、その意気込みやいかに……。
……そんな中、一曲目歌ったのは……「コネクト」(ClariS)(爆)
いきなり低音から入って、会場をどよめかせた(笑)
先程の椿英の声の高さならこの選曲も分かる。しかしどう考えても元歌の音域とはあっていない低い音域である。
だが……その低い音域や、本気なのかネタなのか分からないたどたどしい歌い方、そして振付……。
……中毒性が高すぎる(爆)気が付けば目が離せなくなっていた……。
そう……今、思い返すと、我々客層は彼の術中に一曲目からハマっていた(……かも知れない)
そんな「アキ天」初出場の彼だが、MCでの発言は結構、大胆不敵。
既にトリだったので「運は天に味方した」くらいのトーンで初出場初優勝も狙うくらいの強気でいる。
またこの曲間のMCも独特で、自身が作った(他の娘に歌わせている)オリジナルの宣伝はするが歌わないプレイをするなどトリッキーである(笑)
そして二曲目(ラスト)も、時期的に「東日本大震災」の応援ソングとして作ったとの事ですが「がんばろう日本を最初に言ったのは自分!」と豪語(笑)
そんな二曲目「日本に捧げるロマンス」を熱唱。
正真正銘のヲタ的「がんばろう日本!」的な歌である。
魂を込めて、ふたぐちぴょんは最後まで歌い上げる!
そして歌い終えた……と思ったら、何故か最後は「カブトムシ」(aiko)のサビの部分を歌い上げる展開に(笑)
会場全体が左右に揺れる中……こうして中毒性が高すぎる、ふたぐちぴょんのステージは終了した。
そんな彼だが、優勝への意気込みを聞かれて、こう答えている……。
「清き一票より、汚れた組織票」(爆)
……破天荒なキャラは最後までブレなかった……。
以上で全7組の出演が終了。
投票タイムを経て集計が開始となる……。
果たしてこの「混沌」たる回の「アキ天キング」に輝いたのは……!
●ゲスト
……その前に集計時間を利用してゲストコーナー。
ある意味、この回を飾るに相応しいゲストだったかも知れない……。
前回「第54回」を制した「地下5階アイドル」美広まりな!
もうバラエティに富み過ぎたイベントのラストを飾るのが、これまた超強烈な個性を持つ彼女(ニューハーフだから彼?)ですよ……。
とんでもない回になった(爆)
まずはOPSEで「美広まりなのテーマ(仮)」で登場。
一曲目「まリフレにゃイン」からスタート。
ここは彼女の強烈なキャラ云々を抜きにして、楽曲的にはいいスタートだった。
二曲目に「ロマンティック浮かれモード」(藤本美貴)が来たのは奇襲だったが(笑)
そんな感じの序盤。
生誕主催以来の30分枠という事で、色々考えて来た様子が伺える。
しかしまさかその後で官能小説を朗読(しかもやや棒読み)とは(笑)
その流れのまま「ちnぽこBEAT」のショートバージョン。
異常な盛り上がりを見せていたが、この時、さっきまで出演者だったふたぐちぴょんも一緒になって盛り上がっていたよな……(笑)
しかも真っ先に、美広まりなの「う○い棒」に食いついていたような(笑)
※「ちnぽこBEAT」の曲中に、美広まりなが股間に「う○い棒」をあてがって、それを食べる演出(爆)
こうして「ちnぽこBEAT」の異様な盛り上がりで見せた。
さてここでMCに入る。
この後、夜に初出場が控える美広まりな。そんな彼女の「ぢゃ☆ベストテン」での目標とする順位が発表された!
満を辞して発表した目標は……
9位
……低くね?(笑)
会場から軽いツッコミが入ったが、現に夜の部の層の厚さは言わずもがな。
果たして夜はどうなるのか!?
……と言いたいが、結果が分かるのは二ヵ月後なので、気を長くして待とう(笑)
……その前にステージも終盤に入る。
四曲目に「じゃがいも物語」のショートバージョン。
そしてラスト「ホモ・ソーシャル」という流れで締めに入った。
キャラクター的にはキワモノの類に分類される美広まりなだが、30分通じて見せたステージは(多少、下ネタがありつつも)非常に盛り上がるものだった。
見ていて夜の部でのステージが楽しみになる内容だった。
夜のステージの出来と目標の9位になれるのか気になる、美広まりなのステージでした。
●投票結果→ED
ゲストコーナーを経ていよいよ閉会式。
EDアクトは響己とFICE・炎での進行となる。
次々と出演した7組が出てくるが、とてもじゃないが本当に同じイベントに出ていたのか!?と思えるくらい、個性がバラバラな出演者が揃った(笑)
そんな中、今回、優勝の勝ち名乗りを受けたのは……。
・FICE
当人たちが一番驚く(笑)
主宰・FICE(実は)「アキ天」初制覇にして、夜への3年ぶりの復帰が決まった瞬間だった。
ただ複雑なのは、FICE・炎で「EDアクトを担当する回に、優勝とは……」とちょっと嘆き節が聞こえた(笑)
続いて2位に入ったのは……。
・美少女博士は友達が少ない
連続出場で今回は2位。
前回3位から確実にステップアップするという結果となった。
そして3位で呼ばれたのは……。
・明石朔夜
出場2回目にして初入賞を果たし、本人もとても嬉しそうだった。
こうしてまさかの自分で自分を祝う形となったFICE・炎と、トロフィーを受け取りど真ん中で喜びを爆発させる氷という奇妙な構図の中、「混沌」渦巻いた「第55回イカすアキバ天国」は幕を閉じた……。
●総括
……まさに「混沌」と呼ぶに相応しい回でした。
ただ相当、客層を選んだ回でも有り、最終的な集客は恐らく20人は行ってないかと……。
そのため優勝したFICEの点数も3,450点と、このイベントでもかなり低い優勝ラインとなったのは、多少残念な部分ではあります。
もっとも個性的な出演者が多く、俗に言う「アイドルライブ」とは一線を画すイベントとして、非常に魅力的な部分があったのも事実。
そんな中、優勝したFICE。
非常にFICE「らしさ」が出ているステージの内容でした。
「正義」における王道、「P○AP」におけるネタ要素、「大河」における壮大さ……。
外見的な関係もありネタ要素満載のお笑いステージにも思われましたが、オリジナルの楽曲のクオリティの高く、新曲「大河」も映像を交えての演出の仕方が非常に上手かったです。
ネタに見せかけた、その下地にある質の部分の高さ……芸歴16年だからこそ為せるステージ。
さすがにこのあたりのキャリアの積み重ねは伊達じゃない事を証明しました。
ここ数年は「ぢゃ☆ベストテン」に挑戦する出演者への、いわば「夜の壁」の役割を果たしてきたFICE……。
もっとも彼女たちもその役割に満足していた訳でなく、常に全力のステージ(及びネタ)を「アキ天」で披露し続けて、また夜への復帰を本気で目指してきました。
その悲願が叶うまで3年3ヶ月……主宰とは言え厳しい戦いを強いられ、そしてここまで再び夜の舞台へと「実力」で帰ってきました。
今回、彼女たちが再び夜に上がる意味は、普通の「アキ天」優勝よりも、非常に意味があるものを感じます……。
強豪揃う「ぢゃ☆ベストテン」に再び臨む、主宰・FICE。
この彼女たちの夜への「帰還」が「ぢゃ☆ベストテン」に与える影響は如何に……。
続いて2位、美少女博士は友達が少ない。
前回初登場3位から着実にランクアップを果たす2位入賞。
素直に彼女自身の成長分と、またステージに対する慣れが増してきた感があり、順位を伸ばしてきたのは順当な結果のように思います。
前回課題に挙げた、音が取れない点も改善されており、不安点もだいぶ無くなった感があります。
FICE曰く「馴染んでいる」という言葉が現す通り、このイベントならびに界隈に関する適応性も高く、今のところ順調に成長している。
しかし今回、優勝したFICEに及ばなかったのは間違いなく、優勝したFICEとのキャリアの差。
もっとも芸歴16年のFICEが積み重ねたものに追いつくとなると、並大抵の努力では及ばない。
ただ時間の使い方次第では、本来同じ年月重ねないと追いつけないものが、加速度的に追いつく……事は出来なくても、近づける可能性はある。
少なくとも今年1月にこのイベントに挑戦を始めてから、この界隈での知名度は向上し、現にいい成長曲線を描けている。
今後は彼女がこの成長をいかに理想どおりに描いていくかがポイントだと思います。
恐らくその成長の先に「アキ天」優勝、そして夜の部へと続く道標があると感じます。
次は7月「第57回」の挑戦を表明しているので、そこでの更なる成長を期待して待ちたいと思います。
3位に初入賞した明石朔夜。
出場2回目で初入賞なら上々の結果。前回が緊張しすぎた分、今回は堅さも取れて自然体で臨めたように思います。
ソロでのキャリアがまだ約一年半。
二年に満たない中でもオリジナルオンリーで組めるセットリストと、確立されているキャラクターは大きな武器になっていると思います。
ただキャリアという点を見ると、彼女も2位の「美女ない」と同様、優勝したFICEとのキャリアの差は歴然としている。
これからの活動の中でどう成長していくかが、大きなポイントになっていく点も「美女ない」に通じるものはある。
ただ彼女と「美女ない」の大きな違いは「美女ない」がセルフプロデュースに対して、彼女が事務所所属にある事。
そういう意味では彼女自身がやりたい方向性と、事務所側の方針の歯車が噛み合わないと思い通りの成長曲線は描けない可能性はある。
もっとも事務所サイドもきちんと考えて行動はしていると思うので、極端に変な方向に行く事は無いと思いますが、彼女が今後、どういう成長をしていきたいかは早い段階で示していく必要はあるかも知れません。
いずれにせよ今回の結果は彼女自身、前向きに捉えていいと思うので、この結果を糧に更なる成長を望みたいと思います。
さて入賞圏外の出場者も……。
初出場で4位を公表した、ふたぐちぴょん。
このイベント向きの「濃い」キャラクターが出てきた……と言った感じですね。
ステージを見ていて、根拠の分からない自信に満ち溢れている姿が本当に印象的でした(笑)
今回、MCでは名(迷?)言まで残しているし、初出場ながらイベントに残したインパクトは大きかったと思います。
ただ今のところ「ただの面白いおっさん」キャラとしての認識が強いと思うので、今後「それだけじゃない」ところを見せていく必要はあるかも知れません。
同じく初出場で5位公表の椿英。
準備期間が短かったものの、今回の出演者の中では群を抜く歌唱力を見せ付けたのは大きかったと思います。
男性ヴォーカルとも、女性ヴォーカルとも取れない中性的な歌唱力は不思議な魅力に包まれていました。
個人的にはもっとオリジナル中心の構成でもいいとは思いましたが、初出場ならこれでも十分かと思います。
ただ夜には歌唱力が高い出演者が揃っているので、今後の事を踏まえ、歌以外のアピールポイントもあるとより魅力的になっていくかも知れません。
そんな初出場組の両者は次回「第56回」の出場も決まっています。
今回の感触を手にして、次回はどう挑戦するのか楽しみです。
メンバー的には……今回より「アイドルイベント」的要素が強いはずなので、その中での戦い方も楽しみにしたいです。
トップバッターだった駿河侑夜。
記念すべき10回目だったけど、残念ながら入賞とはならず。
もっともオリジナルだけでセットリストを組めるようになったのは、彼女にとっては大きな事だとは思っています。
だけど……ちょっと気になったのは「うす塩味」発言。客の求めているニーズと、彼女自身の自己分析に隔たりがあるような気がしてならない。
確かに我が道を行く事は大切。だけどもう少し客層に求められている自分に寄り添ってもいいような気がします。
今回、入賞を逃したのは、そういった側面も少なからずあったのでは無いかと思うので、ここはもう少し自己分析を頑張ってほしいと思います。
約三年ぶり登場の天使病。
三年経っても変わらず、我が道を行った感じはしました。
登場のインパクトといい、楽曲のスタイルといい、天使病のスタイルは健在。本当にブレないとは思いました。
ただ……厳しい事を言ってしまうと、それ故「誰とも競っていない」ため、良くも悪くも「一人相撲」状態なのは残念かと。
恐らく今回も「公演」を見せる事が出来て満足だったように思います……が、このイベントの趣旨を踏まえるとそれでいいのかと思う次第。
駿河侑夜にも通じますが、夜に行きたいと思うのであれば、自分を突き詰めるだけでなく、他の出演者と自分を比較して「自分の中で優秀な他者と競う」事も必要かと思います。
そういう意味では駿河侑夜、天使病、共に自己のスタイルの追求が強すぎて、ちょっと周りが見えていない節を感じます。
ただ両者とも立場的には気づきやすい立ち位置にいるはずなので、キッカケ一つで劇的な変化を生み出す可能性もあると思うので、そこを信じたいと思います。
最後にゲストの美広まりな。
30分間でも強烈なステージでした。俄然、夜への楽しみが沸いて来る内容でした。
存在自体が「混沌」の象徴とも言える彼女ですが、それを誰よりも分かっていて、自分なりの強み、そしてアピールポイントが分かっていたように思います。
昼の出演者も多くの方が見ていましたが、優勝するとはこういう事を体現できていたように思います。
果たして夜ではどのようになるのか……ま、それはそれで夜のレポートで語りたいと思います。
こうして昼はFICEが約三年ぶりの夜復帰を決める優勝で幕を閉じました。
今、このタイミングでFICEが夜に戻ってくるとあって、多くの夜の出演者がこの結果を色んな想いを持って受け止めたでしょう……。
現在、夜に残っている出演者の約半数はFICEと(夜で)競った事がありません。
次回以降の夜に大きな衝撃を持って迎えられる事は間違いないでしょう。
……一方、今回の夜の部「ぢゃ☆ベストテン vol.55」は一つの記録がかかっていました。
デカシャツ喫茶、イベント史上初の五連覇……。
しかし他にも優勝を虎視眈々と狙う出場は多数……。
果たして今回の「ぢゃ☆ベストテン」……デカシャツ喫茶の新記録へのカウントダウンとなったのか!?
それとも……誰も予想出来ない、新たな歴史が刻まれたのか!?
大熱戦となった「ぢゃ☆ベストテン vol.55」の様子は……
……後日(笑)
※今回の優勝者
約三年ぶりの夜復帰を決めたピ○太郎……じゃなかった(笑)主宰・FICE!