【レポート】AnBぷれみあむぅ presents 『ぢゃ☆ベストテン vol.52』 | ヒトデ大石のなんとなくレポート置場

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2011年8月「ヒトデ大石のどんなブログにしようか検討中。」からタイトル変更。
ライブイベント、舞台観劇のレポートを中心に書いていこうというブログ。
以前はmixiが主戦場だったけど、今はこっちが主戦場(笑)

【レポート】AnBぷれみあむぅ presents 『ぢゃ☆ベストテン vol.52』@池袋mono
 
※[速報]上げていますが、ライブの詳しい様子はこっちでレポートします。
結果を知っている人も知らない人も、じっくり読んでくれると嬉しいです。
 
毎度の事ですが、こちらを読む前にまずは昼の様子からどうぞ。
  
・AnBぷれみあむぅ presents 『第52回イカすアキバ天国』@池袋mono
http://ameblo.jp/hitode0014/entry-12203124408.html
 
昼は長雨ルウナの優勝で幕を閉じた、昼の部。
激戦の熱気は冷めやらない状況に引き続き、この数時間後には更に熾烈な夜の部が始まる。
 
昼の部に続けて参加する者は休憩を取るなどして各々の時間を費やす。
一方で夜から参加する者は、続々と池袋の地に向かい始めていた……。
 
すっかり陽が落ちるのが早くなった9月の中旬……。
秋はもうすぐそこまで迫っているが、夏の熱気はまるでこの地に残っているかのようだった……。
 
予想が出来ない展開が繰り広げられる夜の部。
今回も誰もが予想しなかったドラマの数々が、ここに繰り広げられる。
ライバル同士の激突に、同胞との対決、そして友情という絆が紡いだドラマの完結……。
 
一晩で幾つもの顔を、このイベントは見せつける!
池袋初秋の一大決戦「ぢゃ☆ベストテン vol.52」の様子をお送り致します。
 
●開演前
 
開場のおおよそ10分前には、多くの客層が列を作るでもなく集団を形成していた。
やがて開場時間と共に次々と客層が会場に列を形成し入っていく。
 
当日、自分はやや遅れて入場。
開演15分くらい前には、会場の客席を半分以上が人で埋まっていた。
 
いつものような光景……ではあるが、ほんの少し、客層に変化が生まれている。
これまで毎回のように見知った顔がいない、もしくは着ているTシャツが違ったりした。
一方でこのイベントでは目新しい、黒いTシャツの姿も見受けられた。
 
このイベントに「昇格」と「脱落」(もしくは出演者の卒業)というシステムが存在する限り、この光景は大なり小なり続いていく……。
しかしその繰り返しがイベントの新陳代謝に繋がり、また歴史が繰り返されていく……。
池袋に移る以前から続いていた事なのに、それを認識して、このイベントの尊さを感じたりしました。
 
閑話休題。
各出演者のCMを経て、諸注意、そしてOP映像と流れ「ぢゃ☆ベストテン」はスタートする。
珍しく(と言っては失礼だが)遅刻をしなかった☆★朋★☆と、あをいちんの新生司会~ずが冒頭から揃っている。
ここでも諸注意と、冒頭で無効票が多い事に関する注意喚起が促されて、いよいよ本編開始となる。
 
トップバッターで登場するのは「池袋初」となるアキ天キングとなった彼女たちである……。
 
●本編
 
・昇格組:蛍光灯
「第51回イカすアキバ天国」を優勝した「和奏電道子」蛍光灯。
初出場を「初陣」とよく表現するが「和」の心を持ったこの二人だからこそ「初陣」という言葉が良く似合う。
そんな彼女たちの「初陣」はまず一曲目「今宵この刹那は永遠に咲く」から始まる。
「第51回イカすアキバ天国」の時もセットリストの頭にもってきた疾走感溢れる彼女たちらしいナンバーである。
しかしこれをフルコーラスではなく、ワンコーラスで切り上げる。
続いて二曲目「戦国~華の唄~」に入る。
この楽曲では昼でも見せたような殺陣が入り、早くも会場にいた客層の目を惹きつける。
そうかと思えば三曲目「Shine」では、背中合わせに歌う二人のハーモニーが重なり合い、会場を彼女たちの歌声で染め上げていく……。
まさに変幻自在という言葉がとても似合う。
そしてほとんど息つく暇もなく、四曲目「いとをかし」へ突入。
ここは楽しく歌いきり「和菓子ミックス」も見事決まる。
こうして彼女たちの「初陣」は終了するかに思えた……が、最後にどっかで聞いた事のあるメロディとダンスが……。
ラストに歌ったのは「PERFECT 忍者」
元歌は……「PERFECT HUMAN」(RADIO FISH)と言えば誰もが「あー」となるであろう(笑)
ここでは「ナ○タ」ではなく「おけい」と叫ぶのだが(笑)
……こうして約15分、ほぼワンコーラスだったものの、ほぼノンストップの構成で駆け抜けた蛍光灯の「初陣」
最後はマイクを通さず肉声で挨拶をして、(忍んでいない)忍の蛍と、お針子の灯は颯爽とステージを去っていきました……。
 
これまでにいないタイプの出演者の登場に会場は騒然。
歌って踊っても、息一つ切れない蛍光灯に体力に皆が驚いていました。
なお司会のあをいちんは共演も多い事から、今回の彼女たちの登場を非常に喜んでいた様子がMCからもうかがい知る事が出来ました。
 
ここからランキング発表。
まず現地では発表されませんでしたが……。
 
・11位:MicA
前回から4ランクダウンで脱落となった、みかぽことMicA。
二年近くこのイベントに出演し続けた彼女がいないのは、一抹の寂しさもありました……。
果たして戻ってくる日は来るのか……。
 
……そして発表された今回の10位は……。
 
・10位:Bevitrice e Goloso
前回と同ランクキープ。Bevitrice e Goloso、略して「ベビゴロ」
……こういっては失礼ですが、ある意味「定位置」
10位にベビゴロは安心……する?(笑)
さて今回のコントは……東京ヤクルトスワローズのユニフォームを着て座っているBenjamin……。
いきない山田哲人の応援をし始めるところから開始するという展開(笑)
ちょうど時期的に広島東洋カープ25年ぶりの優勝が決まった頃だったので、ある意味「時事ネタ」ではあるが……。
そこで神戸忍ことスナック「神戸」のママ登場。
Benjaminが勝手に店に入り、店内で昨年のヤクルト優勝の瞬間を観て盛り上がっていたというオチがついた(笑)
(もしプロ野球に詳しくない人がいたら、ここで出てきた固有名詞などはご自身でお調べください・笑)
そんな訳で昼から何やってんだ的なツッコミからのオリジナル「一升!」という流れになる。
この日もいつものようにイベント序盤から会場を大いに盛り上げる。
もうすっかりお馴染みでは合いの手など、この一年間ですっかりこのイベントに定着した楽曲の一つである事がこの時の様子でも分かった。
コントパートに戻る。
しかしこの時、Benjaminは(コントの設定上)田舎に帰って会社を立ち上げる事を神戸に告白。
行き着けのスナック「椛」のママにも何も言わず、去っていくと言い、そのまま店内を去っていった……ところに再び戻ってくる。
神戸が「なんで戻ってきた」と問いかけると、Benjaminは一言「最後に思い出でも」……。
こうしてこの日ラストとなる「さよならの向う側」(山口百恵)を熱唱する。
山口百恵が引退コンサートの時も最後に歌った楽曲として有名であり、ステージにマイクを置くシーンは多くの方が知る事だろう。
そしてBevitrice e Golosoの二人も歌い終わりと共に、マイクをステージに置いて静かに去っていった……。
……が、その後、MCのために戻ってきた(笑)
ここまでは会場に笑いがこだまする、いつもの彼ららしいステージだったが、この後、彼らがこの楽曲を歌った意味を知る事になる。
 
Bevitrice e Goloso、9月いっぱいでの解散宣言。
このステージがBevitrice e Golosoとして最後の「ぢゃ☆ベストテン」出演だったのだ……。
 
会場は驚きに包まれた。だがそれと同時にこれまで一年間「ぢゃ☆ベストテン」に出演を続けた彼らに暖かい拍手が贈られた。
ちなみにこの解散宣言にもオチがついており、解散を関係者ではFICE・炎にしか報告をしていなかった。
そしたらこの日、まかべまおから9月末日のイベントオファーを受けたとの事だった……という事で、ステージの上でまかべまおに御礼を言う姿に会場は笑いに包まれた。
こうしてBevitrice e Golosoの「ぢゃ☆ベストテン」は最後まで笑いと、ほんのちょっとの感動に包まれて無事、その幕を閉じました。
彼らのこれまでの健闘を讃える拍手は、彼らがステージから消えるその瞬間まで鳴り止む事はありませんでした……。
 
こうしてBevitrice e Golosoの解散宣言という衝撃的な展開から始まったランキング。
だがこれからの激戦を考えると、まだまだこれでは終わらなかった。
 
・9位:まかべまお
前回から4ランクダウン。まおまおことまかべまお。
直前に出演したBevitrice e Golosoに最後の出演オファーした彼女がこの位置だったのも、何かのめぐり合わせだったのだろうか……。
しかし今年に入り、7位と5位の往復を続けていた彼女がこの位置なのは、衝撃を受けたファン層も少なからずいただろう。
そんな中、黒い肩をはだけたドレスに身を包み、まかべまお登場。
まずは一曲目「群青~そばにいて欲しくて~」を熱唱。
熱情が沸き上がるような歌い方が印象的だった。
ここでMCだが年末の話。毎年恒例となっているバースデーイベントの開催、そして彼女の楽曲の「ベスト版」発売のお知らせがあった。
恐らく記憶している限り、ベスト版のお知らせはこれが初だったように思える。
ベストといえば……2012年に発表されたアルバム「まかべすと2012」
実際はベスト版ではなく、アルバムタイトルなのだが……(それでも今、振り返るとベスト版に近い出来だったか)
今回はその「まかべすと2012」からメドレーという事で残りの楽曲を披露した。
まずは「Addicted Love」
このアルバムの中でも象徴的な一曲と言って過言ではない楽曲で、当時は良く歌っていたのが印象的である。
ここをワンコーラスで切って、続いて「引力」
昨今はピアノver.を聴く機会が多かったが今回はノーマルバージョン。
オリジナル楽曲でも最初期から歌われている名曲中の名曲と言って過言では無い。
この楽曲もワンコーラスで終わり、そしてラストは「Spiral」
彼女の代表曲の一つ。記憶が確かなら初のオリジナル楽曲。
今でも頻繁に歌われ、そして多くの客層に愛されている楽曲である。
こうして新旧オリジナル(今回はやや旧の割合高め)を盛り込んで、まかべまおのステージは終了。
このステージをキッカケに下位からの巻き返しとなるか……。
 
・8位:清水舞美
前回と同ランクキープ。まみたんこと清水舞美。
初ランクイン以来、このポジションからなかなか抜け出せなくて厳しいところではある。
さてそんな彼女、一曲目は「人と夢」からスタート。
これまであまりライブイベントでは聴いた事がない楽曲からの始まりとなった。
意外とアップテンポな楽曲から入る印象が強いので、この始まりはやや意外。
続いて二曲目は「カラス」
どちらかというと、この楽曲の方がお馴染み。
印象的なイントロからサビにかけての盛り上がりが心地よい、いわば清水舞美を代表する楽曲の一つ。
彼女の少しハスキーな歌声が会場に響く。
さてここまではカラオケ音源でしたが、ここで彼女は楽器を取り出す。
取り出したその楽器とは……ウクレレ。
実は最近、ウクレレを始めたという清水舞美。(まだ一ヶ月だけど)
ここで初めて生演奏を披露するとの事……。
そして選んだのは「卒業写真」
ユーミンこと松任谷由実(楽曲が出来た当時は荒井由実)の名曲として有名。
彼女の生演奏と歌声を堪能……といきたかったが、ウクレレに関しては、まだ始めて一ヶ月……。
腕前はこれから……と言ったところだろうか。
それでも最後まできちんと歌いきり、無事終了。
また機会を見てウクレレリベンジを表明しておりました。
なお当時、ウクレレに名前を付けたいと募集しておりましたが、この時多かった意見が「クロサワ」でした(笑)
(楽器店の「クロサワ楽器」で購入したのが命名理由。なお後日、ジョージーナという名前がつけられたとブログにて報告がありました)
 
続いて7位……のはずが、何故か6位と読み上げる司会~ず。
なんとここで久々の……同点が発生!
同率順位となった場合、得票数(その出演者に点数を入れた数)が多い方が出演順が後(上位扱い)になります。
そんな訳で同率6位で先に登場したのは……。
 
・6位:化面狂奏戯樂
前回昇格組から初ランクイン。「化面」(バケメン)こと化面狂奏戯樂!
初ランクインはこの位置からとなった化面狂奏戯樂。
まず出だしは「ミーミルの花」からスタート。
ボーカロイドの楽曲で「第50回イカすアキバ天国」でも最初に歌った楽曲である。
序盤、マイクの音声トラブルがありながらも、持ち前の声量で乗り切りポテンシャルの高さを見せる。
なお今回は映像が使われており、スクリーンは下りていないものの、背景のような効果を演出していた。
(同様の手法をこの日の昼、山名純が使っているが、狙いが外れた彼女とは違い、彼らは狙い通りの演出だった模様)
続いて二曲目「LOTUS」(DIR EN GREY)でも映像を交えたステージは続く。
ステージの上で特異な姿をしている二人……いわば「異形」な二人が熱唱する様は本当に独特であり、これまでと別の世界に誘われた感覚に陥る。
こうして二曲終了した化面狂奏戯樂。
MCで告知などをした後は……いよいよお待ちかね、ラストを飾るのは「Hu:ckebein」
前回の「ひゅっけ……ばい~ん事件」以来、色んな意味で知名度が上がり、彼らのオリジナル楽曲としての地位が高まった同曲。
この数日前から振り付け講座の映像をネット上で配信するほどの力の入れよう。
この日も大いに盛り上がり、そして会場を左右に客層が移動する。
……なお前回の反省を踏まえてか、京呼はステージから降りてこず(爆)
しかし確実にこの楽曲の進化は進んでいるのを実感させる一曲となりました。
こうして化面狂奏戯樂にとって、2回目の「ぢゃ☆ベストテン」は終了。
「Hu:ckebein」という絶対的なオリジナルと共に、これからもランキングを駆け上がる事は出来るか……。
 
続いて得票数の差で6位の2組目として登場したのは、化面狂奏戯樂にとって「盟友」ともいえる彼女……。
 
・6位:りゅうきいずむ
前回より3ランクアップ。Ma:rchen-holic*などでお馴染み、りゅうきことりゅうきいずむの登場。
ソロで出場するようになって以来、最高ランクを更新。
しかし当の本人の心境やいかに……序盤はサクサクと進む。
登場とほぼ同時に「メトロポリタン美術館」(大貫妙子)のジャズバージョンからスタート。
某国営放送「みんなのうた」でご存知の方も多いと思う同曲。この楽曲をショートバージョンで披露。
なお余談ではあるものの、この楽曲、7月の自身のBDライブ時に長雨ルウナに歌ってもらうようリクエストした楽曲でもある。
恐らく昼の結果以前にセットリストは組まれていたとしても、この点については偶然といえ奇妙なめぐり合わせを感じた……。
そのまま二曲目は「ミュージアム」
その明るい曲調からは想像出来ない、彼女らしい「鬱ぽっぷ」な歌詞が印象的な、いわばソロにおける彼女の象徴とも言える楽曲。
聴いていて心地よいが、歌詞の意味を思うとゾッとするのも、ある種のギャップ的な面で魅力的である。
更に続けて三曲目「リローデッド」(EGOIST)
某アニメの主題歌だが恐らく、この界隈だと知っている人が少ないだろう(汗)
この誰にも分からないアニメ主題歌をカヴァーする傾向も彼女の特徴の一つである(それ故、オリジナルと勘違いされやすい模様)
ここまで三曲、ほぼノンストップのりゅうきいずむ。
MCではやはり化面狂奏戯樂との同率6位に言及。本人も相当驚いた趣旨の発言をしている。
こうしてここまで(彼女曰く)「鬱ぽっぷ」な世界観の歌ばかり歌ってきたので、最後は明るくこの楽曲を……という事で歌ったのは「Rolling☆Showtime」
サビのところで大声で「ロリショタ、サイコー!」と叫ばないといけない楽曲である(爆)
りゅうきいずむの本能に忠実過ぎる(笑)歌詞が聴いていて楽しそうでたまらない。
こうしてりゅうきいずむのステージは終了。「盟友」たちとの戦いを終えて、その心境やいかに……。
 
なお6位の発表後、あをいちんは自身のバンド「少女式ヱリス」のライブのため途中退席した。
ここからは珍しく☆★朋★☆一人の進行となる。
そんな☆★朋★☆が一人で紹介した5位の出演者は……。
 
・5位:桑名美沙子
前回より1ランクダウン。美沙っちぃこと桑名美沙子。
前回欠席だったが、その影響は最小限にとどめられる結果となった。
それにしても化面狂奏戯樂、りゅうきいずむに続いて更に桑名美沙子とは……。
通称「妄面」で活動を共にする機会が多い「盟友」との(期せずして)直接対決となった点については、彼女自身も思うところはあったに違いない。
そんな桑名美沙子、久々の「ぢゃ☆ベストテン」となったが、そのセットリストは斬新だった。
まずOPSE、彼女の代表曲「snow」からのイントロだが9月発売の新譜のボーナストラックとして収録されている「Dance Remix」から抜き出したものだった。
続いて一曲目「雨のち曇りのち晴れ」を披露。これも9月発売の新譜からの一曲。
作曲したのは「Ryu~ki」こと、りゅうき。りゅうき作曲の桑名美沙子のオリジナル楽曲は多いがここに新たに一曲レパートリーが加わった。
桑名美沙子の明るく爽やかな歌声が会場に響き渡る。
続いて二曲目は「アイのシナリオ」(CHiCO with HoneyWorks)
アニメ「まじっく快斗1412」のOPテーマでもある同曲。
疾走感溢れるリズムに乗って彼女の歌声も弾ける飛ぶ。
こうしてあっという間に二曲終了。
ここまでアップテンポの楽曲が続いたが、ラストにもってきたのは「あいたい」これも9月発売の新譜より。
桑名美沙子の切ない歌声が会場を包み込む……まさに彼女の真骨頂とも言えるバラード楽曲である。
幅広いジャンルの楽曲が歌える彼女だが、特にバラードの出来は現在の「ぢゃ☆ベストテン」の出演者でも随一の出来栄えである。
このイベントが産んだ「歌姫」桑名美沙子……こうして今回は新たな楽曲を交えてきた。
こうして彼女の魅力が詰まった15分のステージは終了した。彼女にとって久々の「ぢゃ☆ベストテン」はどのように映ったのか……。
 
このように「妄面」メンバーたちによる戦いとなったこの順位帯。
この後の4位に控えていたのは……。
 
・4位:石戸なつみ
前回より2ランクダウン。なーここと石戸なつみ。
2016年に入り初めてベスト3から陥落した石戸なつみ。悲願の初優勝は今回も果たされる事はなかった……。
このイベントでは今年初の15分のステージとなった今回、どのようなステージとなったのか……。
一曲目「理想論」からそのステージは始まる。
いつものように熱さが溢れ出る石戸なつみのステージ。
この熱さが彼女の特徴であり、また大きな武器であると感じる。
彼女らしいスタートである。一曲目を終えて早速MC。
彼女自身、三回連続2位が続いていた状況を踏まえると、今回の結果は「一歩後退」といわざるを得ない。
投票してくれた客層には感謝の言葉を述べつつも、その言葉の端々から悔しさみたいなのが滲み出ている。
だが一方で彼女の口からは脱落した過去と、上位で戦える現状に対して幸せを語っている。
一種の「開き直り」とも思える発言だが、彼女にすれば「脱落」をした挫折がこういう場面でも簡単にへこたれないタフな面を育んだようにも思えた。
こうしてMCを終え、ここからは連続。
二曲目「I'm a liar」
どこか切ない歌詞の中にガリガリなロックのテイストが会場のボルテージが徐々に上げていく……。
ボルテージが上がってきたところで、ラストは「暁契」
これぞ15分のステージのとどめと言わんばかりに盛り上げに……そして会場の客層の体力を奪いにかかる。
もも上げ、ヘッドバンキング、左右への細かいステップ……石戸なつみらしい、熱くて、そしてダイナミックなステージが最後の最後まで展開された。
石戸なつみの15分のステージは、これまで20分に慣れたせいもあってか?やや物足りない雰囲気で終了。
最後は「江織杏よりちょっと点数を入れて下さい」(笑)とライバルへの対抗心を露わにしてステージを去っていった……。
 
そしていよいよベスト3。
残った3組は一体誰が呼ばれるのか……。
 
・3位:江織杏
前回から3ランクアップ。えおりんこと江織杏。
6位からの巻き返しに成功、そして同事務所のライバル・石戸なつみとの直接対決を制した。
一曲目は「桜月譚」からスタート。
彼女のデビュー曲かつ代表曲。
すっかりお馴染みとなった同曲。この界隈で披露された頃と違い、様々なスタイルで応援をされている。
続いて二曲目「Dig up」
彼女ならではのラブソング……というか、そんな楽曲。明るい曲調が印象的である。
ロックテイストから、ポップ調の楽曲まで幅広く歌えるのが彼女の特徴である。
ここでMCとなる。ご存知の方も既に多いと思うが、現在、彼女は「オリコンチャレンジ」と称したチャレンジに挑戦中である。
11/1のオリコンデイリーチャートでベスト10入りを目指すというものだが、これに成功した場合、全国流通のCD発売が約束される……というものである。
この界隈にデビュー以来、最大の挑戦とも言えるが、チャレンジが始まったのが夏場だった事を思えばチャレンジもついに後半戦になったと言って過言ではない。
11/5のBDワンマンの宣伝も兼ねて、彼女自身必死のお願いをするのであった。
そしてその楽曲を……と思いきや、その前に三曲目「白黒戦士パンダマン」
江織杏随一の「ヒーローソング」と言って過言では無いだろう。
キャッチーな歌詞が印象的な同曲である。
そんな「白黒戦士パンダマン」と対をなす、最後の一曲こそ……「秘密結社逆パンダ団」
「白黒戦士パンダマン」の敵役、律儀な悪役「逆パンダ団」の歌。
対決の前日に電話で連絡したり、秘密兵器が「メカうさぎちゃん」とか……意外と歌詞はかわいい(?)
江織杏曰く「11/1のオリコンデイリーチャートTOP10に入っているであろう」楽曲……。
おどろおどろしい楽曲ににつかわない、緩い歌詞というギャップは中毒性が高い……。
こうして江織杏のステージは終了。
次回の結果もそうだが、果たして彼女の挑戦は成功するのだろうか……。
 
残り2組!
いつもより客層を焦らした☆★朋★☆が、言った2位の出演者の名は……。
 
・2位:大和撫子
前回から1ランクアップ。やまなでこと大和撫子。
久々の優勝まであと一歩届かなかったが、前回より着実に優勝に近づいている。
そんな大和撫子だが、前回出演時から大きな変化があった。
既報であるがリーダー・牡丹が結婚、妊娠を発表。9月から産休に突入している。
更にこの日は芍薬が不在のため、百合、椛、二人でのステージとなった。
前回は四人で臨んだステージ……この日は二人……どう挑む!
そんな注目の中、登場した百合と椛。
その衣装だがいつもと色が違った……桃色を基調とした百合と、赤を基調とした椛……。
二人のイメージカラーとは違う衣装……勘のいい人はここで気付くだろう。
百合は牡丹の衣装を、椛は芍薬の衣装を借りてこのステージに臨んでいた。
これは二人なりの不在の二人の分を背負う決意の表れ……と観ていいだろう。
そしてこの日のセットリストの……まずは前半を見てもらおう。
 
「ONE FOR ALL」→「桜撫子」→「大和万華鏡」→「RUN RUN GIRL」→「咲き誇れ撫子」→「大和魂-日本の力-」
 
……全体の半分で6曲!
もうお気付きの方もいるだろう……オリジナル楽曲のみでワンコーラスのみのメドレー構成を組んできたのだ。
先日のFICE15周年のメドレー構成も記憶に新しいところだろう。
また過去の「ぢゃ☆ベストテン」でもメドレーは披露してきた。いわば大和撫子の「お家芸」と言って過言では無い。
だがここまでの楽曲のオリジナルメドレーは過去に披露された構成に非常に良く似ており、過去のものと同じようにも見えた……。
しかしメドレーの後半は以下の構成となった……。
 
「エンジェリックサマー」→「浮世爛漫」→「MATSURI」→「勿忘草 ~Don't Forget Nadeshiko~」(フルバージョン)
 
比較的新しい楽曲、もしくはこのイベントで披露されたのが最近の楽曲ばかりが並んだ。
まさに今回のメドレーは新旧大和撫子オリジナル楽曲……いわば彼女たちの歴史がギッシリ詰まったメドレーとなった。
こうしてメドレーで全10曲……20分休む事なく、百合、椛の大和撫子は歌いきった。
ステージの上に居たのは二人……だが間違いなくこの日、百合と椛は、牡丹と芍薬の分まで「大和撫子」の看板を背負っていた……。
以上、20分間、ほぼ休みなしの大和撫子のステージは留まる事を知らない熱狂のまま終了した。
 
……遂に優勝の発表となる。
ここで☆★朋★☆は驚きの点数を発表する……「7,777点」!
 
スリーセブン……ならぬフォーセブンという縁起が良い点数で優勝したのは……。
 
・1位:デカシャツ喫茶
前回と同ランクで連覇達成!デカシャツ喫茶の二人。
通算8回目の優勝となり、歴代の通算優勝回数のランキングでも単独2位に躍り出た!
なおデカシャツ喫茶の連覇もvol.40、41(2014年9月、11月)以来、約2年ぶりの出来事となる。
この久々の連覇だけでも十二分におめでたいのだが、この日はもっとおめでたい事があった……。
颯爽とステージに現れる二人。いつもの調子で、早速歌い始めようとするヨツイミワ……。
だがその前にシノンは突然、ヨツイミワに向かって「おめでとう!」と言う。
するとロビーからは多くのクラッカーが一斉に鳴る!
突然の出来事に驚くヨツイミワ……実は9/20にリアル誕生日であるヨツイミワをお祝いしようというシノンが客層と共に仕掛けたサプライズだった。
さらにプレゼントとして……FICE・炎製作によるヨツイミワのパペット(通称:ヨツモバ)がプレゼントされる。
これには大喜びのヨツイミワ。そしてシノンも同じくFICE・炎製作の自身のパペット(通称:モバちのん)を持ち出し……。
デカシャツ喫茶の二人は、お互いにそれぞれのパペットを手にステージを開始する事となった。
こうしてちょっとしたサプライズを経て、いよいよデカシャツ喫茶のステージがスタートする。
一曲目は「moRe Stage」
デカシャツ喫茶の優しい歌声と、会場の一体感がたまらない。
ここのサビで皆、手をステージ中央付近で合わせるのだが、この日は二人のパペットが中心に陣取る図となった。
続いて二曲目「before daybreak2015」
なおこの楽曲の時、ロビーの真ん中あたりまでヨツイミワが出てくるなどしている。
この時、周囲を客層に自然と囲まれる形になるのだが、客層からの祝福の雰囲気が滲み出るような構図となった。
ここでMCに入るが、ステージの中央にはマイクスタンドをかぶせる形で二人のパペットが存在感を発揮している。
そしてステージの上手と下手には、距離を置いてヨツイミワとシノンが……(笑)
こうして観ると、どうしてこの二人は毎回、こんなに距離があいているのだろうか……(笑)
面白おかしい「訳のわからないコント風」のMCを挟み、ここから後半戦!
三曲目は「ミラージュ」
疾走感がたまらないこの楽曲、MCではすごい和むのにここでは二人揃ってカッコイイ姿をみせてくれる。
続いて四曲目は「Answer Beat」
このイベント「AnB」を意識して作られた楽曲。
彼女たちなりのこのイベントに対するリスペクトと、また戦う姿勢が歌に込められている。
こうしてまさに祝福ムードいっぱいで進んだステージもいよいよラスト。
最後に歌ったのは「デカシャツ☆ナイト」
デカシャツ喫茶の初期からの代表曲の一つ。
客層の熱い声援に押される形で、会場は一つとなり最後まで熱く燃え上がった。
最後の最後まで客層の声援が二人の歌を後押しし、その熱気は会場の天井を突き抜けるくらいに燃え上がった。
……こうしてデカシャツ喫茶にとって8回目の優勝を飾ったステージは、多くの「愛」に包まれて、イベントの最後を飾った。
 
……以上で全11組のステージは終了。
この日は卒業があったため、脱落の発表は無いまま「ぢゃ☆ベストテン vol.52」は静かにその幕を閉じました……。
  
●総括
 
出演者同士の一種のライバル関係が際立つランキングとなり非常に見応えがありました。
 
まずは優勝したデカシャツ喫茶。下半期に入ってから本当に強いです。
本編でも触れた通り、今回で通算8回目の優勝、歴代単独2位の数字となりました。
イベント史の観点からしても、既に伝説的な記録を残しています。
そんなデカシャツ喫茶の今回のステージ。オリジナル構成で5曲を披露。
ステージそのものについては、非常にオーソドックスな構成。
一番、彼女たちの実力がもっとも自然体な形で発揮できるスタイルでは無いかと思います。
もっとも彼女たちが歌唱力、楽曲の質、もしくは人柄の良さだけで現在もこの位置にいるとは考えにくいのも確か。
ただ毎回、何が起こるか分からない期待感が彼女たちにあるのも確か。
個人的に「訳のわからないコント風」と評したMCでの発言や、今回のような心温まるような演出など、地力とは違った「不確定要素」の意外性がハマる時はハマるのかと感じます。
一方で気になる点として、ここ最近はデカシャツ喫茶としての新曲がリリースされていないなど、オリジナル楽曲のレパートリーが増えてない点はやや気になるところ。
(今年の彼女たちの事情を考えると、致し方ない部分は確かにあるが)
オリジナル楽曲の数は多い部類に入るものの、連覇をする事で基本的に5曲用意しなくてはいけない現状で、どう回していくかがポイントになるはず。
これまでもカヴァー、もしくはそれぞれの別形態(ドリルパープル、ソロのSHINONなど)の楽曲を挟むなどして、最小限のテコ入れでセットリストを構成してきた点は大きな強みか。
そして次回の11月開催は……なんと2013年から三年連続優勝を飾るという並外れた強さを発揮している。
2013年は初ランクイン、2015年はこの年唯一の優勝を飾るなど、この11月における彼女たちの強さは特筆すべきものがある。
一説には9月で誕生日を迎えるヨツイミワを祝うため、その分得票が伸びるという仮説がある。
次回、三連覇、そして2016年下半期完全制覇となったか注目したい。
 
続いて2位の大和撫子。このタイミングでメドレー構成を持ち出すとは……勝負所は相変わらず心得ている。
レポート本編でも触れたように、大和撫子の今や「お家芸」の一つと言って過言では無いメドレー構成。
これまでもMC無しで曲を詰め込むなど、全編を歌と踊りのステージに特化する戦法はこれまでもたびたび取ってきている。
今回のメドレー構成はその最たる例で、ほぼほぼ彼女たち本来の魅力を時間を最大限に使い、活かすための戦法の一つ……と言って過言では無い。
MCも決して不得手ではなく面白い部類に入る彼女たちだが、それでも敢えてこの構成に特化する事で、大和撫子本来が持つ魅力を純粋に伝えようとしているのが良く分かる。
特に今回は牡丹、芍薬不在のステージ。
このイベントではほぼ皆勤の百合の背負ってきた誇りと、まだこのイベントでは新鮮味がある椛の初々しさが融合した、現在の大和撫子の魅力を伝えるのに特化した内容が興味深かった。
なお今回のメドレー構成、前半に比較的古い楽曲、後半に新しめの楽曲を配置した事でこれまでの彼女たちの歴史を凝縮させた意味合いも強かったように思える。
またステージの上では百合と椛だけだったが、二人が不在の牡丹と芍薬の衣装を着込んでいた点も「大和撫子」としての看板を背負っている意思の表れだったように思える。
ちなみにメドレー構成の編集をしたのは、他ならぬ牡丹という点も見逃せない。
唯一の懸念材料は今回ここまで凝縮したステージを出した事による反動がどう出るか非常に気になるところです。
ただその懸念材料抜きにして、今回はステージに立っていないメンバーを含めて「大和撫子」というのを強烈にアピールした良ステージだったと思います。
そんな大和撫子ですが……今回、残留が決定した事で「ぢゃ☆ベストテン」における最多エントリー(※後述にて注釈)記録達成が確定しました!
……実は今回が大和撫子としては通算:35回目のエントリーとなり、主宰・FICE(35回/vol.1~35)がこれまで保持していた記録に今回並んでいました。
芝浦時代のvol.17(2010年11月)の初出演から6年……次回、36回目のエントリーでイベント史に残る大偉業を遂に達成します!
現在も通算優勝記録(14回)を保持している彼女たちですが、新たな勲章を手にする事となる次回……大いに注目しましょう!
 
※注釈:なお「エントリー」という表現は、当ブログ及び「014娯楽研究所」独自の表現で、主催「AKIBA net BANK」公式のものではありません。
「エントリー」は昇格組としての出演及び、出場、欠席に関わらず10位以内にランクインした回数の合計数をカウントしております。
11位相当にあたる脱落はランク外の扱いとしてノーカウント。
これまでは「出演回数」と表記しましたが、今回(2016年10月)以降「エントリー」表記に統一します。
 
しかしこのデカシャツ喫茶対大和撫子の優勝争いの構図は非常に興味深かった。
現役出演者ながら既にイベント史的には名を残しており、通算優勝記録も現状で1、2を争っている。
いわばこのここ数年のイベントを象徴する一戦を展開していると言って過言ではなく、今後もこの二組の争いから目が離せません。
 
そんな二組に続く3位だったのが江織杏。このイベント以外のところで色々佳境に入っています……。
まずイベント的には6位からの巻き返しに成功。
前回の反動が大きすぎたという見方も出来るし、本来の実力を考えればこの位置は近年の彼女の活躍からすれば妥当かと。
セットリストの後半に「白黒戦士パンダマン」と「秘密結社逆パンダ団」と並べる構成。
本編でも触れた「オリコンミッション」で「秘密結社逆パンダ団」をリリースする事、また「白黒戦士パンダマン」関連楽曲である事を考えれば王道とも取れる構成。
この二曲は連続で演奏してこそ「一つの物語」として成立すると考えられます。
ただ懸念材料として「秘密結社逆パンダ団」の扱いが非常に難しくなる恐れがある……。
「白黒戦士パンダマン」は今後も単品で通用する楽曲と思いますが、「秘密結社逆パンダ団」は「パンダマン」あっての悪の秘密結社の歌……。
この立ち位置を考えれると「秘密結社逆パンダ団」はセットリストに組み込みづらくなるかも知れません。
もっとも過去のヒーローものの主題歌、挿入歌でも悪役側だけが、突出した楽曲も少なからず存在するので、そういう方向性を目指すのもいいかも知れません。
当面は「オリコンミッション」があるので、まずはそこに集中して一段落してから考えてみるといいと思います。
それに一曲目にもってきた「桜月譚」のようにオリジナル楽曲は豊富な彼女ですので、セットリストの構成には今後も困らないと考えております。
まずは再来月のこのイベントでも朗報をここの客層にも届けられるよう頑張って欲しいと切に願います。
きっと朗報が届くと信じ、次回はこのイベントでも優勝争いを演じてくれる事を期待したいと思います。
 
ここからベスト3圏外。
4位の石戸なつみ。ベスト3陥落しても、安定した強さは発揮したか。
2016年はこれまでベスト3維持。前回まで三回連続2位だった……が、今回4位。
ベスト3から陥落、優勝争いから一歩後退はしたものの、4位に留まるあたり安定した強さは相変わらずと言ったところ。
近年「熱気」という言葉が似合う構成のステージが多く、一つのスタイルが確立されているのがこの安定感に繋がっていると考えれらる。
今回もその熱気に裏づけされたステージで三曲。最初から最後までゴリゴリのロックスタイルで押し通した。
また脱落を経験しているのも、現状は「開き直り」という意味で強く出られるという意味で精神的なタフさも垣間見える。
もし懸念材料があるなら、この安定した持ち味がジリ貧になっていかないよう気をつけたいところ。
いずれにせよ巻き返しは狙えるポジションにあるため、ここは慌てず上位定着を念頭に踏ん張って欲しいところです。
 
ここで3、4位と「M-Infinity」勢の二人が並んだ。
vol.50(2016年5月)には1、2FINISH(1位:江織杏、2位:石戸なつみ)を達成した事も記憶に新しい。
こうして切磋琢磨して二人が競い合っている事が双方の成長に繋がっていると感じます。
このライバル関係はこのイベントにおける名物対決でもあるので、今後もお互いが成長しながら、高い次元でのランキングバトルを展開してくれるのを期待して止みません。
 
5位の桑名美沙子。新曲を交えた構成でパワーアップか。
セットリスト3曲のうち2曲を新譜で固めた構成は非常に新鮮かつ、新たな彼女の一面を大いにアピールできたと思います。
前回の欠席の影響も1ランクダウンに留まったのも好材料。彼女の後に登場した上位陣とも遜色の無いステージが披露できたのは大きかったと思います。
今年に入り様々な挑戦なり、主催ライブなどが一通り終わり、しばらくは彼女自身ストレスフリーの状態でステージに臨めるものと考えます。
重要な時期を過ぎたので、それが却って気の緩みに繋がらないかが唯一の心配でしたが、今回のステージを拝見する限りそれも無さそう。
体調などさえ気をつければ安定した「歌姫」としてのステージが拝見出来るものと信じています。
 
同率6位のりゅうきいずむ。今回は比較的、正統派なステージか。
前回、前々回がどちらかというと変化球なので、いつもの彼女に戻ったというのが今回の印象。
最初に短めの楽曲(今回なら「メトロポリタン美術館」)をOPSE代わりに持ってきて、そのまま次にいくという構成も彼女ならではの構成で安定感がある。
15分のステージの組み方については、非常にうまい彼女。ただ懸念があるならカヴァー曲に頼る側面が強い事。
オリジナル楽曲も相当数あるので、オリジナルオンリーでも十分いけるのにいかないのは勿体無い。
MCでは「鬱ぽっぷばかりじゃ……」と発言していたのも気になるところ。あまり惑わされずに、もう少し自分が作った楽曲を中心に組み立てれば、今以上に安定する気がします。
 
同率6位の化面狂奏戯樂。初ランクインとしては上々の出来かと。
前回の初出場のステージがしっかり評価されていたと感じるし、また今回のステージも映像を交えてインパクトを残した点は高評価。
非常に彼ららしいステージの演出だったと思うし、存分に魅力を引き出せたと思います。
序盤の音声トラブルが勿体無かったものの、これは彼らだけのミスでは無いので、気持ち切り替えて頑張って欲しいところ。
今後はまだオリジナル楽曲が少ないので、もう少し欲しいところ。増やすのは簡単ではないですが、まだ楽曲数が少ないのは気になります。
「Hu:ckebein」が代表曲と認知されてきているので、この楽曲を中心に新たな展開を今後期待したいところです。
 
……今回はここでも新たな対決機軸が発生。
Ma:rchen-holic* feat. 化面狂奏戯樂……「妄面」と一括して称されるメンバー同士の戦いがここにも展開!
2016年に入り共に手を携えてきた三組が近い順位で立て続けにステージを披露するのは、非常に見応えがありました。
今後の彼らの戦いにも注目していきたいと思います。
 
8位の清水舞美。ウクレレを持ち出すなど新たな試みを展開中。
前回の「流れ」の映像も衝撃的だったけど、習いたてのウクレレ生演奏は意外と思い切った事すると思いました。
前回あたりからオーソドックスなスタイルから脱却しつつあり、彼女なりにこのイベントにおける戦い方というのが見えてきたように思います。
「ライブペインティング」や、グラマーなスタイルなど歌以外の武器も豊富な彼女が、ここではそれに頼らないステージを展開しているのは興味深いところ。
ただ今回で三回連続の8位とランキング的には下位安定となっているので、そろそろ抜け出したいところ。
この状況をいかに脱却するか……今後のステージにも注目していきたいと思います。
 
9位のまかべまお。彼女に限って言うと、この順位は却って怖い……。
2016年に入り7位と5位の繰り返しで今回は7位……と思いきや9位まで下がったのは残念。
……とは言え、ベストアルバム発売という追い風もあり、そこに過去の楽曲をメドレー形式で持ってきた展開はうまかったと思います。
9位で思い出すのは、彼女が初優勝する直前の展開。この時も前回9位からのジャンプアップで初優勝を掻っ攫っている。
今回も状況が非常に似ており、却って下位になる事で、これまでの枠に捉われない「開き直り」を展開しているようにも思える……。
最近歌っていなかった「まかべすと2012」楽曲からのメドレー三曲……これがどう評価されたか注目したい。
 
10位抜かして昇格組の蛍光灯。昼と違って本来の持ち味が出せたステージかと。
昼が申し訳ないけどあまり評価できなかった分、夜はしっかりセットリストも構成されていたし、彼女たち本来のポテンシャルが引き出されていたように思います。
初回であそこまでステージを全面に使って動き回る事が出来た事は、このイベントにおける「フィジカルモンスター」的ポジション確立できる可能性は感じました。
もっとも今回は初出場でまだイベントの空気に慣れていない側面も多々見受けられました。
これが今後、このイベントに参加し続ける事でどう変化していき、また彼女たち自身も成長していくか……と言ったところです。
初ランクインの結果がどうなるのか、次回注目したいと思います。
 
……そして今回10位で卒業を発表したBevitrice e Goloso。
まず二人には約一年二ヶ月に渡る活動「お疲れ様」と伝えたいです。
今回がエントリー:7回目、ちょうど初出場から一年という節目でした。
当初の評判だと失礼ながら、すぐに脱落するという声も多かったと思いますし、正直、自分も彼らが一年間もつとは思っていませんでした。
そんな中でオリジナル「一升!」が出来、他の出演者がしていないコントを絡めるというステージのスタイルを確立した事で生き残る道を見出したと思っています。
ランキング的には6回中5回が10位という、凄まじいまでの下位安定っぷり(汗)
だけどこの数字以上に彼らは、このイベントにおいて愛されたのではないかと思っています。
昇格組の後、10位で彼らが登場して場の空気を大いに和ませて、それから9位以上の出演者にバトンを繋いでいくという展開はこの一年間の風物詩と言って過言ではありませんでした。
(唯一の7位の時は、Benjaminが応援している大和撫子より上位だったという事で、色々突っ込まれるという展開も和みました)
そんな「ベビゴロ」が次回からいなくなるというのは、どこか寂しさもあります。
でもそれが「脱落」という形ではなく「卒業」という形で、皆に愛されながら見送られるという展開も、最後まで彼ららしかったのかな……と思います。
 
語りたい事は山ほどあるのですが……最後に一つ「念願」が叶ったのは良かったと思います。
 
以前、神戸忍がMCである人物に「自分たちのステージを見せたい。それまでは脱落できない」と語った事がありました。
その人物こそ「一升!」を作った、ゆきまち……現在は引退した、かつてこのイベントにも出演していた人物です。
イベント最後の出演となるこの日、その念願は叶い、一番ステージを観て欲しかった人に、そのステージを届ける事が出来ました。
もちろんゆきまちのためだけでなく、毎回一緒に楽しんでくれる客層のためにも彼らは頑張ってきたと思っています。
誰よりも人の事を想い戦ってきた……それこそがBevitrice e Golosoの本当の魅力だったのではないでしょうか。
だからこそ彼らは愛され続けたし、このイベントに居続ける事が出来た……そう信じています。
 
今後の二人はそれぞれ別の道を歩むとの事です。
神戸忍はソロやFICEのサポートメンバーとして、Benjaminもソロ、神楽坂エリーの付き人……そして一人のヲタとして今後も活動をしていくとの事。
9月いっぱいで解散となりましたが、今後もどこかで二人が一緒になったり、「一升!」を歌い継いで行く場面が見られると信じています。
 
Bevitrice e Goloso……神戸忍、Benjamin、数多くの笑いと感動のステージをありがとう!
そしてこれからも二人が活躍する事を心の底から祈ってます!
 
 
 
……全ての出演者をこうして総括していきましたが、今回、非常に僅差での戦いでした。
優勝したデカシャツ喫茶の7,777点で縁起もいいのですが、これまでの優勝した点の中では最小点数ではないか……それくらい低い点数です。
更に4位の石戸なつみまで7,000点台、脱落で11位相当だったMicAでも約4,200点。
約3,500点前後の間で11組の出演者がひしめきあう展開となっており、非常に接戦でした。
自分の投じる「1,000点」が展開を大いに左右する……客層にかかる責任は比率が大きくなりつつあると感じました。
 
また「年間最多勝」争いも接戦になっており、今回まででデカシャツ喫茶、江織杏が2回ずつで分け合っています。
次回双方のどちらかが優勝で、単独での「年間最多勝」獲得となりますが……果たして!?
なお1勝の桑名美沙子にも同率ながら「年間最多勝」のチャンスが……「年間最多勝」の行方にも注目です!
 
……そんな訳で次回はいよいよ2016年最後の戦い……。
 
2016年11月19日。
 
「ぢゃ☆ベストテン vol.53」
 
新たなる歴史の瞬間を見逃すな……!