【舞台観賞】「ウイルス・ミス」(乱痴気STARTER) | ヒトデ大石のなんとなくレポート置場

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2011年8月「ヒトデ大石のどんなブログにしようか検討中。」からタイトル変更。
ライブイベント、舞台観劇のレポートを中心に書いていこうというブログ。
以前はmixiが主戦場だったけど、今はこっちが主戦場(笑)

※この公演は10/7~13に行われたもので既に終了しています。

10月に入って急に冷え込んだりしていますが、皆様はお変わりないでしょうか?
自分は6月の火事の一件で、実は冬物の服を多く紛失しており、未だ準備していないのに気づき戦々恐々する日々……早いところ買わないと後がつらい(汗)

さてそんな昨今ですが、今月も舞台を早速一本、観に行きました。
……と言っても、10月は今のところ、これ一本の予定ですが。

観に行ったのは「ウイルス・ミス」
主宰団体は乱痴気STARTERなる団体です。

さてどんな作品か……の前に乱痴気STARTERについて軽く説明。
2008年、主宰・山元彩により旗揚げ。
年に数回のペースで主宰公演を続け、今回で記念すべき10回目の公演となる。

ちなみに今回は「ウイルス・ミス」と、もう一作「仮面サイバーV3」とダブル公演。
どちらも実は前作があるのだが、今回自分が観劇した「ウイルス・ミス」の前作は「ブルース・ウイルス」(笑)
……タイトルでふざけているなぁ(爆)
そんな事言ったら「仮面サイバーV3」なんて(以下略)

……とまぁ既にタイトルの時点で、変な方向での期待感は満載だった。
ぶっちゃけ観る前までは、これはホームランか三振の両極端の作品になるんじゃないか……そんな事思った。

……それでは実際どうだったのか。
ここからはあらすじ交えながら、お話するといたしましょう。
会場は阿佐ヶ谷のシアターシャイン。
今年の夏も訪れた、やや小さめの劇場を舞台に、所狭しと出演者が躍動する……。


簡単なあらすじ……。

その戦いはいつ終わるのか分からないまま続いていた。

歴戦の戦士・ライノ(國崎馨・以下敬称略)は仲間のサーズ(塚越麻帆)、エコー(田端美保)と共に戦っていた。
次々と倒れる仲間たち。
そして次々と襲ってくる敵たち。
これまでに無く苦戦を強いられるライノたち。
しかしここで負ける訳にはいかなかった……。

そう……感染して「風邪」をひかせるまでは……!

これは風邪のウイルスたちと、人体を守る細胞たちの熱き攻防!
終わり無き戦いの記録!

2013年秋……今、健太君(5歳)の体の中で、熱いドラマが動き出そうとしている……!


……つまり子供が風邪をひく過程を、ドラマに仕立て上げている訳です(笑)
言葉を選ばず言うのであれば……

題材がすっげーくだらない(笑)

しかしただの風邪を、とても壮大な一つのドラマに仕立て上げている訳です。
だけど台詞の端々でどうしても笑ってしまいます。
すっごい真剣な顔をして、苦悶の表情を浮かべているにも関わらず、我々普通の人間にとってみれば「そんな事で悩まなくたって」とか思うレベルなんです(笑)

例えば細胞側なら、細胞の活動を活発にするには熱を上げないといけない。でもそうすると健太君の体が~!とか(笑)

正直、体調が悪くない時に見れば、たかが風邪の事で凄い大げさです。
風邪にかかったら、まるで世界が終わるくらいの一大事で物語は描かれています(笑)

だけどそんな風邪の物語を出演者の「これでもか!」という熱演の数々が際立たせています。
我々観ている側は9割方、大爆笑で観ているのですが、舞台の上で戦ったりしている出演者、至って目が真剣です!(爆)
だからこそ笑える場面では全力で爆笑出来るのです。
またこの手の舞台、最初のうちは笑いを取っておいて、終盤にかけて感動のシーンで盛り上げる……という手法が殆どですが、確かにそれはあった事にはあった。
だけどそれ以上に出演者の熱演で、笑いと真剣な演技そのものに引き込まれて、お涙頂戴の感動ではなく、突き抜ける爽快感に近い感動がありました。
この点については、出演者の皆様を褒めるべきところです。

また舞台におけるアニメなどのパロディーが多かったのも面白かった。
簡単に言えば、敵役の元ネタは非常に分かりやすい(笑)
古くはガン○ム、最近のだと進○の巨人とか。
あ、台詞だけならジョ○ョの某大佐をパクったのもあったなぁ(笑)
終盤の某キャラは、完全にバッ○マンのジョー○ーだったし(笑)

まぁそんな大ネタ、小ネタ、大雑把に混ぜ合わせて、健康優良児の5歳児が風邪(厳密にはおたふく風邪)を引く過程を、とても分かりやすくドラマチックに一つの物語に仕立て上げました。
そんな作品(笑)


さて気になった出演者でも……。

まず真っ先に挙げるなら今回の最大のライバル役にして陰の立役者、サイトカインを演じたMafty氏ですかね。
ぶっちゃけ裏の主人公と言っても過言ではないポジションでしたね。
まぁ脚本の都合上、色んなキャラをパクるので(笑)それだけでも大変だったでしょう(笑)
男性陣の中ではピカイチの存在感でした。

続いて挙げるならムンプスを演じた、主宰・山元彩嬢。
彼女はおたふく風邪のウイルスなんだけど、田舎っぺ丸出しの挙動不審っぷりが最高だった(笑)
よーく顔を拝見するときれいな方なんだけど、どうしてあんなにブサイクになれるんだろう(失礼)

基本、女性陣は揃いも揃って美女が揃っていました。
個人的にはエコーを演じた田端美保嬢はかなり好み(笑)
しかしまぁ美人揃いなのに、個性派ばかりなんで、ある意味濃かったですなぁ(笑)
女性陣で濃かったんで、男性陣はもっと……(笑)

さて最後にお目当ての國崎馨嬢。
今回は主役ですよ!主役!
多分、今まで観た馨嬢の中で一番カッコ良かったですよ。
まさに戦士というか、戦うために生まれてきた……全編渡って熱く、熱く演じてくれました。
……ウイルスなんだけどね(笑)
ちなみに劇中歌「風邪の歌」も良かった(笑)
どうやら物販で売っていたみたいだけど買いそびれたのだけが残念!
だけど彼女が人間を演じているのを観た事が無い気がするなぁ(笑)
次はどんな演技を見せてくれるのか楽しみです。


そんな感じで大爆笑と、ためになる風邪の話(笑)
上演時間は約1時間半。
まさに短時間で突き抜けていった感じでした。

今年観た中では、ダントツに吹っ切れた良作でした。