【レポート】AnBぷれみあむぅ presents 『ぢゃ☆ベストテン vol.48』 | ヒトデ大石のなんとなくレポート置場

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2011年8月「ヒトデ大石のどんなブログにしようか検討中。」からタイトル変更。
ライブイベント、舞台観劇のレポートを中心に書いていこうというブログ。
以前はmixiが主戦場だったけど、今はこっちが主戦場(笑)

【レポート】AnBぷれみあむぅ presents 『ぢゃ☆ベストテン vol.48』@東高円寺ロサンゼルスクラブ
 
※[速報]上げていますが、ライブの詳しい様子はこっちでレポートします。
結果を知っている人も知らない人も、じっくり読んでくれると嬉しいです。
 
毎度の事ですが、こちらを読む前にまずは昼の様子からどうぞ。
  
・AnBぷれみあむぅ presents 『第48回イカすアキバ天国』@東高円寺ロサンゼルスクラブ
http://ameblo.jp/hitode0014/entry-12120484626.html
 
9年目のシーズンを迎えたAnB ぷれみあむぅシリーズ。
新会場OPENまでの間、東高円寺ロサンゼルスクラブでの代替開催が開始。
昼は清水舞美が5回目の挑戦にして優勝を飾り、2016年のイベントがスタートしました。
そんな喜びの瞬間も束の間……数時間後には夜の戦いが始まろうとしていました……。
 
東高円寺では初となる「ぢゃ☆ベストテン」……。
しかし待ち受けていたのは、誰も予想も出来ない劇的な展開の数々だった……。
その劇的過ぎる結末は、2016年の「ぢゃ☆ベストテン」の展開を示唆しているのだろうか……。
 
昨年までの流れは一変。一気に塗り換わる勢力図。
静かな立ち上がりから、一変して激流のような中盤以降の展開に誰もが目と耳を疑った……。
そして新年一発目に我々が見たのは……新たな伝説、誕生の瞬間だった……。
 
2016年開幕戦、燃えよ……東高円寺!
東高円寺初にして、2016年初の戦い……「ぢゃ☆ベストテン vol.48」の様子をレポート致します。
 
●開演前
 
昼と違って会場には、開場前から列が出来ていました。
やや開演時間を過ぎてから開場。
このイベントをいつも楽しみにしている客層が、東高円寺の地に続々と足を踏み入れます。
一歩、また一歩……次から次へと会場に足を踏み入れる客層の皆々様。
 
昼と同じようにステージ、下手よりにプロジェクターとそれを映し出すスクリーンが設置されており、そこに数々の映像が流れます。
やがて各出演者のCMなどを経て諸注意……そしてOP映像へ……。
 
会場は変われど、客層のボルテージは変わらず。
OP映像が流れて巻き起こる手拍子。
そしてイベントのタイトルコール……!
 
OP映像を終えて、久々に冒頭から揃い踏みで登場した新生司会~ずのあをいちんと☆★朋★☆。
昨年は途中参加が多かった☆★朋★☆は、実はOP映像変わってからは初見。
今回から変わったものと勘違いしていたようで、客層からツッコミをくらっていた(笑)
だが彼女自身、新鮮な気持ちでこのイベントの司会を迎えられたのは間違いないところ。
 
会場が変更した事に伴う数々の諸注意を経て、いよいよイベントが開始となる。
トップバッターに出場するのは、前回昼優勝の彼女……。
ある意味、久々に戻ってきた「ぢゃ☆ベストテン」の舞台……彼女が見せたステージとは……。
 
●本編
 
・昇格組:りゅうきいずむ
昨年11月「第47回イカすアキバ天国」を優勝し、昇格したりゅうきいずむ。
昨年3月にMa:rchen-holic*で脱落して以来、ソロとはいえ久々に「ぢゃ☆ベストテン」の登場となった。
ソロでは「鬱ぽっぷ」を標榜する彼女だが、どのようなステージを披露するのか……。
青い花系の髪飾りに、白いブラウスにコルセットという衣装で登場したりゅうきいずむ。
そんな彼女が一曲目に歌ったのは「ツギハギトランジスター」まさかの新曲である。
客層も不意をつかれた感じではあったが、この一曲で俄然、会場のテンションは盛り上がりを見せた。
奇襲ともいえる一曲目を経て、彼女が二曲目に選んだ楽曲は「箱庭」
言わずとしれたMa:rchen-holic*の代表曲である。
この楽曲の選曲理由として、MCでは「帰ってきた意味を込めて(歌った)」と語っている。
昨今、あまりMa:rchen-holic*の楽曲をソロでは歌わない彼女だが、このイベントにおける「ただいま」の意味を込めたセルフカヴァーとなった。
Ma:rchen-holic*の事を神楽坂時代から見守ってきた客層にとっては、特に感慨深い一曲だったかもしれない。
こうして新曲、セルフカヴァーと来た後、ラストに歌ったのは「ずっと欲しかった未来の話をしてもいいかな」
アキ天優勝時も歌った同曲。りゅうきいずむとしての代表曲の一つと言って過言では無いだろう。
そんな彼女、歌っている最中、声に詰まる場面があった……。
「ぢゃ☆ベストテン」の舞台に戻ってこれた事に対して、感極まった……ようにも見えた。
(後日確認したら、むせただけとの事……本人の名誉のために補足)
この楽曲の優しい旋律と、客層の一体感が紡ぎだすステージが、りゅうきいずむとして初めて挑んだステージを感動的な物に仕上がった。
こうしてりゅうきいずむ、初の「ぢゃ☆ベストテン」は終了。
かつて「神楽坂の妖精」と言われたMa:rchen-holic*……そして、その一員である、りゅうきいずむ……彼女はこの日、確かに東高円寺の地で新たな一歩を踏み出した。
 
こうして昇格組のステージは終了。
ここから前回の投票結果を元にしたランキングが発表される。
なお当日は発表されていませんが、前回で脱落したのが……。

・11位:三木悠莉
前回昇格組だが、11位相当のため脱落。
史上初の「昇格即脱落」となってしまった……。
 
昇格しても、すぐ跳ね返される厳しい「ぢゃ☆ベストテン」
今回はどのようなランキングになっているのか……。
まず最初に読み上げられた10位は……。
 
・10位:Bevitrice e Goloso
前回と同ランクキープ。Bevitrice e Goloso、略して「ベビゴロ」
今回もランキングは上がらず。どんなステージとなったのか。コント仕立てのステージ……別名「ベビゴロ劇場」が始まる……。
 
……今回の舞台はスキー場。
スキーしにきた神戸忍&Benjamin。ユーミン(松任谷由実)の楽曲をバックにゲレンデ感満載である。
バブル感丸出しのサングラスのBenjaminに、スキーウェア(?)と見せかけたジャージの神戸という衣装(笑)
それにしても神戸のジャージは、どう見ても学生時代の私物だよなぁ(笑)
(段ボール製の)ソリで遊ぶ神戸、(段ボール製の)スキーのBenjaminにジャンプ台から飛んでとお願いする。
そんな無茶ブリに対するBenjamin「何故、飛ぶのです?」→「Why?飛ぶです?」→「WHITE BREATH」……。
……という事で一曲目「WHITE BREATH」(T.M.Revolution)
駄洒落である(笑)しかもコテコテの(笑)
元々男性楽曲だが、キーが高いので女性である神戸忍が歌っても違和感無し。
(もっとも神戸忍は女性にしてはハスキーボイスだが)
そんな訳で二人でT.M.Revolutionを熱唱となる……。
 
神戸の無茶ブリでジャンプ台から飛んだ(設定の)Benjamin。
そんな神戸、今度は温泉入って帰ろうと言い出す。
時間が無いと断るBenjamin。「ダメ、入浴」→「ノー、入浴」→「NO.NEW YORK」……。
二曲目「NO.NEW YORK」(BOOWY)
……なんだこの流れ(笑)
楽曲に至るまでの流れは置いといて、今回、この二人の真骨頂が現れたのがこの楽曲か。
神戸忍が得意とする80年代ロック。Benjaminの低音が更に重みを増す。
楽曲を歌っている最中は二人とも最高のロックンローラーになっていた……。
 
場面は変わり「中央フリーウェイ」(松任谷由実)をバックに帰りの車中……。
大いびきをかいて助手席で寝る神戸……。
迷惑がるBenjamin……「まったく……こいつとはいつまでの付き合いになるんだよ……」→神戸「(寝言で)……一生」→「一升!」
……という事でオリジナル「一升!」という流れ。
すっかりお馴染みの同曲。この日、一番の盛り上がりを見せた。
こうして「ベビゴロ劇場」もすっかり定着し、非常に面白おかしい二人のステージは終了。
今年も「異色ユニット」Bevitrice e Goloso……いけるとこまで、とことん行ってくれる……はず(笑)
 
・9位:MINO+
前回と同ランクキープ。今回で3回続けてお休みのMINO+。
……という事で昇格した直後の昨年7月以来、半年以上、出演しておりません(汗)
それでも9位をキープ出来るのは、ある意味凄いのかもしれませんが……。
なお今回の欠席理由は、東雲ゆうさが予備自衛官の訓練が入ったためとの事でした。
果たしてMINO+がこのイベントに出演する日は来るのでしょうか……。
司会~ずにも「このまま出演しないで残留したりして……」といじられていました(汗)
 
・8位:みく16歳
前回と同ランクキープ。みく16歳のお三方。
新年一発目という事でもあり、和装風の衣装で登場。
もう何度か拝見した事もある方もいると思いますが、結構お馴染みの衣装です。
一曲目「みっくみくにしてあげる」の後、MC(?)の紙をめくるアレ(笑)
今回は新年という事でこの衣装との事。
昨年は復帰後、順位が下位安定している事に言及。
(その際「ヒトデ大石さんのレポート参照」とも言及していただきました。ブログの宣伝など感謝致します)
そんな訳でちょっと新年を意識した、残り三曲連続との事。
ちなみにラストは尺の都合上、早回しとの事(笑)
以下、セットリスト。
 
「はなのゆびきり」
「千本桜」
「ワールズエンドダンスホール」
 
みく16歳のオリジナルは「はなのゆびきり」。
残り二曲は結構、有名どころのカヴァー曲を入れてきました。
「ワールズエンドダンスホール」はお馴染みですね。いつもより早かったけど(笑)
今回、生脱ぎが無かった点だけはらしくなかったけど、ある意味、安定感は抜群のステージを披露。
こうしてみく16歳のステージは終了。
新生司会~ず・☆★朋★☆の目じりが下がっていたのは、言うまでもない……(笑)
 
・7位:まかべまお
前回と同ランクキープ。まおまおことまかべまお。
昨年上半期の主役も、今年はこの位置からのスタート。
さてそんなまかべまお、新年という事でこちらも桃色の着物姿で登場。
清楚な感じがしてかわいらしかったのだが……。
一曲目に「アイデンティティ」
彼女の楽曲の中でも一、二を争う激しい楽曲……まさか着物姿で「ランニングマン」をする彼女が観れるとは思わなかった(笑)
こうして一発目から激しくスタートした、まかべまおのステージ。
二曲目、三曲目は昨年12月発売のアルバム「MAGIC MOMENT」からの楽曲を披露となる。
共にこのイベントでは初披露の楽曲である。
二曲目に歌ったのは「Calling U」
某有名アプリゲームの作曲で乗りに乗っている、加藤浩義作曲の同曲。
これまでの彼女の楽曲には無いような作りで、クールでカッコいいナンバーである。
会場もクールな感じでタテにノリが良かった。
そしてこの日、ラスト三曲目にもってきたのは「Moon Drop」
デカシャツ喫茶を筆頭に、このイベントの出演者に数多くの楽曲提供をしている、おかやん。が作曲。
おかやん。独特のサウンドに、まかべまおのしなやかなで艶やかな歌声が印象的な同曲。
会場も彼女の歌声にしばし聴き惚れていました。
こうしてまかべまおのステージは終了。
新曲を惜しげも無く披露した今回のステージ。
まかべまお「反撃の狼煙」となるか……。
 
……ここまで7位まで発表した。
もうお気づきの方も多いと思うが、実は10~7位、前回と全く同じランキングである。
恐ろしい程変動が無い。
どこまでこの状態が続くのか……誰もが思った。
しかし……新生司会~ずの二人だけは違った。
 
「とんでもない事になっています……」
……その言葉の真意を、この後、客層は目の当りにする……。
 
・6位:大和撫子
前回から3ランクダウン。やまなでこと大和撫子。
前回3位からベスト3陥落。新年早々厳しい出だしとなった。
更に今回は大黒柱ともいえる、リーダー・牡丹が舞台稽古のため欠席。
大和撫子の正装ともいえる和服風の衣装に身を包み、芍薬、百合がステージに上がる。
二人でのステージ……果たして……。
まず一曲目にもってきたのが「devotion」
三人での大和撫子(またの名を「元祖大和撫子」)を象徴する同曲。
牡丹抜きでも「三人で戦う」という覚悟の現れだろうか!?
固定ファン層「チームやまなで」も二人のステージを盛り上げるため、最初から飛ばす。
これまでもメンバーが欠席して戦う場面は多々あった大和撫子。
牡丹がいないパターンはかなり珍しいが、それでも一人いなくても力量は落ちていない事を示すには十分すぎるスタートだった。
続いて二曲目「大和万華鏡」
元々、芍薬がセンターの楽曲で芍薬を中心に躍動。
牡丹の不在を感じさせない、ダイナミックなステージをここでも見せつけた。
そして三曲目は「大和魂」
翌週にBDライブが控えている、メンバー・楓の誕生日……と会場にいるであろう、1月生まれの方を中心に祝うという趣旨。
珍しい缶の日本酒を用意して、いざ楽曲スタート。
サビの部分では、毎度の事ながら、飲める客層の皆様が日本酒を飲み干す光景があちこちに広がっていた。
こうして大黒柱・牡丹不在の中、大和撫子のステージは終了。
次回、牡丹復帰時に向けて、少しでもいい順位につけたいが果たして……!?
 
・5位:デカシャツ喫茶
前回から4ランクダウンで連覇ならず。デカシャツ喫茶の二人。
前回優勝からここまで落ちたのは、多少驚きましたし、実際会場でも驚きの声が上がっていました。
そんな訳で一曲目「ふわり、ひらり。~sweet dream meories~」からスタート。
実は結構、久々に歌う同曲。
デカシャツ喫茶二人の優しいハーモニーが会場に響き渡る。
先程までの熱気から一転、優しい空気が曲が流れている間、会場には流れ続けていた……。
……そう曲の終盤、ヨツイミワが台無しにするまでは(笑)
どうしても彼女は口で伴奏の部分を言いたくなってしまう病らしい(笑)
それを苦笑いしながら見つめるシノンという構図は、今年も変わらず見れる機会が多そうである(笑)
ちなみに今回は5位という事で、5周年の際に売った「5周年」バッジ(大きく「5」と書かれた缶バッジ)をつけて登場。
これを物販で売るというのだから、転んでもただで起きない彼女たちのポジティブさが垣間見える。
二曲目は初めて歌うカヴァー曲という事で「My VOICE」(ファンキー加藤)
これまでに歌った事が無い系統の楽曲に挑戦したという感じ。
元歌は男性ヴォーカルですが、女性ヴォーカルデュオらしい美しいハーモニーがとても印象的な出来でした。
そしてラストは「before daybreak」
重要な場面では必ずと言っていいほど、歌われてきた彼女たちの代表曲。
楽曲の良さは色あせる事無く、安定の盛り上がりを見せてくれました。
こうしてデカシャツ喫茶のステージは終了。
2016年もあくまでありのまま、無欲のまま、彼女たちは我が道を突き進む……はず(笑)
 
……という事で上位常連の2組が早々に登場……。
そしてこの時点で優勝経験者は全組出て……この後の出場者は全員、優勝未経験者……。
 
……そう、この時点で「初優勝」が確定したのである……。
 
新年早々、予想外の展開にざわめく会場……。
そして続いて発表される4位は、5位とわずか1点差……。
そんな5位との接戦をわずかに制したのは……。
 
・4位:MicA
前回から1ランクアップ。みかぽことMicA。
前回は「勝負を賭ける」と言っていたものの、1ランクアップ止まり。
彼女の心中は如何に……。
この日の衣装はノースリーブかつへそ出しの着物をイメージしたような衣装。
最近、彼女の衣装は程よく露出があって、健康的な色気を感じる。
さていきなり一曲目「☆RunRunWay☆」からスタートする。
楽曲の盛り上がるサビを経て1番が終わったところで……曲調が徐々に変わり、気が付いたら「HappyTimeGo!Go!」に!?
「HappyTimeGo!Go!」の2番から最後まで歌い終えて、ここは終了。
「☆RunRunWay☆」と「HappyTimeGo!Go!」……共に作曲がHIDEKIの楽曲。
……という事でここはHIDEKIメドレーだったとの事でした。
MCを挟んで次に歌ったのは新曲「ここにいるよ」
これまでの彼女に無いような壮大な感じの楽曲である……がこれも1番の途中から曲が転換。
気が付いたら「CRAWL」になっていた。
まるで正反対のような曲調であるが、この二曲もワッキーこと綿貫佳明が作曲した楽曲である。
次から次へと出て来る、MicAの新曲、既存曲……例えるならおもちゃ箱を開けたようなドキドキ感と、詰め合わせ感が満載である。
そんなステージもいよいよ終盤。
続いて歌ったのは、昨年11月、このイベントで初披露した「DiamondDust」
北の大地の冬を連想させる……だけどどこか少し切ない曲調である……。
そこから一気に夏の南の空へ……最後に歌ったのは「ミナミゾラ、ウチアゲハナビ」
……最後はおかやん。作曲の二曲のメドレーで締めに入った。
全く季節も、向かっている方角も真逆の二曲……それを作り上げたおかやん。の作曲センスの良さがあらためて再認識されるメドレーとなりました。
こうしてHIDEKI、綿貫佳明、おかやん。と三人の楽曲をメドレーにして繋げたMicAのステージは終了。
彼女の歌っている楽曲の豪華さ、素晴らしさ……そして真髄が凝縮された贅沢な15分間でした。
 
……残るはいよいよベスト3。
誰もが驚く展開になった「ぢゃ☆ベストテン vol.48」……制したのは一体誰か……。
まず3位に読み上げられたのは……。
 
・3位:石戸なつみ
前回から3ランクアップ。なーここと石戸なつみ。
自己最高位の3位につけ、ベスト3復帰となった。
黒いTシャツにスカートという、至ってシンプルな衣装で登場した石戸なつみ。
それでもステージに立った第一声は……「江織杏に負けて、悔しいです」(笑)
同事務所の同僚をライバル視する彼女にとって、江織杏との勝負は重要事項。
しかしこの日はそんな彼女も心なしか、そこまで悔しさを露わにしていないように見えたが……果たして心中はいかに?
そんな石戸なつみ、この日もMC無しで一気に畳み込む!
一曲目「Summer Story」からステージはスタート。
この日、東京は寒い日だったが、どこか初夏を感じさせる爽やかな歌声が、客層の心を熱く照らした。
続いて二曲目「Meteor Light」
最近、聴く機会が増えつつある石戸なつみ屈指の上げ曲。
この楽曲における一体感、躍動感は突き抜ける感じがして、「Summer Story」とは違った爽快感がある。
三曲目「トライアングル」
シンセサイザーの洗練された鋭い音域が響き渡る。
彼女の基本線とするロック調とはまた違ったテクノポップな曲調だが、それを彼女ならではの熱い歌唱力が融合して、一つのデジタルとアナログの融合が成り立っている。
そしてラスト「暁契」
まさに熱い魂の叫び……彼女の真骨頂がこの楽曲に詰まっている。
これぞロック!これぞ石戸なつみ!
……まさに彼女の今、ここにある最高が凝縮されていた。
曲間に少しコメントを挟む以外は、とにかく有無を言わさず、楽曲を畳み込み、そして叩き込む。
いかにも彼女らしいステージとなった。
会場を埋め尽くす、石戸なつみの固定ファン層のオレンジ色のTシャツが、まるで会場を包み込む熱い炎のように群がっていた……。
下手な言葉はいらない。ただ自分の歌とステージを観て感じて欲しいというのが、この日の彼女だった。
こうして石戸なつみのステージは終了。
彼女が視線の先に見据える未来は……果たしてどこに向かっているのか!?
 
そして上位2組。
果たして先に読み上げられたのは……。
 
・2位:桑名美沙子
前回から同ランクキープ。美沙っちぃこと桑名美沙子。
……今回も2位。これで通算4回目の2位。
今回もあと一歩……あと一歩が届かなかった……。
だがそんな桑名美沙子、この日は白いワンピースにカーディガン、髪にはイメージカラーの緑の葉の髪飾りをつけて静かに登場……。
一曲目「infection」(鬼束ちひろ)からスタートする……。
以前にも鬼束ちひろをカヴァーした事のある彼女だが、一曲目からいきなり鬼気迫る感じの歌唱力を前面に出してきた。
楽曲としてはバラードの類に入る。
しかしその歌声は非常に力がこもっており……石戸なつみの激しさとは違った、また何か訴えかけるものがあった。
正直……いつもより喉のコンディションが悪いのは、これまでの彼女を観てきた者なら分かる状況だった。
だが彼女の歌には、そういうコンディション的なものと何か違った迫力じみたものを感じるのも、また事実で……。
こうして一曲目から自身の歌唱力で会場を引き込んだ、桑名美沙子。
このイベントでも屈指の歌唱力を誇る「歌姫」としての実力を見せ付けた感がある。
MCで話す姿はまるで別人のような、優しい笑顔を見せる桑名美沙子……その表情は歌っている時とはまるで別人。
このギャップを見ていると、彼女が歌一つで勝負しているというのを感じる。
二曲目は「明日も一緒♪」
こちらは一曲目と違って、非常に明るい曲調のオリジナル楽曲。
爽やかな彼女の清々しさが前面に押し出されている。
あまりに一曲目とは対照的な楽曲であるが、難なく歌いこなすあたり実力者というのが見て取れる。
三曲目「未来-ミライ-」(福原美穂)
数年前、某CMソングとして歌われていた楽曲。「明日も一緒♪」と同じ系統の爽やかな楽曲が続く。
イベントも終盤で会場の空気も薄い中で、彼女の奏でる歌声が会場を優しく、そして大きく包み込む。
こうして優しい歌声が二曲続いて、いつもの告知MCを挟み、いよいよラスト。
ラストに持ってきたのは「希望の剣」
桑名美沙子の代表曲にして、彼女の一番激しい一面を見せる楽曲。
会場のボルテージもここで一気にクライマックスまで上がっていく。
前述のように喉のコンディションは良くない。
しかし歌に思いを乗せて届ける術においては、このイベントでも一、二を争う実力者になりつつある。
20分のステージを観終えて、背筋が震える感覚を覚えたのは、きっと気のせいじゃないだろう……。
こうして「歌姫」桑名美沙子のステージは終了。
2位から抜け出す日は近いのか……頂点はすぐそこまで彼女を待っている……。
 
……こうして強烈な個性を持った出演者が続々出てきて、最後は今回初の優勝を飾る出演者を残すのみとなった。
この時、新生司会~ずの二人が初優勝の彼女のステージを飛行機のフライトに見立てて紹介した。
……そうこれから、客層が乗る、その飛行機の名は……
 
「エオリズエアライン」
 
・1位:江織杏
前回から3ランクアップで初優勝……えおりんこと江織杏。
「ぢゃ☆ベストテン」に出場して一年半……遂に初優勝を飾りました!
この日は黒を基調とした衣装で、どこかクールでロックな感じで登場した江織杏。
一曲目「桜月譚」からステージは始まる。
彼女のデビュー曲にして、長く客層に愛されている同曲。
この楽曲から……彼女のこのイベントの挑戦は始まった事を考えると、この初優勝のステージ、この楽曲で始まるしかない!
江織杏の固定ファン層のみならず、その場に居た全ての客層が彼女の初優勝を祝うように大いに盛り上がる。
こうして「桜月譚」が終わると、そのままの流れで二曲目「Sadness」
非常にクールでカッコイイ彼女がそこには居た。
普段見せるあどけない表情からは想像できないくらい激しい姿を見せた。
ここでMC。まずは簡単に優勝の喜びを語る。
しかし彼女自身、優勝自体が驚き過ぎて、何を語っていいのか分からない印象があった(笑)
続いて三曲目「EL MUNDO」と続いていく。
前二曲とは違った感じのロックバラード。
江織杏のどこか伸びやかな声がどこまでも優しく、だけど切々と響き渡る。
本当に素晴らしい一曲だった。
ここで再びMC。
先程と違い、優勝した事について切々と語る江織杏。
その大きな目は潤んでいて、今にも涙が零れ落ちそうに見えた。
きっとこれまでの彼女なら、すぐにでも泣き出してしまう……それくらい泣き上戸だし、素直な感情の持ち主だと認識している。
だけどこの日の彼女は少し違った。
目は潤んでいたが、今回の初優勝をしっかり噛み締めて、このように語った。
 
「人生の中で一番って、何度獲れただろう」
 
……そんな趣旨の言葉。
彼女自身、一番を獲った事も、また狙った事もこれまで少ない人生だったと語る。
しかし自分自身が大切に活動してきた音楽の中で獲れた一番……この優勝を誇りにしていきたい。大切にしていきたい……。
 
上記のような趣旨の事を語っていました。(実際はもうちょっと違うかもしれないけど) 
初優勝の重みに潰されるのではなく、ただ無邪気に喜ぶだけでもなく、しっかりといただいた結果を受け止めて、噛み締めている……。
彼女の瞳は……涙が零れ落ちるのではなく、希望に満ちた輝きが宿っていました。
そんな彼女のステージも終盤。
四曲目は「白黒戦士パンダマン」
とても明るくて、楽しい彼女らしさがぎゅっと詰まった一曲。
会場もパンダマンのリズムに合わせて大いに盛り上がった。
そしてラストは「スプートニク2号」
江織杏の優しくも、ひたむきな歌詞が、そして歌声が会場を一つに包み込んでいく……。
まさにこの光景は……「ぢゃ☆ベストテン」14代目王者が誕生したその瞬間を皆で祝うものだった。
こうして江織杏にとって初めての優勝のステージは終了……。
 
東高円寺の地で江織杏は……その日、誰よりも輝いた!
 
 
 
こうして飛行機から客層が降りた体で(笑)ステージ終了の挨拶を司会~ずが案内し、欠席したMINO+を除く全10組のステージは終わった。
そしてすぐさま投票タイムに突入。
投票時間、今回のランキングのデータ、告知を経て物販タイムへ移行となった。
これまでの会場と違い、ブルーシートではなく普通のテーブルで物販が行われる、東高円寺ロサンゼルスクラブ。
 
和やかなムードがしばらく続いた後……暗転する会場。
映画「ジョ○ズ」のBGMが流れ……あの時間がやって参りました。
 
●脱落者発表
 
新生司会~ずの第一声は「とんでもない事が起きました!」
 
ただでさえ波乱の展開だった、この日の「ぢゃ☆ベストテン」これ以上何が起きるのか!?
 
固唾を飲んで迎えた、脱落発表……名前が読み上げられたのは……。
 
・みく16歳
 
……これで自身二度目の脱落の憂き目に遭ってしまったみく16歳。
彼女たちもショックだったが、それ以上にショックを受けたのが、新生司会~ずの☆★朋★☆……。
 
「もう私、ショックだから、司会を卒業します」(爆)
……と、メチャクチャ私情だしまくりで爆弾発言。
恐らく☆★朋★☆の卒業は冗談であるが……だが☆★朋★☆がショックを受ける気持ちも分からないでもない……。
 
こうしてみく16歳二度目の脱落と、☆★朋★☆の続投問題(?)を抱え、2016年開幕戦「ぢゃ☆ベストテン vol.48」は幕を閉じました……。
 
●総括
 
2016年一発目から大波乱。
ソロの歌い手が上位を席捲するという事態になりました。
昨今、このイベントにおいては、昼はソロの出演者が勝ちあがる傾向はありましたが、いよいよ夜にもその波は本格的に波及してきた……のでしょうか。
 
まず初優勝の江織杏。見事な初戴冠のステージでした。
昨年10月のワンマン、アルバムレコ発以降、うまくこの流れに乗って優勝を掻っ攫った感はあります。
それでも現在の出演者の中では比較的、このイベント及び業界でのキャリアは浅い方なので、もう少し時間はかかると思っていましたが……。
セットリストを見ていると、昨年10月発売のアルバム「Planet」の楽曲を中心に今は粒ぞろいの印象。
実は前回も歌った「桜月譚」「Sadness」「スプートニク2号」……「桜月譚」はデビュー曲なので元々代表曲ですが、それ以外の楽曲も「これぞえおりん!」という楽曲が多く、どこから入っても安定したステージが計算できるのが強み。
他にも「エオリズエアライン」「パイレーツ・オブ・エオリアン」などシングルA面の楽曲も多くあり、組めるセットリストのバリエーションはかなり増えています。
また「EL MUNDO」のようなバラードもあり、セットリストに色んな味付けが出来ている印象があります。
何より彼女が凄いのは、ほぼほぼオリジナルのみでここまで、このイベントにおいて戦っている事。
各出演者見ていると(是非は別にして)どこかでカヴァーを交えてくる人がいるのですが、彼女はほとんどそれが無い。
そういう意味では「意外性」という変化球が投げられない中、ほぼ自分の持ち味であるオリジナルという「直球」勝負に徹して、しかもそれで今回優勝しているのは驚嘆の一言です。
ただ逆に言うと、カヴァーや意外な演出は無くても、オリジナル楽曲を極めていけば、オリジナリティ一本で勝負できる!……という好例だと思います。
もっともそれを補う意味では無いのでしょうが、昨今は衣装のバリエーションが非常に充実しており、より彼女のオリジナリティ確立を助けていると感じます。
でもそれよりも今回、非常に感心したのはMCでのコメント……。
 
「人生の中で一番って、何度獲れただろう」
 
この言葉を投げかけられて、ふと思いました。
彼女の言うとおり、人生においてどんな物事においても一番を獲れる機会って、恐らくあまり無いと思います。
そういう意味では、非常に深く考えさせられた一言であり、また彼女自身、今回の優勝を非常にしっかり噛み締めた上で受け止めているという印象を受けました。
優勝をして浮かれる訳でもなく、また重圧に感じるのではなく……自らの実力と、そして応援してくれたファン層と共に獲った優勝をしっかり受け止めていたように思います。
彼女自身が優勝した事実とその意味を、自分なりに咀嚼して受け容れている印象を受けました。
今回の彼女のMCは、恐らくイベント史でも屈指の名MCだったし、またこのMCを聞いて、彼女が優勝した事を誰もが納得したのではないでしょうか。
本当にいいステージを見せてくれました。
改めておめでとう……「ぢゃ☆ベストテン」14代目王者・江織杏。
 
続いて2位の桑名美沙子。
これで通算4回目の2位……彼女の場合は江織杏とは逆に優勝の二文字がとにかく遠い印象を受けます。
これまで3回の2位は全てデカシャツ喫茶が優勝した時のもの。
そのデカシャツ喫茶を今回はしっかり上回ったのに……2位止まりだったのは、まさに残念、無念。
とにかく彼女の場合、歌唱力においてはこのイベントにおいて唯一無二の物を持っており、その実力は誰も疑いようの無い事実。
ここまで来ると何故、彼女が優勝出来ないのか……それが不思議でならない一面もあったりする。
ただ強いて挙げるなら、セットリスト。
江織杏、また優勝する前のデカシャツ喫茶がオリジナルのみで勝負しているのに対して、彼女の場合、必ずと言っていいほどカヴァーを交えてくる。
三曲の時は一曲、四曲の時は二曲など、今、このイベントに出演している出演者の中でも比重は高めである。
実力的な面では「歌」という絶対的な武器があるが、それに頼るが故の弊害……オリジナリティーが比例して弱くなってしまうのでは無いだろうか。
桑名美沙子のオリジナルの楽曲の数は確かに、このイベントの出演者の中では少ない部類に入る。
しかしオリジナルだけでセットリストを構成は出来るだけの楽曲数はある。
恐らく桑名美沙子の数少ないいただけないところは、まさにここ。
 
何故、勝負どころで自分自身のオリジナルに徹しないのか?
 
今回のセットリスト。彼女の歌唱力を堪能する意味でも非常にいいセットリストなのは間違いない。
しかし「歌が上手い桑名美沙子」はこのイベントに毎回足を運んでいる者なら誰もが知っている。
恐らく客層が求めているのは、ただ「歌が上手い」彼女ではなく、彼女の見せる世界観とかそういうものだと思う次第。
果たして今回のセットリストで、次回優勝出来ているのか……。
出来ていれば、それは彼女の「歌」が認められたという意味ではいい事かも知れないですが、今回の彼女にどこまで彼女ならではの「色」があったか……それは見ていて疑問に思いました。
上位に安定しているうちに、彼女が自分自身の「歌」以外の訴えるところを見出さないと、再び中位、下位に落ち込んでしまう危険性は孕んでいると感じました。
もう何度も彼女に関しては「ここが正念場」という言葉を使ったと思うが、この流れで優勝を取れないとこのまま沈む可能性もある。
いかにして今の地位を安定しつつ、そして更に上を狙うか……これからの戦い方に注目したいと思います。
 
そして3位の石戸なつみ。
彼女も今回が通算3回目の3位。しかし桑名美沙子と比べると今後の展望が明るく見える。
彼女の場合、カヴァーを交える事は稀にあるが、昨今はオリジナル中心のセットリストを組んでいる。
それも新旧ほど良く混じっており、古くからのファンも、最近のファンも万遍なく楽しめるバランスの良さが売りだと思う。
また今回のようにMC無しの構成でまとめ、勢いと熱さで客層を巻き込むステージを得意としている。
昨年後半からよりその傾向が顕著になり、実際、スタイルが固まり始めてから、中位~上位に少しずつ高い位置での安定が見られるようになりました。
今回の3位もまさにそれだと思います。
また彼女自身、2月にワンマンライブが控えており、そこで新曲などを収録したアルバムが出る話も聞きます。
これまで以上にオリジナルという楽曲という、彼女にとって最大の武器が増えるので、今年中盤以降に勢いをつけるのに絶好の機会が訪れつつあります。
同僚である江織杏に初優勝を越されたのは、若干、悔しかったかもしれません。現に毎回のようにそれは言っています。
しかし一方で、今回の彼女の発言には、どこか嬉しさに似たような印象を受けたのも事実。
自分にとって最大のライバルが初優勝を飾った事に対する祝福の気持ち……そして次は自分が優勝するという前向きな気持ち……悔しさ以上に、今、彼女の中には熱いものがたぎっているのではないでしょうか。
競う相手が高い次元にいる事によって、高い次元で切磋琢磨されていく……それが大いなる成長に繋がる事も多々あります。
石戸なつみにとって、今回の3位、そして江織杏の初優勝は自身のテンションを上げるのに、これ以上ない材料だったでしょう。
江織杏に続け……いえ、彼女からすれば江織杏を追い越せ!
その気持ちでこれからも挑み続けて欲しいと願います。
 
以下、ベスト3以下の出演者も簡単に見て行きますと……。
4位のMicA。一言で言えば歯車が噛み合っていない。
前回は新曲まで出して勝負を賭けた……ものの、1ランクアップに留まる結果。優勝を目指していた本人は非常に悔しかったと思います。
しかしこれが正直な客層の思いなのでしょう。
「優勝を賭ける」=それに値しない場合は、容赦なく切り捨てられるとも言えます。
恐らく評価した客層も多かったでしょう。でもそれ以上に(少なくとも)優勝という結果を与えられるほどの評価ではないと断じた方も多かったように思います。
そんな中で今回の作曲家ごとに区切るメドレー。
斬新な構成で目新しさは引きましたし、彼女があの手、この手で工夫して、本気で優勝を狙っているのも良く分かるステージでした。
もちろんこれが評価されて優勝ないし、久々のベスト3圏内に入れれば御の字なのですが……。
もし今回の構成でベスト3に入れなかった場合は、少し彼女自身、立ち止まった方がいいかもしれません。
少し優勝にこだわり過ぎて、闇雲に物事を考えている感が強いように見えます。
このイベント、順位がつく以上、どうしても結果は出ますが、結果だけに振り回されて、本来の自分を見失っては本末転倒とも言えます。
5位とは1点差とは言え、今回4位に入れた訳です。
今一度、4位という結果を受け容れ、心を落ち着かせて前を見据えて欲しいと思います。
 
5位のデカシャツ喫茶。無欲な一面が今回は悪い方向に出たか……。
前述のMicAと違って、いつでもどこでも自然体のデカシャツ喫茶。それはそれでいいんです。
今回のセットリストもどこからしさを感じる内容でしたし、そのあたりブレないのは流石だと思います。
ただあまりにも欲とかが無さ過ぎて、今回は順位を落としてしまった感じがあります。
これはデカシャツ喫茶の二人の特性上、どうしようも無い部分ではあるのですが、勿体無さ、物足りなさを感じる事も多少……。
100%とは言わないまでも客層の期待を感じて、ステージが披露できるようになれば、これからも彼女たちは進化するように思います。
どんな順位でも受け容れられる姿勢はいいので、また次回以降、高い順位でのステージを期待したいものです。
 
6位、大和撫子。大黒柱の存在の大きさを再認識。
まず誤解なきよう言うと、決して今回の芍薬、百合の出来が悪かったわけではない。
むしろ二人の時でもしっかりステージをこなす部分については高いプロ意識に驚かされています。
その上で今回のステージ。牡丹がいない事による物足りなさと、また牡丹がいたらどうなるんだろうという期待感の両方を客層に抱かせています。
それだけ不在時にも、その存在感を客層に感じさせる牡丹の普段のリーダーシップ、大黒柱としての凄さを感じる次第です。
もっともそれを引き出す芍薬、百合の実力、固定ファン層「チームやまなで」の共にステージを作り上げようとする気概がそこにあって成り立つ物なのですが。
次回、牡丹が戻った時、彼女たちのポジションはどうなっているのか。乞うご期待。
 
7位、まかべまお。追撃態勢が整ったように見えたステージでした。
新春で着物という点を除けば、いつもの彼女そのもの。
新アルバム「MAGIC MOMENT」から惜しげもなく二曲立て続けに披露した点は評価。
正直「出すならここ!」という絶好のタイミングで、このイベント初披露の楽曲を披露したのは大きい。
恐らく昨年の三連覇で勝ち方というか、勝負所が判断出来るようになった……そういう物がどこかで染み付いたのかも知れません。
ここで一気に上位進出を狙って、返り咲きが出来れば一番の理想。
その可能性は十分感じましたし、この日の彼女が出来るステージの中では、最高の選択肢をしたステージだったのではないかと思いました。
恐らく今回の出演者の中で、一番、次回の順位が楽しみな出演者になりました。
 
ここで少し間を飛ばして10位のBevitrice e Goloso。コントがすっかり定着しましたね(笑)
もっともコント形式のステージを初披露したのは昨年11月が初でしたが、前回も評判だったコント形式を継続したのは正解に思います。
どうしてもオリジナルが一曲しかない現状。カヴァーを交えた勝負になる訳ですが、それをただ歌っただけじゃ芸が無い。
どのようにして楽曲を繋いで、またそれを面白おかしく紹介できるか……という、彼らなりの試行錯誤と覚悟が見て取れます。
順位は伸びなかったけど、今回も残っている事だし、認めてくれている客層がいるのも確か。
このイベントにも半年は残った事で、もうそろそろただの「出演者と元推し」という色眼鏡で見られる時期も終わりつつある。
ある意味、これからが勝負……ですが、あまり気負わず頑張って欲しいと願います。
 
昇格組のりゅうきいずむ。「神楽坂の妖精」は健在か……。
今回のステージを観終えた時の所感がそれ。
彼女にしては「らしくない」Ma:rchen-holic*のセルフカヴァー。「箱庭」は主に古い客層に自分の存在を訴えかけている……そう思います。(現にMCでも、そのような事を言っていましたし)
最近、あまり例を見ないソロでMa:rchen-holic*の楽曲を引っ張り出してでも、りゅうきいずむが「帰ってきた」印象を植え付けるために、どうしてもこの曲が必要だった……。
それをわざわざしたのは、彼女自身、無念の脱落をしたMa:rchen-holic*のある意味リベンジを果たしたいという、彼女なりの決意だったのではないか……と捉える次第です。
もっとも彼女の性格上、そこまでリベンジとかの気持ちは無いのかも知れませんが、Ma:rchen-holic*の魂をどこかで感じて欲しいという願いはあったのかも知れません。
ただそれ以外についてはソロのオリジナル……自身が標榜した「鬱ぽっぷ」というジャンルで終始一貫していました。
ソロでこの舞台を戦い抜くと決めたりゅうきいずむですが「箱庭」を含めた、この日のステージは彼女なりの新年の……復帰のご挨拶だったのかも知れません。
 
そして今回8位で通算二度目の脱落となったみく16歳。
まずは一声かけるなら「お疲れ様」という言葉になります。
一昨年11月にも一度脱落しているものの、長きに渡りこのイベントで楽しませてくれた事については一客として感謝の言葉しか浮かびません。
昨今は(自分が一方的にですが)このイベントが誇る「セクシー番長」として、このイベントに欠かせない存在として機能していたと思います。
ただ今回の脱落、前回の脱落と意味合いが違ってくると思います。
前回はどちらかというと交通事故的な意味合いが非常に強いものでしたが、今回の脱落はこのイベントにおける流れ……言ってしまえば需要の観点から厳しかったのかと思います。
確かに「セクシー番長」として特に視覚的な面においては我々を楽しませてくれたのは確かですが、このイベント全体が現在、歌い手中心の市場に移行しているのも大きいかと。
古くはFICE、noisyなど、歌っているステージだけではなく、そのステージがエンターテイメントそのものだった出演者が居た時代でした。
Bevitrice e GolosoがFICEのコント路線、りゅうきいずむが(Ma:rchen-holic*時代を踏襲するなら)物語を作り上げる路線としては存在はするものの、楽曲の良さ、それに伴う歌唱力で勝負する出演者がほとんどになってます。
そういう意味ではみく16歳のスタンスは非常に異例。
「中の人」はいますが一切の肉声を発さず、ステージの上で舞い、魅せるスタイル……このイベントのみならず業界全体を見渡しても、結構独特でした。
残念ながら今回の脱落は、そのスタイルが今、このイベントでは求められていないという、客層の心理が諸に出てしまった感はあります。
一方、みく16歳も昨年一年間は非常に苦戦していたのは、数字を見るに明らか。復帰後は7→9→8→8……と下位を移行。
しかし厳しい言い方をしてしまえば、昨年のうちに下位安定を打開する案や、ステージが浮かばなかったのが、今回の脱落の遠因だと思います。
セットリストもやや固定化の傾向もあったし、言ってしまえば「いつものステージを、いつも通り魅せる」に徹したのが良くなかったかも知れません。
もちろんクオリティを落とさず、続ける事も確かに素晴らしいのですが……今の客層はそれだけで満足するほど、甘くなかったという事になるかも知れません。
イベント全体の流れが彼女たちに味方しなかったとは言え、今回の脱落……もしかしたら必然だったのかな……と、今なら思ってしまいます。
 
ただこのまま終わるにはあまりにも勿体無い逸材なのは確か。
正直、このイベントでやり尽くしたかというと、まだ出し切れて居ないものもあるのではないか……そうにも感じます。
まずはこれまで通算21回の出場、出場機会を一度も休む事なく出演し続けてくれた事に感謝しつつ、これからの彼女たちの更なる進化を期待しています。
願わくば再挑戦を一イベントファンとしては待ちたいところですが……ただ今回は慌てず、少し間を空けてもいいような気もします。
また彼女たちが求められる場面が訪れると思うので、その時はまた大暴れして欲しいと願っています。
 
それにしても、みく16歳……二回の脱落が共に欠席の出演者がいた時というのは、どうにもめぐり合わせが悪い気もする。
彼女たちも決して油断している訳じゃないんでしょうけど、ちょっとかわいそうな一面はあると感じます。
 
そういう意味で今回9位で、またまたまた欠席して残っているMINO+……。
初回に獲った点数が9位にしては高く、それでもこのイベント独自の計算式で徐々に点数が減っているとは言え今回も残留。
まぁ現行ルール上は問題は無いのですが……一客としては、出来れば彼女たちに出演はして欲しいと思います。
でもそれがもう難しいのであれば、卒業していいと思う部分もあったりします。
本当はもう少し言いたい部分があるのですが、前回も長々と語った経緯があるので、これくらいにしておきます。
 
 
 
……という事で、今回も色々ありましたが、江織杏の初優勝で終わった今回。
優勝経験が無いの出演者が軒並み上位に並び、2016年早々、新たな息吹を感じる結果となりました。
一方でこれまで優勝争いの常連だった大和撫子、デカシャツ喫茶らはこれから巻き返す事は出来るのか……。
下位を見てもまかべまおの動きも気になるし、Bevitrice e Goloso、りゅうきいずむも虎視眈々と上を目指している……。
 
次回以降もしばらく先が見えない展開になりそうですが、次回3月も東高円寺ロサンゼルスクラブでの代替開催は決定。
このイベントも49回目を数える事になりますが……そろそろ俄かに「50」という数字も気になり始めるか……。
 
次回、2016年3月19日。
 
「ぢゃ☆ベストテン vol.49」
 
東高円寺に春の嵐が巻き起こる!