【舞台観賞】「ウェルカム・ホーム」(天才劇団バカバッカ) | ヒトデ大石のなんとなくレポート置場

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2011年8月「ヒトデ大石のどんなブログにしようか検討中。」からタイトル変更。
ライブイベント、舞台観劇のレポートを中心に書いていこうというブログ。
以前はmixiが主戦場だったけど、今はこっちが主戦場(笑)

4月も中旬。すっかり桜も散って、これから暖かく……なるはずが、最近、ちょっと寒かったりして(汗)
でもちょっと前までは本当に寒くて、寒くて、人と人との温もりが恋しかったり、そんな時期ありませんか?

私事ですが、一人暮らしを始めてもうすぐ2年経ちます。
普段は気楽にのんびり過ごしていますが、実家にいた頃とは違いなんでも一人でやらないといけない生活。
ふとした拍子に家族がいる事の有り難さや、家族って暖かいものなんだな……と感じる機会もぼちぼちあります。

そんな訳で今回はそんな家族の暖かさを感じたい人にピッタリの舞台を観てきました。
タイトルはずばり「ウェルカム・ホーム」
劇団は昨年12月もお伺いした天才劇団バカバッカ。

一言で言えば、ジャイアンが主役の劇団(笑)

……そんな訳でお伺いしたのは、中野にあるテアトルBONBON。
立地的には、既に何度かお伺いしている中野MOMOのお隣。

まぁこの辺一帯に4つの劇場が集中しているので、いわば系列の劇場と考えていただければ分かりやすいかと思います。

そんな訳で早速中に入ろうとしたら……ドラ○もんから送られた花が劇場入口に立てかけてありました(笑)
さすがジャイアンの劇団だ(笑)

ちなみにこのテアトルBONBON、初めて入ったので簡単な感想でも……。

席の数は……ざっと50~70くらいかな?
前2列がパイプ椅子席で、そこから後は固定されている座席。
最前と最後列の段差はそこまで無かったように思います。

そして舞台に目を向けると、客席との隔たりで段差はあまりなく、役者とほぼ同じ目線で観劇が出来ます。
しかし入場直後は気付かなかったのですが、この舞台、ある仕掛けがあります……。

これは前回拝見した「トラベラー」でも観た仕掛けですが、この仕掛けがこの劇団ならでは特徴なのでは無いかと思っています。
この仕掛けのおかげで、場面の転換が非常にスムーズで、また効果的な演出がなされています。
どういう仕掛けなのかは……まぁ実際に観て頂ければ分かると思います。

あとお時間に余裕がある方は、開演15分前には到着している事をオススメします。
面白いものが見れますよ。

さてあらすじといきたいのですが、このレポートを執筆している時点でロングラン公演中のため、ネタバレを極力しない方向であらすじに触れます。
最近、公演終了後の観劇レポートばっかだったから、うまく書けるかなぁ……(笑)



物語の舞台は阿佐ヶ谷。
駅から遠く離れた、阿佐ヶ谷最果てと言える地にそのボロ家は建っていた。

そこに住んでいるのは、かつて世間をにぎわした大家族。
しかし世間をにぎわした面影はなく、今はただひっそりと暮らしていたのだが……ある事情で家を手放すかもしれない危機に立たされる。

これはある大家族、そしてその大家族を見守る人たちの物語。

波乱万丈溢れる騒動の数々の先に待っていた結末とは……。



……こんなもんでいいですかね?(笑)
これ以上はもう書けない(笑)何故なら物語の核心に触れてしまうから(笑)

内容としては、家族をテーマにした舞台です。
ただ家族と言っても、そこには色んな人間模様があり、家族(特に親子、兄弟)間ならではの問題や、複雑な愛憎も入り混じっています。
一方で血が繋がっていない者同士の家族ではないけど、家族にも似たような人と人の繋がりや、暖かさとかも丁寧に描いています。

全編を通して家族の有り方、そして家族とはどういう存在なんだろうというのを投げかけている舞台だと私は感じました。

また演出面では、歌を中心にした構成が非常に目立ちました。
中盤はまさにHIP-HOP風ミュージカルの体裁を為していたと思えるほど、力が入っておりました。
座長である木村昂氏をはじめ、HIP-HOPに精通した出演者が多いので非常に見応えがある出来になっています。

前作「トラベラー」でもHIP-HOPを用いるシーンや、アイドルグループが歌うシーンが多用されていましたが、割合的には今回の方がその比率は高かったと思います。
恐らく今回の舞台の中でも、見所の一つだと思います。
もっとも純粋に出演者の演技を観たいという人からすれば、ちょっと比率が高すぎじゃない?と思われるかもしれないので、評価は分かれるかもしれません。

中盤の軽快なノリから、その後のシリアスな展開を挟み、終盤に向けてのなだれ込むような展開と息をつかせぬ展開であっという間の1時間50分程度の公演でした。



気になった出演者を挙げますと……。

やはり座長の木村昂氏。
ちょっとアクが強すぎるところもあるけど、大柄の体を軽快に動かして、全身を使って表現している姿がとても印象的でした。

また前回も拝見した野村龍一氏もいい。
前回演じた白井とキャラが通ずる者があるけれど(笑)あの手の曲者を演じさせたらうまいと本当に思いました。

あと今回のダブルヒロインと言っていいのかな?岩井七世嬢と柊瑠美嬢はどちらもかわいらしい(照)
メインヒロインとしての岩井七世嬢の正統派のかわいらしさと、裏ヒロインとしての柊瑠美嬢の変化球的なキャラクターは見てて面白かった。
仮に自分が中学生なら、男友達と「どっちが好み?」って論争になりそう(笑)

個人的に印象深いのは、梨里杏嬢。
劇中はセーラー服がとっても似合っていたし、劇中劇(?)で見せる演技の数々もインパクトあった。ちなみに調べたらまだ19歳か……若いけど上手いなぁ。

若いけど上手いといえば、若林時英君。
演技が上手かったのはもちろんだけど、若干13歳という事に更に驚き……時々、若い才能って羨ましくもあり、驚かされる。

そんな梨里杏嬢や若林君と主に絡んだのが、木村萌子嬢。
演技から優しさみたいなものが滲み出ていて、本当に素敵なおばあちゃんを演じてました。

……そして最後に今回のお目当て、村井みゆき嬢。
今回、出番が非常に多くて観ている側としては堪能させていただきました。
ここ数年の中では、一番、はっちゃけた演技だったように思うし、おっかさんをノビノビと演じていたと思います。
イメージ的には一昨年「アメリカ」で演じた小学生に、「思いの鳥」のおばあちゃんを足して2で割った印象(笑)
個人的にはここ数年、村井さんが演じた役の中では、一、二を争うレベルで好きな役でした。

他にも多くの出演者が出ておりました。
本当に個性がある方ばかりが出演しているのに、良くまとまっているという印象を受けました。
きっとここに紹介していない出演者以外にも、きっとあなたのお気に入りの出演者が見つかると思いますよ。



そんな訳でちょっと気になった、そこのあなた!

公演は4月29日まで絶賛公演中ですよ!

少しでも気になったなら、そしてジャイアンの中の人の演技を堪能したいなら……中野まで足を運んで損は無いですよ!

……そんな訳でようやく中日を過ぎようとしている「ウェルカム・ホーム」出演中の皆様……あと半分頑張ってください!
こっそり応援しております!(笑)



・天才劇団バカバッカ・公式サイト↓
http://www.t-bakabakka.com/